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【面接のコツ】面接官が見ているポイントとは?受かる人の面接対策を解説(新卒就活)

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【面接のコツ】面接官が見ているポイントとは?受かる人の面接対策を解説(新卒就活)

2023年12月27日

はじめに


そろそろ早期選考が始まる時期ですが、就活生の皆さんは

「面接の経験が少なくて不安…。」

「面接は緊張するし、苦手意識がある。」

など悩んでいませんか?

とはいえ、選考プロセスの中で面接が設定されていない企業はほとんど無いため、必ず乗り越えなければいけない壁の1つです。

そこで今回は、長年自社や他社の採用に携わってきた人事担当者が持つリアルな情報を交えながら、
「企業側」「面接官側」の視点から面接を攻略するための秘訣をご紹介します。

この記事を読むことで、皆さんの面接に対する苦手意識を少しでも払拭できたら嬉しいです。

また最後に、当社アールナインの面接についても紹介しているので、興味のある方は是非ご覧ください。

目次

1.企業が採用で重視しているポイント
2.面接で見ているポイント

 ・コンピテンシー
 ・ポテンシャル
3.面接のコツと注意すべきポイント
 ・面接のコツ
 ・注意すべきポイント
4.面接前に準備すべきこと
5.面接に関するよくあるQ&A

 ・外見は評価対象ですか?
 ・回答は端的な方がいいですか?
 ・面接で回答が思い浮かばなかった時はどう対処すれば良いですか?
 ・面接で嘘をつくとバレますか?
 ・逆質問ではどんなことを聞くといいですか?
 ・面接で話せるようなエピソードがありません
 ・面接で緊張しないコツはありますか?
6.アールナインの面接について
 ・一般的な面接との違い
 ・選考で特に重視していること
 ・一次、二次、三次、最終でそれぞれ何を見ているか


1. 企業が採用で重視しているポイント

今回は経団連所属の一般的な大手企業が重視しているポイントを解説します。

(引用)日本経済団体連合会「2018年度新卒採用に関するアンケート調査結果」

経団連の2018年度調査によると、コミュニケーション能力、主体性、チャレンジ精神、協調性、誠実性の順に重視されていることが分かります。企業によって使用している言葉は違えど、この6項目を重視している企業は多いでしょう。

しかし、学生と企業が考える「コミュニケーション能力」は異なっていることが多くあります。

学生は「人に何かを伝える力」がコミュニケーション能力ではないかと考えている方が多いと思います。一方で、企業側は同じコミュニケーション能力でも1対1なのか、対複数を得意とするのかによっても要素に違いがあり、活躍できる場所が異なると考えています。例えば1対1で話すのが得意な人であれば、個人向けの営業に向いているだろうし、対複数が得意な人であれば企画のプレゼンやセミナー講師などが向いているだろうといった具合です。

また伝える力同様に聞く力(傾聴力)も重要だと考えており、コミュニケーション能力をより広く捉えています。伝える力の方が重要だと思われがちですが、正しく話を聞けるからこそ相手に伝えることができるのです。

Jリーグにおいてキャリア10年目の選手120人の共通点を調べた調査があります。一流選手に必要なのはメンタルやフィジカルの強さだとイメージする人が多いと思いますが、相関があったのは「傾聴力」と「主張力」の2項目と言われています。どんな仕事であってもコミュニケーション能力があれば自身の成長に繋がるため、コミュニケーション能力が企業に重要視されていることが分かっていただけたのではないでしょうか。


2. 面接で見ているポイント

面接で見ているポイントは大きく分けて2つあります。

① コンピテンシー

コンピテンシーとは、個人の行動特性のことで、企業は面接で目の前にいる応募者がどのような状況においてどのような行動をするのかを知りたいと考えています。

例えば、夏休みの宿題の取り組み方を例にとってもコンピテンシーは表われます。夏休みが始まって早々に宿題を全部終わらせてから遊ぶ人や、コツコツと計画的に取り組む人、締め切り直前に集中して取り組む人、親にやりなさいと言われてやる人など、人それぞれの行動特性があります。

このコンピテンシーの違いを過去のエピソードから測るのが企業の面接の主流となっています。

②ポテンシャル

『人を選ぶ技術』という本によると、ポテンシャルも重要とされています。

エゴンゼンダーがハーバード大学などとともにリサーチを行い、過去ばかりを面接で見ていた世の中に対して、未来(伸びしろ)を読むべきだという「ポテンシャル・モデル」を公表しました。コンピテンシーはあくまで過去しか見ることができないので、過去がどれだけ良くても将来成長しない可能性もあります。コンピテンシーは基本ですが、プラスアルファで伸びしろを見るために、ポテンシャルも重要となります。

