テレワークでの人間関係を良好にする9つの工夫【もうギクシャクしない】


テレワークでの人間関係を良好にする9つの工夫【もうギクシャクしない】

「自社でもテレワークを導入したが、人間関係のトラブルが生まれている

「テレワークを開始してから、人間関係にストレスを抱える社員が増えている

このように、テレワークでの人間関係に頭を抱える人事担当者や管理者の方は多いのではないでしょうか。

テレワークは、新型コロナウイルスの感染リスクを下げ、通勤のストレスもなくなるため、多くの会社員の方から働きやすいスタイルとして評価されています。

一方で、対面でのコミュニケーションが減ることにより、人間関係に課題を抱えやすい働き方としても捉えられています。

今回は、テレワークで人間関係に課題が生まれる理由や、テレワークでの人間関係を良好にするための工夫などについて解説していきます。

この記事からテレワークでの人間関係を良好にするコツを学び、社員がストレスを抱え込むことのないよう、テレワークを健全な働き方へと変えていきましょう。

テレワークが主流となった背景と見えてきた課題

新型コロナウイルスの流行以降、テレワークやリモートワーク、在宅勤務といった言葉が一般的に使われるようになりました。

一昔前は、ほとんどの企業が社員に自宅で働いてもらうスタイルなど考えもしていなかったため、働き方に大きな変化が起こったといえるでしょう。

まずは、テレワークが浸透するまでの背景や、テレワークによって新たに生じた課題について解説していきます。

新型コロナの流行を機にテレワークの導入が広がる 

新型コロナウイルスは、201912月初旬に第1例目の感染者が報告されてから、数カ月ほどの間にパンデミックといわれるほどの世界的な流行となりました。

日本では、2020411日に第1回目の緊急事態宣言が出され、外出自粛の要請も求められました。

企業にも職場への出勤を避けるため、テレワークや時差出勤の取り組みを強く求められ、多くの企業が在宅でのテレワークを開始したことが、近年にテレワーク浸透させる背景となっています。

テレワークと出社勤務との違い

テレワークと出社勤務では大きく異なる点があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

テレワークでは通勤が不要

まず1つ目の大きな違いは、通勤が不要になったことです。

通勤がなくなったことは、テレワークが浸透した理由でもある、型コロナウイルス感染拡大防止にも大きく貢献しました。

通勤時間がなくなることや、満員電車でストレスを感じることがなくなるなど、テレワークによって通勤が不要となった恩恵を感じる社員の声も多くあがっています。

テレワークではセルフマネジメントが求められる

テレワークでは、各社員にセルフマネジメントが求められます。

テレワークでも業務の大枠の管理は従来通り行われていますが、出退勤や休憩の管理、業務姿勢などは社員個人に委ねられることになります。

出社していた際は上司や先輩社員が見える位置にいることで、それなりの緊張感があったかも知れませんが、テレワークでは自分で緊張感やモチベーションをコントロールする必要があります。

テレワークでは対人のコミュニケーションが減る

テレワークでは、対人コミュニケーションが大きく減少します。

出社時には、同僚や先輩社員、上司などに直接対面で挨拶や雑談ができます。しかし、そういった小さなコミュニケーションがテレワークではありません。

もちろん、テレワークでもzoomslackなど、テレビ通話やチャットができるツールを通してコミュニケーションをとることはできますが、対人コミュニケーションと比較すると伝えられる情報量は少なく、機会も限られやすいというのが現状です。

