2倍の採用目標達成!グランドハンドリング職の採用を支えたエージェントとの関係構築
マッチする人材を採用するため、人材紹介会社(エージェント)を活用したいけれど、
何から始めれば良いのかわからない。
あるいは契約してみたけれど、思うような推薦が上がらず、原因がわからない。
こうした悩みを持つ採用担当者も多いのではないでしょうか。
航空機の地上支援業務を担う羽田空港サービス株式会社(東京都大田区)もその一つで、
年間100名採用の目標を前に、エージェントを活用して母集団を広げたいと考えていたものの、
初めての取り組みとなるため、知見が少なく悩んでいました。
そこで、アールナインにご依頼いただいたのが「エージェントコントロール」。
企業に代わって、採用支援会社がエージェント各社との的確なやりとり・関係構築を担うサービスです。
第三者が、どの程度エージェントとのやりとりを代行できるのか。
この記事では「第三者だからこそできるコミュニケーションがある」と話す同社の採用チームに、
サービスの導入背景や、実感している価値をお伺いします。
◆空の安全と乗客の快適な旅を地上から支える
「グランドハンドリング」職
――貴社は羽田空港、福岡空港、新千歳空港、中部国際空港を拠点に、航空機が離発着する際の「地上支援業務」をしています。
この業務は「グランドハンドリング」と呼ばれ、貴社がエージェントを介して募集しているメインの職種でもありますが、
改めてどんな仕事でしょうか。
前川様
飛行機が安全に飛び立つには、多数の確認や点検など地上からのサポートが必要です。
また、着陸時もパイロットに指示を送って停止位置まで誘導したり、
手荷物や貨物が入ったコンテナを下ろして運んだりするなど、ミスのない迅速な対応が求められます。
グランドハンドリング職は、こうした一連の地上業務を担い、空の安全と乗客の快適な旅を支える存在です。
◆時間もマンパワーも知見も少ない中、採用目標2倍に
――その職種を、貴社は2023年度だけで年間50名、2024年度は100名の目標を掲げて採用しています。
どのような体制で採用しているのでしょうか。
前川様
人事部門の中で、採用チームは全体で18名おり、
実務を担うメンバーはうち7割ですが、実はほとんど未経験者です。
グランドハンドリングの現場で働いていた若いメンバーが人事部門に異動となるケースが多いためです。
かくいう私も前職で人事を経験したことがあるものの、
新型コロナウイルス感染拡大の時期と重なり、採用らしい採用に関わってきませんでした。
一方で、羽田空港サービスのグランドハンドリング職については、
コロナ後の国際線増便や政府のインバウンド促進策などを背景に需要が急増し、
採用目標は2023年から2024年にかけて倍増しました。
そもそも新卒や他部門の採用もあり、グランドハンドリングに割けるマンパワーに限りがある中、
かなりスピード感が必要で、焦りを覚えていました。
――外部の採用支援会社への依頼を検討したのも、そうした背景からだったのでしょうか。
前川様
そうです。目標が高いのに、時間もマンパワーも知見も少なかったため、
プロの手を借りて「近道」する必要があると考えました。
また、採用手法のレパートリーも増やしたい思いもありました。
自社のホームページや、候補者が自ら応募するナビ媒体を中心に募集してきましたが、
なかなか集まりませんでした。よりマッチする方に来ていただくためにも、エージェントとの契約を考えましたが、
エージェントとは丁寧なコミュニケーションや関係構築が必要です。
目の前の採用以外にも仕事はあるため、
最も時間がかかりそうなその部分を社外に依頼しようと思いました。
――自社でやってみることも検討されたのでしょうか。
前川様
もちろん打てる手を打ちましたが、
まだまだ打ち手は足りずスピード感の限界を感じていました。
そもそも採用目標人数が多く、悠長な状況ではないものの、
エージェントとの関係構築は時間がかかり、知見も必要であることから必要性を社内に説明し、
資金を投じる許可を得ました。
