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オンボーディングについて

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2015年に支店展開等で拡大期を迎えたアールナイン。一方で人の流出も目立っていく状況に。「社員が辞めずに成長し続ける」体制を整えるため始動したオンボーディングプロジェクトについて紹介します。

組織拡大に伴い、人の出入りが激しい状況に。

2009年に3人で創業したアールナイン。2011年に東京進出。2012年に初の中途採用実施、大阪や福岡など拠点を広げながら着実に成長し続け、2015年に拡大期を迎えます。一方で、マネージャー不足も影響して、人の出入りが激しく落ち着かない状況が2016年の8月くらいまで続きました。そこで立ち上がったのが、取締役兼人事部長の長井です。「どんな社員も、昨日より今日、今日より明日と必ず成長します。なので、社員が辞めなかったらそれだけで大きな価値だと考えています。弊社にとって人こそ財産です。その想いもあり、2016年の秋頃から“どうやって辞めていく社員を減らすことができるか”を考え始めました」。

黙々と仕事をするタイプの長井だったが、社員とのコミュニケーションの重要性に気づきます。「やはり、雑談ができる関係性じゃないと悩みを打ち明けられずに辞めていってしまいます。そこで、目指してたのは、“ほうれんそう”ではなく“ざっそう”です。雑談と相談。それさえできれば、別に報告連絡なんていりません。部下からの報告を待つのではなく、上司自ら確認しにいけばいい。大切なのは雑談と相談がしやすい環境づくりだと考え、その施策を行っていきました。

コミュニケーションの機会を増やし、より働きやすい職場へ。

2015年に初めて行った新卒採用とともに、社内で色々な部活を創っていきました。「例えばディズニーや富士急ハイランドなどのテーマパークに行く部活や、サウナ部、ラフティング部、ボードゲーム部などです。仕事以外で社員が一緒にいる機会を増やしていくことで、仕事では見せなかった新しい一面に気づけるようになります」。 また、若手発信で部活動を創っていったところも大きなポイントだと長井は言います。「社長発信だったら断りにくい状況になってしまうと思うのですが、新人や若手が言うことでそういった強制力をなくしていけました。例えば、大橋という当時競馬好きの内定者が、男女問わず10数人で競馬場に出かけたりするなど、トップダウンではなくボトムアップで風土を創っていったのは良かったかもしれないですね。そういう意味では、みんなが経験したことないことを一緒にやろうっていう文化もできてきたと思います」。 部活動にとどまらず、最近では“同期会”も取り入れています。「弊社は中途でも若手を採用するようになってきているので、新卒中途でも同年齢の人たちがいます。彼らを“同期”という括りにすることでより相談しやすい状況を生み出しています。また、会社からお金を出して“同期会”を開催しやすくするなど福利厚生においても施策を行っています」。 同期会だけではなく、入社者が既存社員と初ランチに行く費用も会社から支給しています。「先輩社員からすれば無料でランチ食べられてラッキーですし、後輩からしたらそういう場があることで仕事が相談しやすかったり、名前を覚えてもらいやすかったりするなど、そういったコミュニケーションの機会を積極的に提供するようにしました」。

そういった施策を実施していく中で、社員のリアルな声を聞けるようになりました。「例えば、なぜ必ずオフィスに来ないといけないのかと。11時から先方様とのアポイントが入っていて、その場所が家から近いなら直行したほうが効率いいよね、とか。そもそも何時に行くかも自分で考えて仕事ができたほうが効率いいよねとか。会社にかかってくる電話の大半が営業電話なので、社員の集中を妨げないように代行業者に頼もうかとか。そういう社員からの提案をふまえた上で、フレックス制度やテレワークの導入、またライフステージが変わっても働きやすいよう、女性にもやさしい環境へ整えていきました」。

トップダウンではなく社員からの提案を尊重したオンボーディングプロジェクトを進めるなかで大変だったことが“全体最適”です。「例えば、ランチの話でも、全社員と行けるようなど、一部の社員ではなく、全社員が恩恵を受けられるように気を配りました。もちろん、新しい変化をみんながいきなり受け入れてくれるわけではありません。“以前の会社ではこうだった”と言われることも多くありました。その場合は、“ここはアールナインだから”ということを伝え、一人ひとりとしっかりコミュニケーションを取るよう意識しました」。

離職率の低下に貢献。 仕事の目的が、衛生要因から満足要因へ。

これらのオンボーディング施策によって、離職率の低下というミッションを果たしていきました。「やっぱり辞めなくなったことが一番の喜びです。“今日アールナインがつぶれても、僕がもう1回アールナインを創ります”と言ってくれた社員もいて、素敵な言葉に嬉しくなりました。だれが社長になっても、今の社員なら頑張ってくれるんだろうなって」。 オンボーディングプロジェクトを通して気づいたことあると長井は言います。「人が辞める会社に共通している特徴の1つが、モチベーションの低下です。社員一人ひとりが楽しく働いてくれて、長く居続けてくれるだけで、会社にとっては大きな利益です。この環境づくりは会社として絶対やるべき使命ですが、その重要性に気づいていない人もたくさんいると思います。2つ目が、コミュニケーション不足です。相手のことを傾聴する意識や技術が必要不可欠だと今回のプロジェクトで改めて気付かされました」。

仕事の目的を、給与や福利厚生などの衛生要因にするのではなく、働く喜びが感じられる満足要因に持っていくことが大切になります。今後のオンボーディングプロジェクトについて長井は「社員だけで行っていけるようにしていければと思っています。とくに若手中心で進めていけると次のステップにいけると考えています」と語りました。 いい会社には、いい人が集まる。そして、もっといい会社には、いい会社を創りたい人たちが集まる。大手で制度を創るのは難しいですが、アールナインなら会社を動かすレベルの動きができます。いっしょにその制度を創るところから入っていただけたら、これ以上嬉しいことはありません。

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