観光体験、企業の人材育成に変身~宮崎県日向市の実証実験で、経営に刺さるワーケーションの作り方をレクチャーしました~
企業の採用、人材育成を支援する株式会社アールナイン(本社:東京都港区、代表取締役:長井亮)は11月21日、宮崎県日向市で、市内の事業者に、地元の観光体験を企業の「人材育成」に転身させるコツを研修しました。同市は、リゾートで余暇を楽しみつつ働く「ワーケーション」を活用した企業誘致の先進自治体です。
※写真=日向市の定置網漁体験に参加した当社従業員(右端)。一般観光客には人気のコンテンツを企業向け研修にどう転用するかが日向市の課題の一つです。
講演概要
講演名:観光庁実証事業「実践型ワーケーション人材育成セミナー」
日時:2023年11月21日(火) 18:00~
場所:宮崎県日向市役所2階 会議室
講師 法人の採用、人材育成を支援する当社の恒松歩夢
交流を生み出すオフィスなどの空間づくりに詳しい向井布弥氏(The DECK株式会社)
定置網漁の体験、どう企業研修に変える?
「観光コンテンツは既にある。でも、どうすれば企業の方に役立つ内容になりますか」。11月21日、日向市役所の会議室で開かれた研修。同市の飲食店やホテル経営者、漁業者など地元を盛り上げたい方々でつくる「日向市ワーケーション推進会議」をはじめとしたおよそ20人が参加し、抱えている疑問を打ち明けました。
講師の一人は、企業の採用、人材育成を支援する当社の恒松。「企業は観光目的でワーケーションに来るわけではないから、まずどんな悩みや期待がある会社か知る必要がありますね」と説明し、具体例を示しました。
例えば、同市で人気がある定置網漁の体験なら①管理職と若手の交流のため、上司が網を引っ張り、部下が魚を
網から出すなど役割を分担、終了後に距離が縮まったかどうかを話し合う、②新人研修で、漁師自身に人生や仕事の原点を語ってもらい、参加者が働く意味を考える―などの方法が考えられます。
全国的にワーケーションの誘致が熱を帯びていますが、一般観光客向けの内容をそのまま企業に転用しても、単なる旅行や思い出づくりで終わりかねない問題があります。競合自治体と差別化するには、地域を訪れる企業の課題を知り、人事コンサルティング的視点で解決につなげる観光体験を創りだすことが求められます。
休暇で終わるとリピーターにつながらず~ワーケーションの企業誘致を巡る問題~
写真=日向市の事業者を対象に行った研修の様子(11月21日)
社員交流を進めたい、離職を減らしたい―。企業が抱える課題は多様ですが、地域側は、観光体験は提供できる一方、経営層や人事担当者の視点から内容を工夫する知見は持ち合わせていないことが一般的です。
「楽しかったけど、ただのバケーション(休暇)で終わってしまったね」。せっかく費用を払って訪問してもこのように効果をうまく検証・実感できないと、二度目の参加を足踏みする企業も出てきます。
こうした背景から観光庁は今年、企業のニーズをうまく取り込んだワーケーションを試みる自治体や地域団体などの中から受け入れ地域を選び、成功事例を広める実証事業を開始[i]。過去3年間で約80社、1,100人を受け入れた実績のある日向市は、自治体として唯一採択されました。当社の研修はこの実証事業の一環です。
日向市と当社の出会い RPO(採用支援)×ワーケーション先進自治体
当社は企業の採用や人材育成を支援する会社です。日向市とのご縁きっかけは今年10月。千葉県で開かれた経営層や人事担当者が参加するワーケーションで、当社が採用に関する研修を開いたことでした。
内容が好評だったことから、一緒に参加していた一般社団法人日本ワーケーション協会の仲野司理事に「経営課題に刺さるコンテンツを強化することは、リピーターを増やす上でも欠かせないのではないか」と当社側から伝えたところ「ちょうど、その課題に真剣に取り組もうとしている自治体がある」との声をいただきました。
それが日向市です。全国トップの日照時間と、日向灘の大海原を望む自然豊かな宮崎県北東部の市。人口減少を受けて2020年からワーケーションに注力し、今年9月にはオフィス機能を備えた車「ワーケーションカー」の貸し出しも始めるなど、ユニークな取り組みで先進自治体として注目されています。
その上で地元の方々が今、感じているのは「企業の悩みをもっと知って、アプローチできる観光体験を創ることで知名度やブランド力を上げたい」ということ。「採用がうまくいかない」「従業員がすぐやめる」など企業の人材を巡る課題を15年近く支援してきた経験から今回、当社が講演の機会をいただきました。
写真=日向市で企業向けワーケーションの内容を考案したり、参加者を案内したりしている一般社団法人日本ワーケーション協会公認コンシェルジュの渡邊真太郎さん(左端)らと記念撮影
「この経営課題なら〇〇市、と言われるブランドを」当社・恒松より
ワーケーションで法人のリピーターを増やす最大の鍵は、観光コンテンツの良し悪し以上に、「この経営課題の解決なら〇〇市だね」というイメージを経営層や、人事担当者に持ってもらうことです。
参加後も継続的に調査し、「〇〇市に来たら企業としてこんな成果が出た」と、効果を可視化、数値としてわかりやすく打ち出せれば一層、理想的と考えます。企業の健全さを表す指標は離職率だけでなく、従業員の会社に対する愛着をあらわす「エンゲージメント」など、さまざまな数字があります。
地元の魅力を生かした上で、企業のニーズにも応えたいという日向市の方々の熱意は非常に刺激的で、私の方が学ばせていただきました。「まさに今、求めていた内容の講演だった」との言葉をいただき、地域創生の一端に関わることができたことを嬉しく思います。当社だからできることがあれば、今後も力になりたいです。
■株式会社アールナイン 会社概要
~人が介在することで、【活き生き】と働ける世界を~
採用、人材育成、社員の定着など企業が抱える様々な課題を、人事・採用・教育など各分野で豊富な経験を持つ当社の人材プロフェッショナル(約1,300名)が介在して解決。個人や組織の選択肢や可能性が広がるよう支援します。企業の悩みに合わせたサービス提供で2009年の設立以来、約630社の取引実績があります。
社 名:株式会社アールナイン(R09) https://r09.jp/
代 表:長井 亮(ながい りょう)
設 立:2009 年 7 月 10 日
所在地:東京都港区虎ノ門1丁目17番 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー5F
事業内容:採用コンサルティング、採用実務アウトソーシング、社外面談代行、教育研修
国際キャリアコンサルティング協会運営(https://icca-japan.or.jp/)
T E L:03-6205-4499 /F A X:03-6800-2033
E -MAIL:r09-press@r09.jp
<メディア関係者の皆様へ:その他、ご提供できるエピソード一例>
・女性従業員比率、管理職比率ともに7割
・代表取締役含め、あだ名で呼び合う文化
・社内の人事部に代わって、利害関係のない社外のキャリアコンサルタントが行う従業員面談実施
・働く仲間を経歴ではなく、人として見るために価値観を語り合うカードゲーム(価値観カード)実施
脚注 [i] 観光庁「企業ニーズに即したワーケーション推進に向けた実証事業」