【解決策】Z世代の早期離職を防ぐフォロー方法とは?


【解決策】Z世代の早期離職を防ぐフォロー方法とは?

「Z世代社員の離職率が高く、頭を悩ませている」
「どうしたらZ世代社員の早期離職を防ぐことができるのか知りたい」

このような悩みを抱える人事担当者や現場責任者の方は多いのではないでしょうか。

マイナビ転職が行ったアンケートによると、Z世代社員の28.3%が3年以内の退職を意識しているという結果が出ています。

これからの企業を支えるZ世代社員を、中長期的に育成するためには、早期離職は大きな課題となります。

そこで今回は、Z世代社員が早期離職する理由や、Z世代社員の早期離職を防ぐフォロー方法についてお伝えしていきます。

会社の将来を支えるZ世代社員の早期離職を防ぐために、この記事から大事なポイントを押さえていきましょう。

Contents

Z世代社員が早期離職する8つの理由

まずは、Z世代社員が早期離職する理由について解説していきます。

冒頭でお伝えしたように、Z世代社員の28.3%は3年以内の退職を意識しているという結果が出ています。

参照元:マイナビBiz『コロナ禍だからこそ新入社員の受け入れ態勢が重要! Z世代社員の定着率UP・離職防止のために総務・人事担当者が心がけること』

Z世代社員が早期離職を考える理由を理解しなければ、対策を講じることもできません。

Z世代社員の早期離職に繋がる要素について解説いたしますので、しっかりと理解していきましょう。

1. 仕事にやりがいを感じない

仕事自体にやりがいを感じないというのは、Z世代社員が早期離職するのに多い理由です。

Z世代は、自己表現への意識や成長意欲を強く持っています。

とにかく給与だけ貰えれば良いという方は少なく、仕事を通して自己の欲求を実現することに重きを置いています。

そのため、仕事にやりがいがないと感じたら、すぐに離職してしまう可能性は高いです。

2. 給料に満足できない

給与が上がらない、給与が不十分という理由で早期離職するZ世代社員も多いようです。

給与に関しては、離職理由として各世代共通で上位ですが、Z世代の特徴である「安定性の重視」や「終身雇用を考えない」という傾向の強さから、給与に不満があった場合、離職に繋がる可能性はより顕著になると考えられます。

また、給与に関しては適正な評価がなされていないという捉え方にも繋がります。

3. 社内の人間関係に疲れてしまう

社内の人間関係も、早期離職に繋がる要因となることがあります。

Z世代社員は、プライベートの時間や、個人としての在り方を大事にしたいという気持ちが強い傾向にあります。

そのため、過度な誘いや社内の人間関係が派閥化やコミュニティ化している場合、疲れを感じるZ世代社員も多いでしょう。

4. 会社の将来に不安がある

会社の将来に不安を感じ、早期離職するZ世代社員も少なくありません。

期待を持って入社した企業でも、実際に働いて内情がわかると期待と現実のギャップが生まれます。

Z世代は、企業活動での社会貢献や社会的価値に重きを置く傾向があります。

そのため、会社の将来性に失望した場合、早期離職を考える可能性があります。

5. 努力しても正当な評価がされない

正当な評価がされないというのも、Z世代社員の早期離職として多い理由です。

Z世代社員が、SNSで「いいね」や「フォロー」を求める傾向からも考察できるように、Z世代社員は承認欲求が強いことがわかります。

そのため、頑張りが評価されない場合には大きな不満を感じ、早期離職へと繋がる可能性が高まります。

6. 仕事の負荷が大きい

過度に業務の負荷をかけることも、Z世代社員の早期離職へと繋がります。

Z世代は、ワークライフバランスを重要視する傾向が強くあります。

団塊世代のように、出世や昇給のために多くを捧げるという考え方ではないため、健康を害したり、プライベートに影響がでたりするレベルの業務量となる場合、早期離職を考えるZ世代社員は多いでしょう。

