自社採用サイト運営のメリット・デメリットとは?【サイト運営の11のコツも解説】
「多くの企業が自社採用サイトを運営する理由を知りたい」
「自社採用サイトは、本当に効果があるのか教えてほしい」
「自社採用サイトを運営する際のコツを知りたい」
このように、自社採用サイトの運営に関しては詳しくわからない、という人事担当者の方も多いと思います。
今回は、このような疑問を解決するため、自社採用サイト運営のメリット・デメリット、運営する際のコツについて解説していきます。
多くの企業が自社採用サイトを作り込んでいるのには、理由があります。自由な発信ができる自社採用サイトを作り込むことで、自社の採用ペルソナに近い人材に直接メッセージを届けられるからです。
今回の記事をご覧いただくと、これから自社採用サイトを導入するべきかどうか判断する材料の1つとなるでしょう。
Contents
自社採用サイトとは
自社採用サイトとは、採用活動を目的とした自社独自のWebサイトです。
コーポレートサイト内に求人情報を掲載する企業もありますが、自社採用サイトと言われるのは、コーポレートサイトとは別に採用専用として作られたサイトを指します。
コーポレートサイトと自社採用サイトを分けることで、採用ペルソナに適う人材に向けてよりダイレクトなメッセージを発信することができます。
自社採用サイトを運営することで、企業認知の拡大に加え、自社が求める人材からの応募増を見込めるでしょう。
自社採用サイトを運営する5つのメリット
早速、自社採用サイトを運営するメリットについて解説いたします。
自社採用サイトを運営するメリットは下記の5つです。
1. 採用コストを抑えた効率的な採用活動が期待できる
2. 検索エンジンを通しての認知拡大、応募者増が見込める
3. 自社独自のコンテンツを自由に発信できる
4. 採用ペルソナに適う人材からの応募が増え、求職者の質が向上する
5. 自社が主体となり運営することで、ノウハウが蓄積される
順番に解説していきます。
1. 採用コストを抑えた効率的な採用活動が期待できる
社内でサイト運営に関連するスキルを持つ社員がいれば、コストを抑えた採用活動ができます。
また、エンジニアやデザイナー、Webマーケターなど、サイト運営のスキルや知見を持つ社員が在籍していれば、外部にサイト制作を依頼せず、自社でサイトを作り上げることが可能です。
自社でサイト制作から運営を行うことができれば、外部委託するコストは不要なため、他の採用手法と比較して低コストで効率的な採用活動が期待できます。
2. 検索エンジンを通しての認知拡大、応募者増が見込める
自社採用サイトを運営することで、検索エンジンを通して自社を知ってもらう機会が増え、自社の認知拡大、応募者増が見込めます。
SEO対策(検索エンジン最適化)を自社採用サイトに行うことで、より多くの候補者の目に触れる機会を作ることも可能です。
検索エンジンを通して自社採用サイトを閲覧し、自社に興味を持ったモチベーションの高い人材からの応募を期待できます。
3. 自社独自の内容を自由に発信できる
自社採用サイトでは、自社の発信したいコンテンツを自由に掲載できます。
通常、求人サイトなどの媒体に求人広告を掲載する際は、文字数や表現などに制約があったり、動画や写真を掲載することができなかったりと、利用するサービスのルールに従わなければいけません。
自社採用サイトでは、自社が発信したい情報を、発信したいだけのボリュームで掲載可能です。
そのため、競合他社との差別化もでき、採用ペルソナに適う人材に響く発信ができます。
4. 採用ペルソナに適う人材からの応募が増え、求職者の質が向上する
前述したように、自社採用サイトでは自社独自のコンテンツを自由に発信することができるため、採用ペルソナに適う人材が欲している情報の発信が可能です。
そのため、他の求人媒体と比較し、自社が狙った人材からの応募を期待できます。
自社採用サイトを通して応募してきた人材は、自社就業へのモチベーションが高いため、面接辞退や内定辞退率も低く、入社後の退職率が下がったという事例報告も多く耳にします。
自社採用サイトの活用により、自社にマッチした質の高い求職者からの応募が望めます。
