時間と予算をかけて新しい人材を採用したにもかかわらず、自社とマッチせず期待したような活躍をしてもらえなかったり、すぐに辞められてしまったりといったことは多々あります。
こうした失敗を防ぐために役立つのが、リファレンスチェックです。
今回はリファレンスチェックに焦点をあて、一体どのような仕組みなのか、代行企業を選ぶ時にはどんなポイントに注意すべきかなどを解説します。
Contents
リファレンスチェックとは?
リファレンスチェックとは、求職者の現在の職場または以前の職場などに問い合わせ、どんな人物かをリサーチすることです。
採用担当者が直接行うケースもあれば、代行企業に委託する場合もあります。
もともとは外資系でよく行われていましたが、最近では日本の大手企業や中小企業、ベンチャー企業でも導入するところが増えています。
リファレンスチェックをする際、必ず求職者本人に許可をとらなくてはなりません。
個人情報保護法の第16条・第17条において、本人の同意を得ずに個人情報を取り扱ってはならないと決められています。
企業の判断で勝手に実行すると、法律に違反することになるため絶対にやめましょう。
場合によっては、「現職にはまだ転職することを話していない」「前職の上司と良好な関係を築いておらず協力が見込めない」といった理由から、断られる可能性もあります。
その場合、前々職の上司や同僚、もしくは友人などにヒアリングするケースもあります。
「友人に話を聞いて意味があるのか」と感じるかもしれませんが、グループの中でどんな役割を果たすのか、コミュニケーション能力はあるのかなどは、プライベートの関係性からも判断することができます。
リファレンスチェックのやり方
リファレンスチェックは主に2つのやり方があります。
1つ目は、求職者本人がリファレンス先を紹介する方法です。
基本的には本人の仕事ぶりがわかる、前職の上司が対象となります。
しかし上司の都合がつかない、管理職にいたため上には役員しかおらず具体的な仕事内容を理解していないという場合は、同僚や部下などになることもあります。
日程調整や質問事項の共有などは求職者が行うため、募集企業の採用担当者のタスクは、質問準備と当日のヒアリングだけとなります。
2つ目は、企業がリファレンス先を探す方法です。
求職者が同業他社に在籍している場合、コネクションを使ってその企業の人間に連絡し、求職者の詳細を聞きます。
リファレンス先の企業がリファレンスチェックについて理解していれば問題ありませんが、あまり知識がない場合、従業員について他社の人間に話すことに抵抗を感じ、応じてもらえないケースもあります。
ヒアリングする項目は、方法によって変わることはほとんどありません。
まずは勤怠状況や欠勤の有無などを確認し、部下や同僚、上司として、また一緒に働きたいかを聞きます。
また、問題が起きたときにどう対応するか、どんなことが得意で何が苦手かといったスキルを質問したり、ストレス耐性や性格などのパーソナリティを深堀したりします。
採用のミスマッチを防ぐリファレンスチェック
リファレンスチェックを行うことで、採用における人材のミスマッチを防ぐことができます。
これは、面接や書類ではわからない求職者の姿を明らかにすることができるためです。
例えば面接で「私はリーダーシップがあり、こういったプロジェクトでリーダーのポジションを務めました」と言っていたとします。
しかしリファレンスチェックをすることで、「○○さんは確かにリーダーだったが、実際には同じチームの別の人がプロジェクトを引っ張っていた」といった情報を得られることがあります。
また、デメリットだけでなく求職者の魅力を明らかにできるケースもあります。
例えば面接では何も言っていなかったものの、「○○さんが持っている資格を取得しようと私が勉強をしている時、空いている時間でテキストを使って色々と教えてくれました」といったエピソードが出るかもしれません。
本人からすると「わざわざ面接で話すようなことではない」と思っていることを知ることができる点は、リファレンスチェックの大きなメリットです。
リファレンスチェックをすることで、同僚や上司から見た求職者の姿もヒアリングできます。
人材採用は人事部が中心となって行うことも多いですが、求職者が入社後に一緒に働くのは、配属された部署のメンバーです。
そのため、人事部目線で見て「うちに合っている」「活躍してくれそう」と思っても、現場からすると「なんでこんな人を採ったのか」となってしまうことも多々あります。
そこでリファレンスチェックで「同僚としてまた一緒に働きたいと思うか」などを質問し、実際に一緒に働くメンバーにどう思われているのかを測ることは非常に重要です。
また、具体的なスキルを測ることもできます。
例えば日常的に英語でのコミュニケーションが発生する職場では、どのくらい英語が話せるかは極めて重要です。
書類ではTOEIC900点とあっても、会話能力が低いというケースはあります。
そういったこともリファレンスチェックで「○○さんと英語で会話したことはありますか」「ビジネスレベルで商談にも対応できる英語力ですか」など、より具体的な部分まで確認できます。
最後に、リファレンスチェックをすることで、求職者が隠している事実を明らかにすることが可能です。
職場の上司と揉めたことや、罰則などはなかったもののパワハラやセクハラで注意を受けた過去など、「聞かれなかったから」という理由で隠しているケースも多いようです。
また、休職期間があり理由をたずねたら「家庭の事情」と言っていたものの、実際は別の要因がメインでの休職だったということもありえます。
そうした隠された情報を露見させるためにも、リファレンスチェックは有効な手段です。
リファレンスチェック代行企業の選び方
リファレンスチェックの代行企業はいくつかあり、「どこに頼めばいいかわからない」と悩んでしまう採用担当者の方もいるでしょう。
そんな時は、4つのポイントに注意してみてください。
人材のプロがいるか
「質問項目が決まっているなら誰が聞いても同じ」と思うかもしれませんが、リファレンスチェックは、誰が担当するかによって効果が大きく変わります。
