研修効率を高めるフォローアップ研修とは【具体例あり】
多くの企業が社員育成のために研修を行っておりますが、研修効率を上げるためには研修のフォローアップが必要となります。
研修は、一度実施して終わりではありません。
研修した内容を定着させるには、研修後一定のタイミングで、研修した内容を振り返り、不足している部分を補う時間が必要です。
今回は各研修をより充実したものとさせるフォローアップ研修について解説いたします。
この記事を読むことで、フォローアップ研修の目的、研修を成功させるためのポイント、フォローアップ研修のカリキュラムなどについて理解できます。
フォローアップ研修についての理解を深め、研修のフォローアップを行い、各研修をより充実したものにしていきましょう。
フォローアップ研修とは
フォローアップ研修は、研修終了から一定期間経過後に振り返りの場を設け、知識の再確認、現状の問題点や改善点の確認、具体的な目標設定を行う機会です。
目標達成をするために不足しているスキルや知識をフォローアップ研修で身につけていきます。
多くの企業では新入社員研修、管理職研修など様々な研修を行っています。
しかし、実際に行った研修が、実務の場面でどのように活かされているか効果測定できていない企業も少なくありません。
研修をすること研修の実施をゴールとせず、研修の効果にコミットするためには、効果測定を含めた研修後のフォローアップが必要となります。
フォローアップ研修を通して研修内容を定着させ、目標達成に向けて不足している要素を補っていくことが大切です。
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フォローアップ研修の4つの目的
フォローアップ研修をより充実させたものにするには、フォローアップ研修を行う目的を理解することが必要です。
ここでは、フォローアップ研修の目的について解説いたします。
①振り返りを行うことで、自分に不足している要素を理解し補完する
②振り返りを行うことで、自分の成長を実感する
③悩みやストレスを解消する
④今後の具体的な目標を設定する
①振り返りを行うことで、自分に不足している要素を理解し補完する
研修を通して理解したつもりになっていても、実務の場面になった際、思うように上手くいかないこともあります。
実際の業務で実践してみた結果を含め、フィードバックをすることで高い教育効果を得ることができます。
実際の業務で上手くいかなかった理由は何だったのか、どのような知識・スキルを補填すれば課題をクリアできるのかを考え、不足している要素を補完していく必要があります。
一度だけの研修で、全てを取り入れることは厳しいです。
PDCAを回す重要性は認識していても、研修に関しては一度実施して終わりとしてしまっている企業も少なくありません。
実務を経験する前と後では、同じ研修内容でも理解のレベルは変わり、実務実施後の方がより具体的に問題点や改善が浮かんできます。
フォローアップの研修を通して、研修内容を定着させられるようにしていきましょう研修内容がしっかり定着するよう支援していきましょう。
②振り返りを行うことで、自分の成長を実感する
振り返りを行うことで、研修後の自分の成長を実感することができます。
自分の成長が実感できれば、モチベーションは向上します。
そのため、研修後、ひたむきに全力で頑張ってきた社員に「立ち止まって考える」機会を与えてあげることは重要です。
困難にぶつかった時、自分を支える一つの要素は「自信」です。
過去にできた経験や、自分の成長を把握できると、いざという時に「自信」となり、困難に立ち向かう武器となります。
加えて、このように成長を実感できることは「離職防止」にも繋がります。
フォローアップ研修は、自分の成長を実感する重要な機会でもあるのです。
③悩みやストレスを解消する
実際に業務を行っていくと、思うように上手くいかなかったり、他の同期と比較して落ち込むこともあります。
フォローアップ研修では、受講者の悩みや、現状の課題点をディスカッションすることでメンタルのフォローを行うこともできます。
健全なメンタルでパフォーマンスが発揮できるように、メンタル面でのフォローアップをしていく必要もあります。
④今後の具体的な目標を設定する
フォローアップ研修は、実務でのフィードバックを踏まえて、今後の目標を設定していく機会でもあります。
実務を経験する前は、具体的な目標設定を中々なかなかイメージできませんが、実務を通して自分の得手不得手がわかることで、自分の目指すべき目標が浮かんできます。
フォローアップ研修では、未来について考える機会を設け、今後どのようなことを目標としていくか考えることも重要です。
その際、キャリア設計シートや、実務でのパフォーマンスレポートなどを用いると、より具体的な目標を設定することができます。
行動レベルまで落としこんだ、具体的な目標設定ができる機会としましょう。
新入社員研修のフォローアップタイミング
フォローアップ研修には適切なタイミングがあります。
特に、新入社員研修に関しては、数ヶ月後ごとに何度かフォローアップの研修を行っていく必要があります。
ここでは、新入社員研修でのフォローアップのタイミングについて解説していきます。
入社3ヶ月後フォローアップ
