スカウトメールで出会えた、“これからの番組制作を担う人材”採用を「兼任対応」から「チームで向き合う」体制へ


2017年のご縁から、7年以上にわたって採用支援をご一緒している東阪企画株式会社様。


テレビ業界という多忙な現場で、どうすれば“人を見て選び、しっかり向き合う採用”ができるのか――。

そんな問いに向き合い続けてこられました。
アールナインでは、スカウト活用をはじめ、面接設計や評価の仕組みづくりなど多面的に支援を実施
「採用はチームで取り組むもの」という意識が少しずつ社内に根づき、今では現場メンバーの意識にも変化が表れています。
本記事では、長年の歩みの中で育まれた信頼関係と、採用の質を高めていく過程を、リアルなエピソードとともにご紹介します。

会社名:株式会社東阪企画
業種:番組制作業
従業員数:約50名

ご支援内容
  • 採用専任部署がなく現場メンバーが兼任で対応していたため、どうしても十分な時間を割くのが難しかった
  • 忙しい業務の合間で学生対応や面接を行うなか、より丁寧に向き合う仕組みが必要だった
  • 多様な人材を求める中で、“どんな人に来てほしいか”を社内で言葉にして共有することが課題だった
  • 採用を「チームで取り組むもの」という体制に進化し、社内と外部が連携して安定的に活動できるようになった
  • 評価シートや面接官研修などの仕組みが整い、学生一人ひとりに丁寧に向き合える採用プロセスが実現した
  • スカウトを通じて人材像を言語化し、社内で共通認識を持ちながら新しいタイプの人材との出会いを広げられるようになった

事業内容

―まずは、御社の事業内容から教えてください。

大久保様:
「東阪企画は、テレビ番組の制作会社です。テレビ局から発注を受けて番組を制作したり、テレビ局と一緒にパートナーとして番組を作ったりしています。


代表的な制作・関与番組としては、たとえば、

『シューイチ』
『news every.』
『おぎやはぎの愛車遍歴』

…など、バラエティや情報、報道、ドラマなど幅広いジャンルを手がけています。」

「最近はテレビだけでなく、YouTubeや動画制作などにも力を入れていて、テレビで培ったノウハウを別領域にも展開していく動きが少しずつ広がっています。
これまではテレビの番組を中心にやってきましたが、最近はテレビだけでは厳しい時代になってきていることもありまして…。
その流れで、YouTubeの番組だったり、動画制作だったり、テレビで培ったノウハウを活かして、新しい領域にも手を広げているという感じです。」

導入前の課題

―採用について、弊社がご支援する前はどのような体制でしたか?


大久保様:
「うちには、人事部のような部署はなかったんです。新卒採用も、実は一時期は止めていたんですよ。就職氷河期の頃に一旦ストップしていて。
そのときに前の社長から“経営にも関わっているなら採用もやりなさい”と言われて(笑)、採用を再開して、僕が一人で採用を担当することになったんです。

「最初は、ホームページで募集するくらいしかやっていなかったんです。それから徐々にナビサイトを使い始めて…。でも、仕事が忙しくなる中で採用に手が回らない状況がずっと続いていました。」

導入の背景

―社内で採用チームを立ち上げた後も、兼任体制ゆえに採用に割ける工数やノウハウに限界があったとうかがっています。そうした背景の中で、どのような経緯で外部の力を借りようと考えられたのでしょうか?


大久保様:
「はい。さすがに一人では厳しいので、もう1名に声を掛けて2名体制でやるようになって、さらにそこから採用チームを社内で作り直しました。
管理部門やプロデューサーのメンバーも含めて5人くらいのチームにしたんですが、現場の仕事を持ちながらの採用対応なので、どうしても限界があるんですよね。

“自分たちだけではもう難しい”という話になり、外部の力を借りようと。そこから採用支援をしてくれる会社を探し始めたんです。」

導入の決め手

―2017年12月に19年卒採用からご支援を開始させていただいています。以来7年以上にわたって継続してお取り組みいただいていますが、数ある支援会社の中から、当時どのような理由でお選びいただいたのでしょうか?

大久保様:

「たしか3〜4社に話を聞いたと思います。仕事柄、情報を調べるのは得意なんですよ(笑)。なので“今勢いのあるコンサル会社”みたいな感じで調べて、その中の一つがアールナインさんでした。

「最終的にアールナインさんにお願いしたのは、学生への対応を丁寧にしてくれそうだと感じたからです。
 うちは現場メンバーで採用を回していたので、学生とのやりとりまで手が回らない部分も多くて。そこをしっかり支えてくれそうだなという印象がありました。」

「あと、“うちはこれが正解なのでその通りにやってください”というような提案ではなくて、ちゃんと現場の事情にも耳を傾けて、一緒に考えてくれそうな伴走型のスタンスだったのも大きかったです。
 “押し付ける感じじゃないな”“この会社なら一緒にやれるかも”という空気感があったんですよね。」

「2018年当初は今ほど主流ではなかった、スカウトメールを使った採用手法の提案も印象的でしたね。“こっちから声をかける”というやり方は、正直なかったので。」

導入前の懸念

―スカウト採用への不安はありませんでしたか?

