【人事必見】面接官トレーニングで採用力底上げ!見極めと魅力づけのスキルを極める研修の具体的な方法とは?
近年、企業の採用活動が激化するにつれてさまざまな採用課題を抱える企業が増えてきています。
「選考中の辞退者数が多い」
「応募者の人柄やスキルを上手く聞きだせずに企業とのミスマッチが起きている」
「面接官によって応募者評価にばらつきがある」
「面接官の対応に関する応募者の評価が低い」
このような課題にお悩みではないでしょうか。
これらの要因の1つとして面接官のノウハウ不足が考えられます。面接官が面接に不慣れでは、応募者を見極めることも、応募者に選ばれることも難しくなってしまいます。
そこで本記事では、面接官トレーニングで押さえておきたいポイントや具体的なトレーニング方法を詳しくご紹介します!
面接経験の浅い若手社員だけでなく通常業務で忙しい中堅社員にも効果的なトレーニング方法を取り入れ、優秀な面接官の育成に繋げていきましょう。
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面接官トレーニングの目的
面接官トレーニングを行う目的は、面接官の目線を統一し、適切な評価軸を基に優秀な人材を獲得するスキルを身に着けさせることです。
優秀な人材を獲得するためには、まず応募者に企業の魅力を感じてもらえるような面接をしなければなりません。実際に約6割の応募者が面接をきっかけに企業への入社意欲を高めた経験があるといわれています。
面接官は応募者を「選ぶ」ことに注力しがちですが、最も大切なのは応募者から「選ばれる」面接を行う事なのです。そのために優秀な応募者を惹きつけるような力を養うことが、面接官トレーニングを行う目的です。
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面接官トレーニングで研修したいポイント
面接官トレーニングで前述した目的を果たすためには、以下のポイントを押さえるといいでしょう。
1. 面接の流れ
2. 質問力
3. 傾聴力
4. 自分を客観的に見る力
5. 応募者を見極めるポイント
6. 適正な評価軸
7. ミスマッチを防ぐためのポイント
8. 採用面接官として知っておきたい心理効果
9. 採用面接官に求められる心構え
10. 採用面接官がしてはいけないこと
1. 面接の流れ
面接本番を迎える前に、面接の流れを理解しておきましょう。面接の流れが頭に入っていなければ、当日スムーズに対応をすることはできません。
基本的には、以下のような流れで進めていきます。
【1】アイスブレイク
【2】自己紹介・応募者と企業のすり合わせ
【3】求職者への質問
【4】応募者からの質疑応答
【5】合否連絡や入社の段取りなど事務的な説明
【1】アイスブレイク
緊張したまま本心を話してもらうことは難しいため、少しでもリラックスできるようアイスブレイクが必要です。
触れやすい話題で会話をすることにより、場に慣れ、応募者の緊張は解けていきます。
【2】自己紹介・応募者と企業のすり合わせ
アイスブレイクの後は、面接の本題に入る前に自己紹介と応募者のすり合わせを行いましょう。自己紹介は、応募者より先に面接官が行うと応募者の緊張をほぐしやすくなります。
氏名や会社での役職、業務内容を簡潔に話すといいでしょう。
また、企業がどのような状況で、どういった人材の獲得を求めているかを伝えることで応募者のイメージと相違がないか確認できます。
【3】応募者への質問
志望動機や転職理由(退職理由)、(自社を選んだ理由、)自社でやりたい仕事などについて質問をしていきましょう。
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【4】応募者からの質疑応答
応募者の質問内容も、自社への興味やモチベーションを測る判断材料になります。自社で働くイメージを強く持っている応募者ほど、業務の具体的な内容や、自社で抱える課題に深い関心を持っています。
また、応募者からの質疑応答を受けることで、応募者の不安を解消し、自社を選んでもらいやすくなるという利点もあります。
【5】合否連絡や入社が決まった際の話など事務的な説明
最後に、合否の連絡時期や連絡方法、入社が決まった際の大まかな流れなどについて説明を行っていきましょう。
面接の最後には必ず感謝の言葉を伝え、応募者を送っていくことが大切です。
2. 質問力
