人材派遣・人材紹介・アルバイトの違いは?人材派遣のメリット/デメリット、注意点を解説!

人材派遣・人材紹介・アルバイトの違いは?人材派遣のメリット/デメリット、注意点を解説!

人材派遣・人材紹介・アルバイトの違いは?人材派遣のメリット/デメリット、注意点を解説! 640 480 株式会社アールナイン

企業で人事業務に従事されている方は、人材派遣という言葉を聞いたことがあるかと思います。
しかし意外にも、その仕組みや具体的な内容を、正確に説明できるという方は少ないのではないでしょうか。

そこで今回は人材派遣に焦点をあて、人材紹介との違いや、アルバイト採用ではなくあえて人材派遣を利用するメリット・デメリットについて解説します。

人材派遣とは

人材派遣とは、労働者が雇用契約を結ぶ会社と別の会社で働くことを指しています。これは労働者派遣法によって定められており、「同一の派遣労働者の受け入れは原則3年まで」などのルールに則って派遣されます。

派遣社員は、2つの形にわかれます。

1つ目が、一般派遣です。これは登録型派遣とも呼ばれており、派遣先企業での就業期間が終われば、労働者と派遣会社との契約は終了します。

2つ目が、特定派遣です。これは常用型派遣とも呼ばれ、まず派遣会社に正社員として採用され、その後に派遣先企業に行きます。

特定派遣の場合、立場は正社員となるのでボーナスや退職金が発生することがあります。

2021年の法律改正

1986年に制定された派遣法は、2012年と2015年に、また2020年に大きく改正されました。そして、2021年にも2回改正されています。2021年からは、下記の内容が制定されました。

・雇用契約締結時に、派遣元の教育訓練、希望者へのキャリアコンサルティングについて説明をする

・労働者派遣契約について電磁的記録の作成も認められる

・派遣社員の労働時間や休憩、休日、育児休暇、介護休暇などに関する苦情は、派遣先企業に苦情処理責任者を設置し対応する

・派遣元は、「派遣先での直接雇用」「別の派遣先の紹介」「派遣元での無期雇用」「紹介予定派遣等その他の雇用安定措置」など、雇用安定措置に関する希望を聞き、派遣元管理台帳に記録する

・「派遣労働者の数」「派遣先の社数」「マージン率」「派遣料金の平均額」「派遣労働者の賃金の平均額」「労使協定を締結しているか否かの別等」「派遣労働者のキャリア形成支援制度に関する事項」について、常時インターネットで情報提供する

このように、派遣労働者の権利を守るために法改正がされており、今後も時流などにあわせて新しいルールが設けられるでしょう。

人材派遣とその他の雇用の違い

新しい人材を活用するには、人材派遣以外にも様々な方法があります。それらはどう違うのか、改めて理解しておきましょう。

人材派遣と人材紹介の違い

人材派遣と最も混同しやすいのが、人材紹介です。どちらも企業と労働者をつなぐ役割を果たしますが、人材派遣は派遣会社と労働者が雇用契約を結び、給与の支払いなども派遣会社が行う一方、人材紹介会社はあくまでも転職希望者を紹介するだけで、労働者は紹介先の企業と雇用関係を結びます。

人材紹介会社は、求人票の作成や応募者の人選と推薦、面接日程の調整を行います。面接後は合否の結果を応募者に伝え、合格だった場合は給与などの待遇について交渉します。

人材派遣は労働者を集め、派遣先の人材選定を行います。派遣後は管理やフォローをし、賃金の支払いも担当します。

企業が人材紹介会社を利用した場合、紹介手数料を支払います。その後は労働者に直接賃金などを支払うため、人材紹介会社への費用は発生しません。

企業が派遣会社を利用した場合、その人材の時間単価をもとに、稼働時間の分だけ派遣会社に支払います。時間単価は、労働者のスキルや、求める業務内容などによって変動します。派遣期間終了後に、派遣労働者を直接雇用する場合、紹介手数料を支払います。

人材紹介会社を利用すると、直接雇用となるため基本的には長期的に働いてもらえます。また、あくまで自社の従業員となるためコア業務を任せることができますし、幹部候補生としての採用なども視野に入ります。

