テレワークで生産性が下がる5つの理由【効果のある改善方法も解説】


テレワークで生産性が下がる5つの理由【効果のある改善方法も解説】

「テレワークを始めてから、業務の生産性が低下している気がする

「テレワークで生産性が下がる原因を知りたい」

「テレワークで生産性を向上させる方法を知りたい」

このように、テレワーク導入後の生産性の低下について頭を抱える管理者や人事担当者の方も多いのではないでしょうか。

新型コロナウイルスの流行以降、感染症対策として多くの企業がテレワークを導入しました。

テレワークについては、感染症の拡大防止に貢献した一方、業務の生産性低下を問題視する声が多数挙がっています。

今回は、テレワークで生産性がどのように変化したか、テレワークで生産性が下がる理由、テレワークで生産性を上げる方法について解説していきます。

この記事からテレワークでの生産性の課題を正しく理解し、テレワークの性質的な弱点に合わせた対応策をとっていきましょう。

テレワークで生産性は向上するのか?低下するのか?

まずは、テレワークで生産性がどのように変化するのかを正しく理解していきましょう。

日経BP総合研究所イノベーションICTラボが202241日~12日の期間で、働き方改革に関する動向・意識調査を実施しました。

この結果から、テレワークでの生産性の実情を考察することができます。

「テレワークで生産性が下がった」と回答した人は4割以上

日経BP総合研究所イノベーションICTラボが実施した意識調査での「テレワークによる業務の生産性は、職場(派遣・常駐先を含む)で仕事に取り組む場合を100とした場合、どれくらいですか」という質問では、46.4%の方が「100未満」(下がった)と回答しています。

100超」(上がった)と回答した人は20.8であったため、生産性が下がったと感じる人は、生産性が上がったと感じる人の2倍以上という結果になりました。

部長職以上で、テレワークで生産性が上がったと感じているのは1割程度

前述した生産性の変化に関する質問の結果を部長職以上に限定して集計したところ、「生産性が上がった」と回答したのは僅か11.1%のみでした。

業務を俯瞰的に見て管理する立場の人間からは、テレワークによって生産性が低下したと認識している方が多いことが分かります。

テレワークによる生産性低下は長期に渡っての課題

日経BP総合研究所イノベーションICTラボによるテレワークでの生産性の変化に関する質問は、過去にも数度実施されています。

多くの企業がテレワークを導入し始めた20204月直後の意識調査では、生産性低下の声が6を超えていました。

テレワーク導入時と現在との比較では、生産性低下の声は減少しているため、各企業で工夫や努力をしたことが伺えます。

しかし、生産性低下の声が4割を下回ることは未だになく、引き続き、生産性に関してはテレワークの大きな課題となっています。

参考URL:日経クロステック|低空飛行が続くテレワークの生産性、厚い「4割の壁」

テレワークで生産性が下がる5つの理由

続いて、テレワークで生産性が下がる理由について解説していきます。

適切な対策をとるためにも、まずは要因をしっかりと理解しておきましょう。

業務をする環境が整っていない

テレワークで生産性が下がる理由の1つは、業務をする環境が整っていないことです。

業務をする環境は、業務パフォーマンスに大きく影響します。

業務環境の悪い例としては、下記のようなものです。

  • デュアルモニターではなくシングルモニター
  • キーボードが使いづらい
  • インターネットの速度が遅い、接続が不安定
  • 椅子や机が合わず、腰や肩に負担が生じる
  • 周囲が騒々しい
  • 集中を乱すものが多数置いてある

このような環境下では、業務でパフォーマンスを出すことは難しいでしょう。

テレワークを実施する際は、各社員に業務環境の整備を依頼しましょう。

労働時間が長時間になりがち

労働時間の長時間化も、テレワークで生産性が下がる理由の1つです。

テレワークでは在宅で仕事ができるため、いつでも仕事ができる状態になります。

通勤時間がなくなって使える時間が増えることもあり、残業に対しての抵抗が薄れる傾向があります。

そのため、残業時間が増えたり、時には勤務時間外に業務のメールを確認するなどして、総労働時間が増えてしまいがちです。

労働時間が長時間化することで、限られた時間の中で成果を出す意識が薄れ、時間あたりの生産性が低下してしまう傾向があります。

仕事へのモチベーションが低下する

テレワークによって、仕事へのモチベーションが低下する社員も少なくありません。

在宅での仕事となり、同僚や先輩社員などが頑張っている姿を見なくなることや、業務の成果に対するフィードバック機会が減ることなどもあり、モチベーションが低下する方も多いようです。

また、仕事とプライベートのオン・オフの切り替えが難しいことも、テレワークで生産性が低下する理由の1つです。

仕事とプライベートを切り替えることで、プライベートではゆっくりと休息し、仕事に入った時に高い集中力を発揮することにつながります。

この切り替えが曖昧だと、仕事へもダラダラと取り組んでしまう癖がついてしまいがちです。

一方、プライベートでも仕事のことを考えてしまうため、気持ちよくリフレッシュできなくなります。

そのような状況が続けばメンタル面も不安定になってしまいます。

健康面が不安定になりがち

テレワークでは、社員の健康面が不安定になりがちです。

当然、遅刻や欠勤などが増えれば、業務の生産性にも大きく影響します。

テレワークで在宅勤務となった場合、外出の機会が減り運動することがなくなる、家にいると食べ過ぎてしまう、睡眠時間が不安定になるなど、不健康な生活に変わってしまう方もいます。

テレワークでは、各社員に適度な運動や健康的な食事など、健康管理について注意喚起することも大切です。

コミュニケーションが量・質ともに低下する

テレワークでの生産性低下の理由として一番多くげられるのが、コミュニケーションに関する問題です。

テレワークでは、対面コミュニケーションがなくなり、基本はチャットでのコミュニケーションが主流となるため、多くの課題が発生します。

  • 相手が何をしているか分からないため連絡しづらい
  • 口頭ですぐ伝えられることでも、文面にすると色々考えてしまう
  • 他社員の業務進捗が見えない

このように、出社勤務の際は何の問題もなかったことが、テレワークによってコミュニケーション手段が変わることで多数の問題が発生します。

テレワークで生産性を上げる6つの方法

続いて、テレワークで生産性を上げる方法について解説していきます。

テレワークは、出社勤務と比較すると生産性が下がりやすい要素をいくつか持っていますが、それぞれに対策をすることができます。

ポイントを押さえて、テレワークでの生産性を向上させていきましょう。

社員の業務環境整備に協力する

テレワークを導入する際は、社員の業務環境整備にも協力するようにしましょう。

業務環境は業務パフォーマンスに大きな影響を及ぼします。

そのため、社員の業務環境を整備することは、企業自体のパフォーマンスを上げることに直結します。

テレワーク導入時は、自社にあるキーボードやモニターなどを貸与したり、新たに購入が必要となった場合には備品購入の補助を出すことも検討しましょう。

社員が在宅でも快適に業務に取り組めるよう、サポートしていきましょう。

テレワークに適したツールを導入する

テレワークを実施する際は、利用するツール選びが重要です。

昨今、テレワークが浸透したこともあり、多くのテレワークに適したツールが生まれています。

勤怠管理やクラウドストレージ、コミュニケーションツールなど、テレワーク環境下での利用を考えられたツールやサービスが多数あります。

社員が利用しやすいツールであるほど、業務もしやすくなり生産性も向上していきます。

自社の規模感や、在籍している社員の特徴なども考慮し、テレワークに適したツールを導入するようにしましょう。

社員の心身の健康をサポートする

テレワークでは、社員の心身の健康をサポートすることも大切です。

テレワークになると、業務環境も生活習慣も変わります。

そのため、ストレスを感じることが増えたり、心身の健康を害してしまう社員もでてきます。

社員の健康をサポートするためにも、在宅環境でできるストレッチや、健康的な食生活適度な休息の取り方などの情報をシェアするなどしていきましょう。

また、メンタル面でのサポートとしては、適度に連絡をとることや、定期的に面談の機会を設けてテレワークでのやりづらさがないかヒアリングすることも大切です。

勤怠管理を怠らない

勤怠管理は出社勤務の時にももちろん行われていると思いますが、テレワークを実施する際は、より変化に注意していくことが必要です。

管理者は遅刻、早退、欠勤が増えていないかをしっかりと確認し、勤怠が乱れている社員がいた場合、その原因を分析して対処していく必要があります。

テレワークによって心身のバランスを崩す社員も多いため、注意を持って勤怠管理を行い早めに対処できるようにしておきましょう。

テレワークにフィットした評価システムに調整する

テレワークを開始した際は、評価システムの調整も必要です。

テレワークでは、業務態度や業務プロセスなど、出社勤務では見えていたものが見えづらくなります。

そのような業務環境の変化に応じて、何を基準に、どのように評価するのかを考え直していく必要があります。

成果とプロセスの重視する割合を考えたり、どのような数値を指標とするのかを考えましょう。

また、管理者の目が届きにくくなる分、360度評価を導入してカバーするような工夫も重要です。

あわせて、数値をとるためのツール選定もおこない、テレワークにフィットした評価システムへと変えていきましょう。

意識的にコミュニケーション機会を増やしていく

テレワークでは、意識的にコミュニケーション機会を増やしていくことも大切です。

テレワークで在宅勤務になるとコミュニケーションの数は低下し、業務の生産性にも大きな影響を及ぼします。

そのため、意識的にコミュニケーションの機会を作っていくことが必要です。

雑談やTipsの共有などライトなコミュニケーションをはじめ、社員各自との面談や、テーマを決めたオンライン会議などの機会を設け、少しでもコミュニケーションが増えるように工夫をしていきましょう。

生産性を向上させるにはアウトソーシングも有効

テレワークで生産性を高めるには、社員とコミュニケーションを深めるための面談や、管理者がテレワークの性質を理解するための研修を充実させる必要があります。

しかし、人事担当者も他のタスクを多く抱えているため、人事担当者だけで面談・研修を充実させるのは困難です。

自社だけで手が回らない、生産性低下に有効な対策を打てないという場合は、アウトソーシングを検討してみましょう。

面談や研修のノウハウがあるアウトソーシング企業に依頼すれば、経験豊富な人材領域のプロが生産性向上への効果的な対策をサポートしてくれます。

自社だけで考えて答えが見えなかった課題に対しても、第三者のアウトソーシング企業であれば、多くの事例経験から有効な対応策を提案してくれるでしょう。

アールナインの面談・研修サービスがおすすめ

テレワークでの生産性を向上させるためにアウトソーシングを利用するなら、アールナインの面談・研修サービスがおすすめです。

株式会社アールナインでは、人材育成サービス・面談・研修代行サービスを行っています。

人材領域のプロが、それぞれの企業に合った研修・面談を実施して、テレワーカーの生産性を高めることが可能です。

例えば1on1面談やアールナイン独自の研修サービスなど、第三者の立場を活かした働きで、生産性の低下を防いで定着率向上の施策をご支援することが可能です。

また、面談・研修で得た従業員のエンゲージメント状態を共有して、対策・管理方針の改善可能です。

テレワークでの生産性を向上させるために、アールナインのアウトソーシングサービスをぜひご検討ください。

まとめ

今回はテレワークでの生産性の変化、テレワークで生産性が下がる理由、テレワークで生産性を上げる方法について解説いたしました。

新型コロナウイルスの感染拡大防止をきっかけとして浸透したテレワークですが、現在も、通勤にストレスを感じる方や、通勤時間をなくしてプライベートの時間を多く確保したいという方を中心に強く求められる働き方となっています。

優秀な人材を流出しないためにも、企業は社員の満足度を考え、新たな働き方を模索していくことが必要とされています。

今回の記事で解説したテレワークでの生産性を上げる方法を活かして、パフォーマンスも従業員満足度も高い働き方を作っていきましょう。

◆テレワークで生産性は向上するのか?低下するのか?
・「テレワークで生産性が下がった」と回答した人は4割以上
・部長職以上で、テレワークで生産性が上がったと感じているのは1割程度
・テレワークによる生産性低下は長期に渡っての課題
◆テレワークで生産性が下がる5つの理由
・業務をする環境が整っていない
・労働時間が長時間になりがち
・仕事へのモチベーションが低下する
・健康面が不安定になりがち
・コミュニケーションが量・質ともに低下する
◆テレワークで生産性を上げる6つの方法
・社員の業務環境整備に協力する
・テレワークに適したツールを導入する
・社員の心身の健康をサポートする
・勤怠管理を怠らない
・テレワークにフィットした評価システムに調整する
・意識的にコミュニケーション機会を増やしていく
◆生産性を向上させるにはアウトソーシングも有効
・アールナインの面談・研修サービスがおすすめ