ソーシャルリクルーティングとは?【中途採用でのSNS活用のコツを解説】
「ソーシャルリクルーティングって最近よく聞くけど詳しく知らない」
「企業がSNS運用をするのは、デメリットもありそうで心配」
「ソーシャルリクルーティングを運用する際は、どんなポイントに注意すればいいか知りたい」
このように「ソーシャルリクルーティング」という言葉は知っていても、実際の運用ノウハウがわからないという採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
正しく運用できれば、企業のブランディングを高めることができ、採用活動にも大きなメリットがあります。
そこで今回の記事では、ソーシャルリクルーティングの本質やメリット・デメリット、ソーシャルリクルーティングを成功させるコツについて解説していきます。
よく分からないという方でも、この記事を読むことでソーシャルリクルーティング運用の第一歩を踏み出せる内容となっています。
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ソーシャルリクルーティングとは?
ソーシャルリクルーティングとは、TwitterやInstagramといったSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用した採用手法です。
企業でSNSのアカウントを作成し、企業活動や採用に関する情報を発信していきます。
通常、転職意向や仕事での取引関係がなければ、企業の詳しい情報を一般の方が知ることはありませんが、SNSという身近なツールを通すことで、広い層に情報を届けることができます。
企業サイトや求人情報と比較して、SNSでは親近感の持てるリアルな風景を発信できるため、企業により興味を持ってもらえるメリットがあります。
企業の認知を広げ、企業のリアルな情報を発信することで、企業とマッチした人材に「この会社で働きたい」と思ってもらい、採用活動へ繋げることができます。
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近年、ソーシャルリクルーティングが注目されている3つの背景
昨今、ソーシャルリクルーティングというワードを、耳にする頻度が増えたと感じる人事担当者の方も多いのではないでしょうか。
ソーシャルリクルーティングが注目を集めている背景には下記3つの要因があります。
1. 少子高齢化による将来的な人材不足
2. 人材のマッチング率を上げたいという需要
3. SNSの普及によるユーザー増
1. 少子高齢化による将来的な人材不足
日本の生産年齢人口は、1995年の8,716万人をピークに減少を始め、2021年には7,428万人まで減少しました。
今後も減少は止まらず、2060年には生産年齢人口が4,418万人まで減少することが予想されています。(生産年齢人口とは、15〜65歳未満の生産活動の中心にいる人口層を指します)
このような状況下で年々、労働力となる人材が減少しています。
今までの採用手法だけでは自社に必要な人員数を確保することが困難となり、新しく効果的な採用手法が求められています。
2. 人材のマッチング率を上げたいという需要
ソーシャルリクルーティングが注目を集めている背景には、今より人材のマッチング率を上げたいという企業の需要も関係しています。
他の採用手法でも多くの人材にアプローチすることはできたものの、「自社が求める人材とは出会えない」という課題を抱える企業は少なくありません。
そのため、自社のことをよく知ってもらい、自社に興味を持った人材を中心に集めることができるソーシャルリクルーティングを通して、獲得する人材の質を上げたいと思う企業が増えています。
3. SNS利用の一般化
昨今では、老若男女問わずSNSを利用することが当たり前になっています。
2022年2月時点の、各SNSの日本国内ユーザー数は下記です。
・LINE 8,900万人
・Twitter 4,500万人
・Instagram 3,300万人
・Facebook 2,600万人
・Linkedin 200万人
<引用元>
【2022年2月版】人気ソーシャルメディアのユーザー数まとめ
https://www.comnico.jp/we-love-social/sns-users
人々が日々の生活でSNSに触れる機会が増えたため、企業はSNSでの情報発信を通して、より多くの人に自社を知ってもらえるようになりました。
このような背景から、多くの人材にアプローチでき、自社にマッチングした人材と出会えるソーシャルリクルーティングが注目を集めています。
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ソーシャルリクルーティングは中途採用でも活用できるのか
ソーシャルリクルーティングは、新卒採用、中途採用の両方で活用されています。
SNSは、学生や社会人を問わず利用されているため、ソーシャルリクルーティングは新卒採用と中途採用のどちらにも有効な採用手法です。
会社勤め中の社会人が転職活動をする場合、時間が無い中で転職サイトや転職エージェントに登録するのには一定のハードルがあります。
