~人事・採用担当者向け~新卒採用の大学訪問アポを1.5倍にした方法とは【例文付き】
「新卒採用で自社が求める学生が集まらない」「就職サイトに求人を掲載しても思うような母数が集まらない」このように悩んでいる採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
こういった新卒の採用活動における悩みを解決する方法が「大学訪問」です。
求人掲載をして人材を求めるという待ちの姿勢だけではなく、求める人材を獲得するため積極的にアプローチしていくことも必要です。
大学訪問では、自社の求める人材が集まっている大学へアプローチすることで、新卒採用の量・質の両方を向上させることができます。
採用活動としての大学訪問では、大学キャリアセンターや就職担当者とのコミュニケーションの取り方が重要なポイントです。キャリアセンターや就職担当者と良好な関係を築くことで、大学訪問のパフォーマンスは大きく変わってきます。
今回は採用担当の方が大学訪問する際、大学の就職担当者へアポイントを取るメール内容、電話のトーク内容などについて解説していきます。
今回の記事を参考にしていただくことで、大学の就職担当者と円滑なコミュニケーションがとれ、大学訪問でのパフォーマンスを上げることができるようになります。
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Contents
大学訪問で事前にアポイントをとる必要性
新卒採用において大学訪問する場合は、まずは事前にアポイントをとる必要があります。
飛び込みで大学へ訪問しても、大学側の好意で対応してもらえるかもしれませんが、事前に電話やメールでアポイントを取っておくことがビジネスとしてのマナーです。
大学の就職担当者は企業対応のみをしている訳ではなく、学生の面談、就活関連のイベント実施など多くの業務を抱えています。
大学の担当者の負担にならないよう配慮が必要です。大学側の協力なくして、大学訪問は成功しません。
要件のない挨拶だけの訪問、昼時の訪問、急な訪問など相手が嫌がる訪問は避け、訪問する大学のリストアップが完了した時点で、事前に大学の窓口へ訪問日のアポイントの連絡を取るようにしましょう。
大学訪問のアポイントをとる連絡先
大学訪問のアポイント先は、ターゲットとなる学生によって異なってきます。
ターゲットが文系の場合はキャリアセンターもしくは就職支援課に連絡し、理系の場合はターゲットとなる学生が専攻する研究室の教授にアポイントを取るのが主流です。
一般的には、大学ホームページ内の「企業向け情報」などに、訪問申し込みについての案内が掲載されていることが多いので、まずはこちらで詳細を確認します。
大学ホームページ内に掲載されている各窓口の電話番号、もしくはメールアドレスに連絡してアポイントをとりましょう。
大学訪問する前に入念な準備が必要
大学訪問が有益な機会となるよう、事前に入念な準備を行いましょう。入念な準備をすることで大学側の負担を軽減させ、大学との良好な関係を築くことに繋がります。
パンフレットや求人票など必要なものは早い段階で揃えておき、大学訪問の目的を整理したうえで、大学の就職担当者へスムーズに伝えられるようにしましょう。
また、大学の就職担当者と円滑なコミュニケーションをとるうえでは、大学側がキャリアセミナーや合同説明会を行う時期についても事前に調べておく必要があります。話が滞りなく進むことで信頼関係の構築にも繋がります。
企業側が事前情報を調べてきているかどうかは、会話の中で大学側にも伝わります。当然、何も調べず訪問して来たと思われてしまうと、悪印象に繋がります。
信頼関係の構築のためにも、入念な準備を怠らないようにしましょう。
大学訪問のアポイントをとるメール作成方法
次に、新卒採用の大学訪問のアポイントをとる際に作成する、メールの注意点について解説していきます。
採用活動における大学訪問のアポイントをとるメールでは、大学の就職担当者が見たときに、ストレスなく内容がすんなりと理解できる文面にすることが重要です。
おおまかな構成としては下記の流れです。
・件名
・挨拶
・要件
ひとつひとつポイントを解説していきます。
件名
件名のポイントは、件名だけ見て内容が分かるようにすることです。
悪い例としては、「大学訪問に関して」のような件名です。
「大学訪問に関して」という件名の場合、大学訪問に関しての問い合わせなのか、それとも大学訪問をしたいという要望なのか、件名だけ見て判別をつけることができません。
良い例としては、「キャリアセンターご訪問のお願い|株式会社◯◯採用担当▲▲」のように、件名だけで、どんな要件で、誰が連絡してきたか分かるようにすることです。
挨拶
挨拶に関して丁寧であることは大切ですが、くどくなりすぎないように注意する必要があります。
挨拶文では、まず自分の会社名、部署や役職等、自分が何者であるかは名乗るようにしましょう。
