中途採用で面接官が聞くべき質問とは?具体的な項目と見極めるべきポイントを解説


中途採用で面接官が聞くべき質問とは?具体的な項目と見極めるべきポイントを解説

中途採用の面接では、新卒採用とは違い本人の資質だけでなくスキルや経験などもチェックしなくてはなりません。
しかし何を聞けばその人のことがわかるか、質問に迷ってしまうことは多いでしょう。

そこで今回は、どのような質問をして、何を判断するべきか具体的に解説します。
適切な質問ができるようになることで、今後のより良い採用活動に役立ちます。

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中途採用で重視すべきこと

まずは中途採用の面接で、どんなことを重視すべきかを整理します。

各企業の採用方針にも通ずる部分で、面接する側が「こんな人材が欲しい」という要件をしっかり定義できていなければ、自社に合う人を選ぶことはできません。

初めにその要件をしっかりと決め、面接では以下の2つの面から「この人はどんな人物か」を判断しましょう。

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能力面について

新卒採用では、学生がどんな性格か、コミュニケーション能力はあるか、どんなことをやりたいかなど、本人の資質の部分を重点的にチェックします。英語力や簿記などの専門的な資格の有無が、採用に大きくかかわることは少ないでしょう。

しかし中途採用では、社会人としてどんな仕事をしてきたのか、どのような能力を持っているのかなどをしっかり聞く必要があります。

専門性の高い能力を問う場合、人事部の人間だけでなく、現場の専門職の人にも面接に同席してもらうことがおすすめです。その分野に対してどのくらいの知識があり、どの程度のスキルを持っているかは、専門的な知識がある方のほうが正確に判断できます。

人物面について

もしその人の性格や適性が社風と合わなければ、早期で退職してしまうかもしれません。だからこそ、その人がどのような人物かを見極め、社風と合っているかを考えましょう。

まずは、自社の従業員にどんなタイプが多いかを考えることが大切です。スピード感を持って個人プレーで進めていく人が多いか、チームを組んで確実に進めていく人が多いかなどによって、フィットする人材は変わります。

また、コロナ禍ではほとんどなくなりましたが、社内イベントが多いか少ないかといった点もポイントです。

交流が多い社風を「馴染みやすい」と捉える人もいれば「面倒」と思う人もいます。面接に来た人材がどういった考えを持っているかを見抜き、自社と合うか考えてみてください。

中途採用で面接官が聞くべき質問

中途採用の面接では、あらゆる方向からその人を見極めることが大切です。
そのため、多角的な質問を準備するようにしましょう。

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志望動機を教えてください

面接において、もっともベーシックな質問です。どのくらい自社について知っているかは、志望度や本気度の高さを測るバロメーターになります。

どのような商品・サービスを扱っていて、何を目指しているか、顧客とどう向き合っているかなどを理解していれば、具体的な志望動機が作れるはずです。

まれに「ただエージェントから紹介があったからとりあえず面接に来たのだろう」というパターンもあります。

その場合、その人の能力が高くてもミスマッチが起きてすぐに退職してしまう可能性があります。入社後ギャップを防ぐためにも、面接を重ねる中で認識のすり合わせを行っていきましょう。

なぜ転職をするのですか?

単に「人間関係で上手くいかなかった」「給料が安い」というネガティブな理由しか答えられないようでは、自社に入社しても同じ問題が発生する可能性は否めません。

そこでこの質問では、今後どんなキャリアを積みたいと考えていて、そのために転職先に何を求めているのかについて語れるかどうかをチェックしましょう。

また、今の職場でなぜそれが実現できないのか、自社ではなぜできると思ったのかなども聞くと、自己分析や会社分析ができているかどうかもわかります。

さらに、「環境が悪い」という他責思考かどうかも見極められるでしょう。例えば「思うようなポジションを得られなかったので、スキルを発揮できる職場で働きたい」という理由だったとして、今の会社で上手くいかないのは「上司に能力を認めてもらえないから」という理由を挙げる場合、他責思考が強く転職してからも環境を理由に努力を怠る可能性があります。