大久保様:
「もちろんありました。“ナビサイト中心のやり方を変える”ということでもあるので、最初は勇気がいりました。
でも、話を聞いているうちに、“これぐらい変えないとダメかもしれない”と思うようになったんです。
実際、従来のやり方では、内定を出しても定着しないということもありましたし、採用の質自体を見直す必要があると感じていました。」

導入後の効果

―導入してみて、印象に残っている出来事はありますか?

大久保様:
「テレビ業界って、求める人材が一元的じゃないんですよ。“ユニークなキャラがいい?”って聞かれても、“そればっかりだと困る…”ってなるし(笑)。
多種多様な方がいたほうが面白いものが作れる。でも、それをどう説明するかが難しくて。」

「でも、どんな学生にスカウトメールを送るか、どんなメッセージを届けるかを考えるには、やっぱり“自分たちが何を求めているのか”を言葉にして共有する必要があったんですよね。
これは完全に今まで感覚でやっていた部分なので、アールナインさんと一緒に改めてチームで言語化する作業は、大変だけどとても大事だったと思います。

「毎週のアールナインさんとの打ち合わせでホワイトボードを使って、“うちに残っている人ってどんな人?”とか、“この人が合ってた理由はなんだろう”とか、一つひとつ整理していきました。
スカウト採用をやるなら、“とにかく数を打つ”じゃなくて、“ちゃんと伝わる言葉で届ける”ということが大切なんだと実感しました。

―スカウトメールで出会った印象的な人材はいましたか?

大久保様:
「いましたね。ある内定者の方は、こちらからスカウトメールを送らなければ絶対に出会えなかったと思います。
彼女は、バリバリ“テレビがやりたい”っていうタイプじゃなかった。むしろ、“面白いものを作りたい”という気持ちが強くて、プロデュース志向の子でした。」

「実際、他業界の内定も持っていたし、ちょっと制作会社が面白そうかな、ぐらいの感覚だったと思うんです。でも話してみたら、“この子は面白いものをプロデュースできる人だ”って。
うちは職人肌の人が多いので、全体を見て動けるタイプの人材はすごく貴重なんですよ。」

「僕も面接したんですが、“こういう人に来てほしかった”と思って、必死で口説きました(笑)。“君なら、テレビ以外のこともプロデュースできる時代が来る”って話をして。
結果的に入社してくれて、本当に良かったと思っています。2025年現在は、産育休を経て復帰をしていて、第一線でプロデューサーとして活躍してくれていますね。

―長年の採用活動を通じて、社内にアールナインのノウハウが蓄積されてきた実感はありますか?

大久保様:
「ありますね。特にスカウトをやるようになってから、“誰に声をかけるか”“どんなメッセージを送るか”を考える中で、自分たちがどういう人を求めてるのかを言葉にして共有するようになって。これまでは感覚でやってた部分が大きかったんですけど、“ちゃんと相手を理解して向き合う”っていう意識が強くなったのは、すごく大きな変化だったと思います。
「その流れで、“じゃあ面接はどうだろう”っていう話にもなってきて。アールナインさんにいろいろアドバイスをもらいながら、ちゃんと1対1で向き合う面接に変えていったんです。昔は集団面接で“合格”って言って終わり、みたいなことも正直あったので…。そこから、評価シートもアールナインさんに作ってもらったものを使うようになって、“ちゃんと書く”文化ができてきました。

「それこそ面接官研修もやってもらって、“傾聴が大事だよ”とか“ちゃんと見て聞いて判断する”っていう姿勢が社内に根づいてきた感じがありますね。最初は“テレビ業界だからインタビュー慣れしてないと面接は無理”みたいな思い込みもあったんですけど、“ちゃんと準備すれば誰でもできるよね”っていう空気に変わってきたなと感じています。」
「今では、最終面接に上がってくる候補者は“この人なら誰が来ても大丈夫”と言える状態になり、経営層としても安心して判断できるようになっています。スカウトをきっかけに始まった意識の変化が会社全体の採用の質を底上げし、それがアールナインさんと積み重ねてきたノウハウとして定着していると思います。

まとめ

2017年から7年以上にわたってご一緒してきた東阪企画様。


“人がつくる仕事だからこそ、採用にも人の力を”という想いのもと、スカウトをきっかけに始まった変化が、少しずつ社内に根づいてきたことを、今回のインタビューで改めて感じました。


これまで試行錯誤されてきたからこそ見えてきた課題と向き合い、共に考え、形にしていくプロセスに並走させていただけたことは、私たちにとっても大きな学びです。


これからも、“面白いものをつくる仲間”との出会いを、チームの皆さまと一緒に育てていけたらと思います。