応募者の本心を引き出したり本質を見抜いたりするためには、質問力が必要不可欠です。
質問力とは、応募者の話す「成果」に惑わされず、その裏側の「行動特性」を引き出す力です。
例えば「バイトで売上を3倍にした」などと聞くと、非常に優秀な学生に思えてしまうかもしれません。しかし、実際は「言われたことをやっていただけ」「同じ店舗に優秀なメンバーがいた」などの可能性があります。面接で真偽を確かめることはできません。
「その取り組みは何人で行ったのか」
「その成果のために、具体的に何をしたのか」
「あなたはどんな役割だったのか」
「具体的にどんな行動・工夫をしたのか」
これらを深堀することで応募者の行動特性を引き出し、アピールしてきた成果に再現性があるかを見極めることが重要です。
ロールプレイングでアウトプットを繰り返し行い、質問力を定着させていきましょう。
3. 傾聴力
採用面接は、面接官と応募者が互いを選ぶために双方向でコミュニケーションをとる場です。そのため、しっかりと応募者の話を聴く能力が求められます。
失敗例として、面接の会話例だけを参考にし、表面的な話しかできなかったという話を耳にすることもあります。
双方が納得感を得ることができる本質的な会話をするためには、まずは相手の話を聴き、相手の発信した情報から対話を展開していくことが必要です。
あいづち、頷きなどのテクニックなども交え、相手が気持ちよく話せるように聴けるテクニックを身につけていきましょう。
4. 自分を客観的に見る力
面接官も一人の人間のため、無意識に自分の好き嫌いを優先させたり、面接官自身と境遇の近い応募者に共感・優遇してしまうこともあります。後述する「ハロー効果」や「確証バイアス」がその大きな例です。そのため、採用面接官は自分を客観的に見る力を養う必要があるのです。
客観的に見る力を養うためには、下記3点のポイントを重視しましょう。
【1】人間は主観的に判断してしまう性質があることを知る
【2】心理学の知識を深め、面接中に起こる心理効果を理解する
【3】面接中に自分を俯瞰し、自分に今どんな心理効果が働いているか確認する癖をつける
【1】人間は主観的に判断してしまう性質があることを認める
前述した通り、人間は主観的に判断してしまう性質があります。平等・公平にしなければいけないとわかりつつも、自分の好き・嫌いは生まれてしまうものです。
まずは、人間は完全ではないということを認識する必要があります。人間が不完全であることを認識できれば、とるべき対策も見えてきます。
【2】心理学の知識を深め、面接中に起こる心理効果を理解する
人の行動や判断の裏には、様々な心理効果が働いています。心理効果を理解することで、自分の考えの偏りを補正することができます。
誰もが持つ心理特性を知ることで、自分の行動や判断を客観的に見ることができます。
余力のある方は基礎的な心理学を学び、自他の行動特性を理解できるようになると、偏りのない客観的視点で応募者を見極めることができるでしょう。
面接官が把握しておきたい心理効果については後述します。
【3】面接中に自分を俯瞰し、自分に今どんな心理効果が働いているか確認する癖をつける
心理学の知識を深めた後は、面接中、自分に今どういう心理効果が働いているか確認する癖をつけましょう。
自分の視点だけで見るのではなく、俯瞰的に自分を見ることが必要です。客観的な目線から、自分の判断に偏りはないかという視点を常に持つようにしましょう。
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5. 応募者を見極めるポイント
実績を出していることが応募書類上に記載されているからといって、自社でも活躍を期待できると思うのは少し危険です。上記の「質問力」でもお伝えしたように、実績を出すための思考や判断軸など、本質的な行動特性を確かめていくことが必要です。
6. 適正な評価軸
採用面接官として採用可否の判断をする際、確かな評価軸で判断できる能力が必要です。採用活動の目的や採用ペルソナから評価軸を設定し、軸に沿った評価をしていかなければなりません。
評価軸を自分に落とし込むにあたり、文字ベースで読んだだけでは相違が生じる可能性があるため、必ず上司や人事とコミュニケーションをとり評価軸のすり合わせを行い、自分に落とし込んでいくようにしましょう。
また、評価軸は表面的なものでは意味がありません。行動特性を判断できる、コンピテンシー評価であるかという視点も持つようにしましょう。
