Z世代の強みを仕事に活かすマネジメント【7つのポイント】
近い将来、経済や労働の中心的役割を担うZ世代。
すでに企業に勤めて活躍しているZ世代の方も多くいます。
現在、企業におけるZ世代の割合は、まだチームメンバーの一部を占める程度ですが、数年先にはチームメンバーの大半がZ世代になっていきます。
Z世代へ業務の采配をするにあたり、上の世代の常識だけを当てはめていては上手くマネジメントできません。
Z世代のことをよく理解したうえで、Z世代の強みを活かすマネジメントをしていく必要があります。
Z世代の強みを仕事に活かせるかどうかで、企業の将来が決まるといっても過言ではありません。
今回の記事では、Z世代の仕事に対する考え方、Z世代が仕事で活かせる強み、Z世代の強みを仕事に活かすマネジメントについて解説いたします。
この記事を読んでいただき、今後の企業を支えるZ世代の強みを存分に引き出していきましょう。
Contents
Z世代の仕事に対する4つの思考傾向
Z世代の能力を仕事で活かすためには、まずZ世代の仕事に対する考え方を知る必要があります。
価値観に大きなズレがあれば、同じ方向をむいて業務を共にすることができず、退職をしてしまうことすらあり得ます。
しっかりとZ世代の仕事に対する考え方について、理解していきましょう。
1. 多様性を受け入れる
Z世代は若い頃から世界各国、多種多様な情報に触れて育ってきたため、多様な価値観を柔軟に受け入れることができます。
多様性を認める傾向は仕事の場面でも活かされ、年齢、性別などで差別することなく、個人を尊重したコミュニケーションをとることができます。
また、考え方が違う相手に対しても、相手の考えを否定することはせず、お互いの意見を交換して対話の中で最適解を見つけていこうとします。
2. 社会課題への関心が深い
Z世代は社会課題に対して深い関心を持っています。
SNSの活用を中心に世界各国の情報に触れ、世の中で起こっている課題に対して、「自分には何ができるか」を主体的に考えます。
他の世代と比較しても、社会課題に対する関心は高く、仕事の場面でも、「自分の仕事が誰のためになるのか」ということを重視します。
3. 自分らしく働きたい
Z世代は他者の多様性を認めながら、自分自身の個性も大事にしています。
当然、仕事においても、自分らしく働けるということを重要視します。
Z世代は、自分の価値観に合わない仕事をすることには嫌悪感を抱きます。
「仕事だから〜すべき」といったような固定観念で考えることを嫌い、自分の価値観を大事にして、自分らしく働けることを重視します。
4. 出世よりワークライフバランス
Z世代は、ワークライフバランスを大事にします。
Z世代では仕事を人生の中心と考えることはせず、プライベートの時間も重視する方が多くいます。
そのため、残業や付き合いの飲み会などで、自分の時間が害されることを嫌います。
上の世代と比較して出世したいという意欲は減少しており、仕事で出世をするよりも、ライフスタイルの充実を重視する方が多いです。
Z世代が仕事で活かせる3つの強み
続いて、Z世代が仕事で活かせる強みについて解説していきます。
各世代によって特徴は大きく異なり、仕事での強み・弱みも変わってきます。
チームを成功させるためには、各スタッフの弱みをカバーし、強みを活かしていくことが重要です。
Z世代の強みを引き出せるよう、それぞれの特徴を理解していきましょう。
1. オープンな環境に強い
Z世代の強みの一つは、オープンな環境に強いということです。
多様な価値観を認めたうえで、自己の価値観も確立しているため、自分の意見をしっかりと発信できます。
Z世代はSNSでのコミュニケーションに慣れているため、知らない相手や、大人数を前にしたオープンな状況でも、臆することなく自分の意見を発信できる傾向があります。
これはビジネスでも、大きく活かせる力です。
社内でのプレゼンや、他企業との交流、クライアントとの折衝の場面などで、言い淀むことなく自分の意見を言えるという点は大きな強みです。
人との関わり、意見の交換はビジネスでは必要不可欠です。
相手の意見を柔軟に受け止め、自分の意見を言える力を持つことの意味は大きいです。
2. 大きな目的を原動力としている
前述したように、Z世代は社会課題への関心が高く、常に自分の仕事が「誰を」「どのように」助けているのかという点に意識を向けています。
また、Z世代はSNSを通して世界中まで視野を広げ、社会課題について敏感に情報を収集しています。
