採用代行は違法?業務委託でリスクを回避し安全に活用する必須知識
公開日: 2026年02月02日 | 最終更新日: 2026年08月21日

採用業務の負担を減らすために採用代行(RPO)の導入を検討しているものの、「外部に任せると違法になるのではないか」という不安をお持ちではないでしょうか。コンプライアンスが重視される現代において、業務委託の法的リスクを正しく理解しておくことは、人事担当者にとって避けて通れない課題です。
この記事では、採用代行が違法となる具体的なケースと、法律を守りながら安全に活用するためのポイントを解説します。読み終わる頃には、自社がどのような形で外部パートナーと連携すべきかが明確になり、安心して採用活動の効率化を進められるようになります。
採用代行を利用すること自体は違法ではない
採用代行を利用すること自体は、違法ではありません。求人票の作成補助や応募者への連絡、面接日程の調整など、採用活動に伴う業務を外部へ委託することは可能です。
ただし、採用代行会社へ任せる業務の内容や、実際の運用方法によっては、職業安定法上の「委託募集」や「職業紹介」に該当する場合があります。また、業務委託契約を結んでいても、発注企業が採用代行スタッフへ直接指揮命令を行っている場合は、偽装請負と判断される可能性があります。
採用代行が違法かどうかは、サービス名や契約書の名称だけで決まるわけではありません。誰が候補者を募集するのか、誰が採用判断を行うのか、スタッフへ誰が指示を出すのかなど、実際の業務内容をもとに判断されます。
個別のサービスが職業紹介や募集情報等提供事業に該当するか判断できない場合、厚生労働省は都道府県労働局へ問い合わせるよう案内しています。
参考:厚生労働省「募集情報等提供と職業紹介の区分について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/shoukaibosyuukubun.html
採用代行に関係する主な法律
採用代行に関係する主な法律は、職業安定法、労働者派遣法、個人情報保護法です。
職業安定法では、労働者の募集や職業紹介に関するルールが定められています。労働者派遣法との関係では、採用代行スタッフに対する指揮命令の実態に注意が必要です。
また、採用活動では履歴書や職務経歴書、面接の評価などの個人情報を扱います。採用代行会社へ個人情報の取り扱いを委託する場合、委託元の企業には委託先を適切に監督する責任があります。
職業安定法|委託募集と職業紹介
職業安定法では、「委託募集」と「職業紹介」に関するルールが定められています。
委託募集とは、企業が自社で雇用する労働者の募集を、従業員以外の第三者へ任せることです。職業安定法第36条では、報酬を与えて第三者を労働者の募集に従事させる場合、原則として厚生労働大臣の許可を受けなければならないと定められています。
参考:e-Gov法令検索「職業安定法」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000141
一方、職業紹介とは、求人と求職の申し込みを受け、求人企業と求職者の間における雇用関係の成立をあっせんすることです。有料で職業紹介事業を行うには、厚生労働大臣の許可が必要です。
参考:厚生労働省「職業紹介事業」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/shoukainitsuite.html
採用代行会社が求人企業の指示に沿って事務作業を行うだけであれば、直ちに職業紹介へ該当するわけではありません。
ただし、厚生労働省は、事業者が自らの判断で求人情報や求職者情報を選別・加工して提供したり、求人企業と求職者の意思疎通に加工を加えたりする場合は、職業紹介事業の許可が必要になることがあると示しています。
参考:厚生労働省「募集情報等提供と職業紹介の区分について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/shoukaibosyuukubun.html
労働者派遣法|偽装請負と指揮命令
採用代行を業務委託として利用する場合は、発注企業から採用代行スタッフへの指揮命令に注意が必要です。
労働者派遣では、派遣先企業が派遣労働者へ業務上の指揮命令を行います。一方、請負や業務委託では、受託会社が自らスタッフを管理し、業務の進め方を決定することが基本です。
契約書上は業務委託であっても、発注企業が採用代行スタッフへ勤務時間や作業方法、仕事の順番などを直接指示している場合、実態は労働者派遣と判断される可能性があります。
厚生労働省は、労働者派遣と請負のどちらに該当するかは、契約の形式ではなく、実際の指揮命令や業務遂行の実態に基づいて判断すると説明しています。請負の形式を取りながら実態が労働者派遣である場合は、偽装請負として労働者派遣法違反になる可能性があります。
