リファレンスチェックとは?具体的な流れや実施するメリットについて解説!


リファレンスチェックとは?具体的な流れや実施するメリットについて解説!

人材を採用する際、応募者がどのような人物なのか正確に見極める必要があります。

しかし、面接で1時間話した程度では、その人のスキルや適性を完全につかむことは難しいものです。

そこで今回は、リファレンスチェックについて解説します。

採用過程でリファレンスチェックを取り入れることで、自社とよりマッチする人材を採用することができるでしょう。

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リファレンスチェックとは

リファレンスチェックとは、応募者のスキルや前職での実績、勤務状況などについて、前職の従業員にリサーチすることです。

もともと外資系企業でよく使われていた手法ですが、最近では国内でも取り入れる企業が増えています。

リファレンスチェック自体の認識度も上がってきており、エン・ジャパンの調査によると、年収1,0000万円以上の方は、68%が「リファレンスチェックを知っている」と回答しています。

尚、リファレンスチェックは前職調査と同一視されることも多いですが、この2つは似て非なるものです。

前職調査では、経歴詐称がないか、前職で違法行為をしていないかなどが調べられます。

働きぶりを知るというより、大きな問題を抱えていないかをチェックするイメージです。

現在は個人情報保護法によりこうした調査が難しくなっており、前職調査をする企業は減ってきています。

【引用】リファレンスチェックのメリット・デメリットは? 『ミドルの転職』が調査(https://wotopi.jp/archives/123941

リファレンスチェックの流れ

リファレンスチェックは、大きく2種類の流れがあります。

1つ目は、応募者自身がリファレンス先を提供するケースです。まずは応募者に、リファレンスチェックを行うことを通知してください。

もしここで「リファレンスチェックは受けたくない」と言われた場合、無理に強要することはできません。

応募者が承諾したら、リファレンス先をリストアップしてもらい、それぞれの連絡先を共有してもらいます。

その情報をもとに、リファレンス先にアポを取り、面談をします。対面だけでなく電話で話を聞くこともありますし、コロナ禍ではオンラインでの面談も増えてきました。

また、あらかじめ質問フォームを用意しておいて、そこに回答してもらうといったやり方もあります。

2つ目の流れは、自社でリファレンス先を探す方法です。

まずは応募者にリファレンスチェックを行う旨を伝えます。了承を得たら、リファレンスチェックを受けてもらえる候補先を探します。

応募者の履歴書から過去に勤めていた企業がわかるので、そこから選定するのが一般的です。他にも、SNSを見て応募者をよく知っていそうな人に話を聞くというケースもあります。

仕事関係だけでなく友人にも話を聞くことで、応募者の人物像をより多角的にくみ取ることが可能です。

いずれかの方法でリファレンスチェックが終わったら、その内容をまとめます。そうして得た情報を採用に関わる方に共有し、合否を出す判断材料にします。人事だけでなく現場の従業員にも見てもらうことで、よりミスマッチを防げるでしょう。

リファレンスチェックは専門の業者に依頼することもおすすめです。

慣れていないと誰にどんなことを聞けばよいのか曖昧なまま実施してしまい、思ったような情報を集められなくなってしまいます。

リファレンスチェックの注意点

リファレンスチェックは、いくつかの注意点を守らなくてはなりません。

まず、応募者の許可なく行ってしまうと個人情報保護法に抵触し、違法となってしまいます。

必ず事前に本人に通知し、拒否された場合は中止しましょう。

秘密裏に行おうとしても、リファレンス先がコンプライアンスのしっかりした企業であれば、本人の許可なく従業員の情報を提供することはありません。

また、応募者に内定を出した後に、リファレンスチェックの内容を理由に内定取り消しをすると、労働基準法に抵触します。

内定を通知すると雇用契約が成立したことになるので、実際には取り消しではなく解雇したことになり、解雇権の濫用にあたるためです。

リファレンスチェックをするのであれば、その結果がすべてわかるまで内定通知は本人に出さないようにしましょう。

なお、「リファレンスチェックを受けられないなら採用できない」という判断は違法行為にはなりません。

採用面接では質問禁止項目があり、これを質問して合否を判定してはいけません。リファレンスチェックにおいてもこうした質問をすることは避けましょう。

項目の例は、以下の通りです。

・本籍はどこですか
・国籍は日本ですか
・どのような家族構成ですか
・両親の職業は何ですか
・家は持ち家ですか、賃貸ですか
・不動産を持っていますか
・貯金はどのくらいありますか
・信じている宗教はありますか
・何党を支持していますか
・どの新聞を読んでいますか
・恋人はいますか
・結婚の予定はありますか

