「期待外れの中途社員」は勘違い?【17の育成ポイントを徹底解説】
「活躍を信じて採用した中途社員が期待外れだった…」
「期待外れの中途社員を、これからどう育成していけば良いか分からない…」
このように、希望を抱いて採用した中途社員が想定していた活躍を見せてくれず、大きく落胆している人事担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、実際は中途社員の能力によるものではなく、育成環境が整っていないことにより、自社で中途社員の能力を制限してしまっているケースも多いようです。
そこで今回は、期待外れの中途社員と感じる要因、期待外れの中途社員にしてしまう悪い育成例、中途社員の能力を引き上げる育成のポイントについて解説していきます。
この記事を参考に、中途社員の育成を見直し、採用時に期待した能力を中途社員が発揮できるようサポートしていきましょう。
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Contents
- 「期待外れの中途社員」と感じる8つの要因
- 期待外れの中途社員にしてしまう5つの悪い育成例
- 中途社員の能力を引き上げる17の育成ポイント
- 曖昧な期待ではなく、具体的なゴール設定を共有する
- 自社で求める役割を明確に伝える
- 自社でも常に成長意欲を持つよう伝える
- 自社のビジョンや価値観を伝える
- 自社にフィットするまでは、一定の期間が必要なことを理解する
- まずは自社のやり方や考えを教え込む
- 業務をサポートするマニュアルやナレッジを整備する
- 社内での人間関係が円滑になるようフォローする
- 中途社員の業務フォローをする人員を設ける
- 上司や人事担当者は頻繁に声かけをする
- レポートライン、キーパーソンを伝える
- 自社のロールモデルや成功例を伝える
- 適切な場面でフィードバックを行う
- 成長過程を見ながら適性をアップデートしていく
- 育成者もレベルアップしていく
- 中途社員と企業が同じ方向を目指せるよう調整する
- 定期的に育成面談を行う
- まとめ
「期待外れの中途社員」と感じる8つの要因
まずは、「期待外れの中途社員」と感じる要因について整理していきましょう。
なぜ、期待外れの中途社員と感じるのかを整理することで、自社で対応すべき課題が明確になっていきます。
面接時と話が違う
中途社員が期待外れと感じる要因の1つとして、面接時と入社後で話が違うというケースがあります。
「⚪︎⚪︎という経験がある」「⚫︎⚫︎に意欲がある」という話を面接時にはしていたものの、入社後の業務では全く対応できなかったり、実は意欲のある分野でないことが発覚したりという場合もあります。
面接時の明らかな虚偽申告は悪質であり、別途、対処が必要ですが、面接時に自分をよく見せようとするため、大きくアピールすることは多くの候補者が行う傾向でもあります。
採用時には、このような点も踏まえて見極めを行っていくことが重要です。
キーとなる役割を期待していたが、即戦力にならない
キーとなる役割を期待していたものの、入社後に即戦力として活躍できないという場合も、中途社員に期待外れと感じるケースの1つです。
中途採用では、過去の経験や能力から、自社の重要ポジションを任せることを前提に採用する場合もあります。
そのような中核の即戦力として期待していた人材が、入社後に成果を出せない場合、事前の期待値の大きさから、期待外れと落胆することになります。
給料に応じた働きをしない
中途採用では、高い給与設定をしてでも良い人材を獲得したいという場面があります。
しかし、入社後に一般社員と同じ働きしかしない、むしろ一般社員と同等の働きすらしていないというケースもあります。
このように採用した高収入の社員が思うように成果を出せない場合、期待が外れたと感じ、落胆することになります。
前職の成功体験ばかりを過剰に語り、実態が追いついていない
入社後も前職の成功体験ばかりを語り、実際には役に立っていないという中途社員もいます。
そのような場合、「口ばかりで実際は能力のない人材だった」と期待が外れたことに、落胆することになります。
自分を過信し、積極的に学ぶ姿勢が見られない
中途社員の中には、今までのキャリアや役職から自分を過信し、積極的に学ぶ姿勢が見られないという方もいます。
新たな学びなくして、自社で活躍していくことはできません。
このように成長意欲のない社員を目の当たりにすると、先々を考え、期待外れだったと落胆することになります。
前職でのやり方から脱却できない
中途社員の中には、過去のやり方に固執し、自社の業務で能力を発揮できない方もいます。
