【中途採用】カジュアル面談で候補者の意欲を高めるコツとは?本選考へ進んでもらうためのポイント6選を紹介!


【中途採用】カジュアル面談で候補者の意欲を高めるコツとは?本選考へ進んでもらうためのポイント6選を紹介!

近年、カジュアル面談がさまざまな企業で導入されています。基本的に選考前に実施されるカジュアル面談は、いわば選考の入り口です。

しかしながら、「カジュアル面談を実施しても連絡が途絶えてしまう」「意欲を高められている感覚がない」という方は多いのではないでしょうか。

今回はカジュアル面談を通して候補者の意欲を高めるためのポイントを、面接との違いや当日の流れなどと併せて解説します。

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カジュアル面談とは何か?面接との違いは?

カジュアル面談とは、企業と候補者が対話を通して相互理解を深める機会です。

企業、候補者双方が互いにマッチするかどうかを探る貴重な機会でもあり、面談を通じて候補者に自社への好感度を高めてもらい、選考へ進んでもらうことも大事な目的となります。

面接は選考を目的としているため、緊張感のなか企業側が候補者に質問をします。一方でカジュアル面談は、親交を深めてお互いを知ることを目的としています。そのため、通常の採用面接よりもリラックスした雰囲気のなかで行われるのが普通です。

また、カジュアル面談は選考の合否に関係がない点も大きな特徴です。

一方、候補者からは「カジュアル面談だと思ったのに、一方的に質問をされて不快だった」「志望動機を聞かれた」「合否結果が送られてきた」といった不満を聞くことがあります。実際に、SNSや口コミサイトではそういった声が非常に多く挙げられており、企業イメージの低下に繋がるケースもあります。

あくまで「対等な立場での情報交換の場」という前提を守って、参加者に接することが大切です。

カジュアル面談が注目されている背景

従来の採用方法は、求人広告や人材紹介サイトに求人を掲載して、候補者からの応募を待つことが主流でした。

しかしながら、パーソルキャリア株式会社が発表した2023年12月の「doda転職求人倍率」によると、転職求人倍率は3.22倍となり、初めて3倍を超えました。

このように企業間での人材獲得競争は、これまでにないレベルで激化していると言えるでしょう。

参考:doda 転職求人倍率レポート(2024年3月)

そのため、待ちの姿勢で採用活動を行うのではなく、自ら人材を確保しにいくダイレクトリクルーティングなどの攻めの姿勢の採用手法が普及しています。

企業が候補者をスカウトするにあたって、まずは候補者の「企業や募集ポジションの理解を深めてから応募したい」という要望に応える方法として、カジュアル面談が注目されるようになりました。

面談では候補者から「この企業の選考に進んでみたい」と思っていただくことが重要です。

候補者を「選ぶ」採用から、候補者から「選ばれる」採用へ移っていく必要があるのです。

中途採用におけるカジュアル面談の目的・メリットとは?

母集団の形成

候補者にとってカジュアル面談は面接よりも応募へのハードルが低いため、母集団形成の手段としても有効です。

特に将来の幹部候補であったり、エンジニアや資格を必要とする専門職の人など、採用難度の高い候補者に対し、心理的ハードルを下げて接点をとれることは大きなメリットでしょう。

また本格的に転職活動を始めていない、潜在的な転職者との早期接点にもなり、他社より早く囲い込みを行っていくことも可能です。

カジュアル面談の内容次第では、「ぜひ自社を受けたい!」という風に考えが変わるかもしれませんので、選考に進みたいと思ってもらえるような場を目指しましょう。

入社意欲の向上

カジュアル面談は相互理解の場であると同時に、候補者の志望度を引き上げるための惹きつけの場でもあります。

企業説明や質疑応答によって候補者の企業理解を深められるほか、候補者の知りたい情報や興味をひく情報をピンポイントで提供できるため、効果的に入社意欲を高めることができます。

特に上記のように採用難度の高い候補者が、カジュアル面談を通じて企業の魅力を知り、応募や内定に至るケースはよくあります。意欲を高めた上で選考に移行してもらい、早期から囲い込みをしていくこともよいでしょう。

その際、面談中で得られた候補者のニーズや志向性も貴重な魅力づけ材料です。

候補者個人に合わせた訴求ポイントを、選考フロー全体で伝えていきましょう。

採用のミスマッチ防止

カジュアル面談は応募者と企業の双方で情報交換を行う場であるため、自社の事業内容やビジョン、業務について直接伝えることができます。そのため、求人サイトや企業サイト・面接だけではわかりにくい社内の雰囲気も伝えやすく、ミスマッチを防ぎやすくなるのもメリットです。