7. 上司のマネジメントスタイルとあわない

上司のマネジメントスタイルが自分とあわず、早期離職してしまうZ世代社員も少なくありません。

今、Z世代社員をマネジメントしているのは、Z世代より上の世代の方であることがほとんどです。

そのため、ベースとなる考え方や価値観に違いがあることも多いでしょう。

時代にそぐわないマネジメントは苦痛となり、早期離職へと繋がる要因となります。

8. 自社でキャリアアップできる道がない

自社でキャリアアップの道が見えなくなった場合、Z世代社員は転職のために離職する選択をとります。

Z世代社員の就業観として、成長や自己実現にも価値観を置いています。

もし、今いる環境では次のステップへ進むことができないと判断した場合は、新しい環境へ行くため離職する可能性もあるでしょう。

早期離職を考えるZ世代社員の3つの特徴

続いて、早期離職を考えるZ世代社員の特徴について解説していきます。

早期離職する前のZ世代社員には、いくつかの傾向が現れます。該当の傾向が見られた場合には早急に対処することで、離職を防げる可能性が高まります。

しっかりとポイントを押さえて、予兆を見逃さないようにしましょう。

1. 仕事へのモチベーションが低い

仕事へのモチベーションの低さが見られる場合、離職を考えている可能性もあります。

マネジメントをする人間は、「部下のやる気がない」=「怠惰」と考えて切り捨てるのではなく、やる気のない理由を探ることが重要です。

何がモチベーションを妨げる要因となっているのかを分析し、それに応じた対策を講じることが必要です。

2. 社内でのコミュニケーションが少なくなる

会社内で、社員同士のコミュニケーションが目に見えて減少している場合も、離職を考えている可能性があるため注視する必要があります。

上司や同僚とコミュニケーションをとることが極端に減っている場合、何か人間関係に悩みを抱えていたり、社内の環境へ不満を抱えていたりする可能性があります。

早急にヒアリングし、原因を分析しましょう。

3. 欠勤や遅刻、早退が増える

欠勤や遅刻、早退が増える場合も、注意した方がいいでしょう。

勤怠の乱れは、メンタルやモチベーションの低下が影響している可能性もあります。

勤怠が不安定な場合は、ただ咎めるのではなく、まずは抱えている悩みがないかヒアリングしましょう。

Z世代の早期離職を防ぐ効果的なフォロー方法12選

続いて、Z世代社員の早期離職を防ぐ効果的なフォロー方法について解説していきます。

早期離職を防ぐためには、離職の予兆が見られた際に早急な対応が必要です。

いつでもすぐに行動できるよう、しっかりとフォローの方法を頭に入れておきましょう。

1. 1on1の機会を作る

Z世代社員の早期離職を防ぐためには、普段から定期的にコミュニケーションの機会を作ることが重要です。

特に、1on1の場を設け、個人が抱える悩みや考えをヒアリングすることは効果的です。

悩みが大きくならないよう、定期的にコミュニケーションをとっていきましょう。

2. 普段からのコミュニケーションを意識する

コミュニケーションに関しては、1on1などの面談の機会だけでなく、日常から意識が必要です。

すれ違った際に挨拶や雑談をしたり、執務スペースでも業務の質問をしやすいよう声掛けをしたりして交流を深めていきましょう。

日頃のコミュニケーションの積み重ねが信頼関係を構築していきます。

3. 納得感のある明確な基準で評価する

評価基準が不明確な場合、Z世代社員は不満を持ち、離職する可能性があります。

評価の基準を明確にし、しっかりと各評価基準についてZ世代社員へ納得感のある説明をするようにしましょう。

4. 成功体験を積ませる

成功体験を積ませることも、Z世代社員の離職を防ぐ効果的なフォロー方法となります。

業務采配する際に、必要以上に負荷が大きい課題を与えると、達成できず自信やモチベーションを喪失してしまう可能性が高まります。

成長を考えながらも、頑張れば届きそうなストレッチングな目標設定を行い、成功体験を積み重ねながら成長していけるよう、マネジメントすることが大切です。

5. 多様性のあるキャリアパスを設計する

Z世代は、多様性を重視する価値観を持っています。

キャリアパスに関しても、柔軟に決めていきたいという思考が強いです。

Z世代にあう職場環境には、1つの職種だけにキャリアの道を絞るのではなく、スキルを活かして別の仕事にもジョブローテーションできるような柔軟性が求められるでしょう。

6. 長時間労働を強制しない

長時間労働も、Z世代社員が早期離職をする大きな要因です。

Z世代社員はワークライフバランスに価値観を置いているため、長時間労働により私生活を害されることに嫌悪感を示します。

過度な長時間労働とならないよう、業務ボリュームや、業務進捗をしっかりと管理していくことが必要です。

7. メンター制度を取り入れる

Z世代は、他者とのコミュニケーションを重視します。また、個人を尊重してもらうことにも重きを置きます。

そのため、個人間で深い関わりを持てるメンター制度は、効果的な育成方法となります。

上司には相談しづらいことも、メンターとなる先輩社員には話しやすいこともあります。

悩みや疑問を相談できる人を増やすことで、離職の可能性を下げることにも繋がります。

8. 上司のマネジメントスキルを向上させる

上司のマネジメントスキルは、Z世代社員の離職に大きく関わる要素です。

前述している様なコミュニケーションはもちろん、業務采配、評価など全てを含めたマネジメントスキルが必要とされます。

管理職のマネジメントスキル向上は、上司となる人間だけの課題ではありません。人事や経営陣も課題意識を持ち、会社としてマネジメントスキル向上に取り組んでいくことが必要です。