テレワークによって人間関係の課題が生じるケースも多い

テレワークでは、対人のコミュニケーションが減ることによって、人間関係の課題が生じるケースも頻繁に起きています。

コミュニケーションが減り、相手の動きや考えが不明確になることで、相手への信頼は薄くなり、いつしか不信感へと変わってしまいます。

その結果、些細なことで人間関係のトラブルが生じたり、業務のやりとりでもストレスを感じることが増えてきます。

テレワークで人間関係に課題が生まれる6つの理由

続いて、テレワークで人間関係に課題が生まれる理由について解説していきます。

テレワークで人間関係がギクシャクしてしまうのには、いくつかの理由があります。

まずは、要因をしっかりと理解してから対策を考えていきましょう。

対面でのコミュニケーションが極端に減る

テレワークで人間関係に課題が生まれる理由の1つは、対面でのコミュニケーションが極端に減ることです。

前項でもお伝えした通り、対面でのコミュニケーションが減ることにより、相手に関して得られる情報量が減ります。

メラビアンの法則によると、コミュニケーションにおいて言語・聴覚・視覚から受け取る情報は、言語情報が7聴覚情報が38視覚情報が55の割合で影響を与えているといわれています

そのため、テレワークでのやりとりの主流となる「チャットでのコミュニケーション」と「対面コミュニケーション」では、情報の質に大きな差が生まれることになります。

ライトなコミュニケーションを取りづらくなる

ライトなコミュニケーションを取りづらくなるというのも、テレワークで人間関係に課題が生まれる原因の1つです。

テレワークでも、オンライン会議を設定したり、チャットで連絡したりと他の社員とコミュニケーションをとる手段はあります。

しかし、「雑談で連絡したら怒られそう」「⚪︎⚪︎さんは今忙しそうだから連絡しづらい」というような思いから、ライトなコミュニケーションを取ることに抵抗を感じる方は少なくないはずです。

この結果、本来、人間関係の潤滑油となるようなコミュニケーションがなくなり、堅苦しい業務連絡のみとなることで、人間関係にも影響を及ぼすことになります。

コミュニケーションが一方通行になりがち

テレワークでは、コミュニケーションが一方通行になりがちな性質があります。

例えば、業務の指示をグループチャットで連絡した際に、相手の反応が見られないケースがあります。

指示を出した側としては、相手からレスがないと本当に相手が理解しているのか心配になるでしょう。

しかし、受けた側としては、一人一人が書き込みをすると情報が煩雑になることに配慮をしていたり、周りの様子にならってレスを返さない、というように各々が考えたうえでの行動であることが多いです。

本当は受けた側の人もコミュニケーションを取りたいと思っていることも多く、自分の疑問点を聞けないことや、意見を伝えられないことにフラストレーションを感じることもあります。

出社勤務の時は、すぐにその場で相互のコミュニケーションをとれていたことが、テレワークではコミュニケーションが一方的になることにより、人間関係に問題が生じることがあります。