アールナインと契約した2023年12月はちょうどエージェントと契約したばかりで、
何をすれば良いのか迷っていた時期でしたね。
◆ほしかったのは小回りの利く柔軟性
――採用代行会社は他にもありますが、なぜアールナインを選ばれたのでしょうか。
仲原様
私が勧めました。
現在、外部のアドバイザーとして羽田空港サービスにいるのですが、以前、アールナインにお世話になりました。
その際には、数百社のエージェントを使い、アールナインを活用してエージェントコントロールをお願いしていました。
他の採用代行会社に比べて「アールナインはすごくきちんとしている」「信頼がおける」
と担当者から聞きました。羽田空港サービスにも、お勧めしたいと思いましたね。
前川様
私はアールナインの商談で説明を聞き、柔軟性に魅力を感じました。
新しい挑戦を始めなければならないものの、そのために何が必要なのか、どのくらい時間がかかるのか、
見通しが立たない状態でした。
だから「この部分だけをして下さい」ではなく、
その都度、柔軟に伴走してくれそうなアールナインがありがたいと思いました。
――商談のどのような部分で、それをお感じになったのでしょうか。
前川様
「サービス一覧」資料です。
日程調整、面接、説明会、エージェントコントロールなど細かい業務が並んでおり、「状況に応じて自由に組み合わせられる」という説明がわかりやすかったです。
例えば、他社は「この分野に強いが、この分野は難しい」「この仕事を依頼するなら、これも依頼してほしい」など、
色々と制限がありました。
色々と試行錯誤したい会社にとっては「少しでもプラン外のことは対応不可」では困ります。
逆にフルセットのプランでは多すぎました。
ほしかったのは小回りの利く柔軟性です。アールナインは満たしていました。
◆担当者が変わってもアールナインがいれば大丈夫。第三者だからこその属人化防止
――ご契約から約1年たちました。実際にいかがでしょうか。
前川様
対応のきめ細やかさとスピード感は想像以上でした。
導入前からサービスのイメージはありましたが、実際に対応範囲が広く、抜けがありません。
例えば、私が全然電話に出られなくても万事カバーしてくれています。
エージェントに対しても、迅速な対応で信頼関係を築いてくれました。
こちらの担当者が変わっても、アールナインがいるなら大丈夫そうです。
――貴社のノウハウの属人化を防ぐ点でも、価値を感じてくださっているのでしょうか。
前川様
そうですね。担当者が替わるたびにやり直しとならないよう、
アールナインは、ポイントをマニュアル化してくれました。
マニュアル化や引継ぎは、自社では意外と難しいものです。
そもそも忙しいと他のメンバーと社内で会わない日もあり、リアルタイムのコミュニケーションや指示すら難しい時もあります。
属人化防止という点での第三者の介在価値は、サービス導入後に新しい発見として気づいたことでしたね。
◆昨年の「2倍」となる採用目標100名達成、「コア業務」に集中する時間も
――2024年度(24年4月~25年3月)の採用目標の100名は、昨年の2倍とのことでしたが、年度が始まって9か月目の12月末の時点で無事超えました。
前川様
もともとかなり高い目標だと思っていました。
社外に委託しても導入後の定着に1年はかかるとみていましたが、夏前には達成の展望が見えたことが想定外でした。
1年間を通してたくさん採用できる時期と、そうでない時期のムラがある他の採用経路に対して、
エージェント経由で毎月1~2人が安定的に入社し続けてくれる状態は、非常に安心感があります。
――3か月ごとに目標を設定し、進捗を会議で確認しながら進めさせていただいていますが、貴社のアールナインに対する期待は「エージェントからの安定した推薦」なのでしょうか。
前川様
そうですね。他の経路でうまく採用できなかった時も、安定的に推薦を上げ続けてくれる下支えがあると安心します。
もちろん、知見のマニュアル化も期待しています。
採用チームは18人いますが、母集団が数千人規模の採用のため、