自社には自社にあった業務のやり方があるため、まずは自社の業務のやり方を覚えてもらう必要があります。
このように順応性の低い中途社員を目の当たりにした際、期待外れだったと感じるケースもあります。
職場に馴染もうとしない
中途社員が職場に馴染もうとせず、そのため仕事でも能力を発揮できないというケースもあります。
会社組織の中で能力を最大化させるためには、周囲とのコミュニケーションは重要です。
職場に馴染もうとしない社員を見たとき、強調性の無さを感じ、期待外れだったと落胆することになります。
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積極的な提案や行動をしない
即戦力として入社した中途社員が、積極的な提案や行動をしないという場合も、期待外れと感じることがあります。
自社での課題解決や改善のために採用したけれど、発言が少なかったり、自発的な行動がないという場合、期待が外れたと落胆することになります。
期待外れの中途社員にしてしまう5つの悪い育成例
続いて、期待外れの中途社員にしてしまう悪い育成例について解説していきます。
中途社員に期待外れと感じる原因の多くは育成にあります。
もし、自社で悪い育成例に当てはまることを行っていた場合は改善していきましょう。
自社での業務のやり方をしっかり教えない
自社での業務のやり方をしっかり教えないことにより、期待外れの中途社員にしてしまっているケースもあります。
「他社で経験があるから大丈夫」「今までの経験を活かして進めてくれればいい」と考え、自社での業務のやり方を教えなければ、中途社員は自社業務で能力を発揮できません。
職場が変われば、利用するツールや業務フローも変わります。
そのため、過去に類似業務を経験していたとしても、自社の業務の進め方をしっかりと丁寧に教える必要があります。
自社のビジョンや価値観を伝えない
中途社員にビジョンや価値観を伝えないというのも悪い育成例です。
中途社員にも、自社のビジョンや価値観を共有していかなければ、同じ方向性で動いていくことはできません。
企業によってビジョンや価値観は異なるため、自社の方向性をしっかりと伝えるようにしましょう。
過去のキャリア=すぐに活かせる力と勘違いをしている
「中途社員は入社後すぐに過去の経験が活かせるもの」と勘違いし、育成を疎かにする悪いケースもあります。
過去の経験を活かすためには、まずは自社のやり方やルールを理解しなければいけないため、一定の期間が必要とされます。
現場に馴染むためのサポートをしない
中途社員が、新しい職場で活躍するためには、現場に馴染むことが大切です。
そのため、現場管理者や人事担当者は、中途社員が現場に馴染めるようサポートしてあげる必要があります。
現場管理者や人事担当者が間に入って、社員同士の交流の機会などを作ることで、中途社員が現場へ溶け込むのも早くなります。
中途社員の育成計画が確立されていない
中途社員の育成計画が曖昧では、中途社員を活躍人材へと育てていくことはできません。
いつまでにどのような人材になって欲しいか、そのために何をすべきかなどを計画立てて育成を進めていくことが大切です。
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中途社員の能力を引き上げる17の育成ポイント
最後に、中途社員の能力を引き上げる育成のポイントについて解説していきます。
採用で適正を見極めた中途社員は、期待に値する能力を持っているはずです。
中途社員の能力を最大限に引き出せるよう、下記の育成ポイントを徹底していきましょう。
曖昧な期待ではなく、具体的なゴール設定を共有する
中途社員の育成をする際には、具体的なゴール設定が必要です。
中途社員に対しては、「過去の経験があるから、放っておいても活躍してくれるだろう」と曖昧な期待をしがちです。
いつまでに、どのような状態になっていて欲しいかというように、期限と具体的に言語化されたゴール設定を中途社員と共有していくことが大切です。
明確なゴールが決まることで、中途社員育成の方向性にブレがなくなり、着実に伸ばしていくことが可能となります。
自社で求める役割を明確に伝える
中途社員の育成では、自社で求める役割を明確に伝えることも大切です。
自社が中途社員に対して、何を期待し、どのような役割を果たして欲しいかを伝えることで、中途社員の行動と自社の期待の方向性が揃います。
自社でも常に成長意欲を持つよう伝える
中途社員にも、入社してから成長意欲を持ってもらうことを伝えましょう。
中途社員は、他社での業務経験があり、社会人としての能力が備わっているはずです。
