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COLUMN   2019/1/17

ゆとり世代の新入社員の育て方【後編】ゼロベースで考える社会人教育

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自分たちとはあまりにも常識や、そもそもの前提条件が異なるゆとり世代の新入社員。
 
前編」ではそのゆとり世代が育ってきた社会環境から、「常識が通用しない」ともとれる彼らの言動の背景を振り返ってきました。
 
育ってきた社会環境が異なるのだから、常識やそもそもの前提条件が違うのは仕方がない。そう思い、ゆとり世代の考え方や価値観を間違っていると一方的に決めつけず、彼らなりの価値観を認めたら、ゆとり世代の新入社員との接し方も変わってきませんか。
 
「価値観の違い」を認めることから始めたら、新入社員の育て方は何が変わっていくのか。後編ではそのポイントについてまとめてみたいと思います。
 
 
 

「常識は同じではない」とゼロベースで接する

 
目玉焼きにかける調味料は、「しょうゆが常識」という人もいれば、「ソースが常識」という人もいます。しょうゆ派も、ソース派も同じように言い分があり、お互いに「しょうゆ(ソース)をかけるなんて信じられない」と思っているでしょう。
 
職場のマナーや社会人としてのルールに関する常識も、世代によってはこれくらいの差があります。
 
以前、知人と話したときに、「職場の新入社員が、新入社員のくせに電話を全然とらない!」と憤慨していました。しかし、新入社員にとっては「新入社員は電話をとらなければならない」というルールは常識ではなく、また1人1人が携帯電話を持つことが当たり前で、固定電話がない家庭も増えた現代では、なぜ新入社員だからといって他人にかかってきた電話をとらなければならないのか、その必要性もわからないのかもしれません。
 
別の知人は、「人から教えてもらうのに、メモを取らない」と怒っていましたが、今や必要なことはスマホで検索し、覚えておきたいことは写真を撮って画像を残しておけばいいのですから、「メモを取る」のが必要な場面など今までなく、「メモを取れ」と指摘されたこともなかったのでしょう。
 
「社会人としては、これくらい常識」は、このように細部に至るまで人によって違います。
 
自分の常識とは異なる新入社員の言動に、「これくらい常識じゃないの?」と怪訝に思い、怒りを感じたら、前編でご紹介させていただいたような「彼らが育ってきた環境」を想像してみてください。
そして「今までそういうことを学ぶ(知る)環境がなかったのは、彼らだけのせいではない」と理解し、「今」がそれを学ぶ機会になるよう、「なぜそれをしなければならないのか」という必要性や背景を丁寧に伝えていきましょう。
 
ただし、20数年間その必要性を感じずに生きてきたのですから、「今」初めて知るその「必要性」に対し、すぐに理解して、行動が改善できる人ばかりとは限りません。時には根気よく伝え続ける必要がありますので、それも念頭においておきましょう。
 
 
 

どうしてそう考えるのか、新入社員の話を聴く

 
人間関係では、自分の話をきちんと聞いてもらおうと思ったら、最初に相手の話をしっかり聞くことが大切です。
 
現場では、毎回新入社員の話を聞いているほど余裕はないかもしれませんが、自分の常識とあまりにもかけ離れていると思った言動があったときこそ、どうしてそのような行動をするのか、どういう考えからその行動にでたのか、頭ごなしに怒らずに叱らずに新入社員の話を聞いてみましょう
 
「それはありえない!」と思うようなことがあっても、途中で話を遮らずに最後までしっかり聴けば、どこがズレているのか、何を理解してもらい、どう伝えれば新入社員が理解して行動が変わるのか、も少し見えてくるかもしれません
 
 
 

「教える」「叱る」の一方通行ではなく、時には考えさせる


 
現場では業務のやり方や手順を教えて、まずはその通りにやってもらい、仕事を覚えてもらうのが基本です。
 
現在の業務のやり方や手順になった背景には、それなりの理由があるかと思いますので、可能であればできる限り、そうした背景も合わせて伝えていきましょう。さらに余裕があれば、「どうしてこうやっていると思うか?」など質問を投げかけ、新入社員に「深く考える機会」を与えていきましょう
 
わからないことをネット検索で済ませてきた世代は、物事を深く考えることに慣れていません。それを「今の若者は物事を深く考えない」と嘆くのではなく、「今」が深く考える機会となるように、「やり方を教える」だけではなく、「なぜそうなっているのか?」と「考える機会」を作っていきましょう。
 
またミスをした時も、叱られた経験が少ないからこそ、「何を熱くなっているの?」と真剣に受け止めなかったり、「それなら辞める」と辞めてしまったりと、「叱られて反省する」というこちらが想定している以外の反応をしてしまいます。
 
これは見方を変えれば、こちらの意図していることが伝わらないミスコミュニケーションでもあります。それを避けるためにも、一方的に叱るだけでなく、「どうしてこのような結果になってはいけないのか?」「ミスを繰り返さないためには、どうしたらいいのか?」と投げかけ、コミュニケーションを双方向にし、新入社員に「考える機会」を作り、このミスを成長の機会にしていきましょう。
 
 
 

諦めずに、ゆっくりとコミュニケーションを

 
「どうして、こうなるかな(怒)」
「これだからゆとり世代は…(溜息)」
 
新入社員に対してそう思う場面があれば、それは「こちらが期待している、あるいは当たり前と思っている常識や価値観を育む環境」がなかったためです。そしてそれは本人を責めてもどうしようもなく、その常識や価値観が会社で仕事をする上で必要なものであるならば、「今」を、それをゼロから学ぶ機会にするしかありません。
 
価値観が出来上がった大人になってからの学びは、「教える」という一方通行のコミュニケーションではなく、相手の意見や考えも聞きながらあるべき方向に導いていく双方向のコミュニケーションが必要となります。
 
「これだから今の若者は…」と決めつけず、「理解できない」とさじを投げず、物事の必要性を学べるように、諦めずにゆっくりとコミュニケーションを積み重ねていきましょう。