一方、人材がマッチしなかったとしても、その方に職場を離れてもらうことは容易ではありません。その点、人材派遣の場合は、延長の意思を示さなければ、期間が終われば自動的に契約も終了となります。

人材派遣と紹介予定派遣の違い

人材派遣と似ている仕組みとして、紹介予定派遣というものもあります。これは、「派遣先企業の直接雇用を予定としている、人材派遣」です。

まずは派遣会社と雇用契約を結んでいる人材が派遣先企業にて、最長6か月ほど業務を行います。その後、お互いの意思が合致すれば、派遣者は人材会社との雇用契約を終了し、派遣先と直接雇用契約を結びます。

いわば「企業側と労働者側が、お互いがマッチするかトライアルできる」仕組みだと考えるとわかりやすいでしょう。また、通常の人材派遣では派遣先企業が労働者の面接をすることは禁止されていますが、紹介予定派遣の場合、これが認められます。

人材派遣と請負の違い

請負では、労働者は請負会社と雇用契約を結び、派遣先企業で稼働します。

人材派遣との大きな違いは、人材派遣では、派遣先企業が労働力に対して費用を払うのに対し、請負では派遣先企業が成果に対して費用を払う点です。派遣先企業はあらかじめどんな成果を求めるかを明らかにし、労働者はそれが完了するまで稼働するので、就業期間を区切ることはありません。

また、派遣先企業が労働者に直接指揮命令することは禁じられており、もしこれをしてしまうと「偽装請負」として法律違反になる可能性があります。請負の場合は労働法が適用されない点も、人材派遣との大きな違いです。

企業からすると、労働者の管理や育成が不要な分、人材派遣を利用するよりもコストを抑えられます。さらに、対等な立場の第三者にジョインしてもらうことで、客観的な視点を導入できるというメリットもあるでしょう。

人材派遣とアルバイトの違い

アルバイトは、労働者と企業が直接雇用関係を結びます。業務についての指示などはすべて企業が行い、労働者は企業から賃金を受けとります。派遣会社を挟まない分、支払う賃金を抑えられるのがメリットです。

しかし採用した方が職場とマッチしなくても簡単に切ることはできませんし、面接などをしてその人のスキルや人となりを見極めなくてはなりません。トラブルが発生した時、人材派遣であれば派遣会社が仲介してくれることもありますが、アルバイトの場合は企業と労働者が一対一で問題解決に取り組む必要があります。

人材派遣を利用するメリット

企業が人材派遣を利用する際、様々なメリットとデメリットがあります。具体的にどのようなものがあるか、まずはメリットから解説します。

派遣雇用の後に正社員として雇用できる

お互いの意思が確認できれば、派遣されてきた人材と、契約期間終了後に正社員として契約を結ぶことが可能です。

書類や面接だけではその人についてわかることは限られますが、数か月~数年一緒に働くことで、「この人材を社員として採用する価値はあるか」を見極めた上で採用することができます。

期限付きで人材を雇える

日本では労働者の権利が守られており、企業は一度採用するとそう簡単に退職させることはできません。

しかし人材派遣は、一定の期間で区切って雇用することができます。例えば大型のプロジェクトが立ち上がった時、そのプロジェクトが継続する期間だけ人員を増やしたい時などは、人材派遣がうってつけです。

採用・労務のコストを抑えられる

派遣会社は自社が派遣した人材が派遣先で活躍できるよう、労働者と派遣先企業からしっかりとヒアリングし、マッチするよう尽力します。

また、複数の登録者から最も合っていると思われる人物を推薦するため、派遣先企業は自社で採用コストをかけなくてもより高い確率でよい人材を確保することが可能です。

予算面でも企業は求人広告を掲載する必要がなく、その分の費用をカットできます。業界やタイミングによってはせっかく求人を出しても何カ月も集まらないケースもありますが、派遣会社を間に挟むことで、急を要する時でも迅速に人材補充ができます。

また、労働者はあくまで派遣会社と雇用関係を結んでいるため、社会保険や年金などに関する業務を派遣先企業は行う必要がありません。給与計算も発生しないため、業務コストを削減できます。