7. ミスマッチを防ぐポイント
採用面接において、誤った採用判断をすれば、自社にとっても応募者にとっても良い結果とはなりません。採用面接官は、ミスマッチを防ぐポイントについても押さえておきましょう。
ミスマッチをしないためには、感情的な判断をしていないか、1つの側面だけで判断していないか、応募者のニーズと自社の環境はマッチしているか、というようなポイントに注意しながらマッチングを確かめることが必要です。
8. 採用面接官として知っておきたい心理効果
前項でも解説しておりますが、採用面接官は心理学の知識を深めることも必要です。応募者の行動の裏にある心理効果、自分が採用判断をするにあたってどのような心理効果が働いているのかを考えることが大切です。心理効果の例としては、「ハロー効果」や「確証バイアス」があります。
「ハロー効果」は、1つの側面の影響を受け、全ての印象を決めてしまう効果です。例えば、人に1つ優れた面があると、他の面も優れているのではないかと錯覚してしまったり、逆に劣っている面があると全てが劣っていると感じてしまうような効果です。
「確証バイアス」という心理効果も有名です。確証バイアスは、自分の仮説に沿った情報ばかりを、偏って集めてしまう状況を指します。
本来は、逆説も含めフラットに情報を集めなければ適切な判断はできませんが、確証バイアスが働くと偏った情報収集のもと判断をしてしまいます。
面接の質を高めるためにも、心理学の知識を深めていくようにしましょう。
9. 採用面接官に求められる心構え
採用面接官として面接に臨む前に、必ず自身の役割を理解し、しっかりとした心構えを持っておきましょう。
採用面接官は、企業の顔です。企業を代表しているという自覚を持ち、しっかりと心構えを持って面接に臨むようにしましょう。
SNSの普及により、面接の内容や面接官の態度などはリアルタイムで発信されるリスクがあります。オンライン面接の需要が増加し、録画や億音も簡単に行える時代になりました。
応募者に、SNSでの発信や録画・録音を制限したとしても、常にされているという意識で面接に臨みましょう。
10. 採用面接官がしてはいけないこと
採用面接官がしてはいけないことも、必ず理解しておきましょう。質問の内容、面接での態度によっては、自社のイメージを損なうことになります。
最悪の場合、ハラスメントとしてトラブルになる可能性もあります。やってはいけない行動、聞いてはいけない質問など、NG行動については必ず事前にトレーニングで習得しておくようにしましょう。
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トレーニングのゴールを明確に持って受講してもらう
採用面接官のトレーニングを実施する際は、必ずトレーニングのゴールを意識してもらいましょう。具体的には以下のようなものです。
・面接官の役割を認識し、しっかりとした心構えを持つ
・採用面接の流れとポイントを理解し、自信を持って面接に臨めるようになる
・求職者を見極める力を養い、自社に必要な人材を獲得できるようになる
ゴールを認識せず、ただ受講してもトレーニングの意味はありません。明確なゴールを持ち、トレーニングの目的を達成できるようにしましょう。
面接官トレーニングの具体的な手法
ロールプレイング
ロールプレイングでは実践力の定着や課題の客観的把握が期待できます。
効果的な方法としては、3人1組になり、面接官役、応募者役、オブザーバーにそれぞれ分かれて行うやり方があります。
事前に募集職種や応募者の年齢、経験など、できる限り具体的に条件を設定し、それを応募者役にのみ伝えます。
面接官役は、傾聴のテクニック・エピソードを深堀するような質問の仕方を意識することで、実践的な傾聴力・質問力を身に着けられます。
応募者役は、応募者視点から面接官役を見ることで、客観的に面接官を見ることができ、効果的な面接の方法を自分に置き換えて考えることができるでしょう。
最後にオブザーバーからフィードバックを貰うことで改善点を把握します。
このロールプレイングは、顔見知り同士で行うと、実践に近いとはいえ緊張感が欠如してしまう可能性があります。本番と同じ気持ちでほどよく緊張感を持つように注意しましょう。
集合研修・セミナー
集合研修とは採用コンサルタントやキャリアコンサルタントなどの採用のプロを講師として行う座学面接官トレーニングのことをいいます。