オンライン会議は閉塞的になりがち

テレワークでのオンライン会議は、閉塞的になる傾向があります。

オンライン会議の場合、ツールの性質上、人と被って話すことはできないため、雑談のように早いテンポで話すことに適していません。

そのため、「今自分は発言して良いのか」「指名されるまで発言しづらい」と感じる方も多くいます。

このような理由からオンラインでの会議が活発化されないため、コミュニケーションの質も低下します。この現状もテレワークが抱える課題の1つです。

実際に相手が見えないため誤解が生まれる

テレワークでは実際の相手が見えなくなるため、誤解が生じやすくなります。

管理者の中には、部下が見えないことで「本当に真面目に働いているのか」「サボっているのではないか」と疑心暗鬼になってしまう方もいます。

一方、部下の心境としては、「自分達の仕事の状況をちゃんと理解しているのか」「サボってると勘違いしているのではないか」というように感じる方もいるでしょう。

このように相手が見えないことにより、ネガティブな印象が大きくなり、相手への誤解や不信感が生まれてしまうことがあります。

チャットのコミュニケーションが無機質に感じる

多くの企業では、チャットツールをテレワーク中のコミュニケーション手段の主流として利用しています。

しかし、文字だけのチャットのコミュニケーションは、表情や温度感が見えないため、無機質に感じ、相手にネガティブなイメージを与えてしまうことも少なくありません

対面では言葉の抑揚や、表情を使って伝えられていたことが、チャットのコミュニケーションでは文章だけになるため、意図しない伝わり方をしてしまうこともあります。

テレワークでの人間関係を良好にする9つの工夫

続いて、テレワークでの人間関係を良好にするための工夫について解説していきます。

テレワークではコミュニケーションが不足しがちなため、何も対策をしなければ人間関係に課題を抱える可能性があります。

しかし、少しの工夫でテレワークの人間関係を良好にすることはできます。

ここで解説するポイントを押さえて、自社のテレワーク環境に取り入れていきましょう。

誰でも発言しやすい機会をつくる

テレワークを実施する際は、誰でも発言しやすい機会をつくることが大切です。

テレワークでは、多くの人が「相手の迷惑になるのではないか」「規律を乱すことにならないか」と心配し、発言をすることに慎重になりがちです。

その結果、コミュニケーションの機会が減り、人間関係にも問題が生まれやすくなります。

そうならないためにも、誰でも発言しやすい機会を提供し社員間のコミュニケーションを増やしていきましょう。

アイデア募集用の板を作ったり、雑談用の板を作るのも良いでしょう。

また、定期的に意見集めのミーティングをなったり、ランチ会などをオンラインで企画するのも効果的です。

テレワークでは、このように意識的にコミュニケーションの量を増やしていくことが重要です。

個人チャットの利用を許可する

テレワークでは、社員の個人チャットの利用を許可することを推奨します。

考え方によっては、「業務の妨げになるのでは」「不要なコミュニケーションは取らない方がいい」と思う方もいるかも知れません。

しかし、前述しているようにコミュニケーションが減ることで人間関係に課題が生まれ、その結果、業務にも大きな影響を及ぼします。

社員に窮屈な制限を設けるのはマイナスになることが多いため、個人チャットでの社員間のコミュニケーション取れる状態にしておくことが好ましいでしょう。

雑談ができる機会もつくる

テレワークでは、雑談の機会も意識的につくっていくことが必要です。

テレワークに慣れていない方ほど、「効率的に動かなければ」とシステマチックに考えてしまい、雑談をする余裕がなくなります。

雑談がなくなることで、自然とコミュニケーションの総量も減っていきます。

コミュニケーションを取るためにも、オンラインで一緒にランチ会をしたり、ミーティング前に少しアイスブレイクの時間を設けるなど、雑談をする機会を意識的につくることが大切です。

