【解決】受け身なZ世代社員の主体性を引き出す7つのコツ

「Z世代の社員は”受け身”なため、細かく指示を出さないと動いてくれない」
「Z世代の社員に主体的に動いてもらうためには、どのように育成すれば良いか知りたい」
このようにZ世代の社員の受け身な姿勢について、頭を抱える管理職や人事担当者の方も多いのではないでしょうか。
Z世代社員の主体性を引き出すためには、まずZ世代の傾向をしっかりと理解する必要があります。
今回の記事では、Z世代が受け身になる理由や、Z世代の主体性を引き出す育成のコツについて、
600社以上の人事業務の支援をしてきた株式会社アールナインが解説いたします。
この記事で、Z世代に適した育成方法を理解し、Z世代が本来持つ強みを活かせるように変えていきましょう。
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Contents
Z世代の働き方が「受け身」になる理由

Z世代の働き方が受け身に感じるという声は、多くの管理職や人事担当者から耳にすることがあります。
この課題を解決するためには、Z世代の仕事に対する考え方や価値観を知り、受け身となる行動へ繋がる要因は何かを理解する必要があります。
2021年3~4月に株式会社リクルートマネジメントソリューションズが行った「新入社員意識調査」から、Z世代の特徴を紐解いていくことができます。
受け身の姿勢に繋がる、Z世代の仕事の価値観について順番に解説していきます。
参照元:リクルートマネジメントソリューションズ 【調査発表】2021年 新入社員意識調査
Z世代が仕事で得意とするスタンス、苦手意識のあるスタンス
リクルートマネジメントソリューションズの新入社員意識調査の結果によると、仕事で得意とするスタンスの1位は「協働」で36.0%、2位は「相手基準」で33.2%という結果が出ています。
逆に、苦手意識があるスタンスとしては、1位の「自発」が39.8%と圧倒的に多く、2位は「試行」という結果でした。
指導・育成する側がZ世代社員の受け身の姿勢を課題としているのと同様に、Z世代社員本人も受け身に繋がる「自発」や「試行」という要素に対して、課題意識を持っていることがわかります。
また、得意とするスタンスである「協働」や「相手基準」が、強みの裏返しとして受け身の姿勢に繋がっていることも考えられます。
Z世代の仕事・職場生活での不安
Z世代の仕事・職場生活での不安に関するアンケート結果では、「先輩・同僚とうまくやっていけるか不安」という回答が38.6%で3位に入っています。
この結果からも、周囲と協働することへの意識の高さが伺えます。
1つの考え方として、相手への尊重を最優先することが、自分の意見を伝えることや、能動的に動くことへの抵抗感に繋がっているとも考えられます。
相手を尊重するあまり、自分の意見を主張できなかったり、能動的に動けなかったりといった受け身の姿勢に繋がっているとも考えられます。
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Z世代が働くうえで大切にしたいこと
Z世代社員が働くうえで大切にしたいことについての質問では、3位が「周囲との良好な関係を築くこと」で40.0%の人が回答しており、4位で「任せられた仕事を確実に進める」という内容を37.7%の方が回答しています。
ここでも、協働を重視していることが確認できます。
また、「まずは任された仕事に対して確実に進めたい」という、Z世代の堅実な姿勢も見られます。
Z世代が理想とする働きたい職場の特徴
働きたい職場の特徴に関する質問では、「お互いに助け合う」が1位で68.4%の人が回答しており、「お互いを尊重する」が3位で44.9%の人が回答しています。
ここでも、周囲への協力意識が強いことがわかります。
Z世代が仕事をするうえで重視したいと考えていること
仕事をするうえで重視したいことという質問の回答では、1位が「貢献」で31.3%、2位が「成長」で29.9%という結果でした。
Z世代の受け身の姿勢から「やる気がない」と見られてしまうことも多いようですが、このアンケート結果からは、Z世代の仕事への意欲は高いということがわかります。
協働意識の強さが、個人の主体性を隠してしまうことも考えられる
今回のアンケート結果から、Z世代が「協働」することに強い価値観を持っていることがわかります。
協働できる力は、本来強みとなる要素です。
その反面、相手への遠慮や気遣いが、自分の意見を発することや、能動的に行動することへの妨げになることも考えられます。
この結果から、Z世代社員の強みを伸ばし、主体性の妨げになるマインドを変える指導が必要だと考えられます。
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上司のマネジメントがZ世代社員の受け身の姿勢を作っている可能性も高い