履歴書の読み方や評価方法、マナーなど面接に関する基礎知識を網羅的に学ぶことができます。
人材コンサルティングや採用代行の会社が面接官トレーニングを開催していることが多いので、自社に足りていない知識は何かを明確にしたうえで依頼するといいでしょう。
オンライン面接のトレーニング
近年は、コロナ禍の影響もありオンライン形式の面接を導入している企業も少なくありません。オンライン面接には対面の面接とは異なる注意点や評価軸があります。
オンライン面接を取り入れている企業は面接官が対面との違いを理解し、面接をスムーズに実施できるよう、オンライン面接用のトレーニングを行いましょう。
具体的にはオンライン面接用のツールの使い方やスピーカーやマイクなど面接中に不具合が起こる可能性のある機器の操作方法、応募者の視線や背景などオンライン面接ならではの評価項目などを取り入れるといいでしょう。
面接官トレーニングの注意点
効果的な面接官「トレーニングを行ううえでいくつか注意点があります。
【1】定期的に内容を更新する
【2】効果測定を行う
【3】設定を用意する
【4】面接官にやる気を持たせる
定期的に内容を更新する
採用方法が多様化している最近は、毎年常に新しい採用面接を取り入れる企業も多くあります。面接方法が変わると、それに伴い、求められる面接スキルも異なります。
自社が来期に採用する、面接手法に合わせてトレーニング内容も常にアップデートしていくことが重要です。
効果測定を行う
面接官トレーニングを行ったことによって正しく効果が発揮されたのかを必ず確認しましょう。
効果が出ていないトレーニングを何度やっても意味がありません。効果測定を行うことでトレーニング内容の課題を把握し、内容更新に役立てられるため、一定の期間を空けて、効果測定を行うことが重要です。
応募者が増えた、面接後の応募者のエンゲージメントが高まった、辞退者数が減ったなど目に見えて効果を測定できる場合もありますが、これには時間がかかる可能性があります。
効果を可視化できない場合は、実際に面接を担当した面接官に手ごたえや評価をアンケートすることもいいでしょう。
設定を用意する
面接官トレーニングの内容によっては、実際の面接を想定した実習を行う場合があります。
より実践に近い形でトレーニングをするために、応募者のペルソナや選考のフェーズなど詳細な設定を用意するといいでしょう。
応募者役になった人は役になりきることで、応募者視点から面接官の態度やスキルを学ぶことができます。
面接官にやる気を持たせる
面接官を担当するのは人事担当者や若手社員だけではありません。応募者の選考が進むにつれて、担当面接官は役職についた中堅の社員以上が担当することが一般的です。企業によっては最終面接を社長が行う場合もあるでしょう。
ある程度面接経験のある社員は自分の経験値ややり方に自信を持ち、面接官トレーニングに対して後ろ向きな考えを持つ可能性があります。
面接経験が浅く緊張している社員にも、中堅社員にも同じようにやる気を持たせるようなトレーニング内容にすることが大切です。
また、中堅以上の社員は複数の業務を抱えていて忙しい可能性もあるので、トレーニングに参加してもらえるように日程調整にも注意しましょう。
まとめ
今回は、面接官トレーニングについて目的や押さえておきたいポイント、面接官トレーニングの効果的な実施方法をご紹介しました。
面接官トレーニングを行うこと自体は短期間で可能ですが、その効果が発揮されるには時間がかかります。
定期的に効果測定を行い、常にトレーニング内容を見直すことと面接官にやる気を持たせ続けることが大切です。
しかし、質の高い面接官トレーニングを自社で行うことは簡単ではありません。採用市場のトレンドを常に把握し、面接官トレーニングに組み込み、その効果を測定するためにはノウハウと時間が必要です。
自社にノウハウと面接官トレーニングに割く時間がない場合は、人材サービスなど、プロに依頼することが有効です。
アールナインでは、年間30,000件超の採用実績を有する採用のプロフェッショナルによる面接官トレーニングサービスを提供しています。
若手の面接官の育成から経営層の意識改革、面接官の採用力の底上げまで面接官トレーニングを行うことで、さまざまな面接官育成の課題を解決します!
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