経営理念を現場に浸透させる方法とは?

経営理念を現場に浸透させる方法とは?

経営理念を現場に浸透させる方法とは? 640 427 株式会社アールナイン

中小企業であれ、大企業であれ、経営理念が現場まで浸透している企業は安定した売上と成長を続けています。トヨタ自動車、スターバックス、オリエンタルランドなどその例は枚挙にいとまがありません。

一般的に、経営理念を浸透させるステップでは

(1)「言語化」(社員が共通言語にできるように、語りやすいストーリーにする)
(2)「共有」(様々な仕組みを通じて従業員に共有する)
(3)「内在化」(経営理念を判断基準に従業員が行動する仕組みを作る)

が必要と言われていますが、経営理念を現場に浸透させるのは容易ではありません。こうした理論を実際に行うとなれば、「語りやすいストーリーって何?」「様々な仕組みってどういうこと?」「どうすれば従業員が理念を判断基準にするようになる?」など、疑問が生まれます。

そこでここでは、経営理念を浸透させるための「言語化」「共有」「内在化」の3つのステップについて、ポイントをわかりやすく紹介していきます。

 

経営理念を浸透させるための3ステップ

(1)「言語化」 語りやすい経営理念って?

経営理念の構成には、いくつかのパターンがあります。

・社是、社訓、信条で構成されているもの
・ミッション、ビジョン、バリューで構成されているもの

さらにそれに「行動規範」を決めている企業もあります。いずれの場合でも、「共通言語化できるよう語りやすい、わかりやすい」ものであればあるほど、経営理念は浸透しやすくなります。

では、「語りやすい」経営理念とはどのようなものか、いくつか事例を紹介しましょう。

経営理念の他社事例

●オリエンタルランド
「自由でみずみずしい発想を原動力に すばらしい夢と感動 ひととしての喜び そしてやすらぎを提供します。」

 

●カルチュア・コンビニエンス・クラブ
ブランドステートメント・・・「カルチュア・インフラ」を、つくっていくカンパニー
ビジョン・・・・・・・・・・世界一の企画会社
ミッション・・・・・・・・・私をおもしろくする会社」

 

●リクルートホールディングス
ミッション・・私たちは新しい価値の創造を通じ 社会からの期待に応え 一人ひとりが輝く豊かな世界の実現を目指す。
ウェイ(大切にする考え方)・・新しい価値の創造」

 

このように、企業で提供しているサービスや商品と密接な経営理念は、より語りやすいと言えます。すでに昔からある経営理念が抽象的ですこし語りにくい、またはわかりにくい場合には、経営理念に基づくよりわかりやすい行動規範を設定するのも効果的です。

もし可能であれば、行動規範の設定に従業員が参加し、「経営理念を実現するために、私たちはどんな行動をとればいいのか」とボトムアップ型で議論ができれば、より従業員の感覚に近い「語りやすい言葉」となるでしょう

 

(2)「共有」 経営理念が浸透する様々な仕組みって?

ではその経営理念が浸透するには、どのような仕組みがあるでしょうか。

社内に経営理念を印刷して目に見えるように張る。
朝礼や社員総会などで、経営者、管理職などが繰り返し語る。

というのは定番です。しかし、もちろんそれだけで現場に浸透するわけではありません。理念が浸透するには「繰り返し」「様々な場で」共有されることが大切なのです。そこで、他にも

新人研修で、経営理念について時間をかけて学ぶ。
名刺型に印刷して、社員証などと共に常に持ち歩くようにする。
定期的にミーティングで経営理念に沿った仕事ができているか話し合う。

といった方法が考えられます。

たとえば、企業の理念や行動規範が徹底して現場に浸透されている企業として有名なリッツカールトンホテルでは、企業の信条・モットー・従業員への約束などを示した「クレドカード」を持ち歩き、毎朝の朝礼でクレドカードの項目から1つ項目を選び議論をしています。

さらに廊下やロッカーなどあらゆるところに「クレド」が掲示してあり、ミーティングの度に共有されています。

また、アルバイトの離職率が低いことで有名なスターバックスでは、アルバイトも社員同様に新人研修で多くの時間をかけてスターバックスのミッションとその背景となる歴史を学びます。

このように経営理念に触れる場面、経営理念について語られる場を増やすことで、理念が従業員により浸透していきやすくなるでしょう。

(3)「内在化」 どうすれば経営理念が判断基準になる?

経営理念は最終的に、従業員1人1人の判断基準となるまで個人の考えに浸透していくことが目標です。これが「内在化」ですが、経営理念が1人1人の判断基準になるまで浸透すれば、従業員が自分で考えながら、経営理念に基づく質の高い仕事ができるようになります。

このような状態になるには、前述のように日常で経営理念に触れる機会を増やす他、

日常のマネジメントは、できるだけ経営理念に基づいた価値で行う。
新規事業や新規企画などの意思決定の場で、判断基準に経営理念を照らし合わせる。
経営理念に沿った行動をした従業員を表彰する(または成功事例として、社内報や朝礼、会議などで共有する)。

と、従業員の評価とマネジメントでも共通言語にしていくことが大切です。ポイントは、「経営理念に基づいた行動をとった従業員を褒めてみんなで共有する」ことです。社内で評価される基準を明らかにし、評価されるような行動(=経営理念に基づいた行動)をとるように促していきましょう。

経営理念は時間をかけて「風土」に

経営理念は、何か1つの施策で浸透していくものではなく、複数の仕掛けを行い、日々のマネジメントで繰り返すことで浸透し、風土になっていきます。時間がかかりますが、一度風土として根付いてしまえば、社員自らが経営理念に基づいて自主的に行動できる、強い組織となることができます。

また、経営理念が浸透することは、社内で同じ理想を目指し、共通の判断基準をもつことになります。これは従業員にとって何がいい行動なのかわかりやすくなるだけでなく、職場で同じ価値観で同じ目標を目指せるようになるので、一体感や仲間意識を高めることもでき、離職率の低下にもつながります。

経営理念の浸透には時間がかかりますが、その効果は非常に大きなものがあります。あきらめずに続けていきましょう。