ミスマッチによる早期離職は企業側にとっても大きな痛手となるため、面談の中でお互いのニーズや意向をすり合わせ理解を深めましょう。

中途採用におけるカジュアル面談の流れ

続いて、カジュアル面談の進め方を説明していきます。

「開始から終了まで、どんな順序で何を話せばよいかわからない」

「どのような流れで進めれば、効果的な面談となるのか知りたい」

と悩んでいる方は、これから説明する方法をぜひ試してみてください。

①アイスブレイク・自己紹介

②面談の目的の共有

③候補者の状態やニーズなど状況を確認

④ヒアリングした候補者のニーズに合わせた企業説明

⑤質疑応答

⑥選考意思の確認と今後の選考案内

①アイスブレイク・自己紹介

まずは、アイスブレイクも兼ねて自己紹介からはじめましょう。最初のアイスブレイクでいかに緊張を和らげられるかが、その後の面談の質を左右します。

本音で話すためには、お互いに自己開示をして緊張をほぐすことが重要です。

そのため自己紹介では、部署名や名前だけでなく、出身地・趣味・経歴・入社のきっかけなど、候補者との会話を広げられ、共通点を見つけられそうな項目まで開示するようにしましょう。

自己紹介をきっかけに双方向のコミュニケーションをとることで、候補者の本音や志向性を見抜くことにも繋がります。

②面談の目的の共有

自己紹介が終わったら、本題へ移る前に「合否に関係のないカジュアル面談」であることを改めて伝えましょう。

候補者の中には、事前に面談と言われていても「本当は選考なのでは?」と不安に思っている方や、カジュアル面談の目的や意図がわかっていない方もいます。

そのため

「面接ではないので、選考の合否とは一切関係ありません。」

「自社をより深く知っていただきたいと思っていますので、ぜひ何でも聞いてください。」などを説明し、候補者の不安を払拭しましょう。

③候補者の状況を確認

次に、候補者の状態やニーズなどの状況を確認しましょう。

候補者は面談の内容次第で今後選考を受けるかどうかを判断します。面談で満足してもらい意欲を選考への意欲を高めてもらうには、候補者の状態やニーズを正確に見極め、それに合わせた魅力づけをしていく必要があります。

「なぜ自社のカジュアル面談に参加しようと思ってくれたのか」

「現時点で自社はどんなイメージか」

「なぜ転職を考えているのか」

「他にどんな業界・企業を見ているか」

などと質問し、候補者の企業理解度や価値観を確かめ、この後伝えていくべき情報やその伝え方を整理していきましょう。

④ヒアリングした候補者のニーズに合わせた企業説明

続いて、3で得た情報をもとに企業説明していきましょう。

候補者が大切にしているのは事業の内容なのか、働き方なのか、企業風土なのか、人なのか。それらをもとに、刺さりそうなポイントを強調しながら伝えていきましょう。

特に転職に思い至ったきっかけなどは、魅力づけの大きな材料です。

下記のような魅力づけをしていきましょう。

☆アールナインの例

例)20代後半の女性

転職を考えたきっかけ:結婚・出産を考えたときに、フル出社で残業の多い今の職場では難しいと感じた。職場の先輩も、出産をきっかけに退職する人ばかりだが、自分はその後もキャリアを積んでいきたい。

訴求ポイント①:働きやすさ

リモートワークOK、フレックス制度、コアタイム制度、有給の取りやすさなど、出産後も継続して働きやすい要素を強調して伝えるのが良いでしょう。

訴求ポイント②:キャリアイメージ

出産後もキャリアを積んでいきたいという発言から、自社でどのようなキャリアを積んでいけるのかは非常に重要だと思われます。女性管理職の人数、産休後に復帰して活躍している社員の具体例などを伝えると、自社で長期的に働くイメージが湧くでしょう。

こういった魅力付けは、候補者が見ている他の企業との差別化も意識しながら行っていくとより高い効果が期待できます。

⑤質疑応答

企業説明を終えたあとは、質疑応答の時間を設けます。「選考には無関係なので、聞きたいことは何でもお聞きください。」「仕事に関することでも、そのほかのことでも大丈夫ですよ」など、候補者を安心させる声掛けとともに、質問をしやすい雰囲気を作りましょう。

その際に、事実と異なることを盛って伝えるのはNGですが、「応募者が魅力に感じるであろうこと」を強調してアピールすることは重要です。

4と同じように、候補者のニーズや志向性に合わせて質問をしましょう。

また、オフィスでカジュアル面談を行なっている場合は、オフィスを案内して社内の様子を候補者に見せることもよいでしょう。実際のオフィスや働いている社員の姿を見ると、候補者は企業で働く様子をイメージしやすくなるため、意欲向上につなげられる可能性があります。

互いのミスマッチを防ぐためにも、応募者の質問に答えつつ、自社のリアルな魅力をアピールしましょう。

⑥選考意思の確認と今後の選考案内

最後に、ネクストステップとなる選考の案内をしましょう。

ネクストステップは、後日メールなどで案内するのではなく、当日中に案内するのがポイントです。時間が経つにつれ自社への興味・関心は薄れてしまうため、もっとも意向が高まっている面談の最後に案内することで選考参加率を上げられます。

特に面談を通して「ぜひとも選考に参加してほしい」と感じた候補者に対しては、その場で特別な選考フローへ案内するのがオススメです。候補者の志望度をさらに高められるうえに、優秀な人材の早期獲得につながります。

