人気企業ランキング上位の企業がなぜ?離職率が急上昇した謎!

人気企業ランキング上位の企業がなぜ?離職率が急上昇した謎!

人気企業ランキング上位の企業がなぜ?離職率が急上昇した謎! 640 427 株式会社アールナイン

前回は社員が定着しない企業の特徴とその対策について大まかな部分をお話しました(関連記事はこちらからご確認下さい→あなたの会社は大丈夫?なぜ離職する?社員が定着しない企業の特徴

今回は、学生の就職人気企業ランキング上位の常連だったA社が人気ランキング圏外に転落し、社員の離職率が急増しながらも、人事主導の改革が成功し現在は復活傾向にある企業のお話です。

A社がなぜそんな事態に陥ってしまったのか、そしてどのように復活していったのか具体的な事例を取り上げながらその対策についてご紹介していきます。 

なぜ急に離職率が上がったのか?3つの理由

まずA社の離職率についてですが、過去10年以上新卒の内定辞退率は0!3年以内の離職率は2%以下という状態でした。

社員の定着率が高い=働きやすい、という企業イメージも非常によく、学生の就職人気ランキングでも上位の常連、毎年就職活動が終了した学生に対するアンケートでも、「対応が良かった企業」「後輩に勧めたい企業」等で上位にランキングしていました。

実際に退職した社員などによる口コミの内容を見ても、「辞めてしまったけどいい会社」として高評価が並び、ネガティブな理由はほとんど見受けられませんでした。

振り返ってみると、このような良い状況もその後のA社の離職率を上げていった1つの要因なのかもしれません。

A社の離職率が上がってしまった理由をまとめると、以下3点です。

幹部社員の慢心

A社は革新的な商品をどんどん開発し、20人で始まったにも関わらず、カリスマ会長、社長主導の元、創業50年で誰もが知る企業に成長しました。

と言ってもここまでの急成長は直近15年程のことなので、中小企業から大企業へ成長するタイミングで働いていたメンバーが管理職を占めています。時代もあったのだと思いますが、A社の働き方はいわゆる企業戦士的な働き方でした。

しかし、自分達が頑張った分会社が成長したという実感がある管理職たちは、自分が会社を成長させたと(あながち嘘でもないのですが)いう慢心が過ぎたのか、「俺たちが会社を成長させた」「俺たちの時代は…」「このやり方はこうだ」と言ってはばからなくなりました。

その様子をおかしいと思いながらも、なかなか改善することができず、社員たちの不満は高まる一方で、「時代遅れ」「幹部が偉そう」「人の話を聞かない」「トップダウン体質」「体育会系過ぎる」という理由で退職者が相次ぎました。

社内の世代交代に失敗した

このような企業体質ですので、A社は基本的には年功序列の会社です。

成果を出したとしても評価面談で、「成果は認めるが〇〇さん(先輩)がまだいるから昇格を待って欲しい」というようなことを言われることも有りました。頑張って成果を出したのに、評価されないだけではなく、その理由を自分の頑張りとは関係のない、納得できない理由を説明される。ということは、その先輩が昇格するまで自分の番は来ないのか?頑張っても先輩が頑張らないと意味がないのか?という憶測を呼びます。

年功序列にこだわり、優秀な人を引き上げる評価制度も、そうした考え方もなかったため、管理職以外の社員のモチベーションをダウンさせることになったのです。

働き方改革に乗り遅れた

自分達が働けば働くほど会社が成長し、世の中を変える革新的な商品を多く出した、という経験を持つ管理職たちはとにかく「24時間仕事のことを考えろ」という考え方でした。

仕事が第一という考え自体は人それぞれなので一概に悪いとはいえないのですが、そうした考えを持つ管理職ばかりだったこと、またそれを当然のことのように部下に押し付けたことが問題でした。

成果を出しても年功序列型なので評価もされないのに、「24時間仕事のことを考えろと言われる」

そのような状態では辞めたくなって当然ですよね。

人事主導の社内改革で劇的に離職率を下げたA社の施策とは?

A社は課題にあふれていました。

幹部社員の中の若手(といっても40代)が複数人一斉に退社したり、口コミサイトでネガティブなコメントが目立つようになるなど、課題は顕在化してきました。

そんなネガティブな評判さえも、一部の活躍できなかった社員が言っているだけ、と当初は相手にしなかった幹部社員もやっと人事からの提案に耳を貸すようになりました。

A社はそれぞれの課題に対して制度を変更するなど改革に乗り出しました。

幹部社員の慢心→(処方箋)360度評価と降格を取り入れた

A社の評価は基準があるようで、ない状態でした。評価者の好き嫌いに左右される割合が大きく、公平性に疑問を持つ社員が多かったのです。

そこで、期初に半期どんなことをしてどんな成果を出す予定なのか、その過程とゴールを細かく記入し、コミットすることによって評価を誰の目にもわかりやすく判断できるようにしたのです。

また、360度評価を取り入れて、1 on 1ではなく、周囲の社員も巻き込むことによって好き嫌い評価の色を薄められるようにしました。更に、評価によっては降格の可能性もある、としたことで幹部社員への危機感を促すように変更したのです。

社内の世代交代に失敗した→(処方箋)若手社員の幹部への登用、異動制度を新設

上に先輩がいるから成果を出しても上に行けない、今自分がしている仕事は自分の目標としているキャリアに対して遠い、と感じる社員も多かった中で、成果を上げれば平等に評価されて、先輩がいようとも、年齢が若かろうとも幹部に引き上げていきました。

また、異動制度に関しても着手し、それまで社内の人事異動が主だったところから、入社してある一定の年月が経てば、自ら手を上げて異動できるように変更しました。

加えて、もっとこんなことがしたいという目標や仕事があるのに、実現できる部署が見当たらないということであれば、社内ベンチャー的に部門を新設する等、柔軟に対応したのです。

働き方改革に乗り遅れた→(処方箋)休暇制度を新設し環境改善をした

働き方、環境という意味でも、社員が有給休暇を取りやすくなるように、幹部社員の年間8日間の休暇を義務付けたり、半期に3日は確実に休めるような記念日休暇、家族休暇等の、使いやすい休暇を義務付けたのです。

また、社内コミュニケーションを高めるためにも、社内イベントの実施や社内SNS等導入等、上司と部下の縦のコミュニケーションも、部門を横断した横のコミュニケーションも活発にできるようなインフラを整えたのです。

こうした取り組みでA社は一時期、3年以内離職率が35%を超えていたのが15%にまで低下しました。

それでもA社としてはまだまだ離職率が高いという認識で、日々制度の改定と社員へのヒアリングを続けています。自社内でできることはやり尽くしたとして、外部のコンサルティングも受けて、より一層の改善に取り組んでいます。

 

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