初回のフォローアップ研修のタイミングは、新入社員研修が終わり、実務を経験したあたりの3ヶ月後を目安とすると良いでしょう。
新入社員研修で得た知識の復習と、配属後の不安要素の確認などが主となります。
入社6ヶ月後フォローアップ
入社半年後のフォローアップ研修も重要なタイミングです。
緊張の糸も切れ、このくらいあたりの時期に離職を検討する考え始める新入社員も少なくありません。
実務を通して感じている悩みやメンタル面のフォローをするとともに、課題と感じている内容に対してフォローをしていく必要があります。
同期社員の中でも、成長が顕著にでる者、壁にぶつかる者が分かれてくる時期でもありますので、モチベーションを上げることが必要です。
入社1年後フォローアップ
入社1年後のフォローアップ研修では、一年を通しての総合的な振り返りを行い、これからのキャリア設計について考えていく機会としましょう。
一年間、基礎力をつけるために努力してきたことを振り返り、これからのキャリアは、どのような道に進みたいか考えていきます。
キャリアプランを描き、具体的な目標設定を行い、そのためのアクションプランを考えていきましょう。
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各レイヤー(階層)毎のフォローアップ研修
前項では新入社員研修のフォローアップについて解説いたしましたが、フォローアップ研修が必要なのは新入社員だけではありません。
各レイヤー毎にフォローアップ研修は必要です。
ここでは、各レイヤー毎に行うフォローアップ研修の内容について解説していきます。
新入社員
前述したように、新入社員のフォローアップでは、新入社員研修の内容の振り返りから、実際の実務を通しての課題や改善点を確認することが必要です。
新入社員のパフォーマンス、離職率に大きく影響する重要なフォローアップとなります。
若手社員
入社2、3年目の若手社員を対象にしたフォローアップ研修では、実務を通して課題となっているスキルやノウハウを学ぶために実施されます。
ベテラン社員
ベテラン社員を対象としたフォローアップ研修では、次のキャリアステップに進むための内容とすることが多いです。
より専門知識やスキルを磨いていく機会とし、ベテラン社員同士で業務に関する高次なディスカッションをする機会となります。
管理職
忘れられがちですが、管理職にもフォローアップ研修は必要です。
管理職の研修として多いのは、マネジメントスキルに関しての研修です。
実務で、上手く自分の部署の社員をマネジメントできているのかを振り返り、不足している知識やスキルを補完していく必要があります。
管理職=完璧な人間ではありません。
管理職にも常に成長が求められることを忘れずに、定期的にフォローアップ研修の機会を設けていくようにしましょう。
上記で解説したようにフォローアップ研修は、新入社員のみならず全ての社員に必要です。
各レイヤー毎にあったテーマを設定し、実務と研修のPDCAが回るよう、定期的にフォローアップ研修を実施するようにしましょう。
フォローアップ研修を成功させる7つのポイント
次はフォローアップ研修を充実したものにするためのポイントについて解説いたします。
効果的なフォローアップ研修をするうえでは、以下のようなポイントを抑えておく必要があります。
①受講者にフォローアップ研修の意味を理解してもらう
②適したタイミングや周期で行う
③事前に受講者の現在の状況を把握する
④成長進捗や目標設定をシートにまとめる
⑤研修のフィードバックをもらう
⑥フォローアップ研修の目的に沿ったカリキュラムとなっているか確認する
⑦研修内容に応じて他社サービスを活用し研修を行う
①受講者にフォローアップ研修の意味を理解してもらう
フォローアップ研修では、受講者に研修の目的や意味を理解してもらうことが重要です。
評価や叱責のための場ではなく、振り返りを通して成長していくための場であることを伝えていきましょう。
②適したタイミングや周期で行う
各レイヤー毎にフォローアップ研修をする目的を整理し、適したタイミングや周期でフォローアップ研修を行っていく必要があります。
研修でインプットしたことを実務でアウトプットする期間も考慮し、適切なフォローアップ研修開始時期の調整を行いましょう。
③事前に受講者の現在の状況を把握する
受講者が現在、どの程度成長し、どのような内容を課題としているかなど、事前に把握しておく必要があります。
理解度や満足度を確認するために、アンケートやテストを事前に行うのも良いでしょう。
事前に実態を確認することで、効果的な研修プログラムを組むことができるようになります。
④成長進捗や目標設定をシートにまとめる
効果的な振り返りのためには、成長進捗や目標設定をシートにまとめておくと効果的です。
シートを活用し、PDCAサイクルをまわせるようになります。
成長進捗や目標設定のシートは受講者も確認ができる状態として、受講者自身が課題や目標に対して意識づけできるようにしましょう。
⑤研修のフィードバックをもらう
フォローアップ研修自体の振り返りも必要です。
フォローアップ研修を行ったことで得られた効果はあったか、他に研修内容に盛り込んで欲しい内容はあったかなど、受講者からアンケートをとってみると良いでしょう。
