部下から退職したいといわれた時のベストな対応とは?

部下から退職したいといわれた時のベストな対応とは?

部下から退職したいといわれた時のベストな対応とは? 640 427 株式会社アールナイン

部下から退職したいと申し出があれば、上司としては多かれ少なかれ動揺してしまいます。

ましてやある程度、信頼していた部下、将来を期待していた部下から「退職したい」と言われたら、上司としてのマネジメントが何か間違っていたのかと、ショックを受ける部分もあるのではないでしょうか。

退職したいという部下に、上司としてはどんな対応をするのがベストなのか。それをコミュニケーションの視点から、考えてみたいと思います。

 

対応のポイントは「引き留める」ではなく「話を聞く」

退職したい部下への対応として、押えておかなければならない最も重要なポイントは、引き留める」ではなく「話を聞く」というスタンスです。

「せっかく今まで頑張ってきたのに、もったいないじゃないか」
「今君に辞められてしまったら、とても困るんだ」
「ここで辞めたら、キャリアが中途半端になってしまうよ」

退職の意向を聞かされたら、そんな引き留めの言葉を言いたくなる気持ちもあるでしょう。または、

「せっかく今まで育ててやったのに、恩を仇で返すつもりか」
「お前なんかウチ以外じゃどこにいっても通用しないぞ」
「こんなにいい待遇の会社は他にないぞ」

など部下に一言いいたくなってしまうかもしれません。しかし、そんなことは当の本人が最もよくわかっています。

今まで頑張ってきていようと、ここで辞めたらキャリアが中途半端になろうと、または自分が辞めたら現場の同僚にその負担がかかろうと、「辞めたい」と思う何かがあるからこそ、退職するのです。

そこで、引き止めるのではなく、冷静になって落ち着いて部下の話を聴きましょう。「よかったら、どうして退職したいと思ったのか、話してもらえないか」と、会議室や休憩室など業務と離れてゆっくり話ができる場で、部下の真意を確かめるようにします。

とはいえ、今までに信頼関係ができておらず、「上司と合わないから辞める」と上司そのものが退職理由である場合には、時間をとっても本当のことは話してもらえないかもしれません。それでも退職の真意次第では、それを改善する提案をすることで、結果的に引き留められるかもしれませんし、今までの人間関係が原因であっても「最後だから」と本音を語ってくれる可能性もあります。

次の対応を考えるためにも、今後のマネジメントに活かすためにも、相手の真意を聴くスタンスで向き合いましょう。

 

不安や不満が対応できるものであれば、改善を提案

退職を希望する部下と向き合い、もし今までの不安や不満を言ってくれたなら、これは大きなチャンスです。

一般的に、上司に退職の理由を伝えるときは、本当の理由は曖昧に、ポジティブなものにします。それが不安や不満がでてくるということは、それだけ今まで上司と部下としての関係性ができていたということですし、その不安や不満が、マネジメントや上司の行動改善で解消するものであるならば、その案をすることで、部下が退職を考え直すかもしれないからです。

たとえば

「残業が多すぎて体力的に無理だと思った」
「仕事内容が自分に合わない」
「この仕事をやっていても先が見えない」
「職場の人間関係が実はうまくいっていない」

など、これらのことはすべて上司の業務マネジメントや、仕事の担当の見直し、キャリアプランの提示やコミュニケーションのあり方を見直すことで改善できる可能性があります

辞めてほしくない部下には、その改善の意志と方向性を伝えることで、もしかしたら退職の意志が変わるかもしれません。もちろん中には、次の転職先が決まっているなど、退職の意思が固い部下や、退職を引き留めなくてもよいと思える部下もいるでしょうし、「それなら致し方ない」と退職理由を聞いて納得してしまう部下もいるでしょう。

その場合でも、退職する部下の意見は、現場のマネジメントを再確認するのに大いに参考になるはずです。

 

 

引き留めたいならば、改めて部下への期待や評価を伝える

そしてどうしても退職を引き留めたい部下であれば、部下への期待や評価を、改めて熱意をもって伝えましょう。

会社にとっても必要だと思える人材なら、人事に昇給や昇格などを掛け合う、本人のやりたい仕事を聞き出してその業務ができるよう担当替えや異動などの可能性を打診するなど、部下を口説きましょう。

今の会社にどうしても残ってほしいような部下は、おそらく転職活動でも高い評価を受け、内定先の企業から熱烈に評価され口説かれているはずです。それを上回るような期待と評価と熱意が伝われば、部下の退職の決意もひっくり返るかもしれません。

 

「退職したい」をマネジメントの再確認のきっかけに

繰り返しになりますが、「退職」を簡単に決める人はそうはいません。
今、退職の意向を伝えた部下は、きっと何カ月も悩み、考え抜いた上で「退職」という結論を出していますから、真摯に部下の話を聴いても、引き留めても、はたまた罵倒しても、そう簡単に退職の意向は変わらないでしょう。

しかし、部下が退職する理由をここでしっかり聴いておけば、これからの現場のマネジメントに活かすことができます。1人の部下が退職するほど悩んだ原因は、決してその部下特有の悩みではなく、多かれ少なかれ現場の部下が感じていることも多いからです。

多くの企業が採用難に直面している今は、職場に欠員が出たからと言って簡単に欠員補充ができるとも限りません。退職を希望する部下の話に耳を傾けても、その部下を引き留めることはできないかもしれませんが、次の退職者がでないように現場のマネジメントを振り返る参考にすることはできます。

その意味でも、部下から退職したいと言われた時にはまずは落ち着いて話を聴くことからはじめましょう。