人材や採用の知識がない方、企業での人事経験のない方などにとって、価値のあるリファレンスチェックを行うことは難易度の高いタスクとなるでしょう。
だからこそ、代行企業を選ぶ時は「どんな人が在籍しているのか」を重視しましょう。
企業で人事を務めていた方や人材業界にいた方は、ヒアリングで上手く情報を引き出すノウハウを持っており、人に関する情報をたくさん集めることができます。
キャリアコンサルタントなどの有資格者は、募集企業の状況や募集するポジションを加味し、「どんな人物が適しているか」を判断することが可能です。
また、在籍人数が多いと、より豊富な選択肢から適任の担当者を抜擢できます。
数名で担当している状況だと1人当たりの掛け持ち数も多く、1つのリファレンスチェックにかけられる時間も限られてしまうため、在籍数が公表されている場合は確認してみてください。
どのようなリファレンスチェックを行うか
代行企業によっては、Webでのアンケートにしか対応していないこともあります。
これでも情報を集めることはできますが、こちらから直接質問することができないため、上辺のことしかわからない可能性もあります。
おすすめは、オフライン・オンライン面談や電話インタビューなどを行っている代行企業です。
相手と会話をする機会があれば、話の中で「ここはどうなっているのか」「ここに問題はないか」など、必要に応じてどんどん深堀することができます。
休職者の申告している経歴などに嘘がないか簡単な確認をする程度であればWebアンケートでも問題ないかもしれませんが、より質の高いリファレンスチェックを行いたい場合は面談方法まで着目しましょう。
コストが適正か
企業によって、採用にかけられる1人当たりの予算は異なります。
どんなに良いサービスがあっても、適正なコストでなければ利用は難しいものです。
代行企業を選ぶ際は、費用の確認を忘れないようにしましょう。
気をつけたいポイントは、利用料以外の代金がかかるケースです。
1件あたりの価格のほか、導入コストなど別途の費用が発生しないかどうか事前に確認が必要です。
採用後のオペレーションにも対応しているか
リファレンスチェックを提供する企業の中には、そのほかの採用にかかわるサービスも提供しているところがあります。
採用計画を立てるところから求人媒体の選定、書類選考や面接の代行、内定後の研修まで一気通貫でできることもあるでしょう。
もしリファレンスチェックだけをサポートしてほしいということであれば不要ですが、採用のプロと一緒に採用活動をやっていきたいというニーズがある場合は、このような総合的なソリューションを提供しているところがおすすめです。
アールナインのリファレンスチェック
アールナインでは、求人を出している企業に対して様々なサービスを提供しており、リファレンスチェックにも対応しています。
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企業人事経験者・人材業界経験者・キャリアコンサルタント有資格者など、人材領域に関するプロフェッショナルが約500名在籍しており、企業規模や業界を問わず、あらゆる企業での採用をサポートしています。
年間30,000件超の採用実務経験があり、1社1社に合わせたソリューションを提供します。
リファレンスチェックではWebと電話でのインタビューを実施し、元上司・同僚などの生の声を高い品質のレポートにまとめます。
まずは全体サマリーとして、候補者のキャリア情報、性格・性向、強み・弱みなどを明らかにします。質問項目ごとの回答も記載し、ヒアリングによって得た定性的な情報を具体的に抽出します。
最後に、候補者をマネジメントする際のポイントをレポートするので、オンボーディングや入社後の活躍の材料として活用できます。
また、単価が明確なことに加えて、スポット利用で気軽に試すことができるため、「リファレンスチェックのことはよくわからないが、一度試してみたい」といった軽いニーズにもマッチします。
さらにリファレンスチェックだけではなく、採用計画の立案、採用ブランディング、選考プロセス設計、面接設計など、採用に関わるあらゆる課題を解決できるため、どんなことでもご相談ください。
まとめ
今回は、リファレンスチェックについて解説しました。
どのような人材を採用するかは企業成長の要であり、求職者の資質を見極めるためにリファレンスチェックは非常に役立ちます。
ミスマッチを防ぎ長く自社で活躍してくれる人材を採用するためにも、ぜひ検討してみましょう。
◆リファレンスチェックとは採用において、求職者の現在の職場または以前の職場などに問い合わせ、求職者についてリサーチすること
◆リファレンスチェックを行う前には、必ず求職者本人に許可をとらなくてはならない
◆リファレンスチェックには、求職者がリファレンス先を紹介する方法と、募集企業がリファレンス先を探す方法の2種類がある
◆質問する項目は、勤怠状況や本人の強み・弱みの他、コミュニケーション能力などのスキル面や、ストレス耐性や性格などのパーソナリティなど、多岐にわたる
◆リファレンスチェックの最大のメリットは採用におけるミスマッチを防ぐことで、求職者が話す内容が真実かを見極めることができる
◆リファレンス先からの話によって、本人が自覚していない魅力を引き出せたり、一緒に働く人から見た求職者の姿が明らかになったりする
◆書類上ではわからない具体的なスキルを深堀りできる点も、リファレンスチェックの魅力
◆リファレンスチェックを自社で行うことが難しい場合、代行企業への委託がおすすめ。
◆代行企業を選ぶ時には、人事経験者や人材業界経験者など、採用に関するプロフェッショナルが在籍している企業を選ぶと良い
◆企業によってはWebアンケートだけで済ませるところもあるが、オンラインや電話などで直接インタビューする方がより多くの情報を収集できる
◆コストが適正か、リファレンスチェック以外のサービスもあるかといった点も企業選びのポイントとなる
◆アールナインでは企業人事経験者・人材業界経験者・キャリアコンサルタント有資格者などがリファレンスチェックを行い、採用計画から内定後の研修までトータルサポートする