しかし、普段利用しているSNSで企業の情報が得られるのであれば、低いハードルで転職の一歩を踏み出すことができます。
このようにソーシャルリクルーティングは、新卒採用は勿論、中途採用にも適した採用手法と言えます。
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ソーシャルリクルーティングを活用する5つのメリット
続いて、ソーシャルリクルーティングのメリットについて順番に解説していきます。
1. 採用コストを抑えることができる
ソーシャルリクルーティングは、自社スタッフだけで運用できれば採用コストを大幅に抑えることができます。
転職サイト、求人広告などのように外部に払う費用が発生しないため、自社スタッフの人件費のみで運用が可能です。
また、自社のブランディングを他社に依頼するケースを考えても多額のコストが発生するため、コストを抑えてブランディングと採用活動ができるのは、ソーシャルリクルーティングの大きなメリットです。
2. 自社にマッチングした人材と出会える
ソーシャルリクルーティングの強みは、自社を理解し好感を持ってくれた人材と繋がることができる点です。
SNSでは、求人広告では発信しきれない、日常のリアルな風景を発信できます。
求人広告の場合は掲載枠の制限があるため、どうしても発信する情報が限定され、企業の実態と求職者の理解にギャップが生まれてしまう可能性があります。
ソーシャルリクルーティングであれば、企業のありのままの情報を発信することができるため、企業の本来の姿を理解して自社を選んでくれた求職者と出会うことができます。
3. SNSの拡散力を活用し、多くの人に認知してもらえる
SNSの最大の強みとも言えるのが「拡散力」です。
1人のユーザーに良い評価をもらえれば、他のユーザーにシェアしてもらい、その連鎖が続くことで情報が拡散されていきます。
拡散力がなければ、10,000人に知ってもらうためには10,000回の発信が必要となります。
ですが、SNSの拡散力を活用できれば1回の発信で10,000人に届けることも可能です。
ソーシャルリクルーティングでは、この拡散力を活用し、1人でも多くの人に自社を知ってもらうことができ、企業の認知を広げることができます。
4. 企業と求職者で双方向のコミュニケーションができる
ソーシャルリクルーティングでは、SNSの機能を活用して、企業担当者が求職者とコミュニケーションをとることができます。
企業からのアプローチだけではなく、求職者からもコンタクトをとることができるため、双方向のコミュニケーションが可能です。
DMの機能を活用し、スピーディーに企業と求職者で双方向のコミュニケーションができる点も、ソーシャルリクルーティングのメリットです。
5. 自社のありのままの姿を発信することで、ブランディングができる
SNSの発信を通して企業のブランディングができるのも、ソーシャルリクルーティングのメリットです。
SNSが普及する以前は、広告資金に余裕のない中小企業が一般層に認知してもらうのは至難の業でした。
しかし、昨今では、大手や中小を問わずSNSを活用することで、幅広い層に自社を認知してもらうことができます。
また、SNSでは自由に自社のありのままの姿を発信できます。
自社の理念、価値観、働き方などの情報を発信することで、自社のブランディングを行うことも可能です。
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ソーシャルリクルーティングを運用する5つのデメリット
続いて、ソーシャルリクルーティングのデメリットについて解説していきます。
自社でソーシャルリクルーティングを運用する際は、必ずデメリットもよく理解し、対策をしていきましょう。
1. 運用するのに労力がかかる
ソーシャルリクルーティングをする際は、一定の労力がかかることを理解しておきましょう。
アカウント設計や発信するコンテンツの作成、DMでのやりとりなど、全て自社社員を中心に動いていく必要があります。
SNSマーケティングを専門とする企業にサポートを依頼することも可能ですが、その場合はコストの負担が大きくなります。
自社内でソーシャルリクルーティングを運用する際は、運用する労力がかかることを理解し、あらかじめヒューマンリソースを確保しておきましょう。
2. SNS運用のノウハウが必要
ソーシャルリクルーティングを始めてみたものの、思うように成果が出ず、すぐにやめてしまう企業も少なくありません。
ソーシャルリクルーティングを成功させるためには、SNS運用の確かなノウハウが必要です。
SNS運用に詳しい人材が自社にいない場合は、運用担当者が本や外部セミナーなどから知識を獲得しなければなりません。
また、予算に余裕があれば、SNSマーケティングに強い企業にサポートを依頼するのも1つの手段です。
正しい知識を得て、実際に運用をしながら改善を繰り返すことで、自社のノウハウを固めることが大切です。
3. 効果が出るまでに時間がかかる
ソーシャルリクルーティングの運用は、前述したように確かなノウハウが必要とされます。
やみくもに運用しても効果は見込めないため、実施と改善を繰り返してノウハウを蓄積していく必要があります。
そのため、効果が出るまでには一定の期間が必要であることを理解しておきましょう。