メールで大切なのは本文を伝えることですので、挨拶は2文程度で抑えるようにして、スムーズに本文へ繋げられるようにしましょう。
要件
本文へ入ったら、まず、なぜ連絡をしたのかという要件を簡潔に伝えるようにしましょう。
「この度は、貴学の学生の皆様に弊社求人のご案内をさせていただきたく、ご連絡差し上げました」といったように、要件となる内容を冒頭に述べます。
続けて、要件の中身を具体的に書いていきます。
「訪問の候補日」と「時間」、「訪問時に要する時間」などを明記するようにしましょう。
また、署名欄に自社採用ホームページのURLを記載しておくと、先方に自社のことを分かってもらいやすくなります。
メール例
件名:【キャリアセンターご訪問のお願い】株式会社○○ 採用担当△△
⚫︎⚫︎大学 キャリアセンター ▲▲様
(先方の名前が分かる場合は記載しましょう)
突然のご連絡、失礼いたします。
株式会社○○ 採用担当の△△と申します。
この度、貴学の学生の皆様に向けて当社求人のご案内をさせていただきたく、ご連絡差し上げました。
よろしければ、キャリアセンターのご担当者様に、一度ご挨拶に伺わせていただけませんでしょうか。
差し支えなければ、下記日程のいずれかで、20分程度お時間をいただきたく存じます。
【訪問希望日時】
○月○日(月)〇時~〇時
○月○日(火)〇時~〇時
○月○日(水)〇時~〇時
上記以外に、◯◯様のご希望の日程がございましたら、調整させていただくことも可能ですので、候補日をご提示いただけますと幸いです。
ご多用のところ大変恐縮ではございますが、何卒ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。
(署名)
以上が、ベースのメール例文になります。
また、もし自社にOB・OGがいる際は、その旨もメールに記載すると好意を得られる可能性もあります。
《例》
弊社では、貴学出身の社員が○○名おり、入社3年目、4年目として活躍しております。
各人とも想像力、積極性に長けており、今年もぜひ貴学の学生の皆様から採用させていただければと存じます。
このように、ターゲットとする大学の卒業者が自社で活躍していることを伝え、今年もターゲットとする大学から採用したい意向があることを伝えることで、採用意欲がより伝わり、説得力のあるコミュニケーションをとることができます。
大学訪問のアポイントをとる電話でのトーク例
続いて、アポイントをとるために電話をする際のポイントについて解説していきます。
アポイントの電話についても、メール連絡と同じで、一番大事なことは「要件を簡潔に伝えること」です。
キャリアセンターは常に多忙です。
メールと比較して電話は、突然、職員の時間を奪ってしまう性質があります。そのため、より一層、先方への配慮が必要となります。
電話でアポイントを取る際のトーク例
株式会社⚪︎⚪︎ 採用担当の△△と申します。この度、貴学の〜学部の学生の皆様から採用させていただきたく、ご連絡いたしました。
一度、就職担当の⚫︎⚫︎様にご挨拶させていただくことは可能でしょうか。可能であれば、◯月◯日もしくは◯月◯日のいずれかでキャリアセンターにお訪ねしたく存じますが、ご都合いかがでしょうか。
このように簡潔に要件を伝えるようにしましょう。
もしキャリアセンターの都合が合わない場合は、あらためて日程調整を行うか、先方にPDFなどの資料だけ先に送って確認してもらうようにしましょう。
前述したように、電話というコミュニケーション手段は、突然、相手の時間を奪ってしまう性質があります。
そのため、簡潔かつスムーズに伝える必要があることを意識し、メールで対応可能なものはメールで連絡することも視野に入れておきましょう。
大学の担当者と良好な信頼関係を構築する9つのポイント
1. 初回の大学訪問時は企業説明をしっかりと行う
採用担当者が初めて大学に訪問する際は、「自社の特徴」をしっかりと伝えましょう。
学生が入社して活躍できる会社であることを理解してもらう必要があります。
自社を理解してもらう工夫として、口頭説明に加えて、企業説明の資料をあわせて渡すことも効果的です。
大学訪問での採用活動を成功させる重要なプロセスとなりますので、入念に準備してしっかりと対応していきましょう。
2. 定期的に大学へ足を運ぶようにする
企業と大学の関係性構築も、結局は、担当者同士、人と人としての関係構築がキーとなります。
人と人との関係性を深めるうえでは、一度だけの訪問で深い信頼関係を築くことは難しいといえます。
定期的に大学へ訪問することで、良好な関係性を構築していきましょう。
何度か足を運ぶことで、イベントの準備や目標設定など、企業担当者と大学の就職担当者で同じ方向性を持って話をすすめることができるようになります。
定期的に大学担当者との接点を持つようにしましょう。
3. 大学訪問をする際は大学の下調べを行う
事前準備として、採用担当者が訪問する予定の大学の下調べは重要です。事前知識があるかないかによって、大学にどのくらい興味があるのかが伝わり、大学側が持つ企業の印象は大きく変わります。
