21卒採用状況実態調査 ~web導入の可否で採用の進度に差~

21卒採用状況実態調査 ~web導入の可否で採用の進度に差~
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採用から定着まで企業の成長を支援する株式会社アールナイン(本社:東京都港区、代表:長井 亮)は、21卒新卒採用に取り組む企業の現状と課題を把握するため、アンケートを実施しました。21卒に関しては、オンライン選考の導入など初めての試みに挑戦しながら何とか前進させつつも、22卒採用に対して大きな不安や悩みを抱えている企業が多い様子が浮かび上がってきました。

Q1.現時点での採用活動状況を教えてください

7割の企業は何らかの形で21卒採用を進行中

学生と接点を持つための方法を模索しながら、21卒の新卒採用を少しずつでも進めている企業が大多数であることが分かりました。一方で2割の企業は緊急事態宣言を受けて一時的に採用を中止。対面での選考を重んじており、やむを得ず「緊急事態宣言解除後に会いましょう」というような形で保留にしている企業が多いと予測されます。

Q2. 現時点で21卒の採用人数に変更はありますか?

21卒の採用人数について、7割弱の企業は「変更なし」と回答。

アンケートに答えた企業の7割弱は「採用人数に変更なし」と回答。業績の先行きが見通せないためか、採用人数を減らす、中止とするいう苦渋の決断をした企業は2割ほどでした。1割は、まだ状況を静観しつつ、対応を決めかねているようです。「景気が急速に悪化して、かなりの企業の新卒採用が無くなるのでは…」という学生側の心配ほど、事態が大きく変わることはなさそうです。

 Q3. 現時点での昨年同時期と比べた学生のエントリー状況を教えてください

 エントリー数については、「減った」企業と「増えた」企業がほぼ同数。

「増えた」「大幅に増えた」企業と、「減った」「大幅に減った」企業について、企業規模における差はありませんでした。また採用活動の状況と照らし合わせても、相関関係は見られませんでした。

 Q4.現時点での、昨年同時期と比べたエントリー以降の接触学生数について教えて下さい

新型コロナの影響を受け、4割弱の企業が「接触できた学生数は例年より減少」と回答

エントリー数が「増えた」「昨年同等」と回答した企業の半数は、接触回数も「増えている」という結果でした。エントリー数が「減った」と回答した企業の半数は、接触回数も「減っている」と回答していました。

一方で、エントリー数が「増えた」企業の中でも、5割の企業は「接触が減った」または「まだ実施できていない」と答えています。

 Q5.今年に入って新卒採用にWebセミナーやオンライン選考などを取り入れましたか?

6割以上がオンラインでの採用活動に踏み切っている

Webセミナーやオンライン選考に関しては、6割以上の企業が今回新しく取り入れています。対面での選考が難しい今、オンラインという手段が企業側が学生と接点を持つための唯一の方法となっており、初めてオンラインでの採用に踏み切った企業が多いと思われます。

 Q6. 今年に入って実施するようになった、または既に実施が決まっている施策を教えて下さい(複数回答可)

Webセミナー・オンライン選考の導入という新たな手法で採用継続へ

新卒採用まっただ中においてのコロナ禍。集客の受け皿として、初めてWebセミナーやオンライン選考の導入に着手する企業が増えています。今後興味関心がある施策を聞いたところ、「入社1~2年目の若手を対象としたリファラル採用」という回答もありました。大規模説明会での集客が叶わない状況があるなら、何とか別の手段を…と画策する企業も、今後増えそうです。

 Q7. 22年卒の採用人数について教えて下さい

22卒採用も採用人数は変更なし、とする企業が半数

大学3年生と面談等で話をすると、就職活動に対して、とても不安になっている方が多い印象を受けます。しかし、このアンケートを見る限り、約半数の企業が現時点で「22年卒も採用人数に変更なし」と回答しています。こちらのデータは、就活生にとって大きな安心材料になるのではないでしょうか。

 Q8.22年卒のインターンシップは実施しますか?

22卒採用のインターンシップは4割が開催予定

採用人数について、21卒と比較して「あまり変わらない」「増える」と答えた企業の約半数が、開催時期に悩みながらも22卒向けインターンシップの実施を「予定している」と回答しています。

一方、収束の先行きが見えない中、インターンシップを実施しないと早々に決定した企業は3割弱でした。例年の状況であれば22卒も採用早期化のトレンドが続き、夏のインターンシップ開催に向けて、動き出す時期です。しかし、ワクチンの開発など何かしらの手立てが見つからない以上、第二波、第三波を恐れて開催を躊躇する企業は今後も増えるかもしれません。

考察

昨年と比較してエントリー数を増やしている、又は同数を確保できている企業の52%が、今期初めてWeb説明会やオンライン選考を導入していました。新たな採用手段を駆使し、工夫を重ねることで採用計画の大きな見直しを回避でき、且つその柔軟な姿勢が学生の支持に繋がっている様子が見て取れます。

オンライン採用は、地方にいる優秀な学生にアプローチができる、お互いに身の安全を確保しながら効率的に接触できる、という大きな利点があります。オンラインというツールを味方につけ、今までとは違う層にアプローチできるというメリットを最大限に活かす戦略を描くことができる企業が、アフターコロナを制していくことになりそうです。