【納得】言われたことしかできない新人が育つ理由と変化を促すポイント
部下や新入社員に対して、「まったくアイツは、言われたことしかできないんだから」とぼやく管理職は少なくありません。
しかし、「言われたことしかできない」のは本人の能力の問題だけでなく、上司とのコミュニケーションやマネジメントの問題であることも多いのです。だからこそ、コミュニケーションやマネジメントが変われば「言われたことしかできない社員」も大きく成長していきます。
「アイツは言われたことしかできないダメな奴」と烙印を押す前に、その部下とのコミュニケーションをちょっと見直してみませんか。
なぜ言われたことしかできない新人がいるのか?
そもそも、「何故彼(または彼女)は、言われたことしかできない」のか考えてみましょう。本人に能力や意欲がないこともありますが、実は以下のような理由も考えられるのです。
言われたことしかできない(やらない)理由
・業務を理解していないので、「言われたこと以外」に何をすればいいのか、そもそもわからない。
・「言われたこと」以外に必要と感じている業務もあるけれど、それを提案していいのかわからない。
・失敗が責められるので、余計なことをして叱られるくらいなら、言われたことだけしておこうと思っている。
・「言われたこと以外」をしようと提案したら、「そんなことはやらなくていい。」と却下された経験がある。
上記のような理由があると、「言われたことしかできない」、あるいは能力があっても「言われたことしかやらない」となってしまいます。
しかしこれらは本人の能力や意欲ではなく、コミュニケーションやマネジメントの問題なので、コミュニケーションやマネジメントを変えれば、状況が変わる可能性が大いにあります。
では次に、「言われたことしかできない(やらない)」状況を改善するために、どのようにコミュニケーションやマネジメントを見直していけばいいのかを考えてみましょう。
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「言われたこと以上」をするためには必要な情報と条件がある
「言われたこと以上の仕事をする」ためには、必要な情報や条件があります。その1つが仕事の全体像や目指すべき「あるべき状況」を理解することです。その理解のためには、
- 仕事(業務)全体の流れ
- その仕事が目指すミッション
- その仕事が必要とされる背景・理由
- その仕事に対する経営者や上司の考え方
などの情報を知っていなければなりません。もし上司が仕事に関するこれらの情報を与えていない、つまりコミュニケーション不足の場合は、社員は「言われたこと」以外は何をやったらいいのか、それを考える「判断軸」がありません。
仕事に関する情報不足であれば、言われたことしかできないのは当たり前です。むしろその状態では、言われた以上のことを勝手にやらないほうが正解といえるかもしれません。
加えて、社員は「言われていないことをやっても大丈夫」という安心感がなければ、「言われていないこと」なんて怖くてできません。だから社員が安心して「プラスα」の仕事ができるように、以下のようなマネジメントが必要となります。
- 気づいたこと、思ったことを気兼ねなく提案できる。
- 自分の提案が(採用されないにしても)聞いてもらえる。
- 理念やミッションから外れた提案をしてもバカにされたり、否定されたりしない。
- 提案が受け入れられなかった場合、その理由がフィードバックされる。
- 提案が受け入れられない理由が、「ダメなものはダメ。」「前例がないからダメ。」「面倒だからダメ。」など理不尽な理由ではない。
- 言われていないことをやったら、その行動が評価される。
- 失敗しても、責められない。
いかがでしょうか。上記で当てはまる項目が多ければ、「プラスα」の仕事がしやすい環境と言えますし、もし当てはまる項目が少なければ、それだけ「言われていないことはやりにくい」環境になります。
たとえば、自主的に行った行動が褒められれば社員は「自分でいろいろと考えてみよう」と思うようになりますが、何も言われなければ「特にやらなくてもいいか」となってしまっても無理はありません。反対に「余計なことするな!」と怒られたら、「これからは言われたことだけやっておこう。」と固く心に誓うでしょう。
また、何か提案しても話を聞いてもらえず、納得した理由もなく却下されてばかりでは、言われたこと以上の業務をする意欲はなくなってしまいます。自分では「部下の意見はよく聞いているつもりだ。」「部下の意見には柔軟に対応している。」と思っていても、部下がそう思っていなければ、やはり「言われたことしかやらない」状況になってしまいます。
マネジメントは、自分の認識と部下の認識が一致していないことが多々あります。もしあなたが「部下は皆言われたことしかやらなくて、指示待ち人間ばかりだ。」と感じていたら、コミュニケーションやマネジメントを冷静に振り返る必要があるかもしれません。
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「言われたことしかできない」原因を解消しよう
このように「言われたことしかできない」の背景には、本人の能力だけではなく、上司と部下のコミュニケーションやマネジメントの問題があることもあります。
言い換えれば、原因となっている上司と部下のコミュニケーションとマネジメントさえ改善できれば、「言われたことしかできない社員」が成長して、自分で考えて「プラスα」の仕事ができるようになる可能性は十分にあります。
部下を育てることは、管理職の重要な任務です。「言われたことしかできない」と嘆く前に、コミュニケーションとマネジメントを見直して、部下を「自分で考えてプラスαの仕事ができる社員」に育ててみませんか。