【自己分析のやり方】Vol.1~現在の自分を知って、未来の自分を創る~
2024年10月1日はじめに
はじめまして!株式会社アールナイン24卒内定者です。各企業が会社説明会やインターンシップを開催し始めて、漠然とした焦りを抱えながらなんとなくエントリーしている学生の方も多いのではないでしょうか?
今回は各就活イベントに参加する前の就活準備段階でやっておくべき自己分析について私の経験をもとにお話しようと思います。やりたいことが明確化できていない、就活後期になってから後悔したくない学生のみなさんに少しでも参考にしていただけたら幸いです。
目次
自己分析に意味はあるの?
就職活動を始めた大学3年の5月、大学の就活セミナーで再三言われたのは「自己分析と業界研究」でした。しかし、この時の私は「業界研究は社会を知らない学生が企業を理解するうえで重要だとわかるけど、自己分析って今更やる意味あるの?」と自己分析をあまり重要視していませんでした。それには主に2つの理由があります。
- 今までの学生生活でキャリアについて考える機会がそれなりにあり、自己理解はある程度できていると思っていた。
- 自己分析は自己PRやガクチカ(学生時代に力を入れたこと)、短所・長所などの面接時の質問対策で必要なことであり、就活初期にすることではないと思っていた。
大学受験期の学部選択や、大学のキャリア形成の授業など、これまでの学生生活の中で自分の将来像について考える機会は皆さんも多くあったと思います。その中で、「この業界に興味がある」「このような働き方をしたい」というビジョンがぼんやりと定まっていたので、ビジョンを明確にするためには自己分析よりも業界研究が重要!と考えていたのです。
さらに、自己分析は就活が進んで、エントリーシートを記入する段階、面接を受ける段階で、自身についての質問に対して対策するために必要なものであり、業界研究もしていない段階ではやる意味がないと思っていました。
つまり、自己分析と業界研究は同時ではなく、業界研究→自己分析の順で行うものだと思っていたのです。
以上の理由から私は就活における自己分析を軽んじていました。
自己分析を始めたきっかけ
そんな私が、自己分析に真面目に取り組み始めたのは、ある企業の自己分析セミナーに参加したことがきっかけでした。就活の進め方を何も知らなかった私は、「志望する企業が開催するイベントには全て参加しないと選考に影響するかも!」と考え、あまり乗り気ではない自己分析セミナーに参加することにしました。そこで自己分析には漠然としたビジョンを具体化するためのステップがあることを知りました。
1.自分の価値観を見つける
①働くうえで重要視する価値観を洗い出す
②価値観に優先順位をつける
③その価値観を重要視するきっかけの過去のエピソードを洗い出す
④エピソードの掘り下げ
2.好きと得意を整理する
①自分の好きと得意を分解する(willとcan)
②好きは名詞ではなく動詞で考える
③得意はスキルではなく成功体験を考える
3.未来のキャリアを考える
①個人の将来像を描く
②働きたい会社の将来像を描く
③会社の将来像を実現するために自分が会社で何をしたいかを考える
自己分析には大きく分けて3つのフェーズがあります。
1つ目のフェーズは「過去を振り返って自分の価値観を見つける」こと。
2つ目のフェーズは「今の自分と向き合って好きなことと得意なことを整理する」こと。
そして最後のフェーズが「過去と現状の自己分析から未来の自分と働く会社のキャリアを描く」ことです。
このセミナーを受けて、自己分析は自分のビジョンを考えるだけではなく、最終的には企業のビジョンも自分なりに描くことができるものなのだと知ることができました。そして企業を知り、自分と企業両方のビジョンを考えて就活をしていく必要があると気づいたため、業界研究と自己分析を並行して行うようになりました。
STEP1. 自分の価値観を見つける
就活ノートを作り、セミナーで教わった通りに働くうえで譲れない価値観をいくつか書き出していきました。その価値観に「譲れない順」で優先順位をつけます。私の当時の優先順位は以下のとおりです。
1位:成長できる
2位:人に誇れる仕事ができる
3位:新しい経験ができる
この価値観は就活を通して変わっていく可能性が十分にあるので、「これが私の価値観で就活の軸なんだ」と決めつけすぎず、あくまで「今の価値観」と認識することが大切です。
順位をつけたらこの価値観が形成された過去のエピソードを深堀りしていきます。優先順位の高いものほどより深く掘り下げるように意識しました。
このフェーズ1を行って見えてきたものが2つあります。
1点目、「成長」や「新しい経験」は過去に行ってきたさまざまな活動のエピソードから形成されていて、自分は好奇心旺盛で興味の持てる領域が広く、環境が変わることに楽しさを感じている。
2点目、価値観をどのように形成したかは深堀りできたが、その価値観を形成した先で何がしたいのかが明確ではない。
今まで新しい経験をしてきてどう思ったか、その経験を糧に成長できたエピソードはあるかは簡単に書き出すことができましたが、どのように成長したいのか、新しい経験を経て何がしたいのかについて全くわかりませんでした。これは、フェーズ2の好きと得意の分解の段階にも影響します。
