【質問例7選】誰も教えてくれない内定辞退理由の聞き方


【質問例7選】誰も教えてくれない内定辞退理由の聞き方

突然の内定辞退に困惑している…
内定辞退理由の聞き方がわからない…
実際に聞いても本音を語ってくれている気がしない…

こんな悩みを抱えていませんか?

内定を辞退した学生に辞退理由を聞くことは大切です。しかし、いざ実際に聞くとなると、どんなふうに辞退理由を聞けばいいかわからない、という人事の方は意外と多くいらっしゃいます。

そこで本記事では、学生へ内定辞退理由を聞く際の事前準備や実際の質問例、聞く際に注意すべき点などをまとめてお伝えします。ぜひ参考にしてください。

なぜ内定辞退理由を聞くべきなのか?

そもそもなぜ内定辞退理由を聞くべきなのでしょうか。主な目的は3つあります。

・採用プロセスの改善ができる
・採用競合対策ができる
・企業イメージの向上に繋がる

採用プロセスの改善ができる

まず、最大の目的は内定辞退理由を聞くなかで自社の採用プロセスについてのフィードバックをもらい、採用プロセスの改善ができること。実際に選考を受けた学生が感じた声は何よりも貴重な情報源です。

人事が課題に感じていたことが、実は学生にとってはどうでもよく、逆に人事が気にしていなかったところにプロセス改善のポイントが眠っていたというのはよくある話。ただ、学生から聞けた声が本音とは限らないのが難しいところ。

この問題に対する解決策については記事の後半でお伝えします。

採用競合対策ができる

また、内定辞退理由を聞くことで、学生が他の企業を選んだ理由や、他の企業の採用プロセスとの比較を知ることができます。これにより、採用競合に対する自社の強化点や弱点を理解し、人材獲得戦略の最適化に役立てることができます。

【参考】【人事が答えられないとまずい!】学生が気になる質問24選

企業イメージの向上に繋がる

そして、学生と企業の出会いは大切なご縁です。仮に内定辞退をされてしまった学生だとしても、自社の顧客になったり、中途採用で候補者になったりと次も出会う可能性があります。

内定辞退理由を聞くことは、企業をより良くしようとする動きとして学生にポジティブな印象を感じてもらえる可能性が高いでしょう。

ただ、聞き方によっては逆に学生からの心象を悪くしてしまう可能性があるので、実際に聞く際の注意点についても後半で解説します。

内定辞退理由の聞き方【質問例7選】

内定辞退者に聞くべき7つの質問をご紹介いたします。

内定辞退理由を聞く目的として挙げた2つの目的、採用プロセスの見直し・採用競合の理解が達成できるように質問をしていきましょう。

差し支えなければ、どの企業に内定を決めたのか教えていただけませんか?

自社を辞退したということは、他社の内定を承諾している可能性が大きくなります。

もちろん、まだ選考を続けたいと思って辞退をする学生もいますが、他社と比較して自社がどのように学生に映っていたのかは採用を振り返るうえで重要なポイントです。

内定辞退の理由を聞くと「他社に決めました」など当たり障りのない回答をされてしまうことも少なくありません。
そこで、個人情報は社外秘であることは伝えたうえで、どこに決めたのか具体的な社名を聞いてみましょう。

もし具体的な社名を教えてもらえない場合でも、業界や職種を聞いてみましょう。採用競合となる企業が見えてきます。

②その企業の内定を承諾した決め手は何ですか?

次に、社名や業界が確認出来たら、その企業の決め手を聞いてみましょう。

ここでのポイントは「その企業の1番の決め手は何か?」「魅力を感じた点は何か?」など具体的にヒアリングすることです。「なぜその企業に決めたのか?」と聞いてしまうと、「志望度が高かったから」「親に勧められたから」など抽象的な理由が返ってきてしまう可能性があります。

より具体的な内定承諾の決め手をヒアリングできるように工夫しましょう。

③内定承諾をする際に大切にしている点は何ですか?

将来、どういうスキルを身に付けたいのか、どういった業務をしたいのか学生が目指すキャリアを聞いてみましょう。

まずは「〇〇というスキルを身に付けたいのですか?」などのクローズドクエスチョンではなく、「どういったキャリアやビジョンを描いていますか?」などオープンクエスチョンで尋ねたほうが学生が話しやすくなるでしょう。

キャリアやビジョンなど学生が目指すものがヒアリングできたら、それが内定辞退に関係しているのか確認してみましょう。

④どのようなキャリアを目指していますか?

「〇〇を目指している」「◇◇ができる企業に就職したい」など内定辞退した学生、内定承諾した学生それぞれの目指すキャリアが見えてくると、次年度のターゲット選定やペルソナ設計に役立てることができます。

将来、どういうスキルを身に付けたいのか、どういった業務をしたいのか学生が目指すキャリアを聞いてみましょう。

まずは「〇〇というスキルを身に付けたいのですか?」などのクローズドクエスチョンではなく、「どういったキャリアやビジョンを描いていますか?」などオープンクエスチョンで尋ねたほうが学生が話しやすくなるでしょう。

キャリアやビジョンなど学生が目指すものがヒアリングできたら、それが内定辞退に関係しているのか確認してみましょう。

⑤改めてになりますが、ご自身の強みはどこだと考えていますか?

