リクルーターが初めて就活生と会う際の大切な心得と注意点とは


リクルーターが初めて就活生と会う際の大切な心得と注意点とは

本選考が本格化していく中、企業の採用担当者以外にも、現場社員の方が、採用のフロントに出る機会が増えるかと思います。例えば、座談会や説明会などのイベント、面談や面接などです。現場社員の方は通常業務と並行した採用活動になるため、つい片手間になってしまう、なんてこともあるのではないでしょうか。

しかし、イベントや面接は、学生にとって一度きりの就職活動の中で最も大事なタイミングであり、その際に受けた企業のイメージはその後も学生の記憶にずっと残ることとなります。そのため、「学生に対していかに好印象を与えられるか」など、学生と接点をとる場合は細心の注意を払う必要があります。学生の気持ちを考えない接し方をしてしまうと、選考を辞退されてしまうばかりでなく、最近はSNSなどで拡散されてしまう可能性もあります。

今回は、採用に携わる現場社員の方向けに、リクルーターとしての心得や注意点をお伝えします。もうご存知のことも多いかと思いますが、ぜひ一読し、改めてチェックしてみてください。

一期一会の気持ちで接する

学生と接するにあたり、この気持ちが一番大切です。こちらにとってはたくさんの学生の中の一人でも、学生にとっては、○○会社の社員として、記憶に残ることとなります。学生の実際の声として、「圧迫面接された」「いやなことを言われた」ことで、もうその企業のサービスや商品を買いたくない、というケースもあるくらいです。今や採用活動とは、企業側が「選考する」だけではなく、学生側も「選ぶ」ことができる状況です。イベントに参加をしてくれたり選考を受けてくれた学生は、ある意味、お客様の一人として接することが大切です。

一期一会の気持ちで接するために、以下について意識しましょう。

1.学生に会う前には、準備をする

座談会や面談・面接など、学生と実際に会う前には、しかるべき準備をして臨みましょう。特に、面接は準備する時間を確保できず、そのまま臨むことも度々あるでしょう。しかし、学生はこの時のために時間をかけて準備をして臨んでいます。その気持ちを汲み取り、こちらもしっかり準備をして臨みましょう。

2.アピアランスや印象に気を配る

学生に会う時には、見た目に気を配りましょう。企業によっては、選考中に学生に対して服装を指定している場合もあります。ですから、企業側も学生に対してどのような印象に映っているのかを想定したうえで、アピアランスに気を配りましょう。また、もちろん表情も重要です。学生は緊張して参加していることがほとんどですので、緊張をほぐし少しでも良い状態で参加をしてもらえるようにしましょう。特に、企業との初対面は学生にとって最も記憶に残るシーンです。採用活動に直接かかわらない社員の方でも、社内で学生と会ったら笑顔で挨拶することを徹底しましょう。

3.「来てよかった」と思ってもらえることを心がける

上記の点に気を付けたうえで、実際に学生と接する際には目的をもって臨みましょう。「選考に進みたいと思ってもらえるよう意欲上げをする」などの目的はあるかと思いますが、前提として「来てよかった、参加してよかった」と思ってもらうことを目的として持ちましょう。この目的があるだけで、学生への接し方が変わってくるはずです。

就職活動生の傾向を踏まえたうえで接し「寄り添う」

前述のような心構えを持ったうえで、実際に学生がどのような傾向や価値観を持っているのかを知り、そこに合わせてコミュニケーションをとっていきましょう。採用や育成の現場で起きる問題の一つに、世代間ギャップからくるコミュニケーションロスなどがあります。ギャップを少しでも埋めるため、就活生の世代について知る努力も必要です。

例えば、現在の就活生の世代には以下のような特徴があります。

1.自分が認められ、貢献できる場所で働きたい

承認欲求が高く、自分をしっかり見て認めてほしいという気持ちがある傾向にあります。そのため学生の話をしっかりと傾聴し、これまでの経験や価値観を認めることが大切です。自分自身を認め、需要してくれる場所に安心感を覚えます。

2.効率的に自分に必要な情報を知りたい

今の就活生は、動画世代、ネット世代です。知りたい情報をピンポイントで探し、自分の判断材料としています。現在、テレビ離れの若者も増えていますが、テレビのように自分が見たいもの以外の情報も発信される媒体より、自分が欲しい情報だけを見ることができるYouTubeが見られている現象に似ています。ですから、学生の志向性を理解したうえで、必要な情報を学生に伝えていきましょう。

また、コロナ禍での就職活動ということで、キャリア観に不安を持つ学生も多い状況です。そのため、どのように自身のキャリアを考えるべきか、どの企業が自分に合っているのかなど模索をしています。そこに対して、寄り添い一緒に考えることができると、学生の就職活動にもプラスとなり、学生にとって忘れられない企業になるかもしれません。巡り巡ってその学生の後輩に企業のことが伝わったり、仮にその学生とご縁がなかったとしても、中途採用や、顧客など取引先としてご縁がある可能性があります。長期的な視点も持ちつつ学生と接していきましょう。

まとめ

◇一期一会の気持ちで接する
1. 学生に会う前には、準備をする
2. アピアランスや印象に気を配る
3. 「来てよかった」と思ってもらえることを心がける
◇就職活動生の傾向を踏まえたうえで接し「寄り添う」
1. 自分が認められ、貢献できる場所で働きたい
2. 効率的に自分に必要な情報を知りたい

 
これまで、リクルーターが持つべき心得や考え方についてお伝えしてきました。まずは、就活生の傾向について理解して寄り添うことが大切です。、さらに、目の前の学生一人一人をしっかりとみて、どのような人なのか、どんな考え方をする人なのかを把握する努力をしながら接点をとることが大切です。

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この記事の監修者:長井 亮

1999年青山学院大学経済学部卒業。株式会社リクルートエイブリック(現リクルート)に入社。 連続MVP受賞などトップセールスとして活躍後、2009年に人材採用支援会社、株式会社アールナインを設立。 これまでに2,000社を超える経営者・採用担当者の相談や、5,000人を超える就職・転職の相談実績を持つ。