参考:厚生労働省「『労働者派遣・請負を適正に行うためのガイド』について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077386_00020.html
参考:e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=360AC0000000088
採用代行会社へ業務の目的や期限、必要な成果を伝えることは可能です。ただし、個々のスタッフへ日常的に直接指示を出すのではなく、受託会社の管理責任者や窓口担当者を通じて依頼する体制を整えましょう。
個人情報保護法|応募者情報の取り扱い
採用代行では、応募者の氏名、住所、連絡先、職歴、面接評価など、多くの個人情報を取り扱います。
企業は、採用業務に必要な範囲で、個人データの取り扱いを採用代行会社へ委託できます。ただし、委託元である企業には、委託先が個人データを安全に取り扱うよう、必要かつ適切に監督する責任があります。
採用代行会社を選ぶ際は、情報へアクセスできる担当者、データの保管方法、契約終了後の返却・削除方法、情報漏えい時の対応などを確認しましょう。再委託が行われる場合は、再委託先の選定方法や管理体制も確認が必要です。
参考:個人情報保護委員会「個人情報保護法ガイドライン(通則編)」
https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/
また、委託先は、企業から受け取った個人データを委託された業務の範囲内でのみ取り扱う必要があります。採用業務のために受け取った応募者情報を、委託先が独自の営業活動や別のサービスへ利用することは認められません。
参考:個人情報保護委員会「委託先は、委託された個人データを委託業務の範囲を超えて取り扱うことができますか」
https://www.ppc.go.jp/all_faq_index/faq1-q7-38/
採用代行は「委託募集」に該当する場合がある
採用代行へ依頼する業務の内容によっては、職業安定法上の「委託募集」に該当する場合があります。
採用代行会社へ事務作業を任せるだけであれば、必ずしも委託募集に該当するわけではありません。一方、外部事業者が企業に代わって候補者へ応募を働きかけるなど、労働者の募集に従事する場合は、委託募集として許可や届出が必要になる可能性があります。
同じ「スカウト代行」や「求人媒体の運用」でも、委託先がどこまで主体的に候補者へ働きかけるかによって判断が異なります。
委託募集とは
委託募集とは、労働者を雇用しようとする企業が、自社の従業員ではない第三者へ労働者の募集を任せることです。
たとえば、採用代行会社が企業に代わって求人内容を候補者へ説明し、応募するよう働きかける場合は、委託募集に該当する可能性があります。
職業安定法第36条では、企業が自社の従業員以外の者へ報酬を与えて労働者の募集に従事させる場合、原則として厚生労働大臣の許可を受ける必要があると定めています。無報酬で募集を任せる場合には、届出が必要です。
参考:e-Gov法令検索「職業安定法」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000141
委託募集に該当するかは、「採用代行」というサービス名ではなく、委託先が実際に行う業務の内容によって判断されます。
委託募集の許可が必要になるケース
採用代行会社へ報酬を支払い、自社の従業員ではない担当者へ労働者の募集を任せる場合は、委託募集の許可が必要になる可能性があります。
特に注意が必要なのは、採用代行会社が企業に代わって候補者へ求人を説明し、応募するよう主体的に働きかけるケースです。
スカウト業務についても、企業が選定した候補者へ指定された文面を送るだけなのか、採用代行会社が候補者の選定や訴求内容の作成、応募への勧奨まで行うのかによって実態が異なります。
採用代行会社が主体的に募集活動を行う場合は、委託募集や職業紹介に該当しないかを事前に確認しましょう。
参考:e-Gov法令検索「職業安定法」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000141
委託募集に該当しないケース
採用に関する業務を外部へ任せても、委託先が労働者の募集そのものに従事していなければ、委託募集に該当しない場合があります。
たとえば、企業が作成した求人情報を求人媒体へ入力する作業、企業が指定した候補者へ指定されたスカウト文面を送る作業、応募者情報の整理、面接日程の調整などです。
これらは、企業が決定した採用方針や手順に沿って行う事務処理であり、委託先が自ら候補者を募集しているとは限りません。
ただし、同じ業務名であっても、採用代行会社が独自に候補者を選別したり、候補者ごとに情報を加工したりする場合は、職業紹介や委託募集に該当する可能性があります。