また、オープンチャットで雑談用の板を作ることもコミュニケーション活性化の手段としておすすめです。

テレワークに適したツールを使う

テレワークを行う際は、利用するツール選びも大事になってきます。

利用するツールが使いやすいほど、コミュニケーションの量も増えます。

新型コロナウイルスの流行以降、オンライン会議のツールやチャットツールなどは利便性の高いツールが増えてきています。

自社の規模感や、利用する社員の年代などによって適したツールを選びましょう。

また、ツールの機能や仕様などについても専用の板を作って、別途、レクチャしていくこともコミュニケーション活性化につながります。

Web会議を行う際は、できるだけ少人数にする

テレワークでWeb会議を行う際は、できるだけ少人数にすることが好ましいでしょう。

Web会議では、他の人と被らずに喋る配慮が必要なため、発言することに消極的になりがちです。

多人数でのWeb会議となると、より発言しづらさが顕著になり、喋る人と見ている人が分かれてしまいがちです。

Web会議で積極的に議論に参加してもらうためには、それぞれが発言しやすいように少人数での開催がおすすめです

絵文字やスタンプなどでチャットのコミュニケーションを改善する

テレワークでの人間関係のトラブルは、チャットのやりとりが原因となることもあります

チャットでテキストだけの表現となることで、本来の意図とは違う印象を相手に与えてしまい、相手を不快にさせてしまうこともあります。

そのようなチャットのコミュニケーションを改善するためには、絵文字やスタンプなどを利用してみるのも良いでしょう。

世代によっては抵抗がある方もいるかも知れませんが、これもコミュニケーションを円滑にする1つの手段であることを理解しましょう。

相手に意図しない緊張感や重苦しさを与えないためにも、絵文字やスタンプなどを使って、テキストだけのコミュニケーションを和らげる工夫が必要です。

業務のやりとりをする際は、相互で確認を行うようにする

テレワークで業務のやりとりをする際は、指示を出す側も、受ける側も、相互で確認を行う意識が必要です。

指示を出す側だけが一方的に指示を出し、受ける側のレスがなければ、相手が見えないため、不安や不信感を感じてしまうことがあります。

そうならないためにも、指示を出した人は、レスがなければ相手に確認を行うようにした方が良いでしょう。

また、指示を受ける側の人間も、内容を理解した旨の返信や、不明点があれば確認を行うなどのアクションができれば良好なコミュニケーションが取れるでしょう。

この相互の確認が行えるよう、まずは指示を出す人間が主導して、積極的にコミュニケーションの方向性を示しましょう。

テレワークに関しての研修を受ける

テレワークは出社勤務とシチュエーションが異なるため、起こる問題やその解決方法も変わってきます。

そのため、テレワークでの業務を管理する方は、テレワークに関する研修を受けておくことをおすすめします。

人材系サービスでは、豊富な経験からテレワークでの課題や解決方法を熟知しています。

研修によって確かなノウハウを得て、効率的でストレスのないテレワーク環境へと変えていきましょう。

第三者面談を取り入れる

テレワークで起こる人間関係の課題を解消するためには、第三者面談を取り入れることも有効です。

人材系サービスでは、第三者面談として、人事や上司とは異なる外部の人間が面談をするサービスを提供しています。

第三者面談では、「自社の人間には話しづらいため、第三者に話したい」「今抱えている問題について、第三者の目線からの意見を聞きたい」という場面で効果を発揮します。

人間関係の悩みはセンシティブな問題であるため、自社だけで解決するより、第三者機関の力を借りた方が良い場合も多くあります。

テレワークでの人間関係の悩みを減らすためにも、第三者面談の機会を設けることも検討してみましょう。

まとめ

今回は、テレワークが主流となった背景や、テレワークで人間関係に課題が生まれる理由、テレワークでの人間関係を良好にする工夫について解説いたしました。

テレワークでは、対面コミュニケーションが減少するため、出社勤務と同じように接していては人間関係にも様々な問題が生じやすくなります

しかし、雑談の機会を意識的につくったり、第三者面談を取り入れるなど、少しの工夫を加えることでテレワークでの課題を解消することはできます。

社員全員が大きなストレスを抱えることなく働けるよう、小さな工夫を取り入れていきましょう。

◆テレワークが主流となった背景と見えてきた課題
・新型コロナの流行を機にテレワークの導入が広がる
◆テレワークと出社勤務との違い
・テレワークでは通勤が不要
・テレワークではセルフマネジメントが求められる
・テレワークでは対人のコミュニケーションが減る
・テレワークによって人間関係の課題が生じるケースも多い
◆テレワークで人間関係に課題が生まれる6つの理由
・対面でのコミュニケーションが極端に減る
・ライトなコミュニケーションを取りづらくなる
・コミュニケーションが一方通行になりがち
・オンライン会議は閉塞的になりがち
・実際に相手が見えないため誤解が生まれる
・チャットのコミュニケーションが無機質に感じる
◆テレワークでの人間関係を良好にする9つの工夫
・誰でも発言しやすい機会をつくる
・個人チャットの利用を許可する
・雑談ができる機会もつくる
・テレワークに適したツールを使う
・Web会議を行う際は、できるだけ少人数にする
・絵文字やスタンプなどでチャットのコミュニケーションを改善する
・業務のやりとりをする際は、相互で確認を行うようにする
・テレワークに関しての研修を受ける
・第三者面談を取り入れる