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COLUMN   2019/4/23

ピープルアナリティクスとは?歴史・導入事例・メリット&デメリットに関して紹介!

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人事の一番大切な役割は何でしょうか? 
 

HR総研は2015年に「最も求められる人事の役割」の「現在」と「今後」について調査しました。(人事部門の役割・人事のキャリアに関する調査結果 )「現在」の役割としては「人事管理を精密に行う(人材管理のエキスパート)」33%が最多回答。一方で、「今後最も求められる役割」としては、過半数(53%)が「ビジネスの成果に貢献する(ビジネス戦略のパートナー)」と回答しています。 
 

・経営層から人事が果たすべき期待とプレッシャーがかなり厳しくなってきており、そうした声に応えていくことは人事の役割が高度化していくことを意味している。 
 

・より経営判断のスピードアップが求められる状況の中で、単なるHR部門として管理のみを行うのではなく、今後の展開や必要な対応策を即時に提供できるHRが今後求められると感じている。 
 

・管理から活用、経営に対する事務局からパートナーへの転換が重要になるとここ一年ほど肌で感じている。
※人事部門の役割・人事のキャリアに関する調査結果 より抜粋
以上の結果を見ると、多くの人事責任者・担当者は、より経営サイドに立った役割を模索しているということが分かります。 
 
そんな、人事部門の切り札となるのがピープルアナリティクスなのです。今回は歴史や導入事例・メリット・デメリットに関して紹介します。 
 

ピープルアナリティクスとは?

 
 
ピープルアナリティクスとは、社員や組織などについてのデータを収集・分析し、勘や経験では分からない課題を発見・解決していく手法のことです。Googleの人事が使い始めたと言われており、組織内で起きている問題をデータで定量化することによって、客観的・論理的意思決定ができるのが特徴です。一例として、下記のような情報を集積・分析します。 
 

①採用
・面接者や新入社員の属性(性別・年齢・経験・採用経路)
・採用時期(応募数・面談数・内定数・定着率)
・選考における歩留まり(応募率・面接率・内定承諾率・辞退率) 
 

②教育
・社内教育の受講度(階層別・地域別など)
・研修受講とパフォーマンスの相関
・教育の充実度と離職率の相関 
 

③組織開発
・従業員満足度(性別・階層別・地域別・入社年度別)
・離職率(入社年別・家族構成・出身地別)
・異動後のパフォーマンス 
 

計測された内容はデータとして、定量化されます。そのデータを基にして意思決定をするので、「なんとなく」といった直感や感情を基にした意思決定ではなくなるのです。 
 

 ピープルアナリティクスの歴史1:ホーソンの実験
 
 

ピープルアナリティクスは最近になって取り上げられるようになった言葉ですが、組織の生産性を分析するような動きは100年以上前から行われてきました。その中でも有名なのが「ホーソン実験」です。ホーソン実験は、アメリカのシカゴ郊外にあるウェスタン・エレクトリック社のホーソン工場で1924年から1932年にかけて行われました。 
 
照明や温度・湿度・休憩などの条件を変更し、生産性の変化を測定。最終的には「職場の物理的な環境ではなく、人間関係が生産性に影響する」という結論を導き出しました。ピープルアナリティクスでは、ホーソン実験と同様に人間関係や心情変化といった要素もデータに置き換えて分析を行います。そして、センサーや統計ソフトなど最新技術を活用し、当時は収集できなかったデータも扱うことができるようになっています。 
 

ピープルアナリティクスの歴史2:映画「マネーボール」
 
 
野球を題材としたマネーボールという映画は、勘や経験ではなく、データに基づいて人材活用をしていくことの重要性を世の中に広めたことで有名です。メジャーリーグの貧乏球団オークランド・アスレチックスのビリー・ビーンGMは、過去データを分析し「得点期待値」というものを設定して、これを上げるための要素を持つ選手を良い選手と定義しました。 
 
チーム編成・選手獲得は、運により変動する数値は判断基準から排除されることが最大の特徴でした。マネーボールでオークランド・アスレチックスが用いた手法はビジネスの世界でも注目され、人材の採用・育成・活用データを持ち込むピープルアナリティクスの普及に繋がったのです。 
 

ピープルアナリティクスの実践事例
 
 
では、具体的にピープルアナリティクスの導入した事例にはどういったものがあるのでしょうか?各企業が採用・教育・組織開発の領域において、ピープルアナリティクスを実践している事例を集めましたので、紹介いたします。 
 

【Google】
<実践前>
社員がオフィスの好きな場所で作業していた
<実践後>
特定のチームで集まって作業することで生産性が向上することを発見した 
 

【日立製作所】
<実践前>
面接官の主観が入り採用すべき人材の定義がバラバラだった
<実践後>
「優秀な人材」「とがった人材」といった人材像を、適性検査を使って定量化した 
 

【ソフトバンク】
<実践前>
人材採用の書類選考に膨大な時間がかかっていた
<実践後>
AIを用いて書類選考を行い、75%の工数削減に成功した 
 

【セプテーニ・ホールディングス】
<実践前>
人材配置の基準が定量化されていなかった
<実践後>
社員の個性や、成長予測・環境・チーム状況・仕事内容を定量化しパフォーマンスを最大化した 
 

ピープルアナリティクス導入のメリット・デメリット
 
 
続いて、ピープルアナリティクス導入のメリット・デメリットに関して紹介します。具体的には、以下のような項目が挙げられるでしょう。 
 
<メリット>
・精度の高い意思決定ができる
・客観的な意思決定ができる
・再現性のある組織運営ができる
・属人化を防げる
・意思決定のスピードアップが見込める 
 
<デメリット>
・データ収集にコストがかかる
・専門的な知識・経験を有した人材が必要
・データを収集することにのみ終始し活用ができないケースもある 
 
収集するデータや活用に関しては業種や組織形態によって異なりますので、導入に際しては1社1社に個別具体的にカスタマイズした設計が必要となるでしょう。また、データの収集・導入には人事部門だけでなく経営管理部門を含む複数の部門間の連携も必須になってきます。 
 

ピープルアナリティクスで人事の可能性は広がる
 
 
ピープルアナリティクスは導入・実践へのハードルが高く、資本力のある企業の動きが目立ちます。しかしながら、中小規模の企業に無関係な話かというと、そういうわけではありません。 
 
ピープルアナリティクス実践企業のように、客観的で、高精度で、再現性のある意思決定を行うことができれば、人事部門が会社全体に与える影響力は高まります。ピープルアナリティクスは人事部門の可能性を広げる武器となりうるのです。 
 
大規模な実践は難しいかもしれませんが、目の前の業務を定量的・科学的にとらえることから一歩が始まるのです。