部下のパフォーマンスを最大化する方法とは?育成方針の軸作りについて解説します

部下のパフォーマンスを最大化する方法とは?育成方針の軸作りについて解説します

部下のパフォーマンスを最大化する方法とは?育成方針の軸作りについて解説します 640 426 株式会社アールナイン

部下の育成を、どのような方向性で進めたらいいのかわからなくなったことはないでしょうか。部下の育成に関しては、多くの企業が課題を抱えています。部下一人ひとりによって、課題が異なることも育成に頭を抱える要因です。

部下のパフォーマンスを上げるためには、育成すべき部下が持つ個人課題をしっかりと理解し、それぞれにあった育成方針をとることが必要です。

今回の記事では、部下のパフォーマンスを高める育成方針を考えるうえで、どのような軸を基準に判断すればよいのかを解説いたします。また、部下の個人課題に対して、実際にどのようなアクションが適しているかもお伝えしていきます。

やる気軸(Will)”と”能力軸(Skill)”

昨今では、育成プログラムや部下の指導要領が確立されている企業は増えてきたと思います。会社が成長していくためには、社員の育成が必須であるという意識が高まってきたのではないしょうか。

しかし、このように育成の仕組み作りに力を入れている企業ほど、すべての部下へ一辺倒の育成をしてしまうという罠に陥りやすい一面もあります。

冒頭でもお伝えしたように、部下一人ひとりが持つ課題は同じではありません。部下を成長するためには、どのような課題にアプローチしていくかを考えていかなければなりません。

そこで、部下の個人課題を判断する軸となるのが、”やる気(Will)”と”能力(Skill)”という要素です。パフォーマンスを発揮するためには、どちらもとても重要な要素です。

やる気がない部下に業務のノウハウを教えてもパフォーマンスを発揮しません。能力がない部下にやる気を奮い立たせても、パフォーマンスへは結びつきません。

このように、課題と育成の方向性がマッチしていないケースを耳にすることも少なくはありません。そのため、部下が抱える個人課題にあわせた育成方針をとることが重要となります。

Willスキルマトリクスというフレームワーク

部下の個人課題を把握していくためには、”やる気軸(Will)”と”能力軸(Skill)”でセグメンテーションする手法があります。

それが、コーチングで用いられる”Willスキルマトリクス”というフレームワークです。以下がWillスキルマトリクスです。

こちらの図で示すとおり、”やる気”を縦軸とし”能力”を横軸として、以下の4つの属性に分類を行います。

  • “能力”も“やる気”もない     (能力↓、やる気↓)
  • “能力”はあるが“やる気”がない (能力↑、やる気↓)
  • “やる気”はあるが“能力”がない (能力↓、やる気↑)
  • “やる気”も“能力”もある     (能力↑、やる気↑)

これら4つの分類に部下の状態を当てはめることで、部下の持つ個人課題を整理できます。個人課題が判断できることで、次で説明する各属性に応じた育成方針が見えてきます。

Willスキルマトリクスから見えた個人課題への指導方法

それでは次に、部下が抱える個人課題に対して、どのようなアクションをとるべきかの解説をしていきます。

先ほど分類した4パターンの属性の育成方針について、一つひとつ解説をしていきます。

“能力”も“やる気”もない

パフォーマンスを発揮できていない状態です。この状態で自主性を期待することは難しいです。

そのため、まずとるべき育成方針としては”指示”(命令)をすることです。

この段階では、明確な指示をだして業務パフォーマンスを発揮させる道を作ります。その過程で能力が身に付く、やる気がでるということが起これば次のステップへ進むことができます。

この属性の社員を見放してしまう企業は少なくないですが、しっかりと育成することでパフォーマンスを発揮できる人材に育てることは可能です。

また、能力とやる気は密接につながっています。そのため、いずれかの要素に成長がみられると化ける可能性も高いです。能力もやる気もないからと放置するのではなく、指示をしていくことが成長のきっかけにもなります。

