産休育休取得社員がいる時こそ、職場全員への配慮が必要【産休育休サポート編③】


産休育休取得社員がいる時こそ、職場全員への配慮が必要【産休育休サポート編③】

産前産後休業、育児休業など出産育児をする社員への制度は充実してきました。

休業の取得率も年々上昇していて定着しつつある制度ですが、産育休取得者がいる場合、残った社員が仕事をフォローするケースが多くあります。その時こそ、フォローする社員の労働環境や気持ちを理解していく必要があります。

この記事では、残された社員の気持ちやサポートについてお伝えします。

定着しつつある育児休業制度

厚生労働省が発表している令和元年度雇用均等基本調査によると、育児休業制度の規定がある事業所の割合は、事業所規模5人以上で79.1%と、平成29年度の調査結果75.0%より4.1ポイント上昇しています。また、事業所規模が大きくなるほど規定がある事業所の割合は高くなっています。

育児休業の取得率は、女性83.0%、男性7.48%という結果になっており、女性の取得率は大きな変動はないものの、男性の取得率は平成29年度の調査結果6.16%より高くなっています。

このようなに調査結果を見ると、育児休業制度は定着していると言えるのではないでしょうか。

仕事のフォローをする社員の働く環境はどうなっているか?

現状、産休育休の取得で社員が抜けた場合の代替要員を置いている企業は多くないでしょう。もちろん、契約社員や派遣社員、アルバイトを代わりに雇用して対応している企業もありますが、大抵の場合その社員の周囲の社員が負担しているケースが多いようです。

既存の社員で分担すると単純に業務が増えることになり労働環境が悪くなってしまいます。また女性社員が多い企業だと数人の社員が同時に産休育休を取得するということも起こり、残った側の社員も疲弊してしまうケースもあります。

しわ寄せ迷惑と感じている可能性も

妊娠期の体調不良から始まり、産休育休、その後は時短勤務に子供の看病のための休みなど数年間に渡って周囲の社員が業務を負担するということが発生していないでしょうか?

フォローしている側からすると、「自分たちばかり大変な思いをしている」「妊娠出産をしないと選択した社員ばかり損している」となってしまうでしょう。

フォローしている社員が迷惑と感じてしまう理由には、

  • ・頑張りに対する評価がない。もしくは足りていない
  • ・周囲の社員に大きな負担がかかっている
  • ・社員の産休育休取得への理解が足りていない

など企業側の問題もあるようです。

産休育休取得中の社員へは給与の支払い義務はなく、社会保険料免除などあるため、フォローしている社員への報酬として分配する方法などもあります。評価や報酬など的確な対応があると社員のモチベーションも上がり円滑にすすむでしょう。

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休業取得する側の態度。逆マタハラとは?

平成29年1月1日から男女雇用機会均等法が改正され、マタハラ防止措置が義務化されました。この義務化を盾にとり、過剰な権利主張を行う「お妊婦様」や「モンスターワーママ」などの言葉も広まっています。

逆マタハラとは、妊娠中の社員が「妊娠」を武器に周囲への気遣いや仕事への配慮をせず、過剰な権利意識で周囲の社員に迷惑をかけたり傷つけたりすることを言います。

何かにつけて「マタハラ」だと訴えるなど、周囲の社員が困ってしまうことが多くあり、職場の雰囲気が悪くなってしまいます。

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産休育休の取得は取得社員一人の問題ではなく企業全体の問題と捉える

厚生労働省が発表している、職場におけるハラスメントに関する関係改正指針には、ハラスメント防止に向け事業主が講ずるべき措置として

企業として、社員へ制度やハラスメントなどの理解を深める機会を設けるとトラブルの防止になります。特に、将来産休育休を取得するかもしれない女性社員へ正しい知識を教育していくと周囲の理解が大きく変わるでしょう。

前述した通り、産休育休を取得するのは一人ですが、その一人の休業のために犠牲になっていると感じている社員がいるのも事実です。企業全体で理解を深め、社員が正しい知識を持つことで将来的に円滑に進むようになると言えるでしょう。

周囲の社員フォローと産休育休取得社員のサポート

企業として、対策を講じていくのはもちろんですが、産休育休取得社員のサポートやその社員のフォローをする周囲の社員のサポートも必要です。とはいえ、通常業務にこれらのサポートもとなると、当該部署の上司は負担が増します。その場合、担当部署の上司の評価制度や報酬を見直す必要もあるかもしれません。

また、産休育休取得社員のサポートはデリケートな内容も含まれるため、第三者であるキャリアコンサルタントが入りサポートをすることも有効です。サポートに第三者が入ることで妊娠中社員のお妊婦様化やモンスターワーママ化を防ぐこともできるでしょう。

周囲の社員フォローと産休育休取得社員のサポートで、おめでたい出来事を笑顔で迎えられる職場環境を整えていきましょう。

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