5. 自社が主体となり運営することで、ノウハウが蓄積される
自社採用サイトは、社内の担当者が主体となって運営するため、Webサイトを活かした採用手法のノウハウが蓄積されます。
掲載するコンテンツ、掲載文の表現やボリューム、応募までの導線作りなど、自社採用サイトを日々改善していくことでパフォーマンスにも変化が現れます。
自社採用サイトの運営では、PDCAを回しつづけ常に改善視点を持つことが重要です。
改善を繰り返して得たノウハウは、自社に蓄積されるため、採用に強い企業へと成長していけるでしょう。
自社採用サイトを運営する3つのデメリット
続いて、自社採用サイトを運営する場合のデメリットについても解説します。自社採用サイトの運営を失敗しないために、しっかりとデメリットについても把握しておきましょう。
自社採用サイトを運営するデメリットは下記の3つです。
1. 外部にサイト制作を依頼する場合は初期コストの負担が大きい
2. 検索結果が上位表示されるまでに時間かかる
3. サイト運営のための人件費がかかる
1. 外部にサイト制作を依頼する場合は初期コストの負担が大きい
自社採用サイトの制作を外部に依頼する場合は、大きな初期コストが発生します。
自社でサイトを制作する場合はコストを抑えられますが、外部にサイト制作を依頼する場合、相場として30〜50万円程度の費用が発生します。
さらに自社独自の機能やレイアウトを要望するのであれば、100万円以上の制作費用がかかることもあります。
サイトのクオリティはパフォーマンスに直結するため、自社で十分なクオリティのサイトを作ることが厳しい時は、外部に依頼したほうが良いケースもあります。初期コストに対してのリターンを考えながら外部に発注するべきかどうかを検討しましょう。
2. 検索結果が上位表示されるまでに時間かかる
自社採用サイトの運営は、採用活動として効果が出るまでに時間がかかることを考慮する必要があります。
通常、WebページがGoogleに登録され、検索結果として表示されるまでには早くても3ヶ月以上かかります。
そのため、自社採用サイトは急募求人など急を要する情報の掲載には適していません。
自社採用サイトは長期を見て安定的に運営する採用手法として活用し、不足要素は別の採用手法を並行活用することでカバーしていきましょう。
3. サイト運営のための人件費がかかる
自社採用サイトのパフォーマンスを上げるためには、担当者が定期的にメンテナンスや更新をしなければいけません。
そのため、自社採用サイト運営の担当者として、人的リソースの確保が必要です。
サイト運営がスタートすると、時代にあった新しいコンテンツを作成したり、サイトのシステムトラブルに対処したりといった様々な業務が発生します。そのため、事前に人的リソースの管理を考え、本当に自社採用サイトを運営できるのかどうかを判断しましょう。
自社採用サイトの運営で解決できる3つの採用課題
自社採用サイトの運営をするか迷っている担当者の方に向けて、自社採用サイトの運営によって解決できる採用課題について解説いたします。
下記のような採用課題を抱える場合、自社採用サイトを運営することで解決できる可能性が高まります。
1. 採用コストが膨み、頭を抱えている
2. 多くの候補者に自社の求人情報を告知したい
3. 応募は来るが、求職者のモチベーションが低い
1. 採用コストが膨み、頭を抱えている
採用コストに対して課題を抱えている場合、自社採用サイトの運営によって解決できるかもしれません。
メリット、デメリットで前述したように、サイト制作を自社でするか、外部に依頼するかによって採用コストは大幅に変わりますが、もし自社内にサイト制作ができる人材と人的リソースがある場合は、採用コストを抑えた効率的な採用活動が可能になるでしょう。
2. 多くの候補者に自社の求人情報を告知したい
中小企業の採用課題として多いのが、自社の認知を拡大したいという悩みです。
優秀な人材を獲得するためには、まず多くの候補者に自社の求人情報について知ってもらい母集団を形成することが大切です。
自社採用サイトを運営すれば、検索エンジンからの流入が見込めます。さらに、上位表示ができればより多くの候補者へ自社の求人情報を告知できるでしょう。