【”能力”も”やる気”もない属性へのアクション】

  • 成果へつながる道を作り指導する
  • モチベーションが上がらない理由についてヒアリングする

“能力”はあるが“やる気”がない

宝の持ち腐れとなってしまっている状態です。

1要素は満たしているため、一見指導が簡単そうに見えますが、ここはマネジメントとして一番難易度の高いセグメントでもあります。

この属性の部下は能力があるため、我も強い一面があります。勤続歴が長いベテラン社員が多い属性でもありますので、マネジメントサイドの指導をなかなか聞き入れてもらえないことも多いです。

この属性の部下には”動機付け”をすることが必要です。業務に意欲をもたらすための動機付けです。昇進や昇給も一つの方法ではありますが、それが解決にならないことも多いです。

まずは本人の能力を認めてあげ、必要な人材であると伝えることが重要です。1on1などでコミュニケーションの場を積極的に作っていきましょう。

【”能力”はあるが”やる気”がない属性へのアクション】

  • ハードルの低い目標設定をクリアさせる
  • 業務の基礎を教える
  • 成長には敏感に褒めていく

“やる気”はあるが“能力”がない

新入社員に多い属性です。この属性の部下には業務スキルをつけるための”指導”が必要です。

技術やノウハウを教え、能力を高めてあげることに注力しましょう。指導するうえで、能力を向上させるために大事なのが、教えた後にやらせてみることです。インプットしたものはアウトプットして初めて自分の中に定着します。

この属性の部下はモチベーションが高いこともあり、挑戦する機会を作ってあげればより多くの学びを得ることができます。機会提供を積極的におこない、数をこなすことで能力を向上させてあげましょう。

また、やる気がある部下は能力を早いスピードで習得していきます。この属性の人材を育てられる新人研修のカリキュラムを作成するなど育成環境を作ることが大切です。

【“やる気”はあるが“能力”がない属性へのアクション】

  • 業務の基礎を教える
  • 教えたら挑戦する機会を与える
  • モチベーションを下げないよう成長を褒める

“やる気”も“能力”もある

いわゆるチームのトップパフォーマーです。この属性が人材育成の目指すべきところです。

ここまでいけば重要なのは、細かな指導ではなく”委任”することです。細かな指示はモチベーションを下げてしまうだけです。

能力がある部下には、細かな手法は部下へ任せ、結果にコミットするような業務采配をするようにしましょう。権限や裁量を与えて任せることで、高い業務パフォーマンスを発揮すると共に更なる成長を望めます。

この属性の部下の育成方針で一番注意しなければいけないのは、放置してしまわないことです。彼らの高いパフォーマンスを下げないため、成果に対しては積極的に褒め、評価を反映させることを怠ってはいけません。

大事なのはモチベーションの維持です。部下のモチベーションを考慮し、役割設定や目標設定をしていきましょう。この属性の部下はチームを力強く支える柱となってくれるでしょう。

【“やる気”も“能力”“もある属性へのアクション】

  • 細かな指示は不要
  • 少し高い目標設定をする
  • 責任を強く感じられる仕事を任せる

まとめ

解説の補足ですが、解説したWillスキルマトリクスの注意点として、能力は顕在化しやすいですが、やる気は見たままではないということを理解しておきましょう。

やる気は表に出ている部分と潜在的に持っている部分が異なる場合が多いです。本当は頑張りたいのに、どうしたらいいかわからないという社員もいます。

やる気はひとつの簡単なきっかけで格段と変わることがあります。そのため、部下とのコミュニケーションを積極的にとり、モチベーションコントロールしていくことが重要です。

育成方針を誤ると、有能な人材は他社へ流出してしまいます。社員を育成することができなければ、会社はパフォーマンスを高めることはできません。

部下を育てるということは、会社を育てるということでもあります。マネジメントをされるかたは、マニュアルに沿った育成だけでなく、部下一人ひとりをよく理解し、個々人にあった育て方をすることでパフォーマンスを高めていきましょう。