ポテンシャルは①好奇心、②洞察力、③共鳴力、④胆力の4つの因子で測ることができると言われています。

◆ポテンシャルの因子

  1. 好奇心:新しい経験、知識、率直なフィードバックを求めるエネルギーの強さと学習と変化への解放性。
  2. 洞察力:新しい可能性を示唆する情報を収集し、理解するエネルギーの強さを指す。
  3. 共鳴力:感情と理論を使って、自身の想いや説得力のあるビジョンを伝え、人と繋がろうとするエネルギーの強さ。
  4. 胆力:大きなチャレンジがある課題を好み、困難な目標に向かって戦うことに強いエネルギーを得て、逆境から素早く立ち直る力を持つこと。

3. 面接のコツと注意すべきポイント

・面接のコツ

多くの企業で使われている面接の手法として、「STAR面接」があります。

STARとは

S:situation(状況)
T:task(課題)、thinking(思考)
A:action(行動)
R:result(結果)

面接で上手くいかない学生さんは、SとRを合わせて9割くらい話しているケースことが多いです。なぜかというと、SとRは再現可能性が低いため、入社後の活躍可能性を見る上ではあまり重要ではないのです。そのため、再現可能性の高いTとAを面接ではアピールする必要があります。

ちなみにアールナインでは、TはThinking(思考)に置き換えて見ています。先ほどのコンピテンシーにも通ずる部分ですが、何を考えてどう行動するかというのはかなり再現性が高いと言われています。

多くの学生さんは、状況と結果をアピールしがちですが、何を考えてどう行動したかをどれだけ具体的に伝えられるかが面接のコツだと考えます。

 

・注意すべきポイント

面接でよく学生さんがしてしまう惜しい点は、回答が「自分視点」になってしまっていることです。面接では、面接官の質問の意図を汲み取る必要があります。

例えば、「もし我々の会社に入社した場合、5年後、10年後どうなっていたいですか?」という質問をされたとします。5年後にはこういうスキルを身につけて、10年後にはこの職種に就きたいという答えはよくある回答かと思います。

しかし面接官が知りたいのは個人の願望ではなく、あなたがどれだけ会社に恩恵をもたらすことができるかということです。そのため、今自分はこんな強みを持っていて、5年後にはこれくらい成長できると考えているため、御社にこんな恩恵をもたらせるということを伝える必要があるのです。自分をひとつの商材だと捉えて、その商材をどうやって相手に売り込むのか考えられるようになると良いと思います。


4. 面接前に準備すべきこと

面接対策では、「自分を知ること」が一番重要です。

自分のスペックや強み、弱みを理解し、面接で企業との接点(重なり部分)を説明できるかが大事になってきます。

例えば、「自分の強みは協調性で、皆が納得できるように話し合いを進めることを意識しているため、チームの連携を重視する御社で活躍できるのではないかと思います。」というように、自分とその企業がいかにマッチしているのか上手く伝えることができれば企業側も魅力を感じると思います。その接点を見つけるために、自己理解が必要になります。

その接点は、中途であればCan(できること)、Will(やりたいこと)、Culture(文化、風土)の点になりますが、一方で、新卒は社会人経験が無いのでCanの割合が少ないでしょう。

そのため、WillとCultureは企業に合ったものを伝えるようにしましょう。更に、Canの代わりに自分はどういう人なのかコンセプトを伝えることが重要です。コンセプトを伝える上で、下記の5つの軸を伝えることができると良いと思います。

自分と企業の相性を見極める5つの軸

1.周囲との関係:競争 ⇔ 協調
2.思考の方向性:革新 ⇔ 伝統
3.判断の基軸:情緒 ⇔ 理性
4.評価の重点:行動 ⇔ 思考
5.仕事への姿勢:スピード ⇔ 緻密さ

(引用)海老原嗣生『第10回 企業と人の相性を見分ける5軸と、面接の必殺技』

自分がどちらよりの軸なのか把握し、正確に伝えることが重要です。もしこの軸を伝えて面接で落ちた場合は、落とされたのではなくその会社の持つ軸と合わなかったと考えて良いのです。本当にマッチしている会社に入社するため、自分のことを正しく理解しておきましょう。


5. 面接に関するよくあるQ&A

 

外見は評価対象ですか?

