本当に女性が活躍できる職場作りとは?人事が行うべき環境整備

本当に女性が活躍できる職場作りとは?人事が行うべき環境整備

本当に女性が活躍できる職場作りとは?人事が行うべき環境整備 640 427 株式会社アールナイン

2015年にはいわゆる「女性活躍推進法」が成立し、政府は2020年までには「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が30%を目指す」としています。

年々少子化が進行している日本では、女性が活躍できる職場環境を整えることは、労働力確保のためにも重要な課題です。そこで、女性が活躍できる職場づくりのために、実際どのように対応していけばいいのか、ポイントをまとめました。

 

女性社員がイキイキと活躍できる職場は全社員が働きやすい職場

働くことに男性も女性もありません。しかし今の日本では、家事、育児を女性が担うことが一般的であり、多くの女性の方が結婚・出産によって、ライフスタイルが変化し、それに合わせて働き方を変えなければならない状況に直面しています。

しかし子育てと仕事の両立が実現しやすい風土があり、制度が整っている職場は、子育て世代ではない社員にとっても、働きやすい職場であるとも言えます。

高齢化が進む中で、性別を問わず介護と仕事を両立させなければならない人も増えてきます。今のうちに子育て中の女性が働きやすい職場を作ることは、そうした人が増えたとしても対応可能な、全社員が働きやすい会社を作ることにつながるのです。

 

制度だけでは不十分!A社が招いた生産性低下と退職者の続出

「職場づくり」というと、仕事と育児が両立できるような時短勤務などの制度を整えることが思い浮かぶでしょう。もちろん制度も重要ですが、制度を整えただけでは実は不十分です。ここで、本当の意味での女性が活躍できる職場づくりができずに、生産性が低下し、退職者が増えてしまった例をご紹介しましょう。

女性のユーザーが多い日用品を扱うA社は、産休育休からの復帰率も非常に高く、新卒採用でも人気の高い会社でした。福利厚生も充実していて、5時間、5時間半、6時間、とライフスタイルに合わせて働く時間を選択できる短時間勤務の他に、コアタイムのないフルタイム勤務や時間単位で有給が取得できる制度等、様々なライフスタイルに対応できるような制度を次々と導入しました。

ここまでみると、女性がライフスタイルに合わせて働き方を選べる、活躍できる制度が整っているように見えますが、実際は異なりました。

その理由は、A社には次の4つの土壌があったからです。

①経営層が本質的には男尊女卑の考えを持っている
②成果ではなく、長時間労働が評価される風土がある
③短時間勤務者は評価の優先順位を下げられてしまう
④上司の主観が評価に反映されやすい

1つ1つみていきましょう。

経営層が本質的には男尊女卑の考えを持っている

「女性は優秀だけど、産休育休で休んでしまうから 」
「そうはいっても、男性はずっと働いてくれる」

時短勤務のための制度を整えたA社の経営陣は、本質的にはこのような考え方をもっていました。このような考えをもつ管理職も少なくないのではないでしょうか。

本人は、今までの経験則として何気なく、そして悪気なく話しているかもしれませんが、このような発言に、「女性は仕事よりも育児を優先するもの」という価値観を押し付けられるように感じる人は少なくありません。それが、子供を産んでも仕事で活躍したいと思う女性のやる気を奪ってしまうこともあるのです。

成果ではなく、長時間労働が評価される風土がある

A社は昔ながらの気質が色濃く残り、残業が多い人が「頑張っている人」と認定され、成果をあげていても残業をしない人は「やる気を感じない」とされてしまう風土でした。

実際、成果をあげている人がいても「優秀だけど定時で帰ってしまうからな、やる気をあまり感じないんだよな」と言われてしまう。評価においても「長時間労働=やる気のある人>成果をあげる人」という図式が成り立ってしまっていました。

A社は産休育休から復帰した女性社員の9割以上が短時間勤務、しかも最短の5時間勤務を選ぶ人が圧倒的に多いのが現状でした。その結果、時短勤務を選んだ女性はどんなに効率よく仕事をこなしたとしても「やる気がない」と評価されてしまっていたのです。

短時間勤務者は評価優先順位を下げられてしまう

A社では、部門によっては評価会議で、まずフルタイム、短時間、と分けて評価が行われていました。上記のような理由から、短時間勤務者はほとんど評価されないため昇給・昇格せず、業務分担だけは増やされていく状態でした。

上司の主観が評価に反映されやすい

A社では、上司の主観が評価に大きく影響していました。たとえば、ある社員が「彼は頑張っている」という曖昧な根拠で上司から高い評価をされているものの、他の社員からの評価とあまりにも差異があったので調べてみたところ、評価されている人は休日に上司とゴルフに行き、お中元やお歳暮はもちろんのこと誕生日プレゼント等まで欠かさないことがわかりました。

コミュニケーションという意味ではもちろん大切ですが、業務外の行為や個人の主観だけで評価するのはもってのほかです。

しかし、こうした情報が社内でも広がり、「子供を休んだから、もう出世コースを外れた」「どうせ昇給も昇格もしないのだから、後はいかに苦労せずに過ごせるかを考えるしかない」と女性社員の働く意欲を奪っていたのです。

更にA社の実態はSNSや口コミでも広がり、就活生から女性活躍の質問が増え、女性の活躍に関する理由で辞退する学生が増えているという話がもたらされ、問題はいよいよ深刻度を増したのです。

 

働きやすい職場作りのポイントは?

ではA社の事例を教訓に、女性が活躍できる職場づくりには何が大切なのか、ポイントを確認していきましょう。

1.勤務時間に関係なく、「仕事の成果」を評価する

働いた時間と、仕事の成果は比例しません。働き方改革のなかで、長時間労働の是正も必要とされているなか、勤務時間に関係なく、「仕事の成果」そのものを評価できる制度や風土を整えていくことが、これからの時代の「働きやすい職場」づくりには欠かせません。

2.女性社員に対しての長期的なキャリア形成を支援

男女全社員に対して、公私踏まえたキャリアビジョンやプランを作成させるようにし、その中で自分のライフとキャリアについて具体的に考える機会を与えましょう。

また、育休や産休を取得したからといって出世コースから外れるのではなく、育休や産休を経てもキャリア形成ができるような制度や風土をつくっていきましょう。

3.相互理解を深める機会を増やす

女性が活躍しやすい職場づくりには「風土づくり」が欠かせませんが、そのためにはお互いの立場や考え方を理解するために、コミュニケーションの機会をふやすことが大切です。産休育休から復帰した女性社員達で「働き方について」、管理職に対しては「女性活躍における課題」、短時間勤務者と管理職で「業務改善する為に必要なこと」等お互いの理解を深める活動を増やしましょう。

 

そもそも、仕事に復帰しようとする人はそれなりの覚悟と労働意欲を持っている人達です。そして、子育てはマルチタスクで時間との闘いなので、そのマルチタスク遂行力やスケジュール管理力は、必ず業務に活きるはずです。

制度設計だけでなく、女性の活躍を認め、受け入れる風土醸成までを視野にいれて、職場づくりをしていきましょう。