中途の採用手法にはどんな種類がある?それぞれのメリット・デメリットを徹底比較!
中途で人材を募集するとき、どんな採用手法があるか、そのすべてを理解していますか?
今回は現在の代表的な採用手法を網羅的に紹介し、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
中途の採用手法11選
すでに社会人として働いた経験があり、専門知識やビジネスマナーを身につけた人材を雇用する、中途採用。
新卒採用とは目的やプロセスが異なるため、別物として考える必要があります。
まずは中途の採用手法にどんなものがあるか、11種類を紹介します。
- 人材紹介
- ハローワーク
- 求人サイト
- 求人検索エンジン
- 逆求人サービス
- 人材派遣
- 自社サイト・採用サイト
- ソーシャルリクルーティング
- リファラル採用
- 転職イベント
- 求人チラシ
人材紹介
1つ目の中途採用手法は、人材紹介です。
人材紹介会社には、大きく分けて下記3つのタイプに分類されます。
・一般紹介・登録型
・サーチ・ヘッドハンティング型
・アウトプレースメント型・再就職支援型
「一般紹介・登録型」はもっともよくあるタイプで、職を探している人材と、採用募集をかけている企業をマッチングさせます。
業界や分野に特化した会社もあれば、あらゆる年齢や業界の人材を有する総合型の会社もあります。
「サーチ・ヘッドハンティング型」は、企業が求める人材のスキルや経験、年齢、属性などを人材会社に情報共有し、それに見合った人材をスカウトしてもらうというタイプです。
経営層の募集や、珍しいスキルを要する募集、高難易度な資格取得者を求める募集など、一般的には見つけにくい求職者を探すことができます。
「アウトプレースメント型・再就職支援型」は、倒産や事業縮小などによる失職者を出す企業から、人員を集めるタイプです。
アウトプレースメント型・再就職支援型の人材紹介会社と提携しているのは大手企業が多いため、大きな企業で活躍していた実績のある人材を獲得できます。
ハローワーク
2つ目の中途採用手法は、ハローワークです。
各自治体に設置されたハローワークのサービスは、すべて無料で利用することができます。
また、ハローワークを通じて人材を採用すると、補助金を受け取れる可能性もあるのです。
手続きも簡単で、事業所情報を登録したら求人情報を作り、ハローワーク窓口にて登録します。
ここでハローワークからの内容確認を受け、問題がなければ求人情報が公開されます。
しかし人材紹介会社と違い、担当者が求職者に自社を薦めてくれることはないので、仕事内容や待遇の魅力が薄ければ人が集まりにくい点はネックといえるでしょう。
求人サイト
3つ目の中途採用手法は、求人サイトです。
求人サイトとは、オンライン上に求人情報を登録し、企業と求職者をマッチさせるサービスです。
代表的な求人サイトには、リクナビNEXTやマイナビ転職、dodaなどがあります。
大手の求人サイトは登録者が多く、1,000万人を超えるものもあります。
文章だけでなく、画像や動画も載せられますし、プランによっては自社の求人ページをデザインして他社のページと差別化できます。
全国の求職者を対象にできる点もメリットですが、応募者とのやり取りなど、各手続きが煩雑になりやすいという特徴もあります。
求人検索エンジン
4つ目の中途採用手法は、求人検索エンジンです。
これは、ネット上に数多く存在する求人情報を総合的に検索できるシステムです。
もっともよく使われているIndeedを想定すると、仕組みがわかりやすいでしょう。
求人検索エンジンに引っかかるための特別な手続きは必要なく、求人媒体や自社ホームページに求人を出しておくことで、自動でクローリングされます。
応募数を増やすためには、課金する仕組みもあります。
ただし、かなり多くの求人と一緒に表示されるため、埋もれる可能性が高い点はデメリットです。
逆求人サービス
5つ目の中途採用手法は、ダイレクトリクルーティングサービスです。
これは求職者が自分の経歴や強み、自己PRなどを登録し、企業側がオファーをかけるという仕組みです。
これまで求人といえば企業が情報を出して、求職者が応募するという流れが一般的でしたが、反対に企業側が求職者にアプローチすることから、逆求人という名前で呼ばれています。
これまでの主な採用手法では、自社に合わないまたはスキルなどが見合わない人材が応募し、無駄な選考が発生して工数がかかるということがありましたが、そういった手間を一切省くことができます。
また、自社を知らない人材にこちらから働きかけて知ってもらうことも可能です。
ただし、募集に見合った人材を探さなくてはならず、場合によっては非常に時間がかかることもあります。
人材派遣
6つ目の中途採用手法は、人材派遣です。
派遣会社が登録者に案件を紹介し、お互いの合意が取れれば働き始めるという流れです。
人材紹介会社と混同されることもありますが、大きな違いは「労働者がどこと雇用契約を結ぶか」です。
人材紹介会社は採用した企業が直接採用雇用しますが、人材派遣の場合、労働者は派遣会社と契約し、派遣料金をもらいます。
そのため、企業側は派遣された人材が自社に合わないと感じた場合、別の人材に変えてもらうことが可能です。
直接雇用すると解雇することが難しいですが、1か月単位の契約もできるため、リスクを抑えられます。
しかし、すぐに離れることができるのは労働者も同じで、社風や待遇が合わないと感じれば、継続を拒否するケースもあります。
自社サイト・採用サイト
7つ目の中途採用手法は、自社のサイトに人材募集を掲載したり、採用サイトを構築したりすることです。
採用サイトは新卒採用向けに作ることが多いですが、その中に中途採用の情報を掲載している企業もあります。
