公開日:2016.5.20
更新日:2020.9.28
採用アウトソーシングや採用・人材育成に関するコンサルティング、研修企画を行う株式会社アールナインは、約200名(※)のキャリアコンサルタントとパートナー契約を結び、1人1人のキャリアコンサルタントが希望する働き方や得意分野に合わせた仕事を紹介しています。この事業には、アールナインの創業者・長井のふたつの強い願いが込められているのです。
※2020年9月28日現在は約350名
Contents
社会的ニーズがあると言われつつ 食べていけないキャリアコンサルタントの現実
2016年4月から厚生労働省認定の国家資格となった、キャリアコンサルタント。
学校でのキャリア教育の推進、若者の無就業の問題、さらにはグローバル化やテクノロジーの進化を背景とした雇用形態の多様化など、個人が自らのキャリアを描けるような仕組み作りが求められ、キャリアコンサルタントの社会的ニーズは高まっているといわれています。
しかし、キャリアコンサルタントはまだ新しい仕事であり、カウンセリングを受ける文化がなかった日本で、キャリアコンサルタントが活躍できる場はまだ多くはありません。実際に、長井は資格を取得しても仕事がなく、せっかく学んで身につけた能力を活かす場がないキャリアコンサルタントに数多く出会ってきました。
長井 「これってすごくもったいないんです。だって、採用の現場にはキャリアコンサルタントの能力が必要とされる場面がたくさんあるし、キャリアコンサルタントの能力があれば解決できる企業の課題もたくさんあるんですから」
それは、中途採用に長年携わってきたからこそわかる確信でした。
活躍の場がなく、仕事を探しているキャリアコンサルタントがいる。一方でキャリアコンサルタントが活躍すれば、解決できる企業の課題がある。キャリアコンサルタントと企業を繋げば、双方にとって喜ばれる仕組みができるはず。
こうして、「キャリアコンサルタントの多様な働き方と雇用を創造したい」という思いをミッションに、アールナインの事業はスタートしました。
「人」が介在するからこそ、うまくいくことがあるから
採用や人材育成など、人に関する様々な現場には「人」が介在するからこそ生まれる価値、生まれる成果があります。そしてその「人」がキャリアコンサルタントであれば、よりよい成果につながるとアールナインは考えています。
その背景には、アールナイン創業者の長井自身の印象深い経験がありました。
それは入社1年目。インターネット関連サービスを展開する従業員たったの3名のA社を担当した時のこと。設立間もないA社には、社内のキャリアコンサルタントからも、「そんなベンチャー企業に人を紹介して、本当に大丈夫なの?」と懸念の声が上がりました。
それでもA社の成長を確信していた長井は、A社への不安を払拭するために奔走します。そのうち社内のキャリアコンサルタントの懸念も解消され、A社を転職希望者に紹介してくれるようになりました。
そして今度は、キャリアコンサルタントが応募者の不安を1つ1つ解消していくと、A社の魅力が応募者に伝わり、わずか3名の企業に6名が入社を決めました。その後この6名は草創期を支え、A社は数年後に東証一部に上場し、今や従業員2000名を超え、連結売上高も1000億円を超える大企業となったのです。
長井 「採用が上手くいっていない企業でも、間に『人』が介在し、応募者の不安を解消しながら『人』と『企業』をきちんと繋いでいけば、採用は成功し、応募者は納得してその企業を選べる。
結果として、企業と人の双方の成長を支援することもできる。それは、オンライン上ではなく、リアルの場で直接人と人が話をするからこそ生まれる価値。『人』が介在することで、本当に企業の採用は変わります」
それを何度も経験してきたからこそ、ここにキャリアコンサルタントの雇用を創造できると長井は考えたのです。
結婚、出産、転勤…やむなく退職する女性 多様な働き方ができれば活かせる能力がある
そして、「キャリアコンサルタントの多様な働き方と雇用を創造する」というアールナインのミッションには、「企業に勤めるだけではない、多様な働き方を個人が選べるようにしたい。」というもう一つの思いも込められています。
この「多様な働き方」の必要性を長井が強く感じるようになったのもまた、リクルートキャリア時代での経験でした。
リクルートは女性が活躍できる企業として知られており、実際に子育てしながらキャリアを積み重ねている女性が数多くいます。しかし、そんなワーキングマザーが当たり前にいる会社でさえ、出産や子育て、配偶者の転勤を理由に、退職せざるをえない女性も多くいました。
能力も働く意欲もあるのに、職場を去っていく彼女たちの送別会をする度に、長井は「仕事が続けられる別の働き方があればいいのに……もったいない」と感じていました。
長井 「たとえば、自分の都合のよい時間だけとか、自分の働きたい日数だけとか、在宅でもできる仕事だけとか。そんな働き方を選べる仕事があれば、この『もったいない』が解消することができるんじゃないかと。だから、個人が多様な働き方を選べるように、その仕事を創り出していきたいんです」
この長井の思いが事業となったアールナインでは、パートナー契約するキャリアコンサルタント1人1人が希望する働き方や各自の得意領域と、企業のニーズに合わせてプロジェクトにし、仕事を創造しています。
主な案件は採用実務のアウトソーシングや採用コンサルティングですが、企業からのニーズがあり、キャリアコンサルタントができることなら何でも対応します。
プロジェクト内容は、一次面接や書類選考の代行、採用説明会の企画と運営、学生へのアポイント業務、履歴書サンプルの作成、繁忙期の人事のサポート、転職エージェントの管理、社内研修の企画と運営、企業内でのキャリアコンサルティングなど実に様々。
長井 「アールナインの事業を一言で表すと、人材関連に関する『何でも屋』です。でもだからこそおもしろいし、何でも屋だからこそ、パートナー契約を結ぶキャリアコンサルタントに、多様な働き方と雇用を提供できるし、企業が本当に困っていることに対応できるんです」
サービスの形にとらわれないからこそ、キャリアコンサルタントと企業の双方の多様なニーズを満たすことができる。それが、アールナインならではのスタイルであり、強みなのです。
キャリアコンサルタントに任せた方が うまくいく領域はまだまだある
人事業務をアウトソーシングする。
それに馴染みがない企業もありますが、実際には人事が担当するよりも専門的な経験と知識を持つキャリアコンサルタントが行うほうがよい業務もあります。
長井 「たとえば面接でも、人事担当者の好みで『一緒に働きたいと思う人』を採用していることはよくあります。それをプロのキャリアコンサルタントに任せれば、客観的な個人の能力評価と企業が求める採用条件に基づいて、その企業で活躍できる人材をジャッジすることができます。
人事は社長に意見できる立場だからこそ、経営者と共に人事戦略を立てるのが最も重要な業務。それなのに、採用実務に忙殺されてそれができていないことも多い。そこにアールナインが入れば、人事は本来やるべき業務に時間をかけることができ、キャリアコンサルタントはその能力を発揮することができ、さらによりいい採用ができるようになるんです」
サービス開始から7年、アールナインのキャリアコンサルタントが面接や採用実務を行うことによって、「自社で採用していた時よりも、いい人材が採用できた」という成功事例も数多く出てきました。
今後はキャリアコンサルタントの活躍の場面を、採用だけでなく従業員の定着率アップを支援する場面にも広げていくため、新サービスTOMONAS(トモナス)もスタートします。
キャリアコンサルタントが活躍し、それによって企業で働く個人や組織が成長できるように。アールナインはそれを目指し続けていきます。