厚生労働省は、事業者が求人企業の指定した条件に沿って情報を提供する場合と、事業者自身の判断で情報や提供先を選別する場合を区別しています。
参考:厚生労働省「募集情報等提供と職業紹介の区分について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/shoukaibosyuukubun.html
必要な許可を確認する方法
必要な許可を確認する際は、委託する業務を作業単位で整理しましょう。
「採用業務一式」とまとめるのではなく、求人票の作成、スカウト対象者の選定、スカウト文面の作成、メール送信、応募者対応、書類選考、面接など、実際に依頼する業務を具体的に洗い出します。
そのうえで、採用代行会社が候補者へどのように関与するのかを確認します。委託先が自ら候補者を選別するのか、応募を勧めるのか、求人企業と求職者の間を取り持つのかによって、必要な許可が異なるためです。
有料職業紹介事業の許可は、採用代行会社のWebサイトに掲載された許可番号や、厚生労働省の人材サービス総合サイトで確認できます。
参考:厚生労働省「人材サービス総合サイト」
https://jinzai.hellowork.mhlw.go.jp/JinzaiWeb/
ただし、有料職業紹介事業の許可を持っているだけで、すべての採用代行業務を任せられるとは限りません。依頼する業務が許可を受けた事業の範囲に含まれているか、契約内容と実態が一致しているかも確認しましょう。
個別のサービスが委託募集、職業紹介、募集情報等提供事業のどれに該当するか判断できない場合は、管轄の都道府県労働局へ相談できます。
参考:厚生労働省「都道府県労働局所在地一覧」
https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shozaiannai/roudoukyoku/
採用代行が違法になる可能性があるケース
採用代行は、適切な契約と運用を行えば利用できます。ただし、必要な許可を取得せずに募集や職業紹介を行った場合や、業務委託の実態が労働者派遣となっている場合は、違法と判断される可能性があります。
ここでは、採用代行を利用する企業が注意したい5つのケースを解説します。
無許可で候補者の紹介やマッチングを行う
採用代行会社が求人企業と求職者の申し込みを受け、両者の雇用関係成立をあっせんする場合は、職業紹介に該当します。
有料で職業紹介事業を行うには、厚生労働大臣の許可が必要です。許可を持たない採用代行会社が、自ら候補者を探して企業へ紹介し、採用成立に向けて両者を取り持つ場合は、無許可の職業紹介と判断される可能性があります。
参考:厚生労働省「職業紹介事業」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/shoukainitsuite.html
また、採用代行会社が自らの判断で候補者や求人情報を選別・加工したり、企業と候補者のやり取りに加工を加えたりする場合も、職業紹介事業の許可が必要になることがあります。
参考:厚生労働省「募集情報等提供と職業紹介の区分について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/shoukaibosyuukubun.html
候補者の紹介やマッチングまで依頼する場合は、採用代行会社が有料職業紹介事業の許可を取得しているか確認しましょう。
採用代行会社へ最終的な採否判断を任せる
採用代行会社へ最終的な採否判断まで任せる場合は、委託する業務範囲を慎重に設計する必要があります。
企業が定めた基準に沿って応募書類を整理したり、面接の評価を記録したりする業務は、採用代行へ依頼できます。
一方、採用代行会社が独自の判断で候補者を選別し、求人企業の判断によらず選考に関する連絡まで行う場合、職業紹介に該当する可能性があります。厚生労働省も、事業者が求人企業に代わって採用候補者を選定したり、求人企業の判断によらず選考メールへ返信したりするケースは、職業紹介に該当すると示しています。
参考:厚生労働省「募集情報等提供と職業紹介の区分について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/shoukaibosyuukubun.html
採用代行会社に面接を依頼する場合も、評価項目や選考基準は自社で決め、最終的な採否は自社の責任者が判断する体制を整えましょう。
採用代行スタッフへ発注企業が直接指示を出す
業務委託契約を結んでいるにもかかわらず、発注企業が採用代行スタッフへ直接指揮命令を行うと、偽装請負と判断される可能性があります。
たとえば、発注企業が採用代行スタッフの勤務時間や休憩時間を指定したり、個々の作業方法や順番を細かく指示したりするケースです。
厚生労働省は、労働者派遣と請負のどちらに該当するかについて、契約書の名称ではなく、実際に誰が労働者へ指揮命令を行っているかなどの実態をもとに判断すると説明しています。
