派遣社員のモチベーションアップを図るコミュニケーション術

派遣社員のモチベーションアップを図るコミュニケーション術

派遣社員のモチベーションアップを図るコミュニケーション術 640 427 株式会社アールナイン

派遣社員と一口に言っても、人それぞれ。プロ意識が高い人もいれば、「派遣だから」と割り切り言われたことしかしない人もいます。

正社員ではなく、評価や人材育成の対象ではありませんが、同じ職場で一緒に働く仲間として、できればモチベーション高く仕事に向き合ってもらえればこんなにいいことはありませんよね。

そこで、今回は派遣社員のモチベーションアップを図るコミュニケーション術をまとめました。

 

派遣社員を仲間として受け入れよう

派遣社員にモチベーションを高めてもらうコミュニケーションのコツは、一言で言うなら「派遣社員を『職場の仲間』として受け入れる」に尽きます。

派遣社員は、パートやアルバイト・正社員と異なり、自社で雇用している従業員ではありません。お互いに「長く働くわけではないし…」という思いが心理的距離を作ります。もちろん、職場の人間関係にある程度の距離を置きたいからこそ、「派遣」という働き方を選んでいる人もいます。

しかし、立場が異なっても、一定期間であったとしても、同じ職場で働く「仕事仲間」であることには変わりありません。仕事仲間である以上、「お客様扱い」して心理的距離を作るのではなく、「役割の違う仕事をする仲間」として受け入れたほうが、業務やコミュニケーションがスムーズにいきます。

では、仲間として受け入れるために具体的にどのようなことをすればよいのか、みていきましょう。

派遣社員にも導入研修を行おう

新卒入社や中途入社した社員に行っている、導入研修。その研修を派遣社員にも同様に行いましょう。

もちろんフルバージョンではなく、職場でスムーズに仕事を始めるため、企業の価値観を理解してもらうための「ポイント」だけを伝える短縮バージョンで構いません。たとえばこんなことを、職場の仕事がスタートする前に伝える時間を取ってみてください。

派遣社員の導入研修で伝えたいこと

・企業のミッションやビジョン
・企業のサービスや商品が顧客に提供している価値
・職場の基本的な業務のルール
・職場で望ましい働き方・仕事の進め方

「研修の必要がないのが、派遣社員を使うメリットじゃないか」と思うかもしれません。また、自社の社員ではないからこそ、今まではこのような話をする機会はほとんどなく、その必要も感じなかったかもしれません。

しかし企業のミッションやビジョンなどを共有することが、心理的距離を縮め、仲間として受け入れる第一歩となります。またミッションやビジョンは、職場で働く全ての人で共有したほうがお互いに仕事も進めやすくなります

これらの内容は、1度伝えただけで完全に理解・共感してもらえるものではありませんが、1度時間をしっかりとって共有する時間を持つことで、「伝える姿勢」「受け入れる姿勢」が伝わります。派遣社員だから、すぐに現場に配属してそのまま放置…ということのないようにしましょう。

 

他の従業員と同じように対応を

「お土産のお菓子が、派遣社員だけ配られない」「飲み会やランチ会に、派遣社員だけ誘われない」など、「明らかに他の従業員とは異なる対応をされる」という派遣社員の声もよく聞かれます。

職場でも派遣社員に対して「お客様扱い」をして気を遣ってしまうことも少なくありませんし、派遣社員も、派遣先に雇用されているわけではないので、職場に遠慮していることもよくあります。この心理的距離を改善するためにも、極力他の従業員と同じように対応しましょう。福利厚生など、制度的に同じような対応が難しい面はあるでしょうが、上司からできる限り他の従業員と同じように声をかけるようにしてください。

また、心理的距離を縮めるには相手の名前を呼ぶのも効果的です。「○○さん」と名前を呼ばれれば、人は「個人として認められている」「受け入れられている」と感じます。

求める仕事レベル、業務内容などは他の従業員と同じとはいかないかもしれません。しかし、「業務上」の対応と「個人として」の対応を一緒にせず、個人としては他の従業員と同様に対応するよう心がけましょう

仕事を頼むときには明確に

派遣社員に仕事を依頼する時には、業務の目的や背景をきちんと伝えましょう。仕事を頼まれる時に業務のやり方など表面的な情報だけしか伝えられないのでは、その業務の価値を見出すことが難しく、モチベーションダウンにつながります。

また、「自分で考えてやっておいて」は、頼って任せるようなよい言葉に見えますが、一般的にはそれは負担に感じてしまうことのほうが多いでしょう。何故なら、派遣社員はその企業の従業員ではないため、「自分で考えて」といわれても、よほど経験が長く優秀なスタッフでない限り、「企業にとっての適切な方法」がわかりにくいからです。

仕事のゴールや目的がわかりやすい明確な指示は、仕事のやりがいや達成感につながります。派遣社員のやる気がなくて…」という場合には、仕事の頼み方が曖昧になっていなかったか、振り返ってみましょう。

※「上司の指示があいまい!」という不満を抱える部下が多いのはご存知ですか?指示の出し方が曖昧になっていないか、確認してみましょう。
→部下への指示の出し方で必ず抑えておきたい3つのコツ

評価や感謝はきちんと伝えよう

自社で雇用しているパートやアルバイト、契約社員や正社員は、仕事を一生懸命頑張ればそれが評価されて、時給や給与・賞与のアップなど収入アップに繋がります。派遣社員はそうはいかないため、派遣社員のモチベーションは個人の資質によるものであり、派遣先の職場では管理しにくいと思ってしまう人もいます。

しかし、仕事のモチベーションになるのは、給与だけではありません。モチベーションサイクル理論の提唱者、フレデリック・ハーズバーグによると、モチベーションには、

(1)それがないと不満が高まるけれども、いくらあっても満足にはつながらない「衛生要因」
(2)それが満たされれば、仕事自体が楽しくなりやる気が出てくる「満足要因」

の2つがあるとしています。給与や残業が少ないなどは「衛生要因」であり、仕事を認められる、褒められるなどは「満足要因」になります。つまり、派遣社員の「衛生要因」を職場で高めるのは難しいですが、「満足要因」なら高めることができるのです。

その「満足要因」を高めるために、最も簡単にできるのが、仕事に対する評価や感謝の気持ちはきちんと口にすることです。

「いつも助かっているよ」
「さすがだね、○○さん」
「仕事が早いね」
「○○さん、ありがとう」

など、一言でも気持ちは十分伝わります。「一生懸命頑張ると、周囲から認められて嬉しい」と思えれば、モチベーションは上がっていきます。それは雇用形態に関係なく、共通するものなのです。

このようにコミュニケーションの量と質を変えれば、派遣社員との関係にも変化がみられるようになるでしょう。もし派遣社員のマネジメントに行き詰まることがあれば、ぜひ試してみてください。