現在の職場の成功体験について教えてください

相手の能力をはかるため、どのような成功体験をしたのかを聞きましょう。
ここで重要なことは、成し遂げた内容そのものではなく、どのような要因で成功したかということです。

例えば「営業成績1位を獲得しました」という結果でも、「運が良くたまたま大口顧客が見つかった」「退職する先輩から顧客の引継ぎがあり自動的に売上が増えた」「非常に優秀なパートナーがいて、その人のおかげで売上を伸ばせた」といった理由であれば、これは本人の能力とはあまり関係がありません。

そのため、成功の結果ではなくプロセスを詳しく聞くことを意識しましょう。成功の要因が再現性の高いものであれば、自社に入社してからも結果を出す確率が高いです高くなるでしょう。

仕事に失敗する時は何が原因であることが多いですか、またどのように対処しますか

仕事をしていれば上手くいくことだけではなく、失敗することもあります。問題は、失敗から何を学び、次にどう活かすかです。

そこでまず過去にどんな失敗をしたか聞いて、その原因を深堀しましょう。これにより、その人の弱みやアップデートすべき点が見えてきます。また「自分の弱みを正確に理解しているか」も同時にわかります。

そして、対処法を聞くことで弱みをカバーしていける人材かどうかを判断します。弱みがわかっていても、的確に対処できなければ大きな成長は見込めません。こうした内容は抽象度が高いと理解しにくいので、実際の具体例をもとに話してもらうことがおすすめです。

過去にPDCAサイクルを回して学んだことや気づいたことはありますか?

ただがむしゃらに仕事をするのではなく、自分で計画を立てて取り組むことが大切です。そういった思考を持っているかどうかは、PDCAサイクルを質問のポイントにすることで見極めることができます。

まずどのようなプランを立てたかを聞くことで、物事を俯瞰して先を見通した行動ができるかがわかります。

次に実際に何をしたかによって、行動力はあるか、計画したことをやり切る実行力があるかを見極めます。

客観的な検証をおこなう場合は、自身の行動を正しく分析できているか、論理的思考ができるかどうかがわかります。

最後に、得られた分析結果に基づいて、目的達成に必要な改善ができるか、自分で軌道修正をしながら仕事を進められるかを確認します。

また、上記のような能力を見極めるための質問は、必ずしもPDCAサイクルである必要はありません。最近では、OODAやSTPD、DCAPなど色々なメソッドがあるので、自社で活用しているものがあればそれを基準に質問してみてください。

上司からどのようなフィードバックをされていますか?

主観的な話だけではなく、その人が周りからどのような評価をされているかもポイントです。

部下や同僚からは言いにくいことでも、上司の立場であればストレートに伝えられるので、こういった質問をしてみてください。可能であれば、ポジティブなものとネガティブなものの両方を聞いてみましょう。外から見た、その人の強みと弱みがわかります。

人との関わりの中で大切にしていることはありますか?

どんなに能力が高くても、職場で軋轢を生むタイプを採用してしまうと、他のメンバーに悪影響が出て結果的に部署や会社全体のパフォーマンスが下がります。

また、営業やカスタマーサービスなど社外の人間とコミュニケーションを取る職種で採用する場合は、その人の振る舞いが会社全体のイメージを左右することもあるため、非常に重要なポイントです。

そこで、ある程度のコミュニケーション能力を持っているかどうかを知るために、こういった質問をしてみてください。回答の内容は、常識から大きく逸脱していない限りどのようなものでも構いません。

見極めにおいて重要なポイントは、なぜそれを大切にしているのか、それを通して人とどのように関わろうとしているのかという点です。

マネジメントにおいて気をつけていることはありますか?