参考:厚生労働省「『労働者派遣・請負を適正に行うためのガイド』について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077386_00020.html
業務上の要望や期限を伝える際は、採用代行会社の管理責任者や窓口担当者を通じて行いましょう。常駐型の採用代行であっても、発注企業が個々のスタッフを直接管理しない体制が必要です。
契約書と異なる業務を依頼する
契約書に記載された範囲を超えて採用業務を依頼すると、違法リスクや契約上のトラブルにつながる可能性があります。
たとえば、契約書では面接日程の調整のみを依頼しているにもかかわらず、実際には採用代行会社が候補者を選定し、応募を勧め、選考結果まで決めているケースです。契約内容と実態が異なれば、委託募集や職業紹介に該当するかを正しく判断できません。
応募者情報の取り扱いにも注意が必要です。採用代行会社へ個人データを共有する場合、委託する業務の範囲を明確にし、範囲外で情報が利用されないよう管理しなければなりません。
参考:個人情報保護委員会「委託先は、委託された個人データを委託業務の範囲を超えて取り扱うことができますか」
https://www.ppc.go.jp/all_faq_index/faq1-q7-38/
契約書には、具体的な業務内容、判断権限、指揮命令系統、個人情報の取り扱い、再委託の条件を記載しましょう。依頼する業務を追加する場合は、口頭で済ませず、契約書や仕様書も変更することが重要です。
業務委託でも適法に利用するためのポイントは?
違法となるケースを見てきましたが、これらを回避し、適法にサービスを利用するためにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、コンプライアンスを守りながら採用代行を最大限に活用するための3つの具体的ポイントを紹介します。これらを徹底することで、リスクを最小限に抑えることができます。
最終的な採用決定権を自社で持つ
適法運用の最重要ポイントは、「採用するかどうかの最終決定権」を必ず自社(発注企業)が持ち続けることです。どんなに信頼できるパートナーであっても、この権限だけは委譲してはいけません。
具体的には、書類選考の基準を明確に設定し、代行業者にはその基準に沿った仕分け作業のみを依頼します。迷う案件については必ず企業側の確認を仰ぐフローにしましょう。面接代行を依頼する場合も、代行業者には「評価シートへの記入」や「所感の報告」までを求め、そのレポートを基に合否を決めるのは自社の社員が行うという役割分担を徹底します。
このように「判断の主体は自社」「作業の代行は他社」という線引きを明確にすることで、職業安定法違反のリスクを回避できます。プロセスの一部を任せるとしても、最終的な「Go/No Go」のハンコを押すのは自社であるという意識を忘れないでください。
契約形態と業務範囲を明確にする
トラブルを防ぐためには、契約段階での取り決めが非常に重要です。契約書や仕様書において、委託する業務の範囲を具体的かつ明確に記載しましょう。
曖昧な契約内容(例:「採用業務一式」など)は、責任の所在を不明確にし、なし崩し的に違法な業務まで任せてしまう原因になります。「求人票の作成補助」「スカウトメールの配信代行」「面接日程の調整」といったように、タスクレベルで業務を定義することが望ましいです。
また、指揮命令系統についても契約書に明記しておくべきです。「業務遂行に関する指示は、受託会社の責任者を通して行う」といった条項を入れ、現場での直接指揮を防ぐ仕組みを作ります。定期的なミーティングを設け、そこで業務の方向性をすり合わせる運用にすれば、偽装請負のリスクを減らしつつ、スムーズな連携が可能になります。
職業紹介免許を持つ業者を選ぶ
より安全に、かつ柔軟に採用支援を受けたい場合は、「有料職業紹介事業」の許可を持っている採用代行業者を選ぶのが有効な解決策です。この免許を持つ業者であれば、職業安定法の規制対象となる「候補者の推薦」や「スカウト」などの業務も、法的に認められた範囲で行うことが可能になります。
免許を持つ業者に依頼するメリットは、単なる事務代行だけでなく、母集団形成のための積極的なアプローチも任せられる点にあります。契約形態も、業務委託契約と職業紹介契約を組み合わせるなどして、法令を遵守した形での包括的なサポートを受けることができます。
業者が免許を持っているかどうかは、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で検索するか、業者のWebサイトに記載されている許可番号(例:13-ユ-000000)を確認することで簡単に判別できます。コンプライアンスを重視する企業にとって、この許可番号の有無は重要な選定基準の一つとなるでしょう。
信頼できる採用代行業者を選ぶ基準は?