自社採用サイトの運営は、企業の認知拡大に関する悩みにも有効な解決策の1つとなります。
3. 応募は来るが、求職者のモチベーションが低い
求職者の質に対しての悩みにも、自社採用サイトを効果的に利用できるでしょう。
求人媒体は、掲載する情報のボリュームが少なかったり、フォーマットにあわせた表現のため差別化できないという側面があり、応募者の質も安定しません。
自社採用サイトでは、採用ターゲット層の心に響く情報を自由かつダイレクトに発信できます。
そのため、採用ペルソナに適う人材へ告知できる可能性を高め、モチベーションの高い求職者からの応募を増やせるチャンスにつながります。
自社採用サイトの運営で採用ペルソナに適う人材を集める11のコツ
最後に自社採用サイト運営で、採用ペルソナに適う人材を集めるコツについて解説していきます。
効果的な運営ができるよう、以下の項目をしっかり理解していきましょう。
1. SEO対策を万全に行う
自社採用サイトを多くの候補者に見てもらうためには、SEO対策は必須です。
SEO対策とは、自社のページを検索結果の上位に表示する施策です。
通常、ネットを利用するユーザーは検索結果の1ページ目、かつ上位の結果だけを閲覧することがほとんどです。そのため、上位に表示されなければ候補者の目に触れることはありません。
社内にWebマーケティングに強い担当者がいる場合は良いですが、SEO対策のノウハウがない場合は、本やセミナーから知識を得たり、SEOコンサルタントに依頼したりといった対策を考えましょう。
2. ユーザーファーストのサイトを意識する
自社採用サイトを作る時に必要なのが「ユーザー視点」です。
自社が発信したい情報、自社が良いと思うレイアウトはあるかと思いますが、それがサイト来訪者の求めるものでなければ、サイトに来た人は早々にサイトから離脱してしまいます。
自社採用サイトの来訪者はどのような情報を求めているか、どのようなレイアウトなら見やすいかをユーザー視点で考えることが大切です。
自社が発信したい情報だけに偏らず、ユーザー視点を持ち、求める人材像に適した情報を発信するよう心がけましょう。
3. 最初からオリジナリティにこだわりすぎない
自社採用サイトを作成する際、まずは基本の型を徹底することが必要です。
自社採用サイトは自由に発信内容を決められ、レイアウトも自由なため、オリジナリティの強いサイトを作りたいと思う担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、基礎の土台がない状態でオリジナリティを乗せても、サイト来訪者が求めるサイトにはなりません。
一般的な情報やレイアウトというのは、「必要な内容」であるからこそ、どのサイトも取り入れています。事業内容、求人情報、スタッフが働く風景などの情報は、求職者が求める情報です。
まずは、求職者が最低限欲しい情報を満たしたうえで、オリジナリティを加えていくようにしましょう。
4. 長期的視点に立った運営を目指す
自社採用サイトは、サイトの運営を開始してから結果が出るまでに時間がかかる性質があります。
SEOで上位表示されるまでには一定の期間を要するからです。
サイト内のコンテンツに関しても、ABテストを繰り返しながら、時間をかけてより良いコンテンツにしていくことが大切です。
短期で成果が出ないからといって中断せず、長期視点で安定的に成果を出せる採用手法として育てていきましょう。
5. 自社採用サイトの弱点は、他の採用手法で補う
前述したように、自社採用サイトには成果が出るまで時間がかかるという弱点があります。
また、サイトを運営するためには、多くの人的リソースやノウハウが求められる点にも理解が必要です。
自社採用サイト運営の弱点も理解し、不足している要素は他の採用手法で補っていきましょう。
6. SNSの拡散性を活用し、自社採用サイトの認知拡大を図る
自社採用サイトの認知を拡大するためには、SNSとの連携が効果的です。
SEOで上位表示されるまでには、最低でも3ヶ月以上の期間を要します。
