広報としての志

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広報としての志

社外に対する自社の認知度向上だけでなく、社員に対するモチベーション管理やエンゲージメントの向上などにおいても、より重要度が増しつつある「広報」。アールナインの広報室長として数々な施策に取り組んできた植本の見つめる先には、アールナインが今後目指していくべき、確かな未来像がありました。

どこに光を当てるのかも、戦略の一つ

代表の長井から「広報をお願いしたい」と打診を受けた当時、それまで社内広報の経験しかなかった植本は、大きな不安を抱いたと言います。 「アールナインの広報は社外広報のウェイトも大きいので、自分にできるんだろうかと思っていました。それでも打診を受けたのは、前職において対社内の広報活動をひたすらやってきた中で、対社外の広報活動へ業務の幅を広げられることによって、自身の成長にもつながるのではないかと前向きに捉えるようになったからですね」。 そうして実際に広報に就いた植本は、続々と社外への施策を打ち出していきます。既存のオウンドメディアの運用やプレスリリースの発信といった活動のみならず、メディアと企業とをつなぐプラットフォームサービスの活用などもスタート。そこでは、アールナインの事業やRPOがフォーカスされる企画ではなく、社員個々人がピックアップされる企画に積極的にエントリーしていきます。その背景には、人材業界に長く携わってきた植本ならではの想いがあったそうです。 「RPOと呼ばれる、いわゆる採用アウトソーシングの世界は、まだまだ世の中にその存在をあまり啓蒙できていないと思っています。今の状況で“RPOとは何か”といったコンテンツを発信したところで、なかなかメディアに興味は持ってもらえません。だからこそ、私はまず、代表や社員たちに光を当てていただいて、“アールナインってどんな会社なんだろう”と認識していただくことを大事にしてきました。その先に、“そういうサービスをしている会社なんだ”と、少しずつ理解してもらえればいいという考えでしたね」。

さらに植本は、対社内への施策として、社員インタビューなどにも力を入れ始めます。「まだまだ会社として小さく、背中同士でみんなの声が聞こえて、みんなで一つの話題で笑うみたいな規模だった頃に比べると、少しずつ会社が大きくなってきて雑談の機会が減ってきてしまっているなという認識があったんです。雑談自体を悪に捉える企業様もいらっしゃるかもしれませんが、弊社ではそこから次の事業の種も生まれてくると思っていて。採用支援という無形商材を扱っているからこそ、コミュニケーションから生まれる付加価値や影響はかなり大きいと思っていますし、そのためにも、会話の種にもなるような社内施策はぜひやりたいと思っていました」。

意図しない媒体掲載に感じた、悔しさと気づき

とある日、植本のもとに、大手媒体社から一本の電話が入ります。「インターンシップ代行について話を聞きたいという問い合わせで、どれくらいのお客様をご支援しているかなど、いくつか口頭で質問をいただいたんです。我々としても、誰もが知る大手媒体に掲載していただけるチャンスだとワクワクしていて。社名を出していいかと聞かれ、もちろん喜んでとお伝えしました」。──しかし数日後、その期待は思わぬ形で打ち砕かれてしまったと言います。

「掲載されたのは、インターンシップの代行について批判的な記事だったんです。大企業の3割が代行を入れている、学生たちの知らない裏の世界だ、入社後のギャップにつながってしまうだろう、といったような切り取られ方をしていて……。その代行企業の一社として、アールナインの社名が掲載されていたんです」。 しばらくの間、その悔しさとショックから立ち直れなかったという植本。しかしとある日、先輩社員から「そんなに凹むことかな?」と、ふと言われたそうです。「“大企業の3割が代行を利用しているってことは、捉え方によっては、それだけ代行が浸透してきているってことじゃない?”“そんなに気にすることないよ”」と。

「この言葉に、本当に心が救われました。ショックは大きかったですが、捉え方によってはそう見えているのかという、新たな気づきにも繋がりましたね。加えて、世の中的に、採用代行がまだまだそういった捉えられ方をしているんだという事実に、自分たちの力不足も感じました。“学生さんたちを騙しているんじゃないか”みたいな言い方をされることもありますが、むしろ採用代行を入れている会社さんは、それだけ人材に対して真剣な想いを持っていて、実際に投資をしている会社さんでもあります。今後、“うちの会社の採用はプロにお願いしているよ”という事実を、お客様自身がもっと公にアピールできる、そしてそれが評価にも繋がる世界を広報として作っていきたいという気持ちが、自分の中で強くなった出来事でもあります」。

広報を強化していくことの本質

そうして、広報としての役割や介在価値をより強く感じるようになった植本ですが、その一方で、ずっと変わらない信念と自負が胸の中にはあると言います。 「それはやはり、アールナインのファンを増やしていくということです。ファンというのは、つまりお客様となってくださる方々。お客様が増えてくださることは、我々が業務委託契約をしているパートナーの皆様に、輝ける機会を提供するということでもあります。このサイクルの一助となることが、やはり広報の一番のミッションと言えるのではないでしょうか。そのためには、やはり多くの方々にアールナインのことを知ってもらい、好きになってもらわなければなりません。きっと好きになっていただけるだけの魅力的な人材や風土、ノウハウやサービスはたくさん持っている会社なので、それをどうアピールしていくのかが大切ですよね」。

「また、対社内としては、“アールナインに入社して良かった”とより思ってもらえるような会社にするということも、私の大きな役割だと思っています。採用に関わった時にはいつも、“アールナインってすごくいい会社だから”と私自身ずっと言ってきましたので、それが嘘にならないように、広報としてアールナインの正しい姿をしっかりと伝える。そして、それによって、本当にミスマッチのない入社をお手伝いする。そういう意味でも、対社外、対社内の双方で、私にできることはまだまだあるんじゃないかなと思っています」。

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