ダイレクトリクルーティングとは?【中途採用に導入するメリット・デメリットを解説】


ダイレクトリクルーティングとは?【中途採用に導入するメリット・デメリットを解説】

「ダイレクトリクルーティングという採用手法をよく聞くようになったけど、実は詳しく分からない」
「自社にもダイレクトリクルーティングを導入すべきか悩んでいる」
「中途採用でもダイレクトリクルーティングを活用できるか知りたい」
「ダイレクトリクルーティングのデメリットも把握しておきたい」

このようにダイレクトリクルーティングについての疑問や悩みをお持ちの採用担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

近年、注目が集まっているダイレクトリクルーティング。

ダイレクトリクルーティングを中途採用に導入することで、「獲得する人材の質を上げることができた」「他社と競争することなく人材を獲得できた」という声が多数あがっています。

今後、少子高齢化による人材不足が予想されるため、より効果的な採用手法が求められています。

今回は、ダイレクトリクルーティングの仕組み、ダイレクトリクルーティングと中途採用の相性、ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリットについて解説していきます。

今回の記事を読むことで、ダイレクトリクルーティングについての理解が深まり、自社へ導入する第一歩を踏み出すことができるようになります。

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ダイレクトリクルーティングとは?

ダイレクトリクルーティングは求人掲載や人材紹介などのように他媒体を介さず、企業が直接求職者にアプローチする採用手法です。

企業からアクションを起こせるため、求職者からの応募を待つのみではなく、企業主体で進めることができる能動的な採用手法です。

一般的な方法としては、転職サイトや転職エージェント、人材紹介会社といった転職サービスの求職者データベースを活用し、気になる人材へコンタクトをとります。

他サービスのデータベースを介さないで自社ノウハウだけでダイレクトリクルーティングをしている企業もまれにありますが難易度が高く、自社主体で行う場合はSNSを使ったソーシャルリクールティングを活用することが多いようです。

スカウトとダイレクトリクルーティングの違いに関する質問を耳にすることもありますが、ダイレクトリクルーティングは広義の意味ではスカウトにカテゴライズされます。

近年、ダイレクトリクルーティングが注目されている背景

昨今、ダイレクトリクルーティングという言葉を、頻繁に耳にするようになったと感じる人事担当者の方も多いのではないでしょうか。

ダイレクトリクルーティングが注目を集めている背景には、下記2つの要因があります。
・少子高齢化による将来的な人材不足
・人材のマッチング率向上

少子高齢化による将来的な人材不足

日本の生産年齢人口は、1995年の8,716万人をピークに減少し始め、2021年には7,428万人まで減少しました。

今後も減少は止まらず、2060年には生産年齢人口が4,418万人まで減少することが予想されています。(生産年齢人口とは、15〜65歳未満の生産活動の中心にいる人口層を指します)

このような状況下で年々、労働力となる人材が減少しています。今までの採用手法だけでは、自社に必要な人員数を確保することが困難となり、他の効果的な採用手法が求められています。

人材のマッチング率向上

ダイレクトリクルーティングが注目を集めているもう1つの理由は、より精度の高い人材獲得が求められているためです。

今までは、求人掲載を通して大多数の人の目に触れることを狙いとしていましたが、その手法だけでは思うような人材が集まりにくいという課題を抱えていました。

そのため、自社が求める人材に直接アプローチできるダイレクトリクルーティングを通して、人材獲得の質を上げたいと考える企業が増えています。

このように、人材不足への対応、人材の質向上のため、ダイレクトリクルーティングが注目を集めています。

※母集団形成の手法については、以下の記事で解説しています。
母集団形成とは? | 新卒採用でおすすめの手法10選を紹介します

中途採用にダイレクトリクルーティングは活用できるか?

続いて、中途採用にダイレクトリクルーティングを活用することについて解説いたします。

近年では、獲得する人材の質向上を狙い、新卒採用でもダイレクトリクルーティングが活用されています。

中途採用にダイレクトリクルーティングを活用する場合は、求職者の履歴書や職務経歴書といった情報量の多いデータから人材を探すことができるため、新卒採用よりもマッチング率をあげることができます。

ダイレクトリクルーティングは中途採用で本領発揮できる採用手法とも解釈できます。

ダイレクトリクルーティングの運用コスト

ダイレクトリクルーティングを導入する際のコストについて解説していきます。

ダイレクトリクルーティングのサービスを利用する際の報酬形態は、下記2パターンが主流です。
・成功報酬型
・定額型

【成功報酬型】

成功報酬型の場合に発生するコストは、主に初期費用、データベース利用料、成功報酬の3つです。

中途採用で活用する場合の成功報酬額は、採用した人材の年収をベースにして決まります。一般的には年収の15%ほどが相場であるといわれています。

— 導入例 —
初期費用     :10万円(導入時のみ)
データベース利用料:5万円(月額)
成功報酬15%     :90万円(年収600万円の人材を採用した場合)

