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COLUMN   2017/9/1

部下の育成のポイントはやる気にさせる「勇気づけ」

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部下を育成するために効果的なコミュニケーションには、人の成長を促すための心理学の視点も欠かせません。
 
今日はベストセラーの「嫌われる勇気」のベースとなったアドラー心理学から、部下を育成するコミュニケーションのヒントを学んでみましょう。
 
 
 

部下をやる気にさせる「勇気づけ」とは

 
2014年に発行され、日本だけでなく韓国でもベストセラーになった「嫌われる勇気」で紹介されていたことで、注目されているアドラー心理学。
 
自己啓発の祖とも言われるアドラーの心理学は、職場で部下の育成にも活用していくことができます。
 
そのポイントとなるのが、「共同体感覚」です。「共同体感覚」とは、わかりやすくいうと「仲間とのつながりや絆の感覚」で、職場での「所属感、共感、信頼感、貢献感」を総称したもので、この「仲間とのつながりや絆の感覚」を高めることが、困難な状況を克服する力になります。
 
つまり、職場で「仲間としてのつながりや絆の感覚」を高められれば、職場の社員・部下の成長を促すことができるのです。
 
アドラー心理学では、この「仲間としてのつながりや絆の感覚」を高めることで、困難を克服する力を与えることを「勇気づけ」としています。
 
それでは、具体的に部下の育成の現場でこの「勇気づけ」を行うにはどのようにすればよいのか見ていきましょう。
 
 
 

部下をやる気にする「勇気づけ」の3つのポイント


 
部下の「仲間としてのつながりや絆の感覚」を高めることで、困難を克服する力を与える「勇気づけ」。この「仲間としてのつながりや絆の感覚」を高めるコミュニケーションのポイントは3つあります。
 
それが、「所属感」「信頼感」「貢献感」です。
 
まず「所属感」とは、自分の居場所を感じることです。職場のなかで任されている仕事がある、存在を認められているなど、部下が「ここが自分の居場所だ」と思えるような環境づくりを心がけましょう。
歓迎会や新年会・忘年会、ちょっとした誕生祝いや社内の部活動など、仕事以外でも「職場に居場所があることを感じてもらう」仕掛けはできます。
 
次に「信頼感」とは、部下が周囲、特に上司であるあなたに対して持つ信頼のことです。
 
「どうも信頼されているとはいい難いのだけど…」という方は、まずは自分から部下を信頼することから始めてみませんか。部下から信頼されているとはいい難い関係であっても、まず自分が行動や考えを変えて部下を信頼してみれば、関係は変わってくるはずです。
 
最後の「貢献感」は、「自分が世のため、人のために役に立っている」という感覚です。
 
自分の仕事が誰の役にたっているのか、それがわかりにくいとなかなかやる気は持続しません。反対に、自分の仕事が誰かの役に立っていることがわかれば、それがやりがいになり、やる気につながります
 
「お客様の喜ぶ顔が見える」のは最も貢献感を感じやすいですが、職場の人に喜ばれる、上司に感謝されるということでも、この「貢献感」を強く実感することができます。
 
そして実際の職場では、この3つのポイントを押えた「声かけ」によって、上司が部下のやる気を刺激し、勇気づけて部下を育成していくことができます。次に、その「声かけ例」を見ていきましょう。
 
 
 

部下の育成につながる「勇気づけ」の声かけ例

 
部下が、職場に自分の居場所がある(所属感)と感じ、周囲の上司や同僚を信頼でき(信頼感)、自分の仕事が誰かの役に立っていると感じられる(貢献感)には、たとえばこのような声かけが効果的です。
 
 
「この件は○○さんに任せるから、お願いね」(『任せる』=信頼感)
「○○さんのおかげで助かっているよ」(『○○さんのおかげ』=貢献感)
「この前の資料、役に立っているよ」(『役に立っている』=貢献感)
「○○さんのさっきのお客様への対応、すごくよかったよ」
(貢献感、自分の仕事を誰かが見てくれているという所属感)
 
 
このように「任せる」「おかげ」「役に立っている」と部下を認める声かけをすることで、「仲間としてのつながりや絆の感覚」を高めていくことができるのです。
 
こうした言葉は、部下の仕事をよく見ておかないとなかなか出てこないかもしれませんが、一言で所属感、信頼感、貢献感を高める声かけもあります。それが
 
「○○さん、いつもありがとう」
 
という感謝の言葉です。「ありがとう」という言葉には、相手の存在を認め、相手を信頼する気持ち、役に立っていることを伝える気持ちが全て込められます。
 
たった一言ですが、このようにアドラー心理学の視点からも効果が大きいのが「ありがとう」です。使うことで部下の育成にどのような変化が起きるか、試してみる価値は大いにあるでしょう。
 
 
 

やる気をなくす「勇気くじき」のコミュニケーションとは?

 
そしてアドラー心理学では、やる気をなくし、困難を克服する活力を奪ってしまうような「勇気くじき」も紹介しています。
 
最後に部下の育成という視点ではできるだけ避けたい、しかし、意外にやってしまいがちなこの「勇気くじき」についても確認しておきましょう。
 
やる気を失い、困難を克服する力を失ってしまう「勇気くじき」には3つのパターンがあります。
 
それが、「高すぎるハードルの設定」「達成できていない部分の指摘」「人格否定」です。
 
高すぎるハードルの設定」は、部下のやる気を失わせます。たとえば、現在の実績が月間1000万の売上の営業に対して、「来月から目標は8000万」とハードル設定しても、それを目指して頑張れる人はなかなかいないでしょう。
 
人は目標が高すぎたり、難しすぎたりすると、「どうせ頑張ってもできないし」とあきらめて、絶望してしまうからです。
 
 
達成できていない部分の指摘」も、上司がよくやってしまいがちな行動です。できない部下に対して、
 
「どうしてこんなこともできないんだ?」
「何でこんなに簡単なミスをするんだ?」
 
など「できていないこと」を指摘してしまっていませんか。
 
上司部下に限らず、人は「なぜできないんだ?」と指摘されると、なんとなく不快感を持ってしまいます。その不快感は、信頼関係、人間関係を築く上で決してプラスにはなりません。
 
また「どうして?」と、聞かれると、その場を取り繕うためのつじつま合わせの場当たり的な返答をする可能性も高く、問題の根本解決にならないこともあります。
 
人格否定」も、部下のミスや失敗に対して上司がついやってしまいがちな言動の1つです。
 
「だからお前はダメなんだ!」
「どうせお前なんか何をやってもできないんだから」
 
など部下の人格を否定するようなセリフを言ってしまっていませんか。
このように仕事の失敗だけでなく、人格まで否定してしまう言葉は、部下の自信を傷つけてしまいます。さらに、「だからお前はダメなんだ!」といったところで、部下が発奮してやる気になるとは考えにくく、その言葉を発した上司への尊敬や信頼の気持ちも減っていきます。
 
感情的になってつい、ということもあるかもしれませんが、これはストレス発散と引き換えに、失うものが多い言動でもあることをぜひ忘れないようにしましょう。
 
このように部下のやる気をなくし、困難を克服する活力を奪ってしまう「勇気くじき」はできるだけ避けたい行動です。
 
もし思い当たる行動があれば、ぜひ見直してみましょう。