しかし、Twitter、Facebook、InstagramといったSNSの拡散性を活用すれば、SEOだけに依存せず、スピード感を持って認知を拡大できます。
自社採用サイトの立ち上げと同時に、SNSとも連携していくようにしましょう。
7. Web広告を出稿する
自社採用サイトを多くの人に知ってもらうためには、Web広告を活用するのも効果的です。
Web広告に出向すれば検索結果の上部に表示されるため、SEOで評価されていない時期でも、露出を増やすことができます。
Web広告は掲載コストが発生するため、出稿する際は費用対効果を検証しながら行っていきましょう。
8. Webツールを使いサイトを分析する
自社採用サイトの運営状況は、GoogleアナリティクスやSearchConsoleといったWebツールで分析することができます。
自社採用サイト運営の担当者は、定期的にデータを確認し、課題発見や改善を行うことが大切です。
データ分析には一定の知識も必要なため、サイト運営の担当者はツールの利用方法や、各指標についての知識を押さえておきましょう。
9.求める人材に響くコンテンツを作る
自社採用サイトのコンテンツを作る際に、一番に軸として考えなければいけないのは求める人材に響くコンテンツとなっているかです。
どんなに目を引くサイトでも、求める人材に響くコンテンツでなければ、採用活動としての役割を果たしません。
必ず、求める人材に響くコンテンツ制作をするように心がけましょう。
10. 採用活動全般で自社採用サイトをアピールする
自社採用サイトの存在は、求人掲載や転職サイト上でも告知したり、転職イベントを行う際にも伝えたりなど、オンラインとオフラインの両面で積極的にアピールしていきましょう。
地道に露出を続けることで、サイト来訪者は増え、サイト自体のSEO的評価も高まります。
11. ゴールまでの導線を繋ぐ
自社採用サイトを運営するゴールは、求職者からの応募です。そのため、エントリーまでの導線作りをしっかり意識する必要があります。
エントリーボタンはわかりやすいか、サイト来訪者のモチベーションが高まったタイミングでボタンが設置されているかなど、エントリーをしてもらうための導線作りを考えましょう。
まとめ
今回は、自社採用サイト運営のメリット・デメリットや自社採用サイト運営で採用ペルソナに適う人材を集めるコツなどについて解説いたしました。
自社採用サイトがどれくらい作り込まれているかで、企業の採用活動への力の入れ具合を判断する求職者もいます。
自社採用サイトは、他の採用手法とも連携し、自社の採用活動の顔としての役割も果たします。
自社採用サイトを作りこみ、自社の想いや魅力を存分に伝え、自社の求める人材へ響く発信をしていきましょう。
◆自社採用サイトとは、「採用活動を目的とした自社独自のWebサイト」のこと
◆自社採用サイトを運営する5つのメリット
1. 採用コストを抑えた効率的な採用活動が期待できる
2. 検索エンジンを通しての認知拡大、応募者増が見込める
3. 自社独自のコンテンツを自由に発信できる
4. 採ペルソナに適う人材からの応募が増え、求職者の質が向上する
5. 自社が主体となり運営することで、ノウハウが蓄積される
◆自社採用サイトを運営する3つのデメリット
1. 他社にサイト制作を依頼する場合は初期コストの負担が大きい
2. 検索結果が上位表示されるまでに時間かかる
3. サイト運営するための人件費がかかる
◆自社採用サイトの運営で解決できる3つの採用課題
1. 採用コストが膨み、頭を抱えている
2. 多くの候補者に自社の求人情報を告知したい
3. 応募は来るが、求職者のモチベーションが低い
◆自社採用サイトの運営で、採用ペルソナを集める11のコツ
1. SEO対策を万全に行う
2. ユーザーファーストのサイトを意識する
3. 最初からオリジナリティにこだわりすぎない
4. 長期的視点に立った運営を目指す
5. 自社採用サイトの弱点は、他の採用手法で補う
6. SNSの拡散性を活用し、自社採用サイトの認知拡大を図る
7. Web広告を出稿する
8. Webツールを使いサイトを分析する
9. 求める人材に響くコンテンツを作る
10. 採用活動全般で自社採用サイトをアピールする
11. ゴールまでの導線を繋ぐ