部下のやる気がないのは自分のせい? 上司の恐るべき影響力

部下のやる気がないのは自分のせい? 上司の恐るべき影響力

部下のやる気がないのは自分のせい? 上司の恐るべき影響力 640 425 株式会社アールナイン

どうにもやる気がない部下。それは、本人の能力や性格によるものだと思い込んでいませんか。

もちろんそれが大きな要因であることもありますが、やる気がなくなるのは、本人の能力や性格の影響だけではありません。

「こんな上司と一緒に仕事なんてやっていられない!」と上司に幻滅して、それまで仕事に熱心に取り組んでいた社員でさえ、「上司のせい」でやる気を失うこともあるのです。

「自分の部下はどうも、やる気がない奴ばかりだ」
「自分の部署はいつも活気がない。これだから最近の若い者は…」

と思っていたら部下を嘆く前に、自分の行動を振り返ってみませんか。もしかしたらあなたの言動が、部下のやる気を失わせる元凶になっているかもしれません。

「仕事は大好きだった…」彼女のやる気がなくなった理由

メーカーで経理を担当していた20代のTさん。彼女は経理の仕事が大好きで、やりがいと責任を感じていました。

「仕事を任されていたので、残業することも多かったのですが、少しも苦になりませんでした」というTさんでしたが、上司が異動し、新しい上司と仕事をするようになると、仕事を苦痛に感じるようになってしまいました。

「以前の上司は尊敬できる人だったので、『自分もあの人みたいになりたい』という気持ちから、大変な仕事を任されても、残業しても、むしろ頑張ろうと思えました。しかし、新しい上司は仕事にやる気がなくて、すぐに責任逃れをしたり、その場しのぎで適当な判断をしたりと、全く尊敬ができないタイプこんな上司と一緒に仕事をしなければいけないのかと思うと、本当に嫌で、週末が待ち遠しくなるようになりました。休み明けなんて、憂鬱でしたね」

このように、彼女のやる気は上司が変わっただけで大きく変わってしまいました。

Tさんの例のように、仕事が好きでやる気のあった優秀な社員でさえ、上司次第でそのやる気を失ってしまうことがあるのです。では、「部下のやる気を失わせる上司」とはどんな上司なのか。Tさんはその他の事例をもとに、そんな上司の共通点をご紹介したいと思います。

 

1.ネガティブ発言が多い上司

「どうせやっても無駄だよ…」
「こんな業績ではうちの部署は存続できない」
「だからうちの会社はダメなんだ」

と仕事に対してつい、ネガティブな発言をしてしまっていませんか。上司のネガティブ発言や、仕事に対する否定的な姿勢は部下のやる気も奪ってしまいます。同じ内容でも、

「できるかどうかわからないけど、やってみよう」
「うちの部署が存続できるような業績をあげるために、どうしたらよいか考えよう」
「うちの会社はどうすればよくなるかな」

と前向きに表現すれば、印象は大きく変わりますし、「どうしたらよくなるか」の答えを見つけるために、部下もやる気を出すようになるかもしれません。

多くの場合、ネガティブ発言は無意識のうちに口から出てしまうので、自分ではなかなか気づきにくいものですが、「どうせ」が口癖になっていたら要注意です。自分の発言をポジティブな表現に言い変える努力をしてみましょう。

2.「だからダメなんだよ」と部下の人格否定をする上司

仕事ができない部下、やる気のない部下に注意するとき、どのような言葉を使っていますか。

「お前には、この仕事は向いていない」
「嫌なら、辞めてしまえ!」
「だからお前はダメなんだよ」
「本当に使えない奴だな」

と、このような言葉を使ってしまったことがあったら、それが部下のやる気がない原因になってしまっていることもあります。

これらの言葉は、部下の人格を全否定する言葉です。日常の部下とのコミュニケーションから、信頼関係がある上での叱責であれば、「それでもこの人に認めてもらいたい。」と発奮する言葉になりえますが、信頼関係がなければそうはいきません。

仕事のやり方はその人の人格の全てではありません。仕事ができないからといって人格まで否定してしまうと、「なんでここまで言われなきゃいけないんだ。」「どうせこの上司はわかってくれない。」とやる気を失い、最悪の場合は会社も辞めてしまうかもしれません。

仕事の成果と人格は別です。また、仕事ができないことをどれだけ責めても、部下を非難するだけではできるようにはならないことにも早く気づきましょう。

3.「どうしてできないんだ?」と原因ばかり追及する上司

仕事で失敗やミスがあった時や、なかなか業績の上がらない部下に対して、「どうしてできないんだ?」「どうしてこうなったんだ?」「誰のせいだ?」と原因や責任の追及に全力を傾けてしまっていませんか。

もちろん、失敗やミスの原因をきちんと調べることはとても重要です。しかし、原因や責任をいくら追及したところで、次にできるようにはなりません。失敗やミスを繰り返さないためには、「どうしたらできるようになるか?」という視点で考えることが必要だからです。

上司が原因や責任を追及すると、部下は緊張し、萎縮してしまいます。人は緊張して委縮した状態では、本来の能力や良さを発揮できません。また、緊張し委縮した状態が続いては、仕事に対するやる気がなくなって当然です。

部下には「どうしてできないんだ?」ではなく、「どうしたらできるようになる?」を問いかけるようにしましょう。

4.仕事をつまらないと思っている上司

上司自身が仕事に熱意を持ち、全力で仕事をしているならば、上司のやる気は部下にも伝播していきますが、上司があまり仕事熱心でなければ部下のやる気もそれ相応になっていきます。

実は自分自身も仕事がつまらないと思っている。そんなに仕事も好きではない。それは、口で言わなくても態度で部下にきちんと伝わっています。「上司が仕事をしない」というのは、上司への不満としてよくあることだとご存知でしょうか。

部下のやる気を気にする前に、自分自身が真摯に仕事に向き合っているか、確認してみましょう。

5.自分の価値観を押し付ける上司

「そんなのは知っていて当然だ」
「こんな簡単なこともできないのか」
「この場合は、そんなやり方はしないのが常識だ」

など、自分の考え、価値観が世の中の常識で絶対的に正しいと思っていませんか。もちろん、多くの場合はそうかもしれませんが、常識や価値観は人によって異なります。「簡単なこと」のレベルも人によって違います。

部下が意見する余地が少しもないと、「自分の意見は聞いてもらえない」とやる気を失うきっかけになってしまいます。自分の考えを押し付けている気は全くなくても、「こんなの常識だ」と言われれば、それを常識だと思っていなかった部下は上司から「押し付けられた」ように感じるものです。

自分が「当然」「常識」と思っているようなことでも、「認識が違うことがあるかもしれない」と部下の意見や考え、認識を確認する余裕を持ってみましょう。

 

「あの人みたいになりたい」が強力なモチベーションになる

部下が上司に対して、あの人みたいになりたいと思えれば、強力なモチベーションになります。少々の困難も乗り越えて、目指す上司に近づくために頑張れるようになるでしょう。

また、そうした「尊敬」の思いでなくても、上司が仕事や部下に対して真摯に向き合っていれば、何とかこの人の役に立ちたいという気持ちが部下にも生まれてくるようになります。それも部下のやる気に繋がります。

反対に、「こんな上司にはなりたくない」「こんな人とは一緒に働きたくない」という思いがあると、それがストレスとなり、部下は持っている能力を十分に発揮できなくなってしまいます。

部下のやる気がない時には、もしかしたら自分が部下のやる気を削いでないか、自分の行動で改善できることはないかという視点から、一度確認してみてはいかがでしょうか。