9. 部署外に相談窓口を設置する

上司や同僚だけでなく部署外の人に相談できる窓口を設置することも離職を防ぐ効果的なフォロー施策です。

問題が部署内にある場合、上司や同僚には相談しづらいものです。

そのような場合、部署外に相談窓口が設置されていれば、悩みを相談できる経路となります。

10.スキルアップ研修を用意する

Z世代は、自己成長にも強い意欲を持っています。

そのため、入社時の研修のみで終わりとするのではなく、成長フェーズにあわせて各研修を用意しておくことが好ましいでしょう。

自己成長を実感することができれば、離職する可能性も下がります。

11.ストレスケアの機会を作る

Z世代社員の早期離職を防ぐためには、ストレスケアも重要です。

上司やメンターとの面談の機会はもちろんですが、専門医によるカウンセリングの機会を設けることも必要になるでしょう。

悩みが大きくならない様、定期的に行っていくといいでしょう。

12.自社を好きになってもらい、会社とのエンゲージメントを深める

自社を好きになってもらうことも、Z世代社員の離職を防ぐ効果的なフォロー方法です。

Z世代社員は他世代と比較すると、帰属意識が低いと言われています。

しかし、企業がもたらす社会的価値や貢献には大きな関心を示します。

そのため、今自分が携わっている仕事がどのような価値を生み出すのか、仕事の意味・目的を伝えていくことが重要です。

しっかりと意味・目的を伝えれば、やりがいや使命感へと変わっていきます。

また、会社とのエンゲージメントを深める機会を作ることも重要です。

社内でイベントを行ったり、普段接することがない社長や役員、違う部署の人達とランチ会を企画するのもいいでしょう。

会社とのエンゲージメントを深め、Z世代社員に自社で働くことを誇りに思ってもらえるよう努力しましょう。

Z世代の就業前から、早期離職を防ぐためにできることはある

Z世代社員の早期離職を防ぐフォロー施策について解説いたしましたが、早期離職を防ぐためには、就業前からの対策をしていくことも重要です。

主に下記の3段階で、早期離職を防止するためにできることはあります。

・内定前
・内定後〜入社前
・新入社員研修中

順番に解説していきます。

内定前:しっかりと適正を見た採用判断をする

早期離職防止に関しては、就業後のフォロー施策にフォーカスされがちですが、採用時点の適正判断を高めることで、離職率は大きく変わります。

もし、Z世代社員の離職率が高いようであれば、現場状況を確認するとともに、採用段階での問題がないかを合わせて検証し改善していきましょう。

内定後〜入社前:内定者フォローの期間で相互理解を深める

内定後も、内定者フォローで積極的にコミュニケーションをとり、相互理解を深めていくことが大切です。

この段階で、Z世代社員に自社のことを深く理解してもらい、企業側も新入社員となる個々の人材の理解を深める必要があります。

ここで相互理解を深めることが、入社後の離職率にも影響します。

新入社員研修中:新入社員研修でも自社の在り方をしっかりと伝える

新入社員研修も、Z世代社員の離職率に大きく影響を与えるフェーズです。

入社初期の段階で抱く企業イメージの影響はとても大きいといえるでしょう。

しっかりと自社の価値やビジョンを伝え、やりがいを持って働けるようにしていくことが重要です。

まとめ

今回は、Z世代社員が早期離職する理由や、Z世代社員の早期離職を防ぐ効果的なフォロー方法について解説いたしました。

企業が成長していくためには、社員1人1人の成長が求められます。

そのためには、中長期的な視野で社員を育成しつつ、社員が活躍できる環境を整えていくことが必要です。

◆Z世代社員が強みを活かして長期で働けるよう、今回のポイントを早速取り入れていきましょう。
◆Z世代社員が早期離職する8つの理由
1. 仕事にやりがいを感じない
2. 給料に満足できない
3. 社内の人間関係に疲れてしまう
4. 会社の将来に不安がある
5. 努力しても正当な評価がされない
6. 仕事の負荷が大きい
7. 上司のマネジメントスタイルとあわない
8. 自社でキャリアアップできる道がない
◆早期離職を考えるZ世代社員の3つの特徴
1. 仕事へのモチベーションが低い
2. 社内でのコミュニケーションが少なくなる
3. 欠勤や遅刻、早退が増える
◆Z世代の早期離職を防ぐ効果的なフォロー方法12選
1. 1on1の機会を作る
2. 普段からのコミュニケーションを意識する
3. 納得感のある明確な基準で評価する
4. 成功体験を積ませる
5. 多様性のあるキャリアパスを設計する
6. 長時間労働を強制しない
7. メンター制度を取り入れる
8. 上司のマネジメントスキルを向上させる
9. 部署外に相談窓口を設置する
10.スキルアップ研修を用意する
11.ストレスケアの機会を作る
12.自社を好きになってもらい、会社とのエンゲージメントを深める
◆「Z世代の就業前から、早期離職を防ぐためにできることはある
内定前:しっかりと適正を見た採用判断をする
内定後〜入社前:内定者フォローの期間で相互理解を深める
新入社員研修中:新入社員研修でも自社の在り方をしっかりと伝える