STEP2. 好きと得意を整理する
何が好きで何がしたいか
過去を振り返ることで「こういう働き方をしたい」という自分の将来像に「なぜそうなりたいのか」「その働き方が実現することで何がしたいのか」という軸が定まっていないとわかりました。私はこの2つのwhyとwhatを明確化するために次のフェーズを実行しました。ところが、フェーズ2でも自分がいかに自己理解ができていないかを知ることになるのです。
フェーズ2の最初のステップとして自分の好きなことと得意なことを分解する作業を行いました。後々、好きなことは動詞のみ、得意なことは過去の成功体験のみをピックアップしていく作業があるのですが、ここでは制限なく、好きなもの・こと、自分のスキルを書きだしていきます。
次に、書きだした好きなことの中から、動詞表現のものだけピックアップします。そして、得意なことも今持っているスキルではなく、今まで頑張ってきたこと、その頑張りから得られたことも基にした成功体験を抜き出します。
働くうえでモチベーションの維持につながる自身の行動を分析する大事なステップです。しかし、このステップで私は「得意になった成功体験」は書きだせても「動詞の好き」をほとんど書きだすことができませんでした。それは先ほどのフェーズ1で「なぜしたい」「何がしたい」が曖昧だったのは私の中に「好きだからやりたい」という行動原理があまりないからだと気づきました。
自分がどうなりたいか、会社をどうしたいか
why・whatを明確にできていない段階で将来ビジョンを考えるフェーズ3には移れないと思い、フェーズ2をもう一度行いました。なぜかを常に考え、好きと得意を分類していきます。すると、なぜか「好きと得意」ではなく、「嫌いなことと得意になりたいこと」が出てきました。
嫌いなこと
- 自分以外に代わりがだれでも勤まる作業
- 同じことの繰り返し作業
- 1人でできる作業
- 経験よりものにお金をかけること
得意になりたいこと
- 難しい課題に挑戦すること
- 潜在課題を発見すること
- 潜在課題に効果的にアプローチすること
嫌いなことは裏返して好きなこととして整理しました。得意になりたいことはこれから社会人として身に着けたい「未来の自分が得意になっていること」として捉えました。
以上の洗い出した価値観と好き・得意なことを基に、フェーズ3に移行すると、驚くほど簡単に、自分のなりたい将来像を描くことができたのです。さらに、企業に求める環境や興味のある事業領域なども明確化することができました。
好きなこと
- いろいろな経験をすること
- 単純作業ではなく、ある程度専門性のある作業をすること
- 人と関わる仕事
将来の自分の得意なこと
- 戦況が厳しい状況で挑戦する未来のキャリアを考える
- 潜在課題を発見し、ソリューションを提供する
未来のキャリアを考えるために
~自分を知ることで企業を知る~
セミナーに参加する前は自己分析は自分の過去を振り返って、自己理解をするだけのものと思っていました。業界研究と自己分析では業界研究の方が重要度が高いとも思っていました。しかし、実際に自己分析を行ってみて、自分の描きたい未来を知るための方法だと感じました。
そしてなりたい未来の自分がわかると、必然的に働きたい理想の企業像が視えてきます。どれだけ熱心に業界研究を行っても、自己分析をおろそかにしていると世間で優良といわれる企業がはたして自分にとって優良なのかという判断基準がない状態で就活に臨むことになってしまいます。
自分が本当に働きたい企業を知るためにはまず自分を知ることが大切です。また、その反対に企業を知ることで自己理解を深めることもできるといえます。先述したように、私は当時、抽出した価値観は就活を通して変わっていくと考えていました。なぜなら、自己分析をした段階の価値観は今まで体験した経験からしか形成されていないからです。今後業界研究をしていく中で、学生の私が社会の一部を覗いた就活の経験はこれからの自分の価値観に大きく影響を与えるだろうと考えていました。
つまり、自己理解が深まることで企業理解が深まり、企業理解が深まることで自己理解が深まるという好循環が生まれるのです。
今回の自己分析を通して自己分析は業界研究と同じくらい重要で、どちらも同時に進めることでより質の高い就活準備ができることを学びました。
まとめ
自己分析は「なぜ」と「なに」を突き詰めること
いかがでしたでしょうか。今回は私が実際に行った自己分析についてお話ししました。
「自分のことを一番知っているのは自分!全く知らない業界について一から勉強する業界研究に比べて、自己分析は今までの蓄積からある程度土台はできている!」と考えている学生さんも、この記事を読んだあとでは考え方が少し変わったのではないでしょうか。
自己分析は過去を振り返るだけで終わりではありません。過去に基づいて今の自分を理解したら、次のステップで未来の自分を知ることまでがセットです。
そしてその「未来の自分を知る」ためには、過去の自分が「なぜ」そのような経験をしたのか、そこから「なに」を得たのか、今の自分が未来で「なに」をしたいのか、それは「なぜ」かを突き詰めることから始まると思っています。就活生のみなさん、ぜひこの機会に自己と向き合って納得できる就活をしてください!