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COLUMN   2018/12/25

ゆとり世代の新入社員の育て方【前編】実は難しくない接し方のコツ

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自分たちとは全く異なる価値観を持つゆとり世代の新入社員に、どう育てていいか、どう接していいかわからないという声をよく聞きます。
 
今までの常識が通じない。
言われたことしかしないし、行動は全て受け身。
すぐ周りのせいにする。
 
ゆとり世代のそんな言動をストレスに感じてしまうこともあるかもしれませんが、彼らが育ってきた社会背景を考えれば、彼らの言動も理解でき、接し方のコツも見えてきます。
ゆとり世代の新入社員の育て方に戸惑ったら、まずはこんなふうに彼らを理解することから始めてみませんか。
 
 
 

ゆとり世代の新入社員が育ってきた社会環境を考えてみる

 

 
「受身で言われたことしかしない」
「失敗を極端に恐れる」
「他責傾向が強く、すぐ周りのせいにする」
「違う年代とのコミュニケーションが苦手」
 
このように言われることも多いゆとり世代ですが、このような特徴があるのも理由があります。それを理解するためにも、彼らが育ってきた社会背景を振り返ってみましょう。
 
ゆとり世代の定義や範囲については諸説あり、明確ではありませんが、だいたい1987年度から2003年度に生まれた世代を指すようです。
彼らが育ってきた社会は、少子化が進むなかで「6ポケット」といわれるように、両親とその両親の6つの財布があり、1人の子どもにかけられるお金は増え、社会には習い事、塾、様々な体験教室など、子ども向けの商品・サービスが溢れていました。
 
ゲームもスマホも常に身近にあり、欲しいものは「6ポケット」ですぐに買ってもらえる。自分の欲求を満たすために何かを工夫する必要など、ほとんどなかったかもしれません。
 
さらに学校では、
 
「競争して、ビリになってしまう子がかわいそう」
「それでいじめにでもなったらどうするの?」
 
という保護者の要望に応えて、運動会から徒競走をなくしたり、
 
「1人の主役が目立つなんて不公平」
 
という保護者の要望に応えて、学芸会の劇では主役の桃太郎は3~4人が一緒に(または交代で)台詞を言ったりと、現在40代以上の世代には信じられないことが当たり前に行われています。
 
親の心配と要望に学校が応え続けた結果、「他人と競争する」機会をなくし、「極力公平になるように」「みんな同じ」という環境で、ずっと学校生活を送ってきているのです。
 
このように学校環境もずいぶん変わりましたが、家庭での子育ても「褒める子育て」を推奨する風潮のなか、「子どもは褒めて育てるべき」と子どもを叱らない親が増えました。保護者がそういう考えであれば、学校の先生も子どもたちを厳しくは叱れません。私も子どもがいますが、小学校の先生も中学校の先生も自分が子どもの頃と比べれば、とても優しくなったと思います。うっかり叱ったら、保護者からクレームが来るかもしれないからかもしれません。
 
そしてこの世代は、メールやLine、SNS、オンラインゲームが発達した環境で育った、「対面以外のコミュニケーション」に慣れている世代です。そこで皆に認めてもらえるよう、「いいね!」してもらえるよう、SNS映えする工夫をしつつ、嫌なことがあったら、相手をブロックしたり自分がその場から退会したりして、オンライン上のつながりを絶てばすみます。
 
こうした社会環境で育ってきて、新入社員として初めて、親も先生も守ってくれない、「褒める」が前提ではない環境で、LineやSNSではなく「対面のコミュニケーション」をベースにした、自分の責任が求められるようになった。
 
それが今の状況なのです。
 
 
 

育った社会環境を理解して、「仕方ないか」から始めてみる

 

このように彼らが育ってきたこの環境は、ゆとり世代以前の世代が育ってきた環境と全く異なります。
 
育った環境が違うのですから、価値観も違って当たり前。そう思うと、自分が若手だったころの根性論や精神論は全く通用せず、自分の常識はゆとり世代にとってはもはや常識ではないことも少しは納得できませんか。
 
たとえば、「受け身な姿勢が多い」というのも、今まで親がいろいろとやってきてくれた世代なんだから無理もありません。
 
「運動会のかけっこで1番になりたい」
「学芸会の劇で主役になりたい」
 
という人と競い合う経験は、目標に向かって頑張る気持ちや積極性が育てる機会になりますが、「みんな同じ」をよしとする環境できているのですから、学校生活で積極性が育つのも難しかったのかもしれません。
 
「他責傾向が強く、すぐ人のせいにする」のも、「あなたは悪くない」と褒められ、あるいは親に褒められるように努力をし、叱られずに育ってきたと思えば、「自分が何か悪いことをしたのかもしれない」と反省する機会にも恵まれなかったのも無理はありません。
 
「年長者とのコミュニケーションに慣れていない」とも言われますが、ゆとり世代に限らず年長者とのコミュニケーションに若い世代が慣れているということはいつの時代もそうはないと思います。ただ、以前は地域や学校、家庭など様々な場面で「年長者から何かを教えてもらう」という場面があって、そこで「接し方」や「年長者に接する必要性」がありました
 
しかし、地域社会とのつながりは薄れるといわれる今、地域の年長者との接する機会は減少し、わからないことはインターネットで検索すればいいので、年長者に聞く必要もありません。「慣れていない」のではなくて、「年長者とのコミュニケーションの機会がなく、必要性を感じなかった」「そして必要性は今も感じていない」のではないかと思います。
 
「叱ったらすぐ辞めてしまう」のも、今まで叱られることに慣れていないからです。だから叱られて気分が悪くなるような煩わしい関係は、SNSでそうしてきたように「自分がその場から離れること」で切ってしまえばいいと思ってしまうのも無理はないでしょう。
 
今までそうしてきて特に問題なく、誰も「それは違う」と言わなかったならば、職場の人間関係に対して同じように考えても、彼らにしてみれば「なぜいけないの?」なのかもしれません。
 
 
 
いかがでしょうか。
 
これだけ育った社会環境が違うのだから、常識が違うのは仕方がない。そんな気持ちが持てれば、違いを認める気持ちも生まれてきませんか
 
「何で常識が通じないんだ」ではなく、「常識が違うのは仕方ない」とゆとり世代を認める気持ちを持つと接し方は変わってきます。そしてその常識が違うのは、決して目の前のその新入社員のせいではなく、育ってきた環境が影響しているのです。
 
ゆとり世代の新入社員を育てるには、このようにコミュニケーションのスタンスを変えることが大切なのではないかと思います。
 
では、スタンスを変えて、相手を認める気持ちを持ったときに、どんな育て方をすればいいのか。次回後編では、このポイントについて考えてみたいと思います。