大学の特色、学生の傾向など事前にリサーチをしたうえで、キャリアセンターへ挨拶に行くようにしましょう。
4. 同じ採用担当者が訪問する
常に同じ採用担当者が訪問することで、大学との信頼関係を構築しやすくなります。
企業の担当者が変わる場合、引き継ぎをしたとしても、あらためて双方の担当者間で確認すべき事項がでてくるため、大学側としては負担となります。
また、人と人との信頼関係の構築という観点でも、同じ担当者が訪問し続ける効果は大きいといえます。
特段の理由がない限りは、同じ担当者が責任を持って対応するようにしましょう。
5. 自社にOB・OGがいる場合は同行してもらう
自社にOB・OGがいる場合は、大学訪問に同行してもらうことで説得力が高まります。
ターゲットとする大学の卒業生が、現在どのように活躍しているかを伝えることで、大学の担当者にも喜んでもらえ、良好な関係を築くことができます。
自社のOB・OGへの協力を求め、大学訪問に同行してもらいましょう。
6. 長期スケジュールを考えて、大学との関係構築を行う
大学側と関係構築する際は、長期的な視点が必要です。
一度のイベントで終わりとするのではなく、時期を見て他のイベントを主催したり、キャリアセンターのイベントに参加することで大学訪問のパフォーマンスが上がります。
企業と大学で深い関係が築ければ、翌年以降の大学訪問の質を上げることにも繋がります。
長期的な視点を考慮した関係構築を行うようにしていきましょう。
7. 大学訪問後のケアを忘れずに
大学訪問後には、メールや電話でキャリアセンターや就職担当の教授の方へ感謝を伝えるようにしましょう。
また、自社が提供した情報に関して疑問や不安とする点がないかを確認し、もしあれば早急に対応するようにしましょう。
こういった小さな配慮の積み重ねが、深い信頼関係の構築に繋がります。
8. 連絡を滞らせたり、急な対応を求めたりしない
大学と良好な関係を築くためには、大学側の動きにあわせた行動が必要です。
連絡を滞らせたり、急な日程で依頼をするようなことは信頼関係にも大きな影響を及ぼします。
連絡をするタイミングや日程の調整は、先方に配慮したコミュニケーションをとるよう心がけましょう。
9. 大学側のメリットを考える
大学訪問は、自社の採用活動において大きなメリットがあります。
信頼関係を構築するためには、自社だけではなく、大学側にもメリットをもたらす必要があります。
そのためには、大学側の視点に立って、欲しい情報を提供することが重要です。
就職に関わる下記のような情報は、大学側がもらえると嬉しい情報です。
・自社の選考情報
・自社が主催するイベントの情報
・会社見学会などの情報
・インターンシップの募集に関する情報
大学訪問を通しての採用活動は、大学やキャリアセンターの協力なくしては成功もありません。
大学の協力を得るためには、双方に理のある関係を作る必要があります。
大学側が必要な情報提供を行い、良好な関係を築くことができるよう心がけましょう。
まとめ
今回は、新卒採用ぼ大学訪問で大学とコミュニケーションをとる際のポイントについて解説いたしました。
何度かお伝えしている通り、企業と大学の関係構築も、最終的には人と人です。キャリアセンターや就職担当者に信頼されるためには、どのような行動をとるべきかを考える必要があります。
言葉遣い、身だしなみ、配慮ある対応、こういった積み重ねが信頼関係の構築に繋がります。
誠実な対応でキャリアセンターや就職担当者とコミュニケーションをおこない、長期的な関係を築くことで大学訪問のパフォーマンスを高めていきましょう。
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・事前に電話やメールでアポイントを取っておくことがビジネスとしてのマナー
・ターゲットが文系の場合はキャリアセンターもしくは就職支援課に連絡し、理系の場合はターゲットとなる学生が専攻する研究室の教授にアポイントを取るのが主流大学訪問する前には入念な準備が必要
◆大学訪問のアポイントをとるメール
・件名のポイントは、件名だけ見て内容が分かるようにすること
・挨拶は、くどくなりすぎないように注意する必要がある
・本文に入ったら、何故連絡をしたのかという要件を簡潔に伝えるようにする
◆大学訪問のアポイントの電話
・一番大事なことは要件を簡潔に伝えること。メール連絡と同じ。
◆大学の担当者と良好な信頼関係を構築する9つのポイント
1. 初回の大学訪問時は企業説明をしっかりと行う
2. 定期的に大学へ足を運ぶようにする
3. 訪問をする際は大学の下調べを行う
4. 同じ採用担当者が訪問する
5. 自社にOB・OGがいる場合は同行してもらう
6. 長期スケジュールを考えて、大学との関係構築を行う
7. 大学訪問後のケアを忘れずに
8. 連絡を滞らせたり、急な対応を求めたりしない
9. 大学側のメリットを考える