【定額型】

定額型の場合は、発生コストを全て含めたパッケージプランです。
中途採用の場合の相場は、年間で300〜400万円が相場と言われています。

オプションを除けば、年間利用額のみでデータベースを活用し、ダイレクトリクルーティングの運用を行うことができます。

— 導入例 —

パッケージ利用料:300〜400万円程度(年額)
※パッケージの中に初期費用、データベース利用料も含まれます

成功報酬型では、年収額が高い人材を獲得する際や、多くの人員数を獲得する際は採用コストが膨らみます。

対して、定額型の場合は、獲得する人材の年収や人員数で採用コストが変動することはありません。ハイクラス人材の獲得や、多くの人員数を獲得する場合は、定額型を選んだ方が採用コストを抑えることができます。

逆に、少数の人材獲得、給与の低い若年層人材の獲得の場合は、成功報酬型の選択が適切と考えられます。

どのような人材を、どれだけ獲得したいかによって、最適なプランを選択していきましょう。

<参考元> dodaキャンパス https://campus.doda.jp/enterprise/column/66

ダイレクトリクルーティングと今までの採用手法との違い

ダイレクトリクルーティングと、今まで主に使われてきた採用手法には明確に違う要素があります。

求人広告や人材サービスといった従来の採用手法と、ダイレクトリクルーティングで大きく違うポイントは下記2つです。
・受動的か、能動的かの違い
・顕在層を狙うか、潜在層を狙うかの違い

受動的か、能動的かの違い

従来の求人広告や人材紹介といった採用手法は、一定の準備が終わった後は求職者からのリアクションを待つ受動的なスタイルです。

一方、ダイレクトリクルーティングは、企業が求める人材を主体的に探し、気になる人材へアプローチしていく能動的な採用手法です。

ダイレクトリクルーティングは能動的なスタイルであるため、成果状況を見ながら活動量を調整していくことも可能です。

顕在層を狙うか、潜在層を狙うかの違い

従来の求人広告や人材紹介といった採用手法は、「⚪︎⚪︎業界に転職をしたい」という転職に関心のある人材が求人を見たり、人材紹介に登録をします。

そのため、明確な転職意思のある顕在層がターゲットとなります。

一方、ダイレクトリクルーティングでは、転職意思が強い人材だけが対象となる訳ではありません。

転職意向はそこまで強くないが転職サービスに登録だけしているという人も多数います。

自社が求める必要スキルや経験を持っている人材がいれば、キャリアチェンジを提案する形で訴求を行うことができます。

顕在層を狙う場合、競合他社との競争を避けることは難しいですが、潜在層を狙うことによって、他社と競争をせず人材を獲得することができます。

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ダイレクトリクルーティングを中途採用に導入する5つのメリット

続いて、ダイレクトリクルーティングを中途採用に導入するメリットについて解説していきます。

1. 戦略的に活用できれば、採用コストを抑えることができる

ダイレクトリクルーティングは、一見、採用コストのかかる採用手法と考えられがちですが、しっかりと戦略立てて活用できれば、採用コストを抑えることができます。

獲得する人材の層や年間で獲得する人員数を採用計画にしっかり落とし込み、ダイレクトリクルーティングのサービスを契約する際に適切なプラン選択をすれば、1人当たりの採用単価を抑えることができます。

2. 潜在層へアプローチができる

従来の採用手法との違いでも解説いたしましたが、ダイレクトリクルーティングでは潜在層へのアプローチができる強みがあります。

元々、求職者が選択肢に入れていなかったキャリアでも、潜在ニーズに届けることができれば求職者の考え方も変わります。

競争の激しい顕在層へアプローチする以外の採用手法が確立できれば、採用活動全体の安定度が向上します。

3. 自社にマッチした人材にアプローチできる

ダイレクトリクルーティングでは、転職サービスのデータベースに登録されている求職者の履歴書や職務経歴書の情報を閲覧し、自社にマッチした人材を探すことができます。

自社にあった人材にアプローチすることができるため、当然、採用する人材と自社とのマッチング度も高くなります。

4. 求職者の個々にあった訴求ができる

ダイレクトリクルーティングは、対個人の採用手法のため、個々にあわせてカスタマイズできる強みがあります。

「新しい挑戦をしたい」「年収を上げたい」「今までのキャリアを活かしたい」など、求職者1人1人のニーズを汲み取り、ニーズを満たすスカウト文面を作成し訴求することができます。

