「自分たちも選ばれる側」採用への共通認識を育てた面接官トレーニング

「採用は人事だけではなく、現場社員とともにつくるもの」
そう考えながらも、日々の業務に追われる中で、現場社員を巻き込んだ採用活動の実現に難しさを感じている企業は少なくありません。企業のオリジナルグッズのODM、OEMの企画・製作を手がけるユニファースト株式会社もその一社でした。
同社では新卒採用において、各部門の部課長クラスが二次面接を担当していました。しかし、面接官ごとに求める人物像が異なり、採用に対する考え方や評価基準の共通認識づくりが課題となっていました。
そこで導入したのが、アールナインの面接官トレーニングです。単なる面接スキルの向上ではなく、「自分たちが未来の仲間を採用する」という考え方を共有し、採用に対する共通認識を育むことを目的に実施しました。研修後には、面接官から採用要件を自発的に議論する動きも生まれました。
今回は採用を担当する池田様に、導入の背景や研修後の変化についてお話を伺いました。

| 会社名 ユニファースト株式会社 |
| 事業内容 ・企業のオリジナルグッズのODM ・OEMの企画・製作 ・セールスプロモーション支援 |
| 従業員数 69名(2026年4月時点) |
| 導入サービス 面接官トレーニング |
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・対象:二次面接を担当する部課長クラス(計10名)
・実施時間:4時間
・実施形式:対面開催
・実施体制:メイン講師1名+グループファシリテーター1名
・内容:面接の基本知識/傾聴の基本概念とテクニック/見極めの基本とポイント/ロールプレイング
事業内容
お客様の“つくりたい”を形にするものづくり企業
―貴社の事業内容を教えてください。
池田様:当社は、企業のオリジナルグッズのODMやOEMの企画・製作を中心に、お客様のセールスプロモーションを支援しています。既製品を販売するのではなく、「こんなものを作りたい」というお客様の想いを形にする仕事です。商品の企画から製作、納品まで一気通貫で支援しており、お客様ごとに異なる課題や要望に合わせた提案を行っています。
そのため営業にも、商品を売る力だけではなく、お客様の話を聞きながら一緒にアイデアを形にしていく提案力やヒアリング力が求められます。採用においても、既存の商品を販売することに魅力を感じる方より、お客様と一緒に価値を創り上げることに面白さを感じる方を求めています。
―現在の採用体制について教えてください。
池田様:当社には独立した人事部門がないため、私が一人で新卒・中途採用を担当しています。一次面接を採用担当、二次面接を各部門の部課長クラス、最終面接を代表と役員が担当する体制です。
導入背景
「新卒採用は未来への投資」だからこそ生じていた面接官同士のズレ
―今回面接官トレーニングを検討された背景を教えてください。
池田様:新卒採用は当社にとって「未来への投資」だと考えています。3年後、5年後に会社のリーダーとなってくれる人材を採用したい。そのため、単なるスキルや経験だけではなく、相手の意図を汲み取る「会話のキャッチボール」や、相手の話を理解しようとする姿勢を重視しています。
毎年応募者数が増えており、二次面接を担当する部課長クラスの役割もこれまで以上に重要になっていました。その一方で、面接官ごとの考え方や判断基準には少しずつズレも感じていました。面接の知識や心構えを統一し、面接官同士の「基準の目線合わせ」をしたいと考えたことが、面接官トレーニングを検討したきっかけです。
―具体的にどのような課題やズレがあったのでしょうか?
池田様:全社共通の体系立てた面接官向けの研修機会がなかったため、心構えや知識を統一できていませんでした。
質問項目自体は用意していましたが、「なぜその質問をするのか」「何を見極めるのか」といった背景までは十分に共有できていたわけではありませんでした。
また、当社は幅広い業界のお客様と取引があるため、面接官によって理想とする人材像にも違いがありました。担当する顧客や業界が異なれば、求める人物像も変わります。そのため、自分が良いと思った候補者と、他の面接官が良いと思う候補者が一致しないこともありました。
さらに、最終面接は代表・役員が担当するため、二次面接を担当する部課長クラスの中には、「最終面接で総合的に判断を委ねよう」という意識も一部で見受けられました。
導入の決め手
合宿も検討したが、「学びながら認識を揃える」研修を選んだ
―研修以外の方法も検討されていたのでしょうか?
池田様:実は合宿も検討していました。ただ、部課長クラス全員のスケジュールを合わせることが難しかったんです。
また、自分たちだけで集まって勉強しても、なかなか身になりにくいとも感じていました。それであれば、外部のプロから学びながら認識を揃える方が良いのではないかと考え、研修という形を選びました。