リファレンスチェックのメリット

リファレンスチェックには、3つのメリットがあります。

客観的な応募者の情報を集められる

面接では本人からしかヒアリングができず「今話していることは本当なのか」「実際はどうなのか」といったことはわかりません。

しかしリファレンスチェックをすれば、前職の上司や同僚という客観的な視点から応募者を見ることができます。

本人が嘘をついていないか、話を大きくしていないかなどがわかり、合否判定に大いに役立ちます。

応募者が隠している情報を知ることができる

基本的に、採用面接において応募者は、自分の強みや輝かしい実績についてしか話しません。

もし内定を出してから何か新たな情報がわかっても「聞かれなかったから答えなかった」と言われればどうしようもないでしょう。

しかしあらゆる仮説を立ててすべてを網羅するように質問することは不可能です。だからこそ、リファレンスチェックをすることで面接では知りえなかった情報を知ることが役立ちます。

例えば「実は1年ほど休職していた」といったことは、応募者の上司や同僚から初めて聞くケースもあるでしょう。

ミスマッチを避けられる

せっかく入社してもらうのなら、少しでも長く社員として働いてほしいと考えるのは当たり前です。

だからこそ、ミスマッチは避けたいものです。

実際に、中途入社者がミスマッチにより早期退職すると約500万円のサンクコスト(埋没費用)が発生することがわかっています。

そこでリファレンスチェックをすることで、より詳細な情報が集まり、「この応募者は本当にうちに合っているのか」を判断しやすくなります。

リファレンスチェックの際、「当社はこういった社風ですが、○○さんはそのような環境でパフォーマンスを発揮できると思いますか」など、直接聞いてみることもいいでしょう。

入社後の配属などに活かせる

具体的にどういった分野で結果を出してきたのか、どんなチームでパフォーマンスを発揮できるのかなどを知ることで、応募者が入社した際の配属などに活かすことができます。

また、どういったことでモチベーションが上がるのか、どのようなコミュニケーションをとるのかといった情報も役立ちます。

リファレンスチェックで得た情報をもとに応募者が働きやすい環境を整えることで、長く健康的に働いてもらうことができるでしょう。

リファレンスチェックのデメリット

応募者からすれば、「面接で話を大きくしたことがバレてしまうかもしれない」「同僚や上司によくないことを言われて合否に悪影響を及ぼすかもしれない」といったデメリットがあります。

しかし採用する企業側には、大きなデメリットはありません。

強いて言えば、応募者がリファレンス先に「リファレンスチェックがあるので、こういう風に話しておいてください」と口裏合わせをされた場合、真実がわからなくなることはあるでしょう。

とはいえ、リファレンスチェック先である上司や同僚がこういった提案に協力する可能性は、さほど大きいとも言えません。

また、人件費や外注費のコストがかかるといったことも考えられます。

しかし本人と話すだけではわからない情報を得られ、入社後のミスマッチも防げることを考えると、それほど大きなデメリットとも言えないでしょう。

リファレンスチェックの質問項目

リファレンスチェックで何を聞くか、事前にまとめておくことでスムーズな進行ができます。

事実確認について

まずは本人が話していた内容が、きちんと事実に基づいているか確かめます。

・入社日と退職予定日は〇年○月〇日で合っていますか?
・所属している部署やチームはどこですか?
・役職は何ですか?
・○○というプロジェクトに参加しましたか?

業績について

次に、応募者がどのような業績を挙げたかを聞いてください。

・○○さんが行った仕事で最も大きな成果を出したのはどのようなものですか?
・どんな仕事をして、どのような成功体験がありましたか?

能力について

客観的に見て応募者の能力はいかなるものかを判断します。

・○○さんの強みと弱みは何ですか?
・○○さんのどこが尊敬できますか?
・周りからどんな風に言われていますか?
・論理的思考力はありますか?
・責任感はありますか?
・トラブルがあっても臨機応変に対応できる柔軟性はありますか?
・目標に向けてコツコツ努力できますか?

コミュニケーションについて

自社に入社してから、チームにフィットするかどうかを見極めます。

・チームの中でどのような役割を果たすタイプですか?
・コミュニケーション能力はありますか?
・メンバーと対立したとき、どのように対処しますか?

その他について

上記以外にも、気になることがあればどんどん質問しましょう。

・○○さんとまた働きたいと思いますか?
・○○さんがパフォーマンスを発揮できるのはどんな職場環境だと思いますか?
・もしあなたの部下として○○さんが入社してきたら、どんな風に指導をしますか?