第二新卒や若手の採用ではなく中堅以降を採用する際には、現場での業務だけでなく、組織のマネジメントを担うことも期待されるでしょう。

だからこそ、スキルだけでなく人をどう扱うかという点もチェックしなくてはなりません。
もし過去にマネジメント経験があれば、どのようなことに気をつけていたかを聞くことで、その人の考えを知ることができます。

まだ経験がない場合は、仮定でもいいので「これから部下ができたら、どうしていきたいか」といった聞き方をするとよいでしょう。

10年後の理想のキャリアについて教えてください

目の前の仕事に集中することは大切ですが、同時にどのようなキャリア形成をしたいか、自分の考えを持っているかも重要なポイントです。

また、理想のキャリアを達成するためにどのようなことを努力しているかも深堀してみてください。
単に「こうしたい」と思っているだけではなく、実行力があるかどうかもわかります。

また、「会社にこう育ててもらい、このようなことを学びたい」といった受け身の答えは要注意です。もちろん自己成長において会社を活用することは悪いことではありませんが、能動的に動こうという気持ちがない方は、成長する見込みが薄いでしょう。

どんな時に仕事でモチベーションが上がりますか?

一度採用したのであれば長い間自社で働いてほしいと考える企業がほとんどです。

そのため、その人が何によってモチベーションを上げているのかを知っておく必要があります。また、自分が何でによってモチベーションが上がるか理解していない人は、仕事をただ漫然とこなしており、自分自身について考える時間が短い可能性があります。

この質問にどれくらいの具体性を持って答えられるかで、自己認識能力の高さを測れるでしょう。

ストレスを感じる瞬間と、どう対処しているかについて教えてください

ストレス耐性は働く上で大切なポイントです。これまで仕事のストレスを感じた瞬間があるはずなので、そこを深堀しましょう。

そのポイントが自社の社風や仕事の進め方と一致していない場合、採用しても上手くいかない可能性があります。

また、ストレスをため込まず自分でリフレッシュできる術を持っているかどうかも大切です。どんな環境でもストレスが完全にゼロの状態で働くのは難しいため、抱えたストレスを適切に処理できるかどうかもポイントになります。

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まとめ

今回は、中途採用の面接における質問について解説しました。

どのような目的で、どんな質問をするかによって、相手から引き出せる情報も変わってきます。採用したあとにミスマッチを起こしたり、思った成果を出してもらえなかったりする状況を招くことがないよう、適切に質問しましょう。

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◆中途採用の面接で重視すべきことは、能力面人物面の2つがある
◆能力面ではどのような専門的スキルを持っているか、コミュニケーション能力などの基本的能力はどうかといった視点で判断する
◆人物面では社風に合うかを判断するため、まず自社の社風を考えどのような適性の人材なら馴染めるかを考える
◆面接では、多角的な視点から多くの質問をして、様々な面から相手を見極める必要がある
◆志望動機では具体的な話ができるかで、自社への志望度や理解度の高さがわかる
◆転職理由は、自己分析ができているか、他責思考ではなくポジティブな理由で職場を変えるのかなどを判断する
◆仕事の成功体験の話を通じて、どのような能力があるか、それは再現性が高いかを見極める
◆仕事の失敗体験についての質問でわかるのは、失敗から学ぶことができる人物か弱みを理解して改善ができる人物か、という点
◆PDCAサイクルについての質問では、論理的思考力を持っているかどうかがわかる
◆本人の主観だけでなく、周りからどう見えているのかを知るため、どんなフィードバックを受けたことがあるかを質問することも有益
◆能力だけではく、人間関係構築で難はないか質問から見極める
◆年齢や年次によっては、マネジメント経験について質問し、自社で組織を任せられる人材かどうかを判断する
◆10年後のキャリアについて質問すると、自己分析や将来的なキャリア形成について考えているかがわかる
モチベーションが上がるポイントを質問することで、入社後のミスマッチを防ぎやすい
ストレス耐性について知っておくと、自社でやっていけるかどうか、入社後にどんな対応が必要かも見極められる
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この記事の監修者:長井 亮

1999年青山学院大学経済学部卒業。株式会社リクルートエイブリック(現リクルート)に入社。 連続MVP受賞などトップセールスとして活躍後、2009年に人材採用支援会社、株式会社アールナインを設立。 これまでに2,000社を超える経営者・採用担当者の相談や、5,000人を超える就職・転職の相談実績を持つ。