【企業向け】会社説明会を実施する目的について丁寧に解説します
オンライン、オフライン問わず、新卒採用における会社説明会は 学生と企業のファーストコンタクトです。
身近な商品やサービスを提供している企業で、日頃から接点があったとしても、就職を検討する「企業」として深い部分に触れる機会は会社説明会が初めてでしょう。
以前は大手人材会社が主催する合同説明会で、一定の時間で学生を入れ替えて同じ説明を何タームも繰り返し行うタイプの説明会が主流でした。しかし、インターネットの普及や学生の就職に対する考え方や情報収集の方法の変化に合わせてオンラインを活用し、会社説明会のネットでの同時中継等、様々なスタイルの方法が出てきています。
今回は会社説明会について、その意義やメリットデメリット等 、一連の流れをご紹介していきたいと思います。
新卒採用関連 過去3回の記事はこちら
第1回:母集団について
第2回:書類選考について
第3回:広報について
【関連資料】「会社説明会・合同説明会実施前 準備物チェックリスト」はこちら!
会社説明会の位置づけと求めるポイントは?
そもそも会社説明会というのは採用選考の中でどのような位置づけ、役割なのでしょうか。
前述した通り、学生と企業のファーストコンタクトですが、簡単にまとめると以下のような機会であると言えます。
企業側にとっては
自社を理解してもらう機会
学生に正しく会社について『理解してもらう』というのが最大の目的です。
特にBtoBや顧客が限定的な商品やサービスを扱う会社にとって、学生にまず社名を知ってもらうこと、働くイメージを作ってもらうこと、就職先として検討してもらうこと、という意思決定のステップを踏む上で会社説明会は非常に重要です。
上記のような知名度が低く、就職先として自発的に上がってこない企業にとって、会社説明会で失敗するともう二度とその学生と会うことはできないでしょう。
志望度醸成の機会
選考ではなく学生に直接接する機会、というと会社説明会以外ほぼありません。
直接接触できている時こそ学生の志望度を上げるチャンスです。
疑問はその場で解決する、ポジティブな情報だけではなくネガティブな情報も上手に伝え、志望度を上げましょう。
空気感を知る機会
自社で開催する会社説明会や合同・学内説明会などの場で、自社(自社のブース)に訪れる学生の数や男女比、説明に対する反応を過去比較すれば何か特徴が見えるかもしれません。
説明中の反応を見れば、この資料は反応がいい、この資料はいらないかもしれない、説明は間延びしていないか?等様々なことを確認し修正していくことができます。
個別接触・選考の機会
採用活動中は、五感を常に働かせてアンテナを張り続けなければなりません。
会社説明会の場と言えども、取り組み方や質問内容等でキラリと光る学生がいる可能性があります。学生側もそのつもりで来ていますので、気になる学生がいた場合は積極的に声をかけましょう。
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学生にとっては
企業を深く知る機会
就活生は企業に関する情報全般を欲していますが、特に欲しているのは
①具体的な仕事内容
②会社の経営状況と将来性について
③働き方について(残業・福利厚生情報含む
④評価・処遇
⑤給与
の5点でしょう。
説明会の資料に入れないとしても、上記5点だけは聞く人によって「あの人はこう言った、この人はこう言った」とバラバラにならないように、参加する社員全員が同じ内容の回答ができるようにしておきましょう。
重視している情報だからこそSNSに拡散する可能性も高いので、その点も踏まえて準備が必要です。
彼らは会社説明会で得た情報をもとに今後も選考を続けるかどうか判断します。もっと深く知りたい、と次のステップに応募してもらえるように一通りの情報は網羅しておく必要があるのです。
空気感を感じる機会
働いている社員がどんな感じなのか、仕事や働き方について話を聞くのと同時に社風を感じることができる機会です。
会場がその企業内だった場合は、エレベーターで会う社員等含めて観察しています。
顔を売る機会
企業にとっては選考の機会であると同時に、学生にとっても、少しでも有利になりたいという想いで 顔を売りに来ている学生も多く存在します。
名刺を渡してくる学生や、どこの説明会でも参加してくれている学生がいると思います。
志望度が非常に高い学生であることは間違いないのでチェックしておいてもいいでしょう。
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会社説明会成功のポイントをご紹介!メリットデメリットは?
最後に会社説明会のメリットとデメリットをご紹介しておきましょう。
企業が会社説明会を実施するメリット
学生と直接接触することができる
一番のメリットです。
直接接してPRしお互いの疑問を解消することは志望度の醸成に直結します。
合否を左右するものとして、最終的には志望度で決めるというのは採用担当者として当然の心理ですが、本当に志望度が高いのか、そうではないのかはわかりません。
採用活動の心理戦を少しでも安心して戦うためにも、直接働きかけるということは重要な役割を果たすのです。
今後の採用活動に向けて修正点等の学びを得ることができる
採用活動は生き物です。
人の心の中までは読めないこと、また社会変化や競合企業の動き等の可変要素が多いので、常に情報収集をしてアップデートしていく必要があります。
直接会うタイプの会社説明会は学生と話すことで一次情報を収集し、資料や説明の仕方等をバージョンアップしていくためには有効な場所なのです。
自社や業界への理解を促し、興味喚起できる
合同説明会タイプの会社説明会であれば、学生に声かけをして自社のブースに引き込むことが出来ます。
実はこうした接点は非常に重要で、オンラインだけの活動では絶対に接することのできない学生に接することが出来るのです。
会社説明会を実施するデメリット
効率が悪い場合がある
オンラインでもオフラインでも、自社の説明を聞いてくれているからと言って全員の志望度が高いわけではありません。
既に企業研究をした上で来ている学生もいれば、なんとなく聞いている学生も混在しています。 志望度・理解度がバラバラなので統一の説明をしても受け取り方は異なりますので、場合によっては効率が悪いことがあります。
自社で参加者をコントロールできるようであれば、理解度や習熟度に合わせて説明会を設定してもいいかもしれません。
費用が高い
集客力のある合同説明会や、自社外で会場を借りた場合何十万円単位で費用が掛かります。
費用対効果を考えると、自社が単独で実施する説明会には学生のレベルをある程度統一した上で説明会を実施したいところです。
何をするにしてもメリットデメリットはあるものです。
冒頭にも述べましたが、採用を成功させるためは、会社について正しく伝え 理解してもらった上で志望度を高めることです。
その為には、現状分析をした上で「何をどうしたいのか」「誰にどうなってもらいたいのか」と、目的を明確にした資料構成と状況に応じて変化させていく変化対応力が重要なポイントなのです。
会社説明会の運営、伝達内容、また資料作成等お困りのことがあれば是非一度ご相談下さい。
この記事の監修者:
1999年青山学院大学経済学部卒業。株式会社リクルートエイブリック(現リクルート)に入社。 連続MVP受賞などトップセールスとして活躍後、2009年に人材採用支援会社、株式会社アールナインを設立。 これまでに2,000社を超える経営者・採用担当者の相談や、5,000人を超える就職・転職の相談実績を持つ。