Z世代社員の受け身な姿勢に繋がる仕事の価値観について解説しましたが、Z世代社員だけに原因がある訳ではなく、上司のマネジメントに問題があるケースも多いようです。
個人差はあれど、人は誰しも主体性を持っているものです。
しかし、上司のマネジメントによって、その主体性を閉じ込めてしまっている可能性もあります。
上司が主体性を奪ってしまうケースについて、順番に解説していきます。
圧力をかけて命令や指示をする
Z世代社員の主体性を奪うケースの1つは、圧力をかけて命令や指示をすることです。
一方的に物事を伝えたり、威圧的な態度で部下とコミュニケーションをとったりすると、部下は意見や提案ができなくなります。
その結果、「とにかく上司の言うことを聞いておけば良い」という思考停止の状態を作ってしまいます。
Z世代の部下とコミュニケーションをとる際は、相手の意見を聞くことや意見を言いやすい環境作りをすることが大切です。
業務の固定化
業務の固定化も、Z世代の主体性を奪う1つの要因となります。
業務が固定化されれば、仕事がルーティン化され考える機会も減っていきます。
その結果、「これだけやればいい」という作業としての仕事が身についてしまいます。
そうならないためにも、部下の成長を見て新たな業務を任せたり、既存の仕事を改善する意識を指導していく必要があります。
業務権限や裁量権を与えない
業務権限や裁量権の有無も、Z世代社員の主体性に大きく関わる要素です。
能力がついたのに業務権限や裁量権が与えられない場合、権限者への依存体質がついてしまい、いつまでも主体性が芽生えることはありません。
また、自分の業務範囲を権限内に制限してしまうため、もう一段高い視座から考える機会もなくなります。
部下の成長に伴って、適切な業務権限や裁量権を与えていくことが重要です。
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Z世代社員に求める主体性とは
次は、Z世代社員に求める主体性とは、どのようなものかを解説していきます。
「主体的に動け」と部下へ伝えても、指導する側が「主体的に動く」というイメージを具体的に描けていなければ、精神論だけの具体性のない指導となってしまいます。
Z世代社員に、具体的にどのような状態となって欲しいかを整理していきましょう。
Z世代社員が主体性を持つためのゴールとして、下記のような状態を目指しましょう。
・細かい指示がなくても動ける状態
・「質問する」だけから、「自分で考え提案できる」状態
・1つの作業ではなく、自分の役割を認識できている状態
順番に解説していきます。
細かい指示がなくても動ける状態
入社当初は業務について細かく教える必要がありますが、研修期間を終えても独り立ちできない状態では、組織の一員として十分な機能を果たしているとは言えません。
業務の意味・目的を理解し、すべきことを自分の頭で考え、行動できる状態になってもらうことが大切です。
質問するだけから、自分で考え提案・確認できる状態
業務で問題が発生した際、上司に報告して今後の対応について質問をすることは必要です。
しかし、主体的に行動するというのは、自分で考えて行動していくことです。
もちろん、組織である以上、裁量外のことは上司へ報告相談する必要がありますが、質問ではなく提案・確認ができる状態を目指しましょう。
1つの作業ではなく、自分の役割を認識できている状態
自分の業務を単純な作業として捉えていては、思考停止になり改善は生まれません。
例えば、自分の役割は「プレゼン資料を作ること」ではなく「先方企業の心を掴むこと」というように視座が変われば、仕事の質は大きく変わります。
このように自分の役割の重要性をしっかりと認識してもらうことが大切です。
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受け身なZ世代社員の主体性を引き出す7つのコツ

続いて、Z世代社員の主体性を引き出す育成のポイントについて解説していきます。
Z世代社員も、貢献したいという価値観を強く持っているため、正しくサポートすることによって主体性を引き出すことができます。
主体性を引き出すための育成ポイントについて順番に解説していきます。
1. まずはZ世代の特徴をよく理解する
Z世代社員を育成するためには、まずZ世代の特徴をよく理解する必要があります。
Z世代社員をマネジメントする方の多くは、Z世代以前の世代の方が多いでしょう。
そのため、世代間によって働き方、人生観など価値観に違いがあることを知る必要があります。
Z世代がどのような価値観を持ち、どのような行動特性をとるのかを理解しましょう。
その際、注意すべき点は、統計的情報と個人の特性を一緒くたにしないことです。
統計的情報を知識として押さえる必要はありますが、必ず育成する社員の個人1人1人を見て特徴を捉えていくようにしましょう。