自社サイトに載せる分には、コストがかかりません。また、求人サイトなどと違いいつでも自由に内容を変更できます。
ただし、求職者に見つけてもらうまでに時間がかかり、広く認知をされにくい点がデメリットです。
ソーシャルリクルーティング
8つ目の中途採用手法は、ソーシャルリクルーティングです。
これはSNSを活用した採用のことで、特に若手~中堅の採用に活用できます。
FacebookやYouTubeなどはもちろん、LinkedInなどビジネス向けのSNS利用も有効です。
SNSは拡散力や発信力が高いため、候補者の目に届きやすいメリットがあります。
また、SNSを通じて自社の雰囲気をわかってもらえたり、求職者の投稿を見て人となりを理解できたりといった点も魅力です。
一方で、不適切な発言や対応が炎上を引き起こすケースもありますので注意が必要です。
リファラル採用
9つ目の中途採用手法は、リファラル採用です。
リファラルとは「推薦」という意味があり、社員の友人を紹介してもらうというやり方を指しています。
もともとアメリカでは取り入れられてきた手法ですが、最近ではベンチャー企業を中心に日本でも広まっています。
リファラル採用は求人サイトなどを利用しなくてよいため、コストを抑えられます。
また、紹介者から自社のイメージや仕事内容を説明してもらうことで、自社に対してよりポジティブな印象をもってもらえるでしょう。
ただし、「いい人がいれば紹介してもらう」というやり方のため、すぐに新しい人材が必要な状況では不向きです。
転職イベント
10番目の中途採用手法は、転職イベントです。
人材会社などが主催する転職イベントは、複数の企業が出展し、1日もしくは数日かけて開かれます。地方より、首都圏や都市部で多く開催されます。
大きなイベントでは参加人数も多く、1日で50人以上と面談できることも。
「エンジニアの転職」「女性の転職」などテーマ性があるものに出展すれば、求めた人材にアクセスしやすいこともメリットです。
しかしかなり高額のコストがかかり、出展料だけで200万円を超えることもあります。
それに加え、会場の設営やガイドブックへの広告、人件費などがかかり、中規模ブースへの出展で500万円を超えることも珍しくありません。
求人チラシ
11番目の中途採用手法は、求人チラシです。
求人誌やフリーペーパーに広告を出し、特定の地域の人にアプローチします。
地元で働きたい方に届きやすく、読者層がターゲットに合っていると多くの応募を見込めます。
しかし拡散力などはWebに劣るため、より広い層を狙う場合には不向きです。
中途採用手法の中で人材紹介がおすすめの理由
今回11種類の採用手法をご紹介しましたが、中でも特におすすめなのが人材紹介です。
そこで人材紹介を利用した採用について、そのメリットを重点的に解説します。
ミスマッチを防ぎやすい
人材紹介の担当者は、なるべく多くのマッチングを成功させるため、「誰にどの企業を紹介したらよいか」を検討します。
一般募集した場合、求職者は「なんとなく合いそう」くらいの考えで応募することがあります。その点、人材紹介を利用した場合は、そういった曖昧な動機の求職者との選考を避けて効率的なマッチングが期待できるでしょう。
ミスマッチを事前に防ぐことで、早期退職の防止にもつながるでしょう。
必要な工数が少ない
中途の採用は工数が多く、母集団形成から実際に雇用するまで、いくつものタスクがあります。
そのため人事部の社員の負担は大きく、他の業務に影響を与えるケースも。
しかし人材紹介を利用すれば、どんな条件でどんな人材が欲しいか、どんな待遇を用意しているかといったことを話すだけで、あとは担当者が対応してくれます。
担当者から自社の情報を伝えてもらえる
人材紹介の担当者から、求職者に対して自社の様々な情報を伝えてもらうことができます。
求人サイトなどでは文字だけでしか伝えられませんが、担当者を通して細かいニュアンスも共有することで、求職者も「ここなら合いそう」「自分の探している雰囲気とは違うかもしれない」と適切な判断をすることができるでしょう。
スピード感をもった採用ができる
求人サイトや自社サイトに求人広告を出したからといって、すぐに人材が集まるわけではありません。
場合によっては何カ月も音沙汰がないこともあり、これではコストが発生するだけです。
人材紹介を利用すると、担当者が責任もって候補者を立て、もしその人が合わなければ別の候補者を紹介してくれます。
初期費用がかからない
転職イベントへの出展や求人広告の掲載には、採用有無に関わらずコストが発生します。
一方で人材紹介は入社が確定してから報酬を払うため、初期投資がかかりません。
良い人材が集まるかわからないのにお金をかけられないという場合でも、心配なく利用できます。
非公開募集ができる
経営陣の募集や新プロジェクトのための募集など、競合他社に採用していることを知られたくないこともあります。
求人サイトなどは登録すれば誰でも閲覧できるため秘匿性がありませんが、人材紹介なら非公開で募集することが可能です。
まとめ
今回は、中途の採用手法について解説しました。
そもそもどのような方法があるかを理解した上で、「自社にとって適切なものはどれか」を考えることで、よりフィットする方法を選ぶことができます。
どれがよいかわからない、採用のプロに相談したい場合は、ぜひ一度弊社までご相談ください。
◆中途の採用手法11選 |
この記事の監修者:
1999年青山学院大学経済学部卒業。株式会社リクルートエイブリック(現リクルート)に入社。 連続MVP受賞などトップセールスとして活躍後、2009年に人材採用支援会社、株式会社アールナインを設立。 これまでに2,000社を超える経営者・採用担当者の相談や、5,000人を超える就職・転職の相談実績を持つ。