リファレンスチェック代行企業の選び方

リファレンスチェックの代行企業はいくつかあり、「どこに頼めばいいかわからない」と悩んでしまう採用担当者の方もいるでしょう。

そんな時は、4つのポイントに注意してみてください。

人材のプロがいるか

「質問項目が決まっているなら誰が聞いても同じ」と思うかもしれませんが、リファレンスチェックは、誰が担当するかによって効果が大きく変わります。

人材や採用の知識がない方、企業での人事経験のない方などにとって、価値のあるリファレンスチェックを行うことは難易度の高いタスクとなるでしょう。

だからこそ、代行企業を選ぶ時は「どんな人が在籍しているのか」を重視しましょう。

企業で人事を務めていた方や人材業界にいた方は、ヒアリングで上手く情報を引き出すノウハウを持っており、人に関する情報をたくさん集めることができます。

キャリアコンサルタントなどの有資格者は、募集企業の状況や募集するポジションを加味し、「どんな人物が適しているか」を判断することが可能です。

また、在籍人数が多いと、より豊富な選択肢から適任の担当者を抜擢できます。

数名で担当している状況だと1人当たりの掛け持ち数も多く、1つのリファレンスチェックにかけられる時間も限られてしまうため、在籍数が公表されている場合は確認してみてください。

どのようなリファレンスチェックを行うか

代行企業によっては、Webでのアンケートにしか対応していないこともあります。

これでも情報を集めることはできますが、こちらから直接質問することができないため、上辺のことしかわからない可能性もあります。

おすすめは、オフライン・オンライン面談や電話インタビューなどを行っている代行企業です。

相手と会話をする機会があれば、話の中で「ここはどうなっているのか」「ここに問題はないか」など、必要に応じてどんどん深堀することができます。

休職者の申告している経歴などに嘘がないか簡単な確認をする程度であればWebアンケートでも問題ないかもしれませんが、より質の高いリファレンスチェックを行いたい場合は面談方法まで着目しましょう。

コストが適正か

企業によって、採用にかけられる1人当たりの予算は異なります。

どんなに良いサービスがあっても、適正なコストでなければ利用は難しいものです。

代行企業を選ぶ際は、費用の確認を忘れないようにしましょう。

気をつけたいポイントは、利用料以外の代金がかかるケースです。

1件あたりの価格のほか、導入コストなど別途の費用が発生しないかどうか事前に確認が必要です。

採用後のオペレーションにも対応しているか

リファレンスチェックを提供する企業の中には、そのほかの採用にかかわるサービスも提供しているところがあります。

採用計画を立てるところから求人媒体の選定、書類選考や面接の代行、内定後の研修まで一気通貫でできることもあるでしょう。

もしリファレンスチェックだけをサポートしてほしいということであれば不要ですが、採用のプロと一緒に採用活動をやっていきたいというニーズがある場合は、このような総合的なソリューションを提供しているところがおすすめです。

アールナインのリファレンスチェック

アールナインでは、リファレンスチェックサービスを提供しています。

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人事・採用実績の豊富なプロがインタビューを実施するため、より多くの情報を集めることが可能です。

そのうえで、第三者の評価に基づいた客観的なレポートを提供します。

また、導入設計からレポート活用までのトータルサポートを行っているため「リファレンスについていまいちよくわからない」といった企業様もご安心いただけます。

初期費用や月額固定費用はかかりません。かかる費用は面談を実施した分のみとなっており、お試しのスポット利用も可能です。

また、単なるリファレンスチェックサービスの提供を行うだけでなく、採用プロセス設計や面接トレーニングなどもコンサルティングいたします。

入社後のオンボーディングサポートなども対応していますので、フェーズに合わせてお好みのオプションをつけることができます。

まとめ

今回は、リファレンスチェックについて解説しました。

中途採用ではリファレンスチェックをすることで、応募者のことをより多角的に、深く理解することができます。

入社後のミスマッチを防ぐためにも、ぜひ活用してみてください。

◆リファレンスチェックとは、応募者のスキルや前職での実績などを前職の従業員にリサーチすること。以前は外資系企業でよく使われていたが今では国内でも実施する企業が多い

◆リファレンスチェックの流れは、応募者自身がリファレンス先を提供するパターンと、自社でリファレンス先を探すパターンの2種類がある

◆注意点として、必ず事前に本人に通知する必要があり、内定を出した後にリファレンスチェックを理由として取り消しをしてはならない

◆リファレンスチェックでは、応募者の嘘を見抜き、客観的な応募者の情報を集められるというメリットがある

応募者があえて伝えない事情があった場合も、前職の同僚や上司から話が聞けることもある

◆応募者について深く知ることで、入社後のミスマッチを避けられ、配属やトレーニングなどにも役立つ

◆リファレンスチェックをすることで企業側に大きなデメリットはないが、万が一応募者とリファレンス先が口裏を合わせていた場合、正確な情報を得られない可能性がある

◆人件費や外注費がかかるが、正しく行えばそれに見合った分の情報を得ることができる

◆リファレンスチェックの質問項目として、まずは勤務期間などの事実確認を行う

◆能力を見極めるため、強みや周りからの評価、論理的思考や責任感といったポイントについて質問する

◆入社後にチームにフィットするか確認するため、コミュニケーション能力について深堀りする

アールナインではリファレンスチェックサービスを提供しており、人事や採用のプロが多角的にヒアリングし、リファレンスチェック前後の採用計画立案や入社後研修などもトータルサポートする