アパレル業界や化粧品業界であれば、服装などのアピアランスを重視する会社もあるでしょう。

心理学用語として「ハロー効果」というものがあります。ポジティブ・ハロー効果はある対象を評価するときに、ある特定の評価が高いと感じた場合に別の項目も高くしてしまう現象のことを指します。そのため、見た目の印象が良い人は評価が高くなりやすい傾向があると言えます。

外見が評価対象に入ると明記、明言している企業はごく少数であるものの、ハロー効果があるので身だしなみを整えたり、企業の印象に合わせた服装を心がけることで多少なりとも効果があるかもしれません。

逆に、ファッションにすごくこだわりがあって入社後も自由に好きな服を着たいという人は、あえて自分の好きなファッションで面接に挑むことで、その企業がファッションに対して寛容かどうか判断することもできると思います。

 

回答は端的な方がいいですか?

会話のキャッチボールがきちんとできるかが重要なので、回答は長くない方がいいでしょう。
端的に伝えるためには、「PREP法」がおすすめです。

◆ PREP法とは

  • Point:結論
  • Reason:理由
  • Example:具体例
  • Point:結論

PREP法はまず結論から述べ、その結論に至った理由、具体例での説明をし、最後にもう一度結論を伝える文章構成法です。この方法を使うと端的に話すことができ、聞く方も理解しやすいでしょう。

 

面接で回答が思い浮かばなかった時はどう対処すれば良いですか?

もし考えれば思い出せるような質問であれば、少し時間をもらえばよいですし、この面接中には絶対に答えが出てこないという場合は正直に分かりませんと答える、もしくは分かる情報だけ伝えましょう。

質問内容にもよりますが、「帰宅してから調べたいと思います。」「この場では分からないのでメールで後ほど回答する形でも良いでしょうか?」など意欲や誠実さを示すというのも良いと思います。

その場しのぎで知ったかぶりをしたりいい加減なことを言ったりするのが一番良くありません。新入社員は最初は分からないことだらけなので、分からないことは分からないと言ってくれる人の方がありがたいです。なので、変に誤魔化す人より分からないことを分からないと素直に伝えられる人の方が安心するものです。なので、変に誤魔化す人より分からないことを分からないと言える人と一緒に働きたいと思いますし、逆に言うと素直に分からないと伝えることができる企業は働きやすい良い会社であるとも言えます。

 

面接で嘘をつくとバレますか?

志望動機など、未来に関することは見抜きづらいものです。例えば、「御社の〇〇な点がすごく良いと思っているので第一志望です」と言う回答は、一番良いと思っていなくても言えるというのは就活生の皆さんならよく分かると思います。企業側も同様にそれは嘘じゃないかとは言えないですし判断することもできません。

一方で、過去のことは本当にやっていたか見抜きやすいと言えます。なぜなら、取り繕った話の場合は、どんどん具体的に深掘りをされると答えられなくなってしまうからです。特に、Thinking(思考)とAction(行動)は他人のエピソードを盗もうとしても自分で経験していないと分からない部分です。だからこそ、先ほど紹介したSTAR面接で過去のエピソードからコンピテンシーを知ることを重視しているのです。

 

逆質問ではどのようなことを聞くといいですか?

入社意欲が表われるような自分なりの質問をするのが良いと思います。能力が同じであればやっぱり自社に入りたいという熱意が伝わるような学生さんの方を採用したいと思うものです。そのため、意欲をアピールできるような質問がおすすめです。ただ、「入社前にどんなことを勉強すれば良いですか?」などオリジナル性が無く会社のホームページに答えが載っていそうな質問は避けた方がよいでしょう。自分なりにその企業に合わせた質問を毎回考えるのがベストだと思います。

また、これまでの説明会や選考などの接点を踏まえた質問も意欲が伝わって良いと思います。例えば「前回の面接官の方が~というお仕事をされていると聞いて興味を持ったのですが、他にも具体的にどういったお仕事をされている方がいるのか知りたいです」などの質問は、しっかりと話を聞いて興味を持ってくれたということが伝わるのでプラスの印象を与えられるでしょう。

 

面接で話せるようなエピソードがありません

先述した通り、多くの学生さんはSTAR面接で言うS(状況)とR(結果)を大事だと思っているので、規模が大きく大層なエピソードを話さなければいけないと思い込んでいる可能性があります。