長期的な育成が不要

正社員は基本的に長期間の雇用を前提としているので、直近の予定だけでなく年単位のキャリアプランを考え育成する必要があります。そのために上司との面談を設けたり、本人の希望と業務のすり合わせをしたりと、ある程度のコストが発生します。

また、せっかく予算や人的コストを使って成長した従業員が、思いがけず退職することもあるでしょう。しかし人材派遣は、初めから就業期間が決まっているため、当面の業務で必要なスキルだけ身につけてもらうだけで問題ありません。

直接指示が出せる

これは請負と比較したときのメリットですが、派遣労働者に対しては派遣先企業が直接指示を出せます。これにより自社のやり方や社風にあわせてもらうことができるので、他の従業員とのあつれきも生まれにくくなります。

もともと予定していた以外の業務をお願いしたい時にも、労働時間などの条件を守り本人が承諾すれば依頼できるので、より柔軟に活用することができます。

正社員はコア業務に集中できる

派遣社員にノンコア業務を任せることで、正社員はコア業務に集中することができます。

ルーティン業務や時間ばかりかかる業務を任せることで、正社員は企画力や創造力が必要な仕事だけに取り組むことができます。

人材派遣を利用するデメリット

人材派遣の活用は企業にとって、デメリットもあります。それを事前に理解した上で、利用しましょう。

手数料がかかる

派遣労働者を活用するには、派遣会社への手数料が発生します。

何パーセントの手数料が発生するかは派遣会社によって様々ですが、直接雇用ならかからなかった支出が生まれることは理解しておきましょう。

属人化のリスクを抑える必要がある

派遣労働者は期限付きでの稼働となるため、「その人にしかできない業務」が生まれてしまうと、期限終了後に現場が混乱します。

もちろん正社員も業務が属人化することは避けなければなりませんが、数年以内に必ずいなくなる派遣労働者の方が、より高いリスクを背負っています。

帰属意識が生まれにくい

派遣労働者が雇用契約を結んでいるのは、あくまで人材派遣会社です。そのため、正社員に比べると帰属意識が生まれにくいというデメリットがあります。

派遣労働者は基本的に、企業理念やビジョンに共感しているのではなく、業務内容や給与などの条件があっているため稼働していることを忘れてはなりません。

対応業務の幅が狭い

総合職で採用した正社員は、企画や営業、総務など、社内のどの部署に異動させることもできます。

しかし派遣労働者は事前に業務内容をすり合わせてから働くため、基本的には急な変更ができません。一つの業務に特化できるというメリットはあるものの、「急遽欠員が出たため、フォローのために新しい業務をお願いしたい」というシーンには対応できません。

まとめ

今回は、人材派遣について解説しました。人材派遣には特有のメリット・デメリットがあるので、それらを理解した上で正しく活用すれば、企業経営に役立ちます。

労働者が雇用契約を結ぶ会社と別の企業で働くシステムを、人材派遣という

◆人材派遣には、既定の期間が終了すれば契約も終了する一般派遣と、期間終了後に派遣先で正社員として登用されることが予定されている特定派遣の2種類がある

◆人材派遣に関する法律「派遣法」は1986年に制定されてから何度か改正されており、2021年にも大きな改正があった

人材派遣は派遣会社と契約した労働者が派遣先企業で稼働するため、給与の支払いなどは派遣会社が行うが、人材会社はあくまでも転職希望者を紹介するだけで、労働者と紹介先の企業は直接雇用関係を結ぶ

紹介予定派遣は、派遣労働者が将来的に派遣先に正社員として雇用関係を結ぶことを前提とした派遣形態

◆人材派遣では派遣先企業が労働力に対して費用を払うのに対し、請負では派遣先企業が成果に対して費用を払い、派遣先企業は派遣労働者に対して指揮命令する権利を持っていない

アルバイトは労働者と企業が直接雇用関係を結び、業務についての指示などはすべて企業が行い、労働者は企業から賃金を受けとる

人材派遣のメリットは、採用・労務のコストを抑えながら期限付きで人材を確保し、長期的な育成が不要で、業務に関する指示を直接出せ、ノンコア業務を任せられること

人材派遣のデメリットは、派遣会社への手数料がかかり、属人化のリスクを抑えねばならないこと、帰属意識が生まれにくく、業務の幅が狭いこと