カジュアル面談のポイント6選

①候補者に合わせて面談担当をアサインする

カジュアル面談は「この人が必ず担当しなければならない」というような決まりはありません。

そのため、採用担当者、マネージャー、事業部長、現場社員などの中から、候補者に適した人員をアサインすることが重要です。職歴や年齢が近い方だと、話も弾みやすいでしょう。

特にエンジニアなど専門性が高い職種については、具体的な仕事内容の説明や専門用語への対応ができる現場社員に同席してもらうなどすると効果的です。

②面談前に魅力訴求のポイントを言語化し、まとめておく

そもそも自社の魅力はどこなのか、正確に整理しましょう。

・事業内容

・風土

・給与、福利厚生などの待遇面

・業務内容

・評価制度

・働きやすさ

など、採用競合と比較してどこが強みなのかをあらかじめ明確にしておきましょう。

そうすることで、同じ業界や業種で企業を迷っている候補者に魅力づけを行いやすくなります。結果として、他社決定による辞退を防止することにも繋がるでしょう。

③話しやすい雰囲気づくり

面談中はアイスブレイクや自己開示などを通して、とにかく「話しやすい」と感じてもらえるように注力しましょう。

上記のように、自己紹介の際は部署名や名前だけでなく、出身地・趣味・経歴・入社のきっかけなど、候補者との会話を広げられそうな項目まで開示すると良いでしょう。

④双方向の対話を意識し、候補者のニーズや志向性を見極める

上記の「話しやすい雰囲気づくり」とも繋がりますが、本音で双方向の会話をすることが出来ると、満足度が高まるだけでなく、候補者のニーズや志向性についても分析しやすくなります。

前職における不満、転職先に期待していること、その方の価値観など、そこで得た情報は魅力づけのための大事な情報です。

選考中のフォローでも、候補者のニーズや志向性に合わせた個別対応を心がけましょう。

⑤転職潜在層に対しては、中長期の採用をイメージ

カジュアル面談参加者の中には、今すぐ転職を考えているわけではない層、いわゆる「転職潜在層」であることも多くあります。しかし、カジュアル面談に参加している時点で、自社への興味や転職の意志は備わっていると考えられます。

候補者の求める情報を提供したり、自社への魅力づけを行うことで、中長期的な母集団形成に繋がります。

本格的に転職活動を開始する際に、まず選択肢に自社を入れてくれるよう、定期的に連絡をとるようにしましょう。

⑥質疑応答は「魅力を伝える場」と強く意識

質疑応答でよくあるパターンとして、「ネガティブな情報をそのまま伝えてしまう」ということがあります。

確かに嘘をつくことは絶対にNGですが、直接伝えてしまうことで選考への意欲を下げてしまうことも避けなければなりません。

重要なのは伝え方です。

例えば、「入社後の教育制度は整っていますか?」という質問に対する回答として良い例・悪い例を紹介します。

NG例:研修は2週間です。そのあと現場で今とても忙しいので、現場では細かく教えることが難しいことも多いと思います。

OK例:設立から日が浅く、ルールやマニュアルを整備している段階です。自身で考えて行動してもらう場面も多いと思いますが、その分各自の裁量権が多いです。

このように、ネガティブな情報を伝える際は

・フォローも併せて伝える

・裏返してメリットにして伝える

などを意識するとよいでしょう。

カジュアル面談のよくある失敗例

候補者を選考してしまう

先述したように、カジュアル面談は企業と参加者の相互理解を目的としています。そのため、自社に応募するか決まっていない参加者に対して、通常の面接のような質問をしてしまうと、悪い印象を与えてしまう可能性があります。


実際に「カジュアル面談と聞いていたのに合否を出された」「面接のように一方的に質問された」というような転職者の声は非常に多いです。
あくまで企業説明として、自社の参加メンバーにもカジュアル面談の目的を十分に共有しておきましょう。

カジュアル面談の質問例

企業から候補者への質問例

・カジュアル面談に参加した理由はなんですか?

・弊社にどんなイメージをお持ちですか?

・今後のキャリアについて希望があればお聞かせください

・現在のお仕事の良い点と不満点はなんですか?

・転職の意思はどのくらいありますか?

・(転職活動をしている方であれば)転職活動を始めたきっかけはなんですか?

候補者から企業への質問例

・なぜ私に興味をもったのですか?

・リモートワークは導入していますか?

・御社で活躍している社員はどのような方ですか?

・業務の流れについて教えてください

・あなたが入社を決めた理由はなんですか?

・採用予定の人材の傾向や人数を教えてください

・仕事のやりがいを教えてください

・今後の選考フローを教えてください

まとめ

カジュアル面談の目的は、企業と候補者の相互理解を深めることであり、採用活動において、ミスマッチ防止や転職潜在層へのアピールにつながるメリットがあります。

カジュアル面談は採用面接と違い、選考の場ではないため、志望動機を聞いたり、合否を伝えたりしないように注意が必要です。

一方で、選考ではないからといって事前準備を怠ると、候補者に自社の魅力を伝えられなかったり、候補者の質問に上手く答えられなかったりして、せっかくのカジュアル面談の場を効果的に活かせない恐れがあります。

そのため、カジュアル面談も事前準備を十分に行い、候補者の応募意欲を湧かせるように努めましょう。