最後に、安心して任せられるパートナーを見極めるための選定基準についてお話しします。採用代行サービスを提供する企業は数多く存在しますが、その品質やコンプライアンス意識にはばらつきがあります。以下の観点でチェックを行うことで、リスクの低い優良な業者を選ぶことができます。
法令遵守の体制と実績を確認する
まず確認すべきは、その業者が法律を正しく理解し、遵守する体制を持っているかどうかです。商談の際に、「御社では偽装請負にならないようにどのような運用をされていますか?」や「職業安定法への対策はどうなっていますか?」と直球で質問してみるのも一つの手です。
しっかりとした業者であれば、これらの質問に対して明確で論理的な回答を持っています。「指揮命令系統を分けるために、御社との窓口担当を一本化します」や「合否判定は御社にお願いしています」といった具体的な運用ルールを提示してくれるはずです。逆に、言葉を濁したり、「全部任せて大丈夫です」と安易に答えたりする業者は避けたほうが無難でしょう。
また、同業種や同規模の企業での支援実績も重要な指標です。実績が豊富な業者は、様々なケースでの適法運用ノウハウを蓄積しており、トラブルを未然に防ぐための知見を持っています。
セキュリティ対策の質をチェックする
採用活動では、応募者の履歴書や職務経歴書、面接の評価記録など、極めて機密性の高い個人情報を扱います。そのため、代行業者の情報セキュリティ対策が十分であるかは非常に重要なチェックポイントです。
以下の表にあるような公的な認証を取得しているか、または同等の管理体制があるかを確認しましょう。
| チェック項目 | 内容 | 重要性 |
| Pマーク(プライバシーマーク) | 個人情報の適切な保護体制を証明する認証 | 必須に近い |
| ISMS(ISO27001) | 情報セキュリティ全体の管理体制に関する国際規格 | 信頼性が高い |
| データの授受方法 | 暗号化通信やセキュアなクラウドストレージの使用 | 実務上の安全性 |
| 秘密保持契約(NDA) | 情報漏洩時の責任範囲などを定めた契約 | 契約前に締結必須 |
個人情報の漏洩事故は、企業の社会的信用を失墜させる重大なリスクです。セキュリティ対策への投資を惜しまない業者は、総じてコンプライアンス意識も高く、信頼できるパートナーである可能性が高いと言えます。
まとめ
この記事では、採用代行(RPO)を業務委託で利用する際の違法リスクと、それを回避して安全に活用するためのポイントについて解説してきました。最後に、今回の重要ポイントを整理します。
- 採用代行自体は「業務の処理」を代行するものであり、適切な運用を行えば適法である。
- 「合否判断の丸投げ」「許可なきスカウト」「直接の指揮命令(偽装請負)」は違法リスクが高いため絶対に避ける。
- 採用決定権は自社で持ち、業務範囲を明確にした契約を結ぶことが安全運用の鍵となる。
- 有料職業紹介免許を持つ業者や、セキュリティ体制が整った信頼できるパートナーを選ぶことでリスクを低減できる。
採用業務のアウトソーシングは、正しく活用すれば企業の成長を加速させる強力な武器になります。法的なルールを恐れすぎるのではなく、正しい知識を持ってリスクをコントロールすることが大切です。まずは自社の採用課題と照らし合わせ、どの業務を切り出すべきか、契約内容はどうあるべきかを整理することから始めてみてはいかがでしょうか。安全で効率的な採用体制の構築に向けて、最初の一歩を踏み出してください。
この記事の監修者:
1999年青山学院大学経済学部卒業。株式会社リクルートエイブリック(現リクルート)に入社。 連続MVP受賞などトップセールスとして活躍後、2009年に人材採用支援会社、株式会社アールナインを設立。 これまでに2,000社を超える経営者・採用担当者の相談や、5,000人を超える就職・転職の相談実績を持つ。