学生が活かしたい強みやスキルと企業が求める人材が合わないと感じる学生もいます。特に、理系学部に所属していて専門的な学習をしている学生は、学んだことを活かして働きたいと考えるようです。

どんな強みや学びを活かしたくて、それがなぜ自社では活きないと感じたのか聞いてみましょう。

⑥弊社のミッションやビジョンは選考中に十分にお伝えできていましたか?

目指したいキャリアや目指せる企業だとしても、その環境が合わないと感じてしまうと内定辞退となってしまいます。

ミッションやビジョンは把握してもらえていたか、HPには掲載されていないような細かな背景まで知ってくれていたかを確認してみましょう。

学生がミッションやビジョンに対してどう考えているのかまで把握できるとなお良いです。

もし学生があまり共感出来ていなかったり、そもそも把握していなかったりする場合は、内定承諾の可能性を減らしてしまっていることになります。

⑦社風や価値観について、選考中に感じて頂けましたか?

オンラインでの選考が主流になってくると社風や価値観をそもそも学生が捉えられていない可能性があります。
選考を通して会社の雰囲気は感じてもらえていたか確認してみましょう。

合わないと感じて辞退している学生がいるのであれば、選考の初期段階から社風や価値観が感じられるようなイベントを開催するなど、早期の段階でミスマッチを防ぐことができます。

また、選考中に面接官や担当者に不信感を覚えたという場合もあります。面接官の態度が問題なかったかも聞いてみると良いでしょう。

内定辞退理由をヒアリングする3つのステップと注意点

対象者の選定

まず内定辞退理由を聞く対象者の選定をしましょう。

・内定出しをしたけど辞退した学生
・最終面接前に辞退した学生

など選考フローが進んでいた学生から優先的に声をかけるようにしましょう。選考フロー全体を通した意見をもらいやすくなります。

対象者が少ない場合は内定者に対して「なぜ内定承諾をしてくれたのか。内定承諾の決め手は何だったのか。」をヒアリングすることもおすすめです。内定者、内定辞退者それぞれの意見を比べることが出来ます。

【関連記事】【その学生、内定辞退してしまうかも!】内定辞退の可能性チェックシート

場所・時間の設定

対象者が選定できたら内定辞退の理由を教えてもらえるよう、学生に電話もしくは面談の場の設定をお願いしてみましょう。メールではなく、電話や面談の場を設定することをお勧めします。

メールの場合、「他社に決定しました」など当たり障りのない理由が返ってきてしまい、なぜ他社に決めたのかなど深掘りをするのが難しくなってしまいます。電話や面談の場合はなぜなのか深掘りをしながら、内定辞退の真意に迫りやすくなります。

選考中の面接や面談と同じように事前に所要時間などを伝え、予約をしましょう。


金券を送る・粗品を渡すなど、時間をもらうお礼を用意したり、内定辞退理由を伝える学生側のメリットを明確にしたりしておくと学生も面談や電話に参加しやすくなるでしょう。

ヒアリング

面談もしくは電話のセッティングができたら、当日のヒアリングです。
まずは、改めて時間を頂戴した御礼とプライバシーの厳守を伝えましょう。

学生が自社を内定辞退し、他社に決定したことを否定や避難することは絶対にしてはいけません。

また、「〇〇だから弊社を辞退したのですか?」などクローズドクエスチョンではなく、「なぜ辞退をしたのですか?」などオープンクエスチョンから始め、学生が話しやすい雰囲気作りを心がけましょう。

【補足】よくある5つの内定辞退理

【事例付き】内定辞退はなぜ多い?辞退理由11選を徹底解説

まとめ

内定辞退の理由は学生によって様々です。採用を振り返るための7つの質問を紹介してきましたが、中にはなかなか本音を語ってくれない学生もいます。

選考中から良好な関係が気づけていれば必ずしもそうではないですが、

・内定辞退理由を聞くのは難しそう
・聞いてみても本音かわからない

といったお悩みをお持ちの方には内定辞退者調査サービスもおすすめです。

第三者という立場を利用すれば、人事には直接伝えづらい内定辞退に関する本音を学生が話してくれる可能性が高くなります。そもそも面談や電話に対応してくれないというお悩みも「第三者であれば」とヒアリングに応じてくれる可能性も高くなります。

日程調整やヒアリング、その後のまとめ資料の作成などの工数も減らせます。人事担当者は内定辞退理由から見えた採用の課題解決といったコア業務に専念することができます。

また、学生が内定辞退した企業に対してネガティブな印象を持っている場合、SNSや口コミサイトに書き込みをしてしまう可能性があります。内定辞退者調査サービスを導入し、第三者に不満を伝えられる環境を整えれば、SNS等への書き込みのリスクを減らせられます。

第三者の立場も活用しながら、次年度の採用がより良くなるような取り組みをしてみてはいかがでしょうか。

【参考記事】内定辞退者調査サービス説明資料