しかし、過去に得たものだけを活かして働こうとすれば、状況の変化に対応できず、いずれ衰退していきます。
新しい挑戦をすることにもポジティブになり、より成長していけるよう意欲を持ってもらいましょう。
自社のビジョンや価値観を伝える
中途社員に、自社のビジョンや価値観を伝えることも育成で重要なポイントです。
自社のビジョンや価値観は、育成の大枠の方向性でもあります。
自社が企業活動を通してどのようなことを実現したいかを伝えることで、中途社員も役割や、成長の方向性を認識することができます。
自社にフィットするまでは、一定の期間が必要なことを理解する
中途社員が自社にフィットして能力を発揮できるまでには、一定の期間が必要なことを理解しておきましょう。
中途社員=即戦力という理解は間違いではありませんが、入社直後から能力を発揮できるケースはほぼありません。
適切な育成によって、まずは自社の業務や考え方を理解してもらい、過去の経験を活かせる土壌を作りましょう。
まずは自社のやり方や考えを教え込む
前述したことに関連しますが、中途社員の育成では、まず自社のことを徹底して理解してもらうことが重要です。
中途社員の強みとして、他社で培った経験や能力を自社で活かせるというメリットがあります。
しかし、自社の勝手や課題が分からない状態では、他社で得たものを活かすことはできません。
まずは、自社への理解を深めてから、その後、改善に取りかかってもらうよう指導しましょう。
業務をサポートするマニュアルやナレッジを整備する
中途社員の育成では、マニュアルやナレッジなど業務をサポートするツールも大事になってきます。
業務で使用するマニュアルやナレッジを整備することで、指導者によっての指導内容のブレをなくすことができます。
また、マニュアルやナレッジがしっかりと整備されていれば、多くの中途社員は自走できるでしょう。
中途社員の成長促進のためにも、マニュアルやナレッジの整備は定期的に行いましょう。
社内での人間関係が円滑になるようフォローする
中途社員の能力を引き上げるためには、社内での人間関係が円滑になるように現場管理者や人事担当者がフォローすることも大切です。
十分な能力はあるのに、人間関係のこじれでパフォーマンスを発揮できない残念なケースもあります。
そのような場合、優秀な中途社員を早期離職によって失ってしまうことにもつながります。
現場管理者や人事担当者が、率先して先輩社員に紹介したり、ランチ会の機会を作るなど、社内での人間関係を構築できるようサポートしていきましょう。
中途社員の業務フォローをする人員を設ける
中途社員の育成をする際は、業務フォローをする人員を設けることも大切です。
「他社で類似業務を経験しているので問題ない」と考える方もいるかもしれませんが、前職と業務の進め方が全く同じということはありません。
そのため、最初から放任してしまうと、自社の正しいやり方が身につかないことや、大きなミスを起こしてしまうリスクがあります。
入社してしばらくは、先輩社員が中途社員の業務フォローを行うようにしましょう。
上司や人事担当者は頻繁に声かけをする
中途社員の成長を促進するためには、上司や人事担当者の声かけも必要です。
中途社員は、採用過程で上司や人事担当者と接しているでしょう。
入社して間もない頃は、社内で知っている人から声をかけてもらえるだけでも精神的な支えとなります。
また、上司や人事担当者などに相談できる機会があることで、悩みが大きくなる前に早期解決できる確率も高いです。
レポートライン、キーパーソンを伝える
中途社員が入社した際には、社内のレポートラインやキーパーソンも伝えるようにしましょう。
業務を円滑に進めるためには、誰がどの情報を管理しており、どのような情報伝達のルールがあるのかを把握する必要があります。
加えて、業務上、接することが多いキーパーソンには、中途社員を紹介する機会を設けましょう。
自社のロールモデルや成功例を伝える
中途社員の育成では、自社のロールモデルや成功例を伝えることも大切です。
社内で活躍している人材、プロジェクトの成功事例など、目指すべきゴールの具体イメージを伝えていきましょう。
目指すものが明確になれば、現状のやるべきことも具体的に整理でき、中途社員の成長スピードも促進します。
適切な場面でフィードバックを行う
中途社員にも、適切な場面でフィードバックを行うことは必要です。
中途社員は「最初からできるもの」「知っているもの」と考え、フィードバックを疎かにしてしまうケースも少なくありません。
しかし、中途社員も指摘を受けて気づきを得ることは多く、それが成長へとつながっていきます。
良い部分は褒め、改善が必要な部分については具体的に指導をしていくようにしましょう。