―その中で、なぜアールナインを選ばれたのでしょうか?
池田様:他社の研修はシステマチックな面接スキルやテクニックを体系的に教える印象がありました。もちろんそれも大切ですが、私たちが求めていたのは手法そのものではありませんでした。
一番期待していたのは、現場の部課長クラスが採用活動に臨む際に、「自分たちが未来の仲間を採用するんだ」という意識を強めてもらうことです。
また、「候補者を選ぶ側」であると同時に、「自分たちも選ばれる側である」という視点を持ってほしいとも考えていました。
評価基準や要件定義を整理することも検討していましたが、そもそも面接官として何を見て、どう評価するのかという土台が揃っていなければ意味がありません。まずは意識や考え方を揃えることが先だと考えました。
加えて、アールナインさんは採用現場への理解や、人とのつながりに関する知見が豊富だと感じました。自社の課題に合わせて実践的なアプローチをしていただける点に魅力を感じました。
研修内容について
候補者の立場を体験したからこそ、気づけたこと
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本研修は、事前ヒアリングをもとにユニファースト様の採用課題を整理したうえで設計。面接官としての心構えや見極めのポイントに加え、候補者体験や評価品質の向上につながる実践型プログラムとして実施しました。
講義やロールプレイを通じたスキル習得に加え、受講者同士が採用について対話し、認識を揃える機会となるよう構成。受講後のアンケートでは、「こちら側も見られていること。そのうえで判断を行わなければならないこと」といった気づきや、「当社が求める人材の基準を設定する必要性に気づいた」といった声も寄せられました。
―実際に受講して印象に残った内容はありましたか?
池田様:面接官役と候補者役に分かれて行ったロールプレイングです。候補者の立場を体験することで、「面接を受ける側はこう感じるんだ」「こういう対応は安心感につながるんだ」という気づきがありました。
また、外部のファシリテーターの方がワークに入って率直にフィードバックしてくださったことも印象的でした。第三者だからこそ言える指摘があり、受講者も真剣に向き合っていたと思います。
研修全体を通じて、「事実と所感を分けて評価する」という考え方も非常に参考になりました。それまでは感覚的な評価になってしまうこともありましたが、評価の根拠を整理する重要性を改めて学ぶことができました。
研修後の変化
面接官同士で、採用要件を議論する文化が生まれた
―研修後に感じた変化はありますか?
池田様:一番大きかったのは、受講した部課長クラスから自発的に「人材要件を整理しよう」という声が上がったことです。これまでも候補者について話し合うことはありました。ただ、「どんな人材を採用したいのか」「何を重視するべきなのか」という議論まではできていませんでした。
研修後は、採用で重視するポイントについて話し合う機会が増え、人材要件そのものを考えるようになっています。
「企業も選ばれる側」という視点が、面接官の意識を変えた
―実際の選考業務での変化はありましたか?
池田様:面接室に入ってきた応募者を立ってお迎えしたり、お見送りの仕方を見直したり、面接後すぐに評価メモを残したりと、候補者体験を意識した行動変化が見られました。面接の場だけでなく、候補者との接し方そのものを考えるきっかけになったと思います。
また、以前は二次面接を合格とした理由の表現が不明瞭なケースもありましたが、研修後は申し送り内容が以前より明確に伝わるようになってきています。
どんな企業におすすめしたいか
第二創業期の企業にこそおすすめしたい

―今回の面接官トレーニングは、どのような企業におすすめだと思いますか?
池田様:第二創業期のようなタイミングにある企業には特におすすめだと思います。若い社員とベテラン社員が混在していて、これまで培ってきたやり方やノウハウはある。ただ一方で、採用市場や働く人の価値観は変化しています。
既存のやり方が間違っているわけではありませんが、そこに今の時代に合った考え方や手法を取り入れることで、さらに良くなる部分もあると思うんです。
当社もそうでしたが、採用について改めて考えたり話し合ったりする機会は多くありませんでした。今回、部課長クラスが一堂に会して研修を受けたことで、採用活動について共通認識を持つきっかけになりましたし、「採用活動は大事なことなんだ」という意識を共有できたことも大きかったですね。
―最後に、今回の研修を振り返って一言お願いします。
池田様:一言で表すなら「ゆでたまご」ですかね。
すぐに何かが劇的に変わるというより、研修の熱気に当てられて、少しずつ熱が入って現場が変わり始めている感覚です。実際に、面接への向き合い方が変わり、「自分たちで要件を考えよう」という空気も生まれています。