求人掲載のように広い層に向けたメッセージの場合、尖った内容は発信しづらいことが課題です。

個々に刺さる訴求ができるというのは、ダイレクトリクルーティングの大きな強みとなります。

5. 自社で採用ノウハウを蓄積できる

ダイレクトリクルーティングは、スカウト文面の作成、メールを送る量の調整、メール送信のタイミング設定、ターゲットの選定などを自社で行います。

そのため、仮説、検証、改善を繰り返すことで、自社にノウハウを蓄積し、自社の採用力を高めていくことができます。

また、求職者個人と直接コミュニケーションを行う機会が増えるため、求職者の特性についての理解が深まることも大きなメリットです。

【関連記事】スカウト代行とは?年間25,000件支援のダイレクトリクルーティング運用のプロが解説します

ダイレクトリクルーティングの5つのデメリット

最後にダイレクトリクルーティングのデメリットについて解説します。

ダイレクトリクルーティングを導入する際は、デメリットをカバーする方法も頭に入れて運用していきましょう。

1. 運用をする労力や人的コストがかかる

ダイレクトリクルーティングは、自社で運用方針を策定し自社担当者が主体になって実践していく採用手法のため、労力や人的コストがかかります。

下記のようなタスクは、全て担当者が行わなければなりません。
・ツール活用方法の理解、習得
・アプローチする求職者のターゲティング
・スカウトメッセージの作成
・メール量の調整
・定期的なメール送信
・結果分析をして改善

しっかりと運用できる体制が整っていない状態でスタートしてしまうと、成果をだせず運用コストだけが負担となります。

自社で誰が、どれだけの時間を使えるかを考えたうえで、導入を検討しましょう。

2. 成果が出るまでに時間がかかる

ダイレクトリクルーティングは、運用ノウハウが確立されるまで成果を期待することはできません。

運用で成果を出すためには、仮説、検証、改善を繰り返してパフォーマンスを高めていく必要があるため、成果が出るまでには一定の期間が必要です。

導入時は、ダイレクトリクルーティングのみに頼らず、即効性のある採用手法も並行して活用していくといいでしょう。

3. 転職意欲が低い候補者も多数いる

ダイレクトリクルーティングは、潜在層へアプローチする要素が強いため、「今は転職意向がない」「自社の業種に興味がない」という人材も多いことを理解しておく必要があります。

この前提を踏まえて返信率を考えていかないと、効率の悪い採用手法と早々に判断してしまいがちです。

前提の理解をしっかりと持ったうえで、返信率を高める工夫をしていきましょう。

4. 大量採用には向いていない

ダイレクトリクルーティングは、個々へアプローチを行うため、大量数の人材獲得という点では求人広告や転職サイトを活用する場合より劣ります。

量より質を高める要素が強いため、大量採用が必要な場合は、別の採用手法を並行して活用するようにしましょう。

5. 急募求人には向いていない

ダイレクトリクルーティングは、データベースから候補者を探し、候補者に刺さるメッセージを作成して届けていくため、時間や労力がかかるという側面があります。

そのため、退職や異動などによる急ぎの人員補充が必要なケースには、ダイレクトリクルーティングの活用はあまり適していません。

即効性が強い別の採用手法とあわせて、活用するようにしましょう。

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まとめ

以上、今回はダイレクトリクルーティングの特性や、メリット・デメリットについて解説いたしました。

近年では、採用活動で必要な人員数を確保するとともに、自社とマッチングした質の高い人材を獲得することが求められています。

自社にあった人材に対して魅力的な提案をすることで、企業と求職者の双方の未来を明るくすることも可能です。

ダイレクトリクルーティングを効率的に活用して、自社の貴重な戦力となるマッチング度の高い人材を獲得していきましょう。

【関連記事】スカウト代行とは?年間25,000件支援のダイレクトリクルーティング運用のプロが解説します

ダイレクトリクルーティングは他媒体を介さず、企業が直接求職者にアプローチする採用手法近年、ダイレクトリクルーティングが注目されている背景
・少子高齢化による将来的な人材不足
・人材のマッチング率向上ダイレクトリクルーティングは情報量の多いデータから、人材を探すことができるため、中途採用で本領発揮できる採用手法とも解釈できる
ダイレクトリクルーティングの報酬形態
・成功報酬型
・定額型
ダイレクトリクルーティングと今までの採用手法との違い
・受動的か、能動的かの違い
・顕在層を狙うか、潜在層を狙うかの違い
ダイレクトリクルーティングを中途採用に導入する5つのメリット
1. 戦略的に活用できれば、採用コストを抑えることができる
2. 潜在層へアプローチができる
3. 自社にマッチした人材にアプローチできる
4. 求職者の個々にあった訴求ができる
5. 自社で採用ノウハウを蓄積できる
6. ダイレクトリクルーティングの5つのデメリット
7. 運用をする労力や人的コストがかかる
8. 成果が出るまでに時間がかかる
9. 転職意欲が低い候補者も多数いる
10. 大量採用には向いていない
11.急募求人には向いていない
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この記事の監修者:長井 亮

1999年青山学院大学経済学部卒業。株式会社リクルートエイブリック(現リクルート)に入社。 連続MVP受賞などトップセールスとして活躍後、2009年に人材採用支援会社、株式会社アールナインを設立。 これまでに2,000社を超える経営者・採用担当者の相談や、5,000人を超える就職・転職の相談実績を持つ。