成長過程を見ながら適性をアップデートしていく
入社後の業務状況を見て、中途社員の適性を再考することも大切です。
中途採用では、候補者の適性を判断して採用をします。
入社後にどのような役割を任せたいかをイメージし、実際に採用した後は、採用時に描いたプランをもとに配置や研修を進めていきます。
しかし、実際に業務を開始した後に、他に適性を感じる部分が発見できたということも多々あります。
中途社員も業務を通して成長し、新たな能力が開花することもあります。
採用時点のイメージに固執せず、入社後の中途社員の活躍を見て、都度、適正な役割を再考していくことが大切です。
育成者もレベルアップしていく
育成をする担当者も、常にレベルアップしていく姿勢が必要です。
最適な教え方は、人によってもその時の状況によっても異なります。
昔のやり方に固執し、常に同じ方法で教えていれば、育成の質はどんどん低下していきます。
ティーチングやコーチングの方法も、日々、質が高くなっています。
育成者もしっかりと成長意欲を持ち、情報をキャッチアップしていくようにしましょう。
中途社員と企業が同じ方向を目指せるよう調整する
中途社員の育成では、企業の育成方針と中途社員自身が描くキャリアの方向性をあわせることも大切です。
企業と中途社員が違う方向を向いていたら、中途社員の能力を引き上げることはできません。
そればかりか、方向性が違えば中途社員の早期退職へとつながる可能性も高くなるでしょう。
中途社員との面談を積極的に行い、中途社員が目指す方向性をヒアリングしながら企業は中途社員にどのような機会を提供できるか考える必要があります。逆に、企業としてはどのような協力をして欲しいかなども話し合い、両者が同じ方向を向いていけるように調整していきましょう。
定期的に育成面談を行う
中途社員の能力を引き上げるためには、定期的な育成面談がキーとなります。
成長過程の確認、課題の確認、悩みや疑問の解消、キャリアプランの共有など、コミュニケーションの機会を作ることが大切です。
中途社員との育成面談でコミュニケーションを深めるながら方向性を固め、中途社員の着実な成長を促進できるようになります。
中途社員は、すでに高い能力を持っている方が多いため、育成面談によって能力をさらに引き上げていくことを意識しましょう。
まとめ
今回は、中途社員に期待外れと感じる要因、期待外れの中途社員を生んでしまう悪い育成例、中途社員の能力を引き上げる育成のポイントについて解説いたしました。
中途社員に「期待外れ」と落胆する場合、実は育成の不足が原因になっていることも多々あります。
その中でも人事担当者や現場責任者が中途社員のことを知ろうともせず、勝手な期待ばかりが先行してしまっているケースも少なくありません。
そのような状況を回避するためにも、定期的に育成面談をとりコミュニケーションを深めていくことが重要です。 中途社員との関係性を築き、能力を最大限に引き上げることができるようサポートしていきましょう。
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◆「期待外れの中途社員」と感じる8つの要因
・面接時と話が違う
・キーとなる役割を期待していたが、即戦力にならない
・給料に応じた働きをしない
・前職の成功体験ばかりを過剰に語り、実態が追いついていない
・自分を過信し、積極的に学ぶ姿勢が見られない
・前職でのやり方から脱却できない
・職場に馴染もうとしない
・積極的な提案や行動をしない
◆期待外れの中途社員にしてしまう5つの悪い育成例
・自社での業務のやり方をしっかり教えない
・自社のビジョンや価値観を伝えない
・過去のキャリア=すぐに活かせる力と勘違いをしている
・現場に馴染むためのサポートをしない
・中途社員の育成計画が確立されていない
◆中途社員の能力を引き上げる17の育成のポイント
・曖昧な期待ではなく、具体的なゴール設定を共有する
・自社で求める役割を明確に伝える
・自社でも常に成長意欲を持つよう伝える
・自社のビジョンや価値観を伝える
・自社にフィットするまでは、一定の期間が必要なことを理解する
・まずは自社のやり方や考えを教え込む
・業務をサポートするマニュアルやナレッジを整備する
・社内での人間関係が円滑になるようフォローする
・中途社員の業務フォローをする人員を設ける
・上司や人事担当者は頻繁に声かけをする
・レポートライン、キーパーソンを伝える
・自社のロールモデルや成功例を伝える
・適切な場面でフィードバックを行う
・成長過程を見ながら適性をアップデートしていく
・育成者もレベルアップしていく
・中途社員と企業が同じ方向を目指せるよう調整する
・定期的に育成面談を行う