フォローアップ研修自体の課題を把握することで、より効果的な研修へとクオリティアップすることができます。
⑥フォローアップ研修の目的に沿ったカリキュラムとなっているか確認する
フォローアップ研修は、対象レイヤーごとに行う実施する目的が異なります。
研修カリキュラムが、目的を達成するための内容となっているかチェックが必要です。
知識の補完、新たな目的設定、現状分析など、目的にそったカリキュラムを考えていきましょう。
⑦研修内容に応じて他社サービスを活用し研修を行う
研修内容によっては、他社サービスを活用するのも良いです。
より専門的な知識が必要な内容に関しては、他社サービスを活用すると効果的です。
自社でした方が良い内容、他社サービスを活用した方が良い内容を見極め、研修の計画をたてていきましょう。
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フォローアップ研修のカリキュラム例
続いてフォローアップ研修のカリキュラムについて解説していきます。
ここでは、頻繁にフォローアップ研修で行われるカリキュラム例を解説いたします。
自社でフォローアップ研修を構築する際、下記のカリキュラム例を参考にしていただければと思います。
知識・スキルの再確認
・文章力
・Officeソフトのスキル
・電話応対
・問題解決力
・正しい言葉づかい
・身だしなみとTPO
・傾聴姿勢
・質問力
・コミュニケーション能力
・業務における「報・連・相」
・仕事の優先順位付け
・PDCAサイクル活用の理解
・タイムマネジメント
・コスト管理
現状の振り返りを通しての整理
・モチベーションアップ
・悩み・不安・困りごとの解消
・成長の進捗確認
・自身の役割の理解
未来の目標設定
・キャリアプランの作成
・具体目標の設定
・アクションプランの計画
第三者によるフォロー面談も効果的
フォローアップ研修は、各研修の内容を定着させ、未来の成長へとつなげる重要な機会です。
一度の研修のみで終わりとはせず、成長へとつながる線となるよう、定期的にフォローアップをしていくことが必要です。
毎回、研修という形式での実施が難しい場合は、「フォロー面談」を導入するのがオススメです。
プロのキャリアコンサルタントなど、第三者による「フォロー面談」を設けることも、社員の成長を促すフォローアップ施策の一つになります。
上司や人事に直接言いづらいことでも相談がしやすく、社員自身が自分のキャリアやスキルについて俯瞰的に、また積極的に考える機会をつくることができます。
企業にとっても、上司からは聞きにくい内容も聞くことができ、社員一人ひとりの状況を把握しやすくなり個別に適切な対応ができるでしょう。同時に、社員にとっては「会社が自分を気にかけてくれている」という安心感や会社への信頼につながり、社員エンゲージメントの向上も期待できます。
弊社では、研修に加えて、傾聴のプロフェッショナルが第三者という立ち位置を活かした「フォロー面談」も承っております。「フォローアップ研修」の代行や「第三者面談サービス」に関するご相談は随時受け付けておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
アフターフォローの重要性を認識し、継続的に社員の成長を促すことができる環境を作っていきましょう。
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まとめ
◇フォローアップ研修とは
振り返りの場を設け、知識の再確認、現状の問題点や改善点を確認し、未来の目標達成にあたり、不足している必要スキルや知識を身につけたりする機会。
◇フォローアップ研修の4つの目的
①振り返りを行うことで、自分に不足している要素を理解し補完する
②振り返りを行うことで、自分の成長を実感する
③悩みやストレスを解消する
④今後の具体的な目標設定
◇新入社員のフォローアップ研修のタイミング
入社3ヶ月後フォローアップ
入社6ヶ月後フォローアップ
入社1年後フォローアップ
◇フォローアップ研修は、新入社員のみならず全ての社員に必要
◇フォローアップ研修を成功させる7つのポイント
①受講者にフォローアップ研修の意味を理解してもらう
②適したタイミングや周期で行う
③事前に受講者の現在の状況を把握する
④成長進捗や目標設定をシートにまとめる
⑤研修のフィードバックをもらう
⑥フォローアップ研修の目的に沿ったカリキュラムとなっているか確認する
⑦研修内容に応じて他社サービスを活用し研修を行う
◇フォローアップ研修のカリキュラム例
「知識・スキルの再確認」「現状の振り返りを通しての整理」「未来の目標設定」
◇第三者によるフォロー面談も効果的
毎回研修を実施することが難しい場合は「第三者との面談」の機会を設けることも社員の成長を促すフォローアップ施策の一つ。
以上、今回はフォローアップ研修について解説いたしました。
フォローアップ研修は、各研修の内容を定着させ、未来の成長へとつなげる重要な機会です。
一度の研修のみで終わりとはせず、成長へとつながる線となるよう、定期的にフォローアップをしていくことが必要です。
フォローアップ研修を実施し、継続的に社員の成長を促せるすことができる環境を作っていきましょう。