一例ですが、皆が受け身になってしまうところを能動的に取り組んだり、なにか新しい物を生み出したり工夫が感じられるようなエピソードを探してみましょう。極論「推し活」や「ゲーム」の話であっても、T(思考)とA(行動)が伝わって再現性が高いと感じられれば全く問題ありません。

例えば推し活で周囲への布教を頑張っている人であれば、人に面白く説明し、魅力や素晴らしさを語れる能力を備えていると言えるので、企業でも活かせる再現性の高い能力をアピールできるエピソードになると思います。

 

面接で緊張しないコツはありますか?

1つ目は、落ちる=落とされた、ダメな人間だと思わないことです。学生さんは面接で落ちることを非常に怖がる傾向があります。面接で落ちるのは合わないということなので、合わない会社に入らなくて良かったと気持ちを切り替えることが大事です。

2つ目は、面接官も緊張しているということを知っておくことです。面接官トレーニングが存在していることから分かるように、実は面接官側も面接に慣れていないことが多いです。相手も緊張していると思うことで、自分だけではないと思って気が楽になるのではないでしょうか。


6. アールナインの面接について

最後に少し、当社の面接についても聞いてみました。

アールナインの面接は一般的な面接と少し違うと聞きますが、なぜですか?

アールナインでは、会話ベースで面接を行っています。なぜなら、会話しながらの方がコンピテンシーを引き出しやすいからです。例えば、「学生時代頑張ったことを教えてください」といった質問があると思いますが、そういった定番の質問をすると学生さんは作り込んできた用意した回答を話す傾向があります。そのため、できるだけ自然体の姿を知るために会話ベースで行うようにしています。


選考で特に重視していることは何ですか?

たとえすごく優秀な学生さんであっても自社に合わないと思う学生さんは採用しないようにしています。アールナインの中で合う、合わないを判断する上で重要なのは「カルチャー」です。カルチャーは先ほど紹介した「自分と企業の相性を見極める5つの軸」や評価制度が合う、合わないで判断できると考えています。

アールナインの評価制度は皆で頑張って、皆でインセンティブをもらいましょうという制度になっています。この評価制度で頑張れるタイプなのか面接官側が見極めて、合わない場合は合わないとしっかり伝えるようにしています。


一次、二次、三次、最終面接でそれぞれ何を見ていますか?

アールナインでは、一次は若手社員、二次はマネージャー、三次はゼネラルマネージャー、最終は社長が面接を行っています。どんな人が会社に必要だと思っているか、階層ごとに見極めていくためにこのような形にしています。また、人は万能では無くどうしても好き嫌いが生じてしまう部分があるため複眼で見ていく必要があります。他の企業より面接の回数が多いと感じられる方がいるかもしれませんが、お互いに合う合わないをじっくりと見極めるためにこの回数に設定しています。

そして学生さんも選ぶ立場なので、様々な階層の社員複数人と会ってもらうことで、本当に合っているかどうか見極めて欲しいという思いもあります。

また、当社の社長はSSIを重視した面接をしています。SSIとは、状況設定型面接(Situation Setting Interview)のことで、「こんな場面だったらあなたはどうする?」といった形式で質問をし、そこから人間性を知る面接方法です。例えば、「もしあなたが入社後、同期が仕事のことで悩んでいると知ったときどんな行動を取りますか?」といったように、具体的なシチュエーションを想定した質問をします。


おわりに

いかがでしたでしょうか?

面接官側の視点を学ぶことで新たな気づきを得て、不安が少しでも解消されていたら嬉しいです。

また当社のWantedlyにて、24卒内定者の選考体験記を公開しています。アールナインの選考の詳細が気になる方は是非こちらもご覧ください。

【参考資料】

・日本経済団体連合会『2018年度新卒採用に関するアンケート調査結果』

・PRESEIDENT Online『体力、技術、メンタルに大きな違いはない…120人のJリーガーを調査して判明した「世界に通用する超一流」の共通点』

・Japan Innovation Review『何気なく使っている「ポテンシャル」という言葉の意味を正しく理解しているか』

・フォレスト出版『「経験・知識・スキル」を評価する人材採用はもはや時代遅れ!?』

・海老原嗣生『第10回 企業と人の相性を見分ける5軸と、面接の必殺技』

・グロービス経営大学院『ハロー効果』

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