SNSのフォロワー数が増え、発信力が持てるまでは、焦らずにアカウントを育てていくことが大切です。
4. 情報漏洩リスクがある
ソーシャルリクルーティングを運用する際は、情報漏洩のリスクがあることも念頭に置いておきましょう。
SNSを通して自由な発信ができるため、「たまたま撮った写真に機密情報が映っていた」「顧客情報を載せた内容をツイートしてしまった」というようなリスクも考えられます。
内容によっては、多額の損害賠償が発生する事態となる可能性もあります。
運用担当者は、このような情報漏洩リスクにも、細心の注意を払って運用をおこないましょう。
5. 炎上リスクがある
ソーシャルリクルーティングでは、炎上リスクにも注意が必要です。SNSの発信から、炎上を起こしてしまった企業も少なくありません。
SNSの拡散性は強みにもなればリスクにもなります。ネガティブの情報はポジティブな情報より拡散されやすい性質があるため、一度火がついてしまうと広がるのはあっという間です。
炎上を避けるためには、下記3つのポイントが重要です。
・個人ではなく、企業の看板を背負って発信している自覚を持つこと
・不特定多数の人が見ても、不快に思う表現がないか確認すること
・企業や個人、商品などを批判するような発信はしないこと
このように炎上リスクとなるポイントには、常に意識を持ちながら情報発信をおこなうようにしましょう。
ソーシャルリクルーティングを成功させる5つのコツ
最後にソーシャルリクルーティングを成功させるコツについて解説していきます。
1. 自社が求める人材にマッチした内容を発信する
ソーシャルリクルーティングの強みは、自社にマッチした人材と接点を作ることができる点です。
そのためには、自社の求める人材に合った情報を発信する必要があります。
自社の求める人材の定義を再確認し、求める人物が持つ価値観や行動特性にあわせた発信をしていきましょう。
2. 自社の採用ペルソナにマッチしたSNSを使う
各SNSによって、年齢層、男女比、利用目的などは異なります。
自社の採用ペルソナは、どのSNSを利用する傾向があるかを事前に分析し、採用ペルソナにマッチしたSNSを使って情報発信することが重要です。
3. 長期的な成果を見込んで、運用を継続していく
ソーシャルリクルーティングは、即効性のある採用手法ではありません。
特に中小企業の場合、一般層に認知されていないことは多いでしょう。
最初は発信してもリアクションが薄いかもしれませんが、日々発信を続けることで少しずつフォロワーも増え、ユーザーからリアクションをもらえるようになるでしょう。
短期で成果を求めるのではなく、長期を見て成果を得ることを念頭に置いておきましょう。
4. コンテンツを充実させる
1人でも多くのユーザーに認知してもらい、より多く自社のことを知ってもらうためには、コンテンツを充実させることが大切です。
自社の業務風景や代表者のメッセージ、社員のプライベート、職場付近のおすすめランチなど、様々なコンテンツを増やしていきましょう。
5. PDCAを回して、クオリティを高めていく
ソーシャルリクルーティングは、確かなノウハウを持って運用しなければ成果は出ません。
仮説、検証、改善を繰り返しながら、確かなノウハウが蓄積されていきます。
固定化された運用ではなく、常に改善を繰り返していく意識を持って運用しましょう。
まとめ
以上、今回はソーシャルリクルーティングのメリット・デメリットやソーシャルリクルーティングを成功させるコツについて解説いたしました。
ソーシャルリクルーティングの運用をすることで、情報発信や求職者とのコミュニケーションのノウハウが蓄積でき、同時に企業ブランディングも確立できます。
そこで得たノウハウは、他の採用手法に活かすことも可能です。
ソーシャルリクルーティングを通して、自社の認知を広め、採用活動をより効果的に進めていきましょう。
1. 少子高齢化による将来的な人材不足
2. 人材のマッチング率を上げたいという需要
3. SNSの普及によるユーザー増
1. 採用コストを抑えることができる
2. 自社にマッチングした人材と出会える
3. SNSの拡散力を活用し、多くの人に認知してもらえる
4. 企業と求職者で双方向のコミュニケーションができる
5. 自社のありのままの姿を発信することで、ブランディングができる
1. 運用するのに労力がかかる
2. SNS運用のノウハウが必要
3. 効果が出るまでに時間がかかる
4. 情報漏洩リスクがある
5. 炎上リスクがある
・個人ではなく、企業の看板を背負って発信している自覚を持つこと
・不特定多数の人が見ても、不快に思う表現がないか確認すること
・企業や個人、商品等を批判するような発信をしないこと
1. 自社が求める人材にマッチした内容を発信する
2. 自社の採用ペルソナにマッチしたSNSを使う
3. 長期的な成果を見込んで、運用を継続していく
4. コンテンツを充実させる
5. PDCAを回して、クオリティを高めていく
この記事の監修者:
1999年青山学院大学経済学部卒業。株式会社リクルートエイブリック(現リクルート)に入社。 連続MVP受賞などトップセールスとして活躍後、2009年に人材採用支援会社、株式会社アールナインを設立。 これまでに2,000社を超える経営者・採用担当者の相談や、5,000人を超える就職・転職の相談実績を持つ。