2. 対話の機会を多く作り、しっかりと相手の話を聴く
Z世代の育成のキーとなるのが、コミュニケーションです。
Z世代は協働することの価値観を高く持っているため、周囲とのコミュニケーションをとりながら仕事を進めていきたいという意欲が強いです。
そのため、育成者は一方的な指示をするのではなく、Z世代社員の声をしっかりと聴く姿勢が必要です。
対話の中から、Z世代社員の主体性を引き出す機会が生まれます。
3. Z世代社員の発言を促す質問をする
Z世代社員とコミュニケーションを取る場合、育成者の効果的な質問によって、Z世代社員が発言できる状況を作ることも大切です。
「現状で改善要素がある部分はどこだと思うか」「今以上の結果を出すためにはどのようなアイデアがあるか」など、Z世代社員が自分で考え発言する機会となる質問をしていきましょう。
質問をする際の注意点としては、「ポジティブな質問をする」ことと「オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの使い分けをする」ことです。
「なぜ今結果が出ていないのか」などネガティブな質問ばかりでは、考えることを放棄したくなってしまいます。
また、漠然としたオープンクエスチョンばかりでは回答が難しくなるため、質問をするZ世代社員のレベルによってオープンクエスチョンとクローズドクエスチョンをうまく使い分けていきましょう。
4. 成功体験で自信をつけさせる
Z世代社員が主体的に動けない理由の1つとして、「自信がない」ことも考えられます。
自信がないと「自分が提案しても邪魔になってしまう」「余計なことはしない方が良い」という考えに繋がります。
そのため、まずはZ世代社員が結果を出せそうな仕事を任せて、成功体験により自信をつけさせることが大切です。
5. 自分の役割を自覚させる
Z世代社員に主体性を持ってもらうためには、自分の役割を自覚させることが大切です。
自分は「作業要員としての1人」と思っている状態では、指示を待つだけで主体的に動くことはありません。
Z世代社員の視座を高めるためにも、自分が会社にどのような期待をされており、どのような役割が求められているかを伝えていく必要があります。
自分の役割を自覚することが、主体的な行動へと繋がります。
6. 業務権限や裁量を与え、仕事を任せる
主体性を引き出すためには、業務権限や裁量を与え、仕事を任せることが大切です。
能力にあった業務権限や裁量を与えることは、人材を成長させます。
自分が仕事を任されたという意識を持つことで、自分で考え責任を持ち、主体的に動いていくことに繋がります。
成長にあわせて、適切な業務権限や裁量を与えていくようにしましょう。
7. 投げっぱなしにせず、しっかりサポートする
育成の失敗例として多いのが、主体性と放任を混同してしまうことです。放任して何も指導することがなければ、部下は成長しません。
部下に仕事を任せて責任感を芽生えさせる必要はありますが、上司はその結果に対して更に大きな責任を持ってマネジメントしていかなければなりません。
任せっぱなしで放っておくのではなく、しっかりと進捗を観察して適切なタイミングで指導していくことが必要です。
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まとめ
今回は、Z世代社員の働き方が受け身になる理由や、Z世代社員の主体性を引き出す育成のポイントについて解説いたしました。
「Z世代社員には主体性がない」と嘆く管理職の方もいますが、実際は主体性を持っていない人材などいません。
主体性をどう引き出すかは育成によって左右されます。
昨今、増加しているリモート体制では、より社員の主体性が必要とされてきます。
主体性を引き出すポイントを押さえて、Z世代の強みを引き出すマネジメントをしていきましょう。
【関連記事:Z世代とコミュニケーションをとるなら1on1面談が欠かせない!】
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・協働意識の強さが、反面、個人の主体性を隠してしまうことも考えられる
◆上司のマネジメントがZ世代社員の受け身の姿勢を作っている可能性も高い
・圧力をかけて命令や指示をする
・業務の固定化
・業務権限や裁量権を与えない
◆Z世代社員に求める主体性とは
・細かい指示がなくても動ける状態
・質問するだけから、自分で考え提案できる状態
・一つの作業ではなく、自分の役割を認識できている状態
◆受け身なZ世代社員の主体性を引き出す7つのコツ
1. まずはZ世代の特徴をよく理解する
2. 対話の機会を多く作り、しっかりと相手の話を聴く
3. Z世代社員の発言を促す質問をする
4. 成功体験で自信をつけさせる
5. 自分の役割を自覚させる
6. 業務権限や裁量を与え、仕事を任せる
7. 投げっぱなしにせず、しっかりサポートする