これからの採用にこそ必要な「採用投資」という考え方


これからの採用にこそ必要な「採用投資」という考え方

採用にかかる費用は、一般的には「採用コスト」と言われていますが、採用にかけるお金は、単なるコストではありません。採用した人材が入社後に活躍してくれることでリターンが期待できる、極めて効率の良い「投資」でもあります。

「でも採用広告出しても、たくさんの求人に埋もれちゃってなかなか人が集まらないし、これ以上採用にコストをかけるわけには…」という現状もあるかもしれませんが、採用にお金をかけるべきポイントは広告費だけではありません。

では何に投資をすることで、費用対効果の高い採用が実現できるのか。ここでは、アールナインの採用コンサルティング事例から、「採用投資」によって定着率まで改善したA社の事例を紹介させていただきたいと思います。

 

募集しても人が来ない、採用しても辞めてしまう悪循環…

都市部で保育事業を展開するA社は、保育士の採用に頭を悩ませていました。

「キツイ、給料安い、帰れない」の3Kと言われ、待遇の厳しさや保護者への対応の難しさなどから、保育士は人材不足が最も深刻な職種の1つ。A社の人材募集は、基本的にはコストをかけない方針でハローワークを主な募集媒体として行っていましたが、募集してもなかなか人が集まらない状態が続いていました。

さらに、応募が少なく人を選べるような状態ではないので、よほどのことがない限り応募者をそのまま採用していました。

しかし、採用しても結局短期間で辞めてしまうため、経営者は採用業務に追われて本業に専念する時間がほとんどありませんでした。応募がないからと、本来ならば採用するべきではない人材を採用しているため、「採用する→教育に時間をかけてもすぐ辞める→また採用する」の悪循環に陥っており、短期間で入れ替わる社員の教育に現場も負担がかかってしまっている…それが現状でした。

 

「採用にお金をかけない」から方向転換

 

A社の経営者の思いや事業理念はとても素晴らしく、経営者の思いが応募者や社員にきちんと伝われば、その思いに共感する、よい人材が採用できるだろうと私たちは考え、採用戦略を根本的に見直し、提案を行いました。

「なかなか応募がない」というわかりやすい課題があると、「ではより応募してもらうために、採用広告を出す」と「募集のための施策」を検討してしまいがちですが、A社の場合、募集施策を改善するだけでは根本的な課題の解決にはなりません。
A社に必要なのは、

経営者の思いや事業理念をきちんと伝えること。
そしてそれを理解して「ここで働きたい」と思うような人に応募してもらうこと。
さらに、その上で応募してくれた人に他社比較のなかで自社を選んでもらうこと。

です。これらを実現するためには、相応の費用が必要になります。中小企業であるA社にとって、採用費はできるだけ押えたいのも本音です。しかし、それでは今の悪循環を断ち切ることはできません。

それまでは「採用費=コスト」という認識があったA社でしたが、本当によい人材を採用するために、定着率の低い現状を変えるために、採用にしっかり投資することを意思決定しました。

それは今まで無料の媒体を中心に採用活動を行ってきたA社にとっては、とても大きく、勇気が必要な決断でした。それでもこの決断こそが、のちにA社の採用を劇的に変えていくきっかけになったのです。

 

経営者の思いがきちんと伝わる採用プロセスへ

A社の採用で大切なのは、まずは経営者の思いや事業理念をきちんと伝え、それに共感できる人に応募してもらうことです。

そこで、経営者の保育事業にかける思いや、人材にかける思いをメッセージとしてわかりやすく発信できるよう、A社の自社サイトの採用ページを大幅にリニューアル。さらにA社の事業理念や社風を理解し、共感してくれる人、「ここで働きたい」と心から思ってくれる人を採用するため、4~5名の先輩社員に、具体的な仕事内容や仕事に対する思いを語ってもらうインタビュー動画を制作し、採用ページで公開しました。

そして「採用すべきはどんな人か?」「どんな人は採用すべきでないのか?」を明確にするために、退職者分析を実施。事業理念や社風に合わずに辞めていく人や、A社の環境でパフォーマンスを出せずに辞めていく人のタイプを明らかにすることで、それを元に採用すべき人」の求人条件を見直し、面接基準も明確にしました。

さらに、採用プロセスも見直しました。今までは一般的な面接を行っていましたが、応募前に園の雰囲気を知ってもらえるように、体験見学会として園児と触れあう機会を企画し、参加者には園児からお礼の手紙を送るなど、フォローにも配慮しました。

A社が投資したのは、採用ページの制作費と採用コンサルティング費です。これによって、「企業のメッセージが伝わり、採用基準が明確になり、応募者が企業に共感を深められる採用プロセス」に改善されていきました。

 

新卒採用ができるようになり、採用も定着率も劇的に改善!

 

 

この結果、採用状況は大幅に改善し、かつては新卒採用を行っても応募さえなかったのに、新卒採用で人が採用できるようになりました。

応募者も増えましたが、何よりも劇的に変わったのは応募者の質でした。採用ページをみて事業理念を理解し、経営者のメッセージや先輩社員のインタビューに共感した上で応募してきた応募者は意欲も高く、かつて採用してもすぐに辞めていった人材とは全く異なりました

意外な効果もありました。それは、今まで働いていた先輩社員のモチベーションが上がったことです。
インタビューをカッコ良く動画で撮影され、採用ページで公開されている先輩社員たちは、新入社員から「動画の〇〇さんですね!」と声をかけられるようになりました。注目される機会が増えたことで、もともと質の高いサービスを提供していた先輩社員たちのパフォーマンスはさらに上がり、それに影響されて社内の士気は高まりました

結果として、採用戦略を見直したわずか2~3年でA社は新卒採用でよい人材が採用でき、人が辞めない企業」に生まれ変わったのです

 

採用への投資が事業を推進する!

こうして、採用に手一杯で事業展開などとても考える余裕がなかった経営者の状況も改善し、人が辞めず、安定経営を行えるようになったA社は今、待機児童問題の解消に貢献するため、新しい園のオープンに向け意欲的に取り組んでいます。

採用にかかった費用だけ見れば、A社も大幅な「コスト増」となります。しかし、採用戦略で投資すべきプロセスに投資することで、採用できる人材が変わり、それによって定着率も入社後のパフォーマンスも変わり、結果的に事業が発展するという大きなリターンが得られました。

今まで採用に投資をしていなかった企業ほど、A社のような劇的な改善の可能性があります。

「いい人が採用できない」
「採用してもすぐに辞めてしまう」

もし今、そのような採用課題をお持ちでしたら、ぜひお気軽にアールナインに相談してみませんか。現状の課題整理から解決策まで、御社の状況に合わせたご提案をさせていただきます。

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