そのため、仕事に関しても、ただ働いて収入を得るという目的ではなく、社会の不安や不満、不便といった「不」を解決するという目的意識を持っています。
目的意識の大きさは仕事のパフォーマンスに現れます。
目的意識の重要性を表す例え話では、イソップ寓話の「3人のレンガ職人」が有名です。
3人のレンガ職人はレンガを運ぶという作業自体は同じことをしていたものの、それぞれに何をしているか聞いたところ、ある者は「レンガ積みをしている」と答え、ある者は「大きな壁を作っている」と答え、そしてある者は「歴史に残る偉大な大聖堂を造っている」と答えました。
この話から得られる教訓としては、3人の目的意識の違いによって、モチベーションは大きく変わるということです。
「レンガ積みをしている」と答えた者は仕事に不満を示し、「大きな壁を作っている」と答えた者は、家族を食べさせるための仕事であると解釈し、「歴史に残る偉大な大聖堂を造っている」と答えた者は、多くの人が救われるための仕事ができることにやりがいを感じていました。
このように、目的意識の大きさは、モチベーションに大きく関係し、それが仕事のパフォーマンスにも現れます。
Z世代の社会課題に対しての深い関心は、これからの世の中を変えていく大きな原動力となっていくでしょう。
3. ソーシャルネイティブ世代としてのデジタルの強み
最後にZ世代のデジタルの強みについて解説いたします。
Z世代の最大の特徴といっても良いのが、デジタルの強みです。
若い頃から、インターネット、デジタルデバイス、SNSを活用して育ってきているため、デジタルへのアレルギーはなく、デジタルを生活の中心として取り入れています。
SNSの活用に関しても1つのサービスに限定せず、Twitter、Instagram、Facebook、TikTokなど、利用する目的にあわせて使い分けをし、活用しています。
また、SNS以外のWebサービスやアプリも新しく出てきたものを積極的に取り入れていく傾向があります。
DXが進む現代において、デジタルの強みは大きな武器になります。
仕事上でも、利用するツールの変更や、アナログで対応しているものをデジタルに移行する機会は今後増えていくことが想定されます。
これからの未来において、デジタルの強みを持つZ世代は会社を成長させるキーパーソンとなっていきます。
Z世代の強みを活かすマネジメント【7つのポイント】
ここまでZ世代の仕事に対する考え方、Z世代の仕事の強みについて解説いたしました。
最後は、実際に職場でZ世代の強みを活かすマネジメントについて解説していきます。
現場責任者、育成担当者の方は必見です。
1. グループとして見るのではなく、個人を見る
Z世代は前述したように、多様な価値観を受け入れ、自分の個性も大切にする特徴があります。
そのため「若者」「Z世代」「新入社員」といったようなグループとして一括りに見るのではなく、一人ひとりの個性を認めながら接することを意識しましょう。
Z世代は自分を個人として見てもらえないことに嫌悪感を抱き、信頼関係に影響を及ぼします。
グループを対象に指示・指導するのではなく、一人ひとりに対する指示・指導をしていく必要があります。
そのためには一方的な伝達ではなく、対話を主体としたコミュニケーションが重要です。
一人ひとりと向き合い、仕事の目的を明確に伝え、個人にあったフィードバックをしていきましょう。
3. マネジメントする側の価値観も広げる
Z世代をマネジメントするうえでは、個人を認識していくことが必要です。
前述したように、「Z世代」「新入社員」といったグループで見て指導・育成をしていては、信頼関係を構築することはできません。
Z世代は「新入社員は⚪︎⚪︎すべき」「若いうちは⚪︎⚪︎すべき」というような”べき論”を嫌います。
ひとりひとりの個人の考えや存在を尊重することが大切です。
そのためには対話形式のコミュニケーションの場を作り、こちらから一方的に主張を伝えるのではなく、相手の意見をしっかりと傾聴しながら、対話の中で答えを見つけていく必要があります。
古い企業のように、トップダウンで理不尽な指示を落としていく方法は、これからの時代では通用しなくなるでしょう。
また、そのようなマネジメントしかできない上司は必要とされなくなります。
対話をする力が、マネジメント層に今後より一層求められてきます。
4. 相手のプライベートを尊重する
