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COLUMN   2017/9/11

新卒採用の内定辞退|中小企業でも辞退されないフォローのコツ

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2018年卒で民間企業に就職を希望する大卒・大学院卒の学生は、約42.3万人。全国の民間企業の求人総数は、前年の73.4万人から75.5万人へと2.1万人増加し、以前として売り手市場が続きました(リクルートワークス研究所 「大卒求人倍率調査」(2018年卒))。
 
売り手市場の採用難の時代には、内定が優秀な学生に集中しがちなため、中小企業にとっては内定辞退対策が欠かせません。
 
では、ぜひ入社してほしい学生に内定辞退をされないためには、どのような対応を心がければよいのでしょうか。優秀な人材の内定辞退を防止した、ある中小企業の事例を元にそのポイントを紹介させていただきます。
 
 
 

辞退を考えた彼女が「入社」を決めた理由

 
A社は、従業員約70名、売上高15億の精密部品の金型開発・プレス加工メーカー。高い技術力を持ち、売上も堅調で海外販路の拡大にも積極的ですが、学生の知名度はほとんどありません。合同企業説明会でも、声をかけなければ学生が集まらないような状況でした。
 
そのA社の内定者の1人のBさんは、都内の有名大学に在学し、留学経験もある非常に優秀な学生。「英語を活かした仕事がしたい」という彼女の希望と、「海外販路開拓に力を入れたい」というA社の思いが一致し、BさんとA社の社長が高校の同窓生だったこともあり、選考プロセスでも大いに話は盛り上がりました。
 
ところが、Bさんは他社からも内定を獲得。彼女に内定を出したのは、A社よりも規模が大きく、福利厚生などの制度も整っているC社でした。
 
出産しても働きたいと考えていたBさんは、育児休暇制度が整っていて育休取得事例もあるC社に強く惹かれました。A社に魅力を感じていたものの、A社は規模も小さく育児休暇制度のなかったため、Bさんの入社意欲はC社に傾き始めてしまったのです。
 
Bさんは、それまでの選考過程で率直なコミュニケーションができる関係ができていたA社に、C社と迷っていることとその理由を素直に伝えました。
 
するとA社も、同窓生である社長自らBさんを積極的にフォロー。電話だけでなく、直接Bさんに会って彼女が何をやりたいと思っているのか、どんな働き方をしたいと思っているのか、丁寧に聞いていきました。
 
確かにうちは小さく、制度も整っていない。僕は高校の先輩として、Bさんに悔いのない就職活動をしてほしいと思うから、Bさんのやりたいことができるなら、どちらでも僕は応援したい」と社会人の先輩としてBさんの思いを受け止めた上で、
 
「でももし、うちに決めてくれるなら、Bさんが働き続けられるように制度を作る。だから一緒に制度を作っていってほしい」
 
とBさんへの思いと入社への期待を語りました。
 
結果、Bさんは規模も大きく制度も整ったC社の内定を辞退し、A社に入社を決めます。Bさんに入社を決めた理由を聞くと、
 
「私の話を本当によく聞いてくれて、私の立場にたってアドバイスをしてくれて、制度を作るとまでいってくれました。ここまで私の話を聞いてくれるこの環境で、ぜひ働いてみたいと思ったんです」
 
と答えてくれました。
 
 
 

ポイント1:学生から「相談できる人」と思われているか


 
この事例は、内定辞退を防ぐ重要な2つのポイントが含まれています。その1つめが、「学生が進路を本音で相談できる関係ができていた」ということです。
 
採用担当者が、選考過程でのコミュニケーションを通じて学生から「この人には進路のことを本音で相談できる」と思ってもらえれば、「内定辞退をする前の迷いの段階」で相談してもらえます。
 
Bさんのように、どんな会社に内定して、どんなポイントで迷っているのかまで詳しく話してもらえることは難しいかもしれませんが、兆候に気づくことはできるでしょう。
 
もし学生から辞退の意志が強くなる前に相談してもらえれば、話をじっくり聞いたり、他の社員に会わせたりするなど、辞退防止策を練ることができます。
 
中小企業は、大企業のように応募者数が多くないからこそ、1人1人の学生としっかり向き合った丁寧なフォローに時間をかけられます。採用フォローでは、A社のように「学生に相談してもらえるような関係作り」を目指しましょう。
 
その関係作りで極めて重要なポイントになるのが、こちらです。
 
 
 

ポイント2:学生の立場で学生を理解しようと努力しているか

 
それが学生の立場に立ち、学生を理解しようと努力しているかどうかです。企業情報も一方的に伝えるのではなく、学生の話を傾聴し、学生が何に興味・関心を持っているのかを確認した上で、その興味・関心に合うような情報提供を心がけましょう。
 
特に内定辞退の相談や連絡をもらった局面では、その姿勢が重要です。
 
「あの会社よりも、うちの会社のほうが絶対にいい」
「うちの会社のほうが絶対にあなたのやりたいことができるはず」
 
と学生の選択を否定したり、決めつけたり、相手の会社の悪口を言ってしまうようなアプローチをしてしまっていませんか。それでは、学生の心はますます離れてしまいます。
 
A社の社長のように、学生の立場や考えを認めた上で、学生の興味・関心が自社でも叶えられること、学生にとって最善の選択であること、それでも入社してほしい理由などを客観的に伝えるほうが、学生の心にその情報が響くでしょう。
 
 
 

内定辞退に最も有効なのは「相手への理解と共感」

 
このように学生の立場に立って学生を理解し、共感しようとする姿勢が内定辞退を防止するためにとても有効となります。
 
選考過程で採用担当者が学生に1人の人間としてしっかり向き合い、可能な限り丁寧に関係を築ければ、学生は「この会社は自分にきちんと向き合ってくれる」と感じます。
 
それが、「自分のことをわかってくれるこの会社なら、自分らしく働けるだろう」と入社を決意する要因にもなるのです。
 
2016年卒採用では、内定を出した学生に就職活動を終了することを強制する「オワハラ(就職活動終われハラスメント)」が問題になりました。学生に何かを強制したり、研修などで束縛したりすることで、内定辞退防止に一定の効果を得られるかもしれません。
 
しかしその結果、学生はどのように感じるでしょうか。そうして入社した学生は、本当にイキイキと働けるでしょうか。
 
「強制」や「束縛」ではなく、「理解」と「共感」でつないだ学生は、「自分のことを理解してくれている」と職場を信頼でき、安心して能力を最大限に発揮することができるでしょう。
 
A社に入社したBさんは、海外営業として入社1年目から伸び伸びと仕事をし、活躍していました。内定辞退を防ぐ学生への「理解」と「共感」は、学生の入社後の活躍にも繋がっていくのです。