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COLUMN   2017/6/22

部下の叱り方で信頼関係を壊す人・築く人

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新入社員が本配属となり、現場での仕事が始まると叱ることが必要な場面も多くなってきます。しかし、
 
「物わかりのいい上司でいたい」
「若い社員から嫌われたくない」
 
そんな思いから、部下に気を遣ってしまい叱ることができない・・・という管理職も増えてきているようです。
 
確かに「褒めて伸ばす」ことは重要ですが、褒めるばかりでは人も組織も成長しないばかりでなく、お互いに信頼関係を築くこともできません。
 
「叱る」のは、褒めるのよりも難しいかもしれませんが、「叱る」という行為を通じて、部下の成長を促すのはもちろん、信頼関係を築くこともできます。一方、叱り方を間違えば信頼関係を壊し、部下のモチベーションを低下させてしまうことになります。
 
部下を叱って信頼関係を壊す人と築く人。そこには、どのような違いがあるのでしょうか。
 
 
 

 

部下を叱って信頼関係を壊してしまう人とは?

 
叱った後の部下の反応として、こんな経験はありませんか?
 
・さらに態度が悪くなった。
・関係が気まずくなった。避けられるようになった。
・ますます、話を聴いてくれなくなった。
・すっかりショックを受けて落ち込んでしまっている。萎縮してしまっている。
・ますます報告がなくなった。コミュニケーションが減った。
 
このように、叱ったことで信頼関係を壊してしまう人には、こんな共通点があります。
 
 
1)「正論」で相手を責める
 
「お前は訪問件数が足りないから、売上目標を達成しないんだ」
「そんな仕事の仕方だから、業績が上がらないんだ」
 
言っていることは確かに正しい。誰も反論はできない。そんなぐうの音も出ないような正論で、部下を叱っていませんか。
 
そんなときは「自分は正しいことを言っている」自信から言葉が止まらなくなり、「叱る」から「責める」にいつの間にか変わってきてしまいます。
 
これは「自分は絶対に正しい」という気持ちが強い人や、プレーヤー時代に圧倒的な業績を上げて自分の成功パターンに自信を持っている人ほど陥りがちなパターンです。
 
その問題に対して自分が持っている知識や考え方を気のすむまで展開し、相手が何か言えば反論して、自らの考えを受け入れさせるまで演説は止まりません。
 
それは言い分を聞いてもらえない部下にとっては、「ひたすら責められる」時間でしかありません。
上司が言いたいことを言い終わって気分がスッキリした頃には、部下の心はすっかり折れて離れてしまっているのです。
 
 
2)感情的に「怒る」
 
「怒る」と「叱る」には決定的な違いがあります。
 
自分のために怒る。相手のために叱る」という言葉がありますが、「怒る」とは自分の感情を相手にぶつける「自分のための行為」であり、「叱る」とは相手の問題点や改善点を指摘する「相手のための行為」です。
 
「そんなのわかっている」と普段は思っていても、実際に部下の失敗やミスに直面し、感情的にカッとなってしまった時にはすっかり忘れて「怒って」しまっていませんか。
 
感情的に怒っても部下は、萎縮するか、「うるさいな」と思って聞き流すか、「何でそんなに怒っているの?」と不思議に思うかです。
 
人間だから怒ることもあります。怒ることが悪いのではありません。でも「怒り」をそのままぶつけても、プラスになることは何もないのです。
 
 
3)「人前で」「長々と」叱る
 
また人前で長々と叱ると、叱責の内容に加えて「人前で恥ずかしい思いをした」という気持ちが残ります。また、長々と叱責を聞かされる職場全体の雰囲気も悪くなります。
 
ただ、マナーや会社のルールに反する行為など、人前だろうと「その場で」叱らなければならないケースももちろんあります。その時には「短く一言で」を心がけましょう。
 
 
1)~3)に共通するのは、相手の状況や立場を考えず自分の感情や立場だけで叱ってしまう、「自分目線」になってしまっていることです。
「相手目線」がなく、「自分目線」になってしまえば、メッセージは一方通行になります。だからその後に信頼関係が壊れてしまうのも、無理はないのです。
 
 
 

部下を叱って信頼関係を築く人とは?

 
では、信頼関係を築き、部下の可能性を伸ばし、組織の雰囲気もよくなり業績も上げていくという好循環を生む「叱り方」はどのような叱り方なのでしょうか。
 
1)「なぜそうなったのか?」を質問しプロセスと考えを確認する
 
叱ることが必要な時こそ、語りたい気持ちをぐっとこらえ「なぜそうなったのか?」「どうしてそうしたのか?」と落ち着いて部下に質問をしましょう。
 
スポーツでも優れたコーチは、負けた試合の結果を追求するのではなく、原因を解明し、原因から直すと言われています。
 
部下の行動のプロセスや考えを確認すれば、問題の根本が見え、適切な対処法をとることができます。
また、「自分の言い分を聞いてもらえた」という納得感があれば、間違いにも気づきやすくその後のアドバイスも受け入れ易くなります。
 
今後どうすべきかについても持論を展開するのではなく、「お前はどう考えているんだ?」と質問し、考える機会を与えましょう
 
ただし、質問でも「どうしてそうなるんだ!」と感情的になってしまうと、部下はもっともな言い訳を探そうとするか口を噤んでしまうので逆効果です。
 
 
2)論理的に業務上についての課題を話す
 
「なぜいけないのか」は、できる限り論理的に筋が通るように伝えましょう。「叱る」ことの目的は、部下が現状の問題点に気づき、行動を変えて成長していくことにあります。
 
そのためにも、組織の理念や目指すべき状態や目標を伝え、そこから自分が離れていると納得できるように論理的に冷静に説明することが大切です。
 
ただし、どんなに論理的でも「お前の失敗で俺の評価が下がる」のような上司の自己弁護や、「だからお前はダメなんだ」という部下の人格を否定するような言葉は逆効果となります。叱るときは、業務上の課題についてのみ、が鉄則です。
 
 
3)叱った後には必ずフォロー
 
そして、忘れてはならないのが叱った後の「励まし」です。叱っておしまいではなく、「頑張れよ」「期待しているから」の一声を笑顔でかければ相手の心象は全く異なってきます。
 
京セラの創業者の稲森和夫氏が部下を叱るときは、「何故叱るのか?」について懇々と理由を述べた後、最後には必ず「わかったな、あとは頑張れよ」と笑って声をかけるそうです。
 
稲森氏に叱られた部下も、その笑顔に叱られた気持ちも晴れて頑張ろうという気になるのだとか。
 
叱る目的は、失敗や業績不振などに対する自分のイライラを解消するためでなく、部下がその理由に気づき、行動を変えていくことにあります。
 
そのためにも、どうしたら部下に気づいてもらえるか、行動を変えてもらえるかという「相手目線」が大切になってくるのです。
 
 
 

部下の叱り方で重要なのは「相手目線」

 
部下との信頼関係を壊す叱り方・築く叱り方の違いは、「叱る」ときの上司のメッセージやスタンスが、「自分目線」か「相手目線」か、ということにあります。
 
「自分目線」では、メッセージが伝わらないどころか信頼関係が壊れてしまいます。反対に「相手目線」ならば「叱る」ことを通じて、信頼関係を築かれていきます。
 
ただし「相手目線」だと思っていても、実は独りよがりの「自分目線」になってしまっているのが、コミュニケーションの難しいところです。マネジメントが「自分目線」になってしまっていないか、時には落ち着いて自分を客観視する機会を作ってみてください。