新卒採用の求人票完全ガイド|必須項目・書き方のコツ・テンプレートを徹底解説

公開日: 2026年03月17日


新卒採用の求人票完全ガイド|必須項目・書き方のコツ・テンプレートを徹底解説

新卒採用において、求人票の完成度は応募数とマッチ度を左右します。条件が曖昧なまま掲載すると、母集団形成に影響するだけでなく、入社後の認識相違にもつながります。

一方で、法令に沿って必要事項を整理し、仕事内容や働き方を具体的に示した求人票は、学生の理解を深め、納得感のある応募を促します。

本記事では、新卒採用の求人票に必要な必須項目、実務で使える書き方のポイント、テンプレート例まで体系的に解説します。法令遵守と応募効果の両立を図りたい採用担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

新卒採用における求人票とは

新卒採用の求人票は、企業が学生に向けて提示する募集情報を整理した資料です。媒体ごとにフォーマットは異なりますが、労働条件や募集内容を明確に示す点は共通しています。

求人票は、学生が応募可否を判断するための主要な情報源です。条件面の明確さに加え、担当業務や育成方針まで具体的に示すことで、企業理解が深まります。結果として、応募の質とマッチ度の向上につながります。

新卒採用の求人票に【必ず】記載しなければならない項目一覧

新卒の求人票に必ず記載しなければならない項目を紹介していきます。

法律で定められている必須記載項目(職業安定法 第5条の3)

職業安定法第5条の3では、募集時に明示すべき労働条件が定められています。新卒採用でも同様の基準が適用されます。

主な項目には、業務内容、契約期間、試用期間の有無、就業場所、就業時間、休憩時間、休日、時間外労働の有無、賃金の決定方法、固定残業代の有無、昇給、賞与、加入保険などがあります。

賃金は基本給と各種手当を分けて記載します。固定残業代を設定する場合は、対象時間数と金額、超過分の支給方法まで示します。抽象的な表現を避け、具体的な数値と条件を明確にすることが重要です。

中卒・高卒・大卒で異なる求人票の扱いと注意点

中卒・高卒採用では、学校経由での求人申込が基本となります。指定様式の使用や提出時期の管理など、運用ルールが細かく定められています。内容変更にも手続きが伴うため、事前確認が欠かせません。

大卒採用は、ナビ媒体や自社採用サイトを活用するケースが中心です。設計の自由度は高いものの、労働条件の明示義務は同様に適用されます。媒体ごとの表示形式に合わせながら、法令要件を満たす形で整えます。

記載漏れ・誤記で起こりやすいトラブル例

求人票の不備は、内定辞退や入社後のトラブルにつながります。固定残業代の時間数が示されていない、勤務地の変更可能性が記載されていない、試用期間中の条件差異が整理されていないといったケースが代表例です。

入社後に条件の認識違いが生じると、企業への信頼が低下します。採用広報への影響も考慮し、作成段階での確認体制を整えることが求められます。人事部門だけで完結させず、労務担当や管理部門と連携してチェックを行う運用が有効です。

新卒採用向け求人票テンプレート

新卒採用向け求人票は、以下の構成で整理すると実務に活用しやすくなります。

  • 仕事内容
  • 勤務場所・勤務方法
  • 賃金・手当
  • 勤務時間
  • 応募資格
  • 選考方法

ここでは、厚生労働省「労働条件通知書」のモデル様式の書き方を参考に、各項目の書き方を紹介します。

仕事内容

仕事内容は、応募者が自身の適性を判断するための中核情報です。新卒採用では実務未経験者が中心となるため、業務の流れや担当範囲を具体的に示します。

配属予定部署、主な担当業務、入社後の研修内容やOJT期間などを明記します。加えて、雇用形態、契約期間、試用期間の有無と条件も整理します。業務内容の透明性を高めることで、入社後のミスマッチ防止につながります。

勤務場所・勤務方法

勤務地は正確な住所まで記載します。最寄駅やアクセス方法を補足すると、通勤イメージが具体化します。

勤務方法については、出社日数、転勤の可能性、リモートワーク制度の有無、フレックスタイム制度の導入状況などを明示します。働き方に関する情報は応募判断に直結するため、制度の概要だけでなく適用条件も整理します。

賃金・手当

賃金情報は、応募者が最も注目する項目です。基本給の金額を示したうえで、各種手当の内容と計算方法を明確にします。

固定残業代を含む場合は、対象時間数と金額、超過分の支給方法を具体的に記載します。加えて、賃金締切日、支払日、支払方法、昇給・賞与の有無、退職金制度の有無も整理します。数値と条件を分けて示すことで、誤解を防ぐことができます。

勤務時間

始業時刻と終業時刻、休憩時間を明示します。変形労働時間制やフレックスタイム制、裁量労働制などを採用している場合は、その概要と適用範囲を示します。

時間外労働の有無や月平均時間も記載すると、働き方の実態が伝わりやすくなります。休日制度については、年間休日数や週休形態を具体的に整理します。

応募資格

応募資格は、必須条件と歓迎条件を分けて記載します。学歴要件、必要資格、求められるスキルを明確に示します。

歓迎条件では、関連分野の学習経験やインターンシップ経験など、選考時に評価対象となる要素を整理します。あわせて、職種に求める行動特性を具体的に示すことで、人物像が明確になります。

選考方法

選考の流れは段階ごとに明示します。書類選考、一次面接、最終面接といったプロセスを順に示し、それぞれの内容や担当者の役職を補足します。

面接形式がオンラインか対面かも明確にします。選考期間の目安を記載すると、応募者はスケジュールを立てやすくなります。

新卒採用の求人票で【絶対に避けるべき】NG表現・注意点

ここでは、新卒採用の求人票で避けるべき表現や注意点を解説します。

男女雇用機会均等法で禁止される表現例

性別を限定する表現は使用できません。「男性歓迎」「女性向き」といった文言は掲載対象外となります。職務内容や成果基準を軸に表現を整えます。

画像や写真の選定も含め、特定の性別を強く想起させる構成になっていないか確認します。

雇用対策法(年齢制限)で注意すべき表現

年齢による制限は原則として設定できません。「〇歳まで」という記載は適切ではありません。

新卒採用として募集する場合は、卒業見込みなどの条件で整理します。既卒者を対象とする場合は、その範囲を明確に示します。

「よくあるNG表現」と安全な言い換え例

「アットホームな職場」「やりがいのある仕事」といった抽象表現は、情報としての具体性が不足します。社内コミュニケーション施策や評価制度など、事実ベースの内容に置き換えることで説得力が高まります。

「成長できる環境」と記載する場合は、研修制度、OJT期間、昇進実績などの裏付け情報を併記します。主観的な表現を、制度や実績に基づく説明へ整理する姿勢が重要です。

まとめ

新卒採用の求人票は、採用活動の基盤となる重要資料です。法令を踏まえ、数値と条件を具体的に整理することが求められます。

記載内容の精度は、応募数だけでなく入社後の定着にも影響します。形式的に作成するのではなく、企業の実態を正確に反映した内容へ磨き上げることが、採用成果の向上につながります。

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この記事の監修者:長井 亮

1999年青山学院大学経済学部卒業。株式会社リクルートエイブリック(現リクルート)に入社。 連続MVP受賞などトップセールスとして活躍後、2009年に人材採用支援会社、株式会社アールナインを設立。 これまでに2,000社を超える経営者・採用担当者の相談や、5,000人を超える就職・転職の相談実績を持つ。