は仕事を中心とした生活ではなく、ワークライフバランスを大切にする傾向があります。
そのため、プライベートの時間をとても重要視しています。
業務とは関係のない会社行事、会社の飲み会などに嫌悪感を示す方も多いです。
上の世代の感覚としては、コミュニケーションの一環として誘いたいという意向があるかも知れませんが、価値観が異なるということをよく理解しなければいけません。
良かれと思って誘うことも、Z世代にとってはストレスと感じるものとなる可能性があります。
相手の価値観を尊重し、強引な誘いはしないようにしましょう。
5. ハラスメントやジェンダーへの確かな知識を持つ
Z世代は、ハラスメントやジェンダーといった社会課題に対しての関心も深いです。
このような課題への意識も高く、世界各国から情報を収集しており、自分自身の意見も持っています。
日本はハラスメントやジェンダーといった課題に対して、まだ欧米諸国ほど課題意識が浸透していません。
上司や会社自体が、こういった社会課題に対して課題意識がない場合、強くストレスを感じます。
社会課題に対して理解がない上司と一緒に働きたくはないという方も多いでしょう。
会社として確かなコンプライアンス体制を確立し、マネジメントする上司も確かな知識を持つことが必要になります。
「これくらいなら大丈夫」と安易に発した言葉が、相手を傷つけることもあります。
マネジメント層も、積極的に社会課題に対して関心を向けていく必要があります。
6. デジタルの強みを活かせる機会を作る
業務の采配をしていくうえで、Z世代の最大の強みである「デジタルの強さ」を活かさないことは大きな機会損失となります。
Z世代は、SNS、Webサービス、ITツールなど最新の情報をキャッチアップし、実際に活用もしています。
強みを活かしていくことでチームのパフォーマンスは上がり、Z世代の社員自体も、会社へ貢献することで喜びと自信が生まれます。
社内でのツールの導入、SNSの活用など、デジタルの課題は今後も多く発生すると想定されますので、積極的にZ世代の社員へ任せていきましょう。
マネジメントする側の知識の幅で制限をしていては、チームの力は大きくなりません。
Z世代を信頼して機会を与え、積極的にZ世代のデジタルの強みを活かしていきましょう。
7. メンター制度を導入する
Z世代の育成では、個人を尊重することが必要不可欠です。
「新入社員」という集団を見て育成するのではなく、個々の考えを尊重し、個々が抱える課題に対して適切にフィードバックしていくことが必要です。
その手法として効果的なのが「メンター制度」です。
先輩社員をメンターとして新入社員に帯同してもらいましょう。
業務のことはもちろん、プライベートの悩みも相談できるような関係を築けることが理想です。
ここでも対話のコミュニケーションが重要になってきます。
Z世代の新入社員が抱える悩みや課題を、ただ一方的に指導する訳ではなく、対話を通して一緒に解決方法を考えていくことが必要です。
そうすることで、個人の考え方にあった解決方法が生まれます。
個人を大事にしていく現代では、メンター制度はとても効果のある手法です。
まとめ
今回の記事ではZ世代の仕事に関する考え方、Z世代の仕事で活かせる強み、そしてZ世代の強みを活かしたマネジメント方法について解説いたしました。
これからの時代、デジタルの進化はより加速度を増していきます。
新しいイノベーションが数多く生まれるであろう時代に、企業が躍進するキーパーソンとなってくるのがZ世代です。
Z世代が持つ強みを活かし、Z世代の社員を成長させることが、企業の成長にも繋がります。
新しい時代に順応するためにも、Z世代の社員の考え方を柔軟に受け入れ、企業の新しい未来を切り開いていきましょう。
めにも、Z世代の社員の考え方を柔軟に受け入れ、企業の新しい未来を切り開いていきましょう。
①多様性を受け入れる
②社会課題への関心が深い
③自分らしく働きたい
④出世よりワークライフバランス
Z世代が仕事で活かせる3つの強み
①オープンな環境に強い
②大きな目的を原動力としている
③ソーシャルネイティブ世代としてのデジタルの強み
Z世代の強みを活かすマネジメント【7つのポイント】
①グループとして見るのではなく、個人を見る
②マネジメントする側の価値観も広げる
③一方的な伝達ではなく対話を重視する
④相手のプライベートを尊重する
⑤ハラスメントやジェンダーへの確かな知識を持つ
⑥デジタルの強みを活かせる機会を作る
⑦メンター制度を導入する