「量」は足りているけど「質」が伴わない?【54社の人事に聞いた】母集団形成に関する調査レポート

「量」は足りているけど「質」が伴わない?【54社の人事に聞いた】母集団形成に関する調査レポート

採用から定着まで企業の成長を支援する株式会社アールナイン(本社:東京都港区、代表:長井亮)は、
54社の人事担当者を対象に新卒採用の母集団形成に関する実態調査を実施しました。
以下に結果をご報告いたします。

新卒採用の母集団形成で実施していることは?

母集団形成のために実施している手法を尋ねたところ、ほぼすべての企業が実施していたのが「就活ナビサイトへの求人掲載(94.1%)」でした。最近では、母集団形成の手法が多様化していますが、就活ナビサイトは変わらずに、欠かすことのできない存在のようです。

次には「学校訪問(54.9%)」「就活イベントへの参加(オフライン)(45.1%)」と続きました。しかし、現在、新型コロナウイルスの影響によって、この両者は中止・中断せざるを得ない状況が続いており、採用担当者にとっては例年通りのやり方で母集団形成をすることは難しくなっています。その結果、「就活イベントへの参加(オンライン)(43.1%)」「新卒採用サイトの開設(37.3%)」「ダイレクト・リクルーティング(21.6%)」など学生と直接会わなくても実施できる手法を取っている企業もあり、この割合は今後ますます増加していきそうです。

同時に調査した「中途採用における母集団形成の手法」と比較すると、「人材紹介での募集」を実施する企業の割合に関しては、新卒採用がわずか11.8%なのに対し、中途採用では64.9%でした。また、リファラル採用に関しては、新卒採用が11.8%なのに対し、中途採用が27.0%と乖離がある点は注目に値するかもしれません。

その他、最近では、企業のSNSアカウントを開設する企業も増加していますが、実際にSNSを活用して本格的にソーシャル・リクルーティングを実施している企業は、わずか3.9%ほどでした。

最も質の高い候補者が集まる手法は?

「最も質の高い候補者が集まる母集団形成の手法」について尋ねたところ、トップは「就活ナビサイトへの掲載」でした。各手法を利用する企業のうち54.2%の企業が、就活ナビサイトへの掲載が最も質の高い候補者が集まると感じているようです。

次にランクインしたのは「人材紹介での募集(50.0%)」でした。新卒採用の母集団形成の手法として人材紹介を活用する企業は決して多くはない(11.8%)ですが、利用している企業の半数は、最も質の高い候補者が集まる手法と感じているようです。実際、人材紹介はエージェントが自社の採用ターゲットを詳細にヒアリングしたうえでマッチする候補者を紹介してくれる仕組みのため、質の高い候補者が集まる可能性が高いと言われています。一方、学生の「数」を集める手法としては向いておらず、目的に応じた使い分けが重要です。

次にランクインしたのは「ダイレクト・リクルーティング(45.5%)」でした。スカウト型の特徴は、学生からの応募を待つのではなく、「企業から自社にマッチする可能性の高い学生にアプローチできる」ことです。この特徴こそが質の高い候補者を集めることができる要因になっていると考えられます。

最後に注目すべきは「就活イベントへの参加」になります。オフライン・オンラインに関わらず、母集団形成の手法として実施する企業数が多い一方、最も質の高い候補者が集まる手法として回答した企業の割合はかなり低い結果となりました。母集団の「質」を重視する場合、就活イベントの参加については検討が必要でしょう。

新卒採用で利用している就活ナビサイトは?

新卒採用で就活ナビサイトを利用している企業に具体的なサービスを尋ねたところ、最も利用割合が高かったのは「マイナビ(79.2%)」、次に多かったのが、「リクナビ(37.5%)」でした。順当に二大ナビサイトを利用する企業が多い結果となりましたが、両者の利用率には2倍以上の開きがあるようです。2021年2月末現在、マイナビ2021では28,231社、リクナビ2021では14,378社の求人情報が掲載されています。

その次に多かったのは、株式会社ディスコが運営する「キャリタス就活(12.5%)」でした。2021年2月末現在、掲載社数は24,793社となっており、リクナビより多くの求人が掲載されています。

今回の調査では企業の利用率が低かったものの、日々接する就活生から最近よく耳にするのが、「ONE CAREER」です。弊社が就活生33名を対象に調査したアンケート結果では、利用率は「マイナビ」「リクナビ」と遜色なく、約79%の学生が利用していることがわかりました。

ONE CAREERは学生が企業について書き込んだ口コミが多く掲載されていることが特徴となっており、実際に学生に聞いた話では、エントリーする前に企業名を検索して参考にしている学生が多いようです。就活ナビサイトの役割もすこしずつ多様化してきているようです。

新卒採用で利用しているDRは?