面接の日程調整などだけでも相当時間がかかります。
アールナインのおかげで、本来したかった「コア業務」にも時間を割けました。
――本来したかった「コア業務」とは何だったのでしょうか。
前川様
今、まだ契約していない新しい媒体や採用チャネルを開拓することです。
目の前の仕事ではありませんが、中長期的には必要で、自社で取り組みたかったことです。
やりたかったけれど、できていなかった部分に時間を使うことができるのは、大きかったですね。
◆第三者ならではのリアリティ、信頼性を高める客観的視点
――時間がないからできない仕事もある一方、時間があっても自社員では難しい業務もあるかと思います。例えばグランドハンドリングという仕事は、あまり身近ではありませんが、エージェントコントロールではそのイメ―ジをわかりやすく伝えることにも注力してきました。
前川様
第三者だからこそ、フラットに伝えられるメリットは確かにあります。
グランドハンドリングは一般的な職種でないため、なかなかイメージが伝わりません。
また、社内の人間が説明すると無意識に専門用語を使ってしまい、余計に伝わらないこともあります。
エージェントも会社側には直接聞きにくいかもしれません。
アールナインは、第三者ならではの客観的、信頼性を活かして、いつも橋渡し役になってくれています。
――第三者だからこその信頼性もあるとお感じなのでしょうか。
前川様
そうですね。私たちは会社の良いところをたくさん話せますが、
たとえ事実でも、自社員が話すと宣伝臭く聞こえる時もありませんか。
今の時代は、候補者の意思決定に口コミが与える影響も大きいです。
「良い会社です」と主体的に語ることも大切ながら、
「良い会社なんだって」という伝聞で生まれる信頼もあると思うので、役割分担できるのは良いですね。
間接的な評判、第三者だからこそのリアリティは自社員には作れません。
――具体的には、求人票の表現をわかりやすくしたり、エージェント向けのアンケートで困りごとを集約したりしたほか、職種の内容や魅力を1枚にまとめた「ペライチ」を作って渡したり、内定者が出たら合格理由を詳しく伝えたりする工夫などを続けてきました。
前川様
羽田空港サービスのアピール材料を整理して、分かりやすく伝えてくれましたね。
例えば、あるエージェントの動きが夏頃から変わりました。
それまで推薦数は多くて月に1~3名で、推薦されても内定承諾にはつながらないような状態でしたが、
アールナインはどの企業が採用競合としてバッティングしているのかを調べた上で、
訴求ポイントを見直し、伝え方を工夫してくれました。
秋には内定承諾が2名出ました。
その後も、そのノウハウを活用した他の採用経路での充実も図れ、
全体的に安定した採用環境の構築につながっています。
◆おすすめ企業は「多数のエージェントとやりとり」「専門性の高い職種」
――最後にアールナインのエージェントコントロールは、どのような企業に勧められそうでしょうか。
前川様
それなり母集団が必要で、多数のエージェントとのやりとりが発生する企業は向いていると思います。
一社一社と丁寧にコミュニケーションを取り、関係を作ろうとすると目の前の業務が回らなくなります。
体は一つしかないので、現実的に役割分担が必要ですね。
また、特殊な事業内容や、専門性の高い職種を募集している企業にもお勧めできます。
社員が頑張って説明しても、伝わり切らない部分があります。
エージェントに伝わらないと、候補者にも伝わりません。
この点でも、第三者に任せるメリットは大きいと感じます。
当社の事を客観的に一番理解しているのはアールナインと思いますので、安心してお任せしています。
――導入検討時に魅力を感じたとおっしゃった「柔軟性」も、実感いただけているでしょうか。
前川様
時と場合によって、隙間の仕事が発生し、急に相談してしまう時もありますが、対応していただいています。
対応領域が固定化された会社には難しいと思います。
「これもできるのか」「あれもできるのか」という驚きがあった1年でした。
これからもよろしくお願いします。