新卒採用でダイレクト・リクルーティング(以下DR)を利用している企業に具体的なサービスを尋ねたところ、最も利用割合が高かったのは、株式会社i-plugが運営する「OfferBox(100.0%)」でした。次いで株式会社ベネッセi-キャリアの「dodaキャンパス(40.0%)」、株式会社グローアップの「キミスカ(20.0%)」などが続きました。

コロナによる新卒採用の母集団への影響は?

新型コロナウイルスの感染拡大以降(2020年3月~)、4割近くの企業では母集団の数が増えたようです。実際に学生に話を聞くと、「緊急事態宣言時は大学がなく、時間が余っていたので多くの企業にエントリーした」「オンライン面談では移動の時間が不要になったため、1日に複数の企業のイベントに参加することができた」「大学の授業がオンラインになったため、隙間時間を使って就活を進められた」などの声が挙がっています。

一方、約5社に1社の企業では、母集団の数が減少したようです。理由を尋ねたところ「採用活動を一時STOPしたため」「オンライン化に対応できなかったため」「オフラインでのイベントを開催したらキャンセルが相次いでしまった」といった声が聞かれました。しかし、コロナ禍での対応に慣れつつある今、採用活動を中断することなくオンライン化することができれば、多くの企業にとって、学生の「数」の問題はクリアできそうです。

新卒採用の母集団の「質」と「量」についての満足度は?

新卒採用における母集団形成の状況への満足度について尋ねたところ、「質・量ともに満足」と回答した企業が42.6%でした。母集団形成に関しては特段不満を感じていない企業も意外に多いようです。

一方、なにかしら思い通りに行っていない残りの企業の回答結果からわかるのは、「母集団の数は足りているけれど質が伴っていない」と感じている企業の多さ。

せっかく母集団の数が充分でも、採用に結びつかなければ、選考にかける工数が無駄になってしまいます。

母集団の数を担保しつつ、母集団の質を向上させるにはどうすればよいのでしょうか。

自社に合った人材の要件を定義することが重要

母集団の「質」と「量」の両立を目指すうえで外せないポイントは、自社が採用すべき人材の要件をしっかり定義しておくことです。

「母集団の質が悪い」と感じている企業でも、そもそも「質の高い学生」がどんな学生を指すのかを具体的に言語化できていないケースは少なくありません。

「優秀な学生を採用したい」のは新卒採用を行うすべての企業に共通する想いですが、実は「優秀な学生」が意味するところは企業によって様々です。

そのため、質の高い母集団を形成し、新卒採用を成功に導くためには「自社が採用すべき人材の特徴」を明確に言語化すること(=要件定義)が非常に重要となります。

母集団形成に課題を感じている企業では、「どの媒体を使えばもっとうまくいくのか?」という点に目が行きがちですが、一度立ち止まり、自社に本当にあった人材像について現場のメンバーの意見なども踏まえながら話し合ってみてはいかがでしょうか。

アールナインの要件定義サービス

弊社では、これまでに350社を超える会社の採用支援を行ってきた経験をもとに、企業様の採用における要件定義をサポートするサービスを提供しております。

具体的には、貴社で活躍している社員の特徴を定量的に分析したパフォーマンス分析*1と経営層の方々へのヒアリング内容をもとに、「採用すべき人材の特徴」を言語化してレポートいたします。

すこしでも興味を持っていただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

【会社概要】
社 名:株式会社アールナイン(R09)
代 表:長井 亮(ながい りょう)
設 立:2009 年 7 月 10 日
所 在 地:東京都港区虎ノ門1丁目17番1号
虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー5階
事業内容:採用コンサルティング・アウトソーシング
教育・研修・定着のための社員面談代行
国際キャリア・コンサルティング協会の運営
T E L:03-6205-4499
F A X:03-6800-2033
U R L:https://r09.jp/
E -MAIL:jimukyoku@r09.jp

【調査概要】
タイトル:母集団形成に関する実態調査
調査対象:民間企業様
調査期間:2020/2/12(金)~2020/2/19(金)
調査方法:インターネットによる調査
調査地域:全国
提 出 数:有効回答 54
実施機関:株式会社アールナイン

【調査対象の従業員規模】(単位:社)
~50名:11、51名~100名:6、101名~300名:16,
301名~1000名:17、1001名~:4

<この件に関するお問い合わせ>
電話 